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    かけはし2011.1.31号

雇用破壊許さぬ社会的闘争へ

日航不当解雇撤回裁判原告を励ます会
こんな不当な仕打ちには屈しない
原告146人の決意に熱いエール


企業・再生機構
政府包囲の闘い
 一月一九日、日本航空から大晦日に指名解雇された運行乗務員七四人、客室乗務員七二人は、計一四六人の原告団(手続き的には二つの原告団、本紙既報時点より拡大)を結成し、解雇撤回・現職復帰を求めて東京地裁に提訴した。前日までの団交において、労使交渉だけではもはや解決不能であることを最終的に確認した上での踏み出しだという。
 労働者の屈服を当て込み、思い通りのリストラを「大過なく」進めたいという日航経営、企業再生支援機構の虫の良い期待は、最初のところであっけなく崩された。稲盛会長は「断腸の思い」などと語ったと報じられている(朝日、一月二〇日)。この提訴については、提訴後の原告団記者会見を含めて新聞を含むメディアでもそれなりに伝えられ、闘いは、文字通り社会的闘争として闘われる新しい段階に入った。今後は、今日の雇用状況の中での新たな雇用破壊に立ち向かう全社会的闘争という客観的な性格をも意識的に突き出しつつ、日航経営、企業再生支援機構、さらにその背後に控える大銀行、財界、そして政府を社会的に包囲しその広がりと厚みに支えられた集中力で締め上げる闘いが、決定的な鍵となる。
 まさにその第一弾として、同日夕刻早速、「日航の不当解雇撤回裁判原告を励ます会」が昨年一二月二七日に正式発足した「日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議」主催の下に開かれた。会場は科学技術館サイエンスホール。多くの人にはなじみがなく、集まりやすいとはとても言えない会場だったが、集会にはさまざまな労働組合、婦人団体を始め幅広い分野から三〇〇人が結集、原告団に熱いエールを送ると共に、自らの闘いとして共同の運動を展開し、この不当解雇を撤回させ原告を職場に戻すことを確認し合った。

解雇撤回させ
再建の歩みを
 集会ではまず大黒作治全労連議長が主催者を代表して、財界の横暴とそれに屈服する政権をあらためさせるため、国民的世論で包囲し、大資本の社会的責任を問う組織の枠を超えた共同の闘いを作り上げよう、とあいさつ。さらに、場合によっては長期の闘いになることも視野に入れ、それにふさわしい支援体制をつくることも訴えられた。
 次いで、航空労組連絡会の近村一也議長が経過報告。解雇対象者を最初から狙い撃ちした退職強要をふくめ今回の整理解雇の強引、不当さが明らかにされると共に、今に至っても日航破綻の真の原因が公表されていないこと、労使関係への不介入を口実に政府がまったく動かないこと、「今になっても安全第一、利益二の次と言う者がいる」などとの稲盛会長発言を含め航空ネットワークの引き継ぎという再建の中心課題がねじ曲げられていることが指摘され、安全な会社を再建する意志を曲げず闘うとの決意が表明された。
 弁護団からは、裁判のポイントが説明された。この中では、会社の狙いが破綻した会社では「筋肉質の会社」にすることが最優先という一点のごり押しにあること、したがってそれに対する闘いが実質的対決点となることが指摘され、社会的な闘いが決定的に重要だと強調された。
 支援団体からは、全国港湾労働組合連合、自由法曹団、婦人団体連合会の代表があいさつに立ち、各々、「誰が解雇対象者か分かりながらもスト権を立てて闘っているいるCCUを闘いの手本として包み込み、規制緩和、民営化に立ち向かい権利を譲らない闘いとして自ら引き受けて闘おう」、「一緒にできることを中心に幅広い運動で世論を変えよう」、「年齢を理由とした今回の整理解雇は定年まで働ける権利確立のため先頭で闘ってきた女性たちを排除するものであり、女性労働者全体にかけられた攻撃、安全・安心を求める利用者の立場も加えて、女性の声を全国に広げたい」など、自らの闘いとして運動を広げることを訴えた。
 これらのエールを受け最後に原告団全員が登壇。まずCCUの内田妙子さんが客室乗務員原告団長として決意表明。日航を敗訴させた監視ファイル裁判に続いてまた原告第一号となったと会場の笑いを誘いながら、現職復帰まで闘うと力強く発言。続いて最年長と紹介された客室乗務員の桑原佳子さんが「賃金カットに耐えながら、これまでの経験を後輩に伝承するために残り、再建を見届けるつもりだった。チームワークを断ち切る今回のような整理解雇は再建の足かせにしかならない。解雇を撤回させきちんとした再建につなげたい」と、まさにベテラン乗務員らしい沈着かつ歯切れの良い語り口で決意を語った。最後にパイロットの山口宏弥運行乗務員原告団長が読み上げた原告団声明(別掲資料参照)が満場の拍手で確認され、続く団結ガンバローで集会は終了した。

反失業の新しい
闘いに踏み込む
 メディアでは就職氷河期などと喧伝され、高校生、大学生の卒業予定者就職内定率が史上最低と報じられている。大量の若者が卒業と同時に失業者にされようとしている。雇用責任に背を向けた大資本にその大きな要因があることは明らかだ。
 そしてこの状況を前にしながら、政府が大株主である日本郵政は、あろうことか自らの経営判断のミスが招いた赤字急増を理由に、新規採用を凍結するなどと公表した。そして今回の日航の、破綻の真の原因に頬被りし安直に労働者を切り捨てることで収益を確保しようとする、極めて不当杜撰な整理解雇も、政府出資の企業再生支援機構の下で強行されている。ひたすら利益を求める新たな雇用破壊の波が、政府黙認の下につくられようとしていると言ってよい状況がわれわれの前にある。このような雇用破壊を進行させるわけにはいかない。まして先のような政府の姿勢を許すわけにはいかない。
 まさにその点で、大資本、政府に敢然と立ち向かう日航の整理解雇撤回の闘いは、今浮上している新たな雇用破壊に対決しそれを押し戻す社会的な闘いの具体的な結集点としても浮上している。この闘いをそのような闘いとしても共に押し上げよう。共同の力によるその勝利ををてこに、新たな雇用破壊を跳ね返そう。
         (神谷)
声明
JAL不当解雇撤回裁判原告団
日本航空不当解雇撤回
裁判提訴にあたって


 本日、私たち146名(パイロット74名、客室乗務員72名)は、去る12月31日に日本航空が強行した165名の整理解雇は違法・不当であるとして、東京地裁に提訴しました。
私たちはこの裁判で第一に、今回の整理解雇が、これまで多くの労働者の闘いによって築き上げられてきた「整理解雇4要件」(@高度な必要性A回避努力義務B人選基準の合理性C労使協議手続き)を根底から覆す無謀・非道なものであり、断じて許されない行為であることを明らかにしていきます。
第二に、日本航空再建で国民から求められているものを明確にします。現在進められている再建計画では「安全性」と「公共性」が後回しにされ、金融機関等のための利益確保が最優先で進められています。日本航空に働く者が安心して働ける職場環境の実現は、安全運航の基盤であり再建の要です。公共交通機関としての役割を果たす真の日本航空の再建を求めていきます。
第三に、日本航空が経営破綻に至った「原因と責任」を明らかにします。これまでの歪(ゆが)んだ航空行政の責任を免罪したまま、現在政府の主導で「会社更生法」下での再建が進められています。また同時に、長年に亘(わた)る日本航空の放漫経営ぶりを明らかにし、原因が労働者には一切ないことを論証していきます。労働者犠牲の再建は誤りであり、国民が期待する再建に逆行するものです。
また、今回の整理解雇の特徴は、人員削減だけを目的としたものではないことです。希望退職から整理解雇に至る経過を検証すると、職場の要求実現に向けて先頭に立って活動してきた労働組合役員を排除する意図が明瞭となっています。日本航空経営はこれまでの数々の違法行為を繰り返し、そのたびに裁判所や労働委員会から断罪されてきました。経営は「過去と決別して新生JAL」を標榜(ひょうぼう)していますが、違法・不当な労務政策こそ決別すべきものです。
今回の解雇事件に対しては、航空界だけでなく全国の労働団体や女性団体などの市民団体、また法曹界などからも熱い支援の声が寄せられ、その組織人数は350万人を超えています。これに加え、国際運輸労連(ITF)や国際パイロット協会(IFALPA)からの支援も集まっています。また、国際労働機関(ILO)の調査も始まりました。
私たちは今回の裁判が、労働者の権利を守る闘いであり、同時に日本航空が公共交通機関として、「安全と公共性」を基本とした利用者に信頼される再建をめざす闘いでもあると考えています。
私たちは法廷内だけでなく、法廷外においても「不当解雇撤回・原職復帰」を目指して全力で闘う決意です。多くの皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げます。
2011 年1月19 日  JAL不当解雇撤回裁判 原告団


 

日雇全協反失業総決起集会
佐藤さん、山岡さんを追悼し
差別・排除に抗する団結を


 一月一六日、日雇全協の総決起集会が行われ、全国で年末年始の越年闘争を闘い抜いた労働者や支援者が山谷の玉姫公園に結集した。
 国粋会金町一家に殺された佐藤さん、山岡さんに黙祷を捧げ、集会が始まった。
 はじめに集会に寄せられたアピールの紹介。米軍・自衛隊参加の総合防災訓練に反対する荒川・墨田・山谷&足立実行委員会、破防法・組対法に反対する共同行動、ATTAC japan(首都圏)、APFS労組の各団体からメッセージが寄せられた。
 続いて連帯発言、昨年一二月に佐藤さん、山岡さんの作り上げた映画「山谷 やられたら やりかえせ」の上映会を行ったフリーター全般労組、争議団連絡会議・教育者労組、寿越冬実、寿の越年で労働相談を行った神奈川県央共闘、野宿者の人権を守る会(名古屋)、山谷越冬実、三多摩野宿者人権ネットワーク、昨年まで越年闘争の拠点としてきた宮下公園がナイキ化計画による封鎖という事態の中での越年を闘い抜いた渋谷・のじれんの各団体が発言。
 さらに日雇全協各支部の発言が行われた。釜日労の仲間は「九〇年代からの反失業闘争によって高齢者を中心とした仕事や緊急雇用を勝ち取ってきたが、仕事が圧倒的に少ない。輪番に登録している労働者が千七百何十人いるが、仕事がない中で生活保護に移行した仲間がたくさんいる。今、週に一回か二回仕事が回っている。さらに公的就労、社会的な労働をきちんと出させていく、反失業闘争を押し進めていく」と決意表明。
 笹日労の仲間は「昨年中村区役所泊まり込み闘争など社会的な闘いの包囲網を作っていく中で生活保護はとりやすくなってきたが、しかし無料低額宿泊所と称する生活保護の人間からピンハネしてぼったくり、劣悪な住居に押し込め、刑務所のような管理支配、暴力支配でもって労働者を虐待する貧困ビジネスが問題となっている。行政は悪徳業者と結託し無料低額宿泊所からアパートへの転居をなかなか認めない。そういうことを暴いて糾弾していかなければならない。」と提起、さらに名古屋・河村市長や大阪・橋本知事などの排外主義的な動きに対する注意を喚起した。
 寿日労の仲間は、「仕事がない中で多くの仲間が路上に出て行かざるを得なくなっている。そんな中で去年の横浜APECで野宿の仲間が寝場所を奪われ、追い出された」「神奈川は大阪や東京と違って一切特別就労は出さないと断言している。一〜二年で解決するとは思わないが、ここら辺を課題として、今日集まった仲間とともにがんばっていかなきゃならないと思っています」と発言。
 最後に山谷争議団の仲間は「今、各地の越冬報告を受けて、生活保護を受けていようが、路上にいようが、飯場にいようが、仲間のために飯を炊き、夜回りをする。そういう生き方を各地で指し示している姿を誇りに思う」「建設業や土木産業が、あるいは派遣法によって製造業が、われわれを使い捨て切り捨てている、そういう中で、一八〇〇万といわれる日雇、非正規の仲間など多くの仲間と結びつくような団結を作っていかなければならない。一緒に討論し、新たな一歩を踏み出す準備をしていこう」と発言。シュプレヒコールをあげ、山谷を一周するデモを行った。
         (板)



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