民営化押し戻して公共サービス守れ
十月二十七日、郵政産業労働組合(郵産労)と郵政労働者ユニオンは、「郵政改革法案の臨時国会での成立をめざす10・27国会行動」を行った。
さる通常国会で鳩山前政権は「郵政改革関連法案」を提出し、衆院段階では強行採決によって可決されたが、鳩山辞任の衝撃もあり参院では実質的審議は行われず国会の閉会とともに廃案となってしまった。郵産労と郵政ユニオンは金融・通信ユニバーサルサービス確保、三事業(郵便・郵貯・保険)一体経営と一社体制、新たな公共事業形態を内容とする郵政改革をめざすとともに、郵政会社全体の労働者の約半数にのぼる二十一万人以上の非正規雇用労働者の正社員化を求めて、政府案の修正・成立のために闘ってきた。
しかし、七月参院選挙で与党が大敗し「与野党ねじれ」現象が生じる中で、両労組は政府案が、まがりなりにも三事業のユニバーサルサービス確保をうたい、これまでの五社体制から三社体制へ再編して経営の一体性を保障し、かつ「労働環境の整備」をうたって非正規社員の希望者を正規雇用に登用する道を開いた前進面を評価して、臨時国会での成立を求める立場を明確にした。
臨時国会で「みんなの党」が、郵政民営化促進法案を提出する方針を打ち出すなど、「郵政改革法案」は与野党間の重要対立法案となっており、十月十三日に政府案は提出されたが審議入りのメドは立っていない。小泉民営化路線の中心であった郵政民営化を押し戻し、公共サービスを守り、公正な労働環境を作る方向へ踏み出すのか否かが問われている。
非正規の正規化を実現しよう!
この日、十二時十五分から国会前で始まった集会には郵産労、郵政ユニオンの労働者を中心に百人が結集した。基調報告を行った郵産労の広岡委員長は、政府案の一定の積極面を評価して逆行を許さず成立を求めるとともに、金融部門(郵貯、保険)のユニバーサルサービスが銀行法、保険法の下では国や郵政会社の「三分の一」超の持ち株で保障されるかおぼつかないことを指摘し、その限界を克服する運動が必要だと訴えた。続いて発言した郵政ユニオンの松岡委員長は、非正規社員の正社員化を積極的に評価しつつ、参院段階で可決・成立のためには与党も社民党や共産党の意見を聞いて、「政争の具」にするのではなくしっかりとした判断を行うことが重要だ、と述べた。
連帯のあいさつを行った全労連の根本副議長は、国会開会以来法案の実質的審議が行われない状況に危機感を表明し、「派遣法の改正に全力をあげ、利便性を守り、雇用と生活を守り、非正規の正規化を実現する郵政改革という観点から闘おう」と述べた。全労協の金澤議長、国公労連の宮脇委員長に続いて発言した全国一般全国協の遠藤一郎さんは「派遣労働法改正と郵政民営化を見直す郵政改革法案の成立は、新自由主義的民営化一本やりの小泉構造改革路線からの転換を勝ち取る象徴的課題」と強調し、「やるやると言いながら何もやらない菅政権を厳しく批判しよう」とアピールした。
集会にかけつけた日本共産党の山下よしき参院議員は「非正規雇用労働者の正規登用試験で六割が不合格となった。ふるい落とすのではなく希望者については正規に登用すべき」との国会質問に対し自見郵政担当相が「認識は同じだ。不合格者への研修も行って正規登用への機会を作りたい」と答弁したことを紹介した。
国会に向けて「郵政改革法案の成立を」「非正規の正規化を勝ち取るぞ」のシュプレヒコールを行って前半の国会前行動を終了。
午後二時からは、衆院第二議員会館で五十人が参加して院内集会。「郵政改革法案の臨時国会での成立」を訴える郵産労・郵政ユニオンの共同声明(別掲)を確認し、この日の行動を終えた。 (K)
郵政改革関連法案の臨時国会
での成立をめざす共同声明
郵政民営・分社化が強行され3年が経過した。この間の民営・分社化の中で郵政サービスは大きく後退し、国民・利用者の利便性も著しく低下している。また、「かんぽの宿」問題に見られる民営利権の問題も明るみになっている。さらに、西川前社長が強引に進めたゆうパックとペリカン便の事業統合は、大混乱をもたらし事業の信頼失墜をもたらしている。郵政民営・分社化を早急に見直し、国民・利用者へのサービスと利便性を向上させる「郵政改革」が求められている。
政府は、先の国会に「郵政改革関連法案」(以下、政府案)を提出したが国会の閉会とともに廃案となっている。私たち両労組は、これまで金融・通信ユニバーサルサービスの確保、3事業一体経営、1社体制、公的事業形態を内容とした郵政改革をめざしてきた。その立場から政府案については、これを批判し、修正を求めてきた。しかし、7月11日の参議院選をへて国会情勢は大きく変化をした。参議院段階では、野党が多数となり政府案の法案通過は困難な情勢となっている。こういう厳しい情勢の中、国民新党と社民党は7月22日「合意書」を取り交わし、政府案の成立をきすことを確認している。一方、「みんなの党」は、郵政民営化促進法案を提出する構えも見せており秋の国会は郵政民営・分社化の見直しか郵政民営化の促進かはげしい対立が避けられない情勢となっている。
政府は、今臨時国会で再び同内容の政府案を10月13日国会に提出した。政府案については、国や新日本郵政が、郵便、貯金、保険の基本業務についてあまねく全国で公平な利用を確保することを郵政改革の目的に組み入れ、郵政3事業を郵便局で一体的に利用できるようにするとともに将来にわたり郵便局ネットワークを維持することを明らかにしている。また、これまでの5社分割から3社体制へ再編し、国の新日本郵政持ち株が3分の1超、新日本郵政の金融2社の持ち株が3分の1超と規定し、一体性を確保するとしている。さらに、労働環境の整備が盛り込まれ、非正規雇用や処遇改善へ踏み出そうとしている。このように、政府が臨時国会で成立を期す「郵政改革法案」は、現行の「郵政民営化法」に比較すれば国民・利用者・労働者にとって一歩前進といえる。
現状のままでは、政府案の成立も危ぶまれる情勢となっている。万一、この臨時国会を逃せば、郵政民営・分社化の見直しは更に遠のくこととなり、当然、私たちが要求しその実現に全力をあげている郵政非正規雇用の見直しと正社員化にも多大な影響を与えることとなる。政府案を否決させず今国会で可決・成立させることが必要だと判断する。
しかし、政府が提出した「郵政改革法案」が一歩前進であるとしても、株の出資比率や金融のユニバーサルサービス確保など、修正すべき点もある。したがって、政府案のもつ問題点や課題についてはしっかりと指摘しその修正をめざすことは当然である。
今回の政府案を第一歩とし、公共サービスのあり方と事業形態を検証し、さらに「郵政改革」を国民・利用者本位のものとし、あるべき「郵政改革」に近づけていくことが必要である。
私たち両労組は、今後一層共同を強め、今臨時国会で「郵政改革関連法案」の成立をめざすことを明らかにし声明とする。
2010年10月27日
郵政産業労働組合 中央執行委員長 廣岡元穂
郵政労働者ユニオン 中央執行委員長 松岡幹雄
今年もにぎわう団結まつり
JRなどすべての雇用実現
戦争と貧困のない社会を!
十月二十四日午前十時から午後三時まで、江東区の亀戸中央公園で「政府の責任でJRをはじめとする全ての雇用実現を! つくりだそう 戦争と貧困のない社会を! 10・24団結まつり」がまつり実行委員会の主催で開かれた。国鉄闘争団をはじめ多くのテントが張られ、北海道のカニやホタテなど、たくさんの食べ物や飲み物が提供され、大勢の人でにぎわった。静岡からは毎年もバスをしたてて、お茶やミカン,自然薯を持って全国の闘う仲間との交流を行っていた。
二瓶久勝さん(国鉄闘争共闘会議議長)が開会のあいさつを行った。
「国鉄一〇四七名解雇問題は、六月二十八日に一括和解が成立した。二十三年間の闘いによって一定の成果を勝ちとった。金銭的には解決したが雇用問題は残っている。JR各社を希望する百八十三人と関連部門などへの希望者を合わせた三百三十四人全員の雇用を政府の責任で実現させよう」。
佐久間誠さん(鉄建公団訴訟原告団事務局長)が「金銭和解が成立し、大きな闘いの山場を越えた。残された雇用問題に勝って若い仲間がJRに復帰し、働く姿を見届けたい。最後の決戦としてのぞみたい」と決意を語った。
パナソニックPDP偽装請負と闘う吉岡力さんは「昨年十二月十八日の最高裁判決の逆転判決によって、偽装請負を認めてしまった。私の働いていた職場で、十月末に四百五十人の解雇攻撃が起きている。不当な解雇をやめろと闘っている。パナソニックの別会社での裁判で『会社は間違っている。正社員に留まってほしい』とパナソニックの社員が証言した。こうした動きがあるので、偽装派遣や違法派遣との闘いは必ず突破できると確信している」と力強く語った。
中央舞台では引き続き、戦争と貧困のない社会を作り出す闘いの交流、「偽装請負」と闘う仲間たち、コトパンジャン・ダム住民被害訴訟支援、アイヌの歌と踊り、韓国JT精密労組の闘い、争議団アピールなどたくさんの課題で闘う仲間たちが報告を行った。(M)
原発とめよう!東京ネットワーク
やめろ核燃!やめろ!上関
「原子力の日」に集会とパレード
今こそ断ち切ろう
核燃料サイクル
十月二十三日、東京都渋谷区の千駄ヶ谷区民会館で原発とめよう!東京ネットワークの主催で「やめろ!核燃、やめろ!上関」`反原子力の日aの集会とパレードが行われ、約六十人の市民が参加した。
集会の前半は、核燃サイクル一万人訴訟原告団事務局長の山田清彦さんが「今こそ断ち切ろう!破綻した核燃料サイクル」と題して、六ケ所再処理工場と青森県内の核関連施設の近況報告と質疑が行なわれた。日本原燃はこの九月、再処理工場の稼動開始時期を今年十月から二〇一二年十月へと二年延期するとの発表を行なった。この延期の主たる理由はガラス固化体製造試験での事故・トラブルで、この試験は約二年間ストップしている。
山田さんは「〇六年の最終試験開始以来、皆さんの支払っている電力料金の中から、毎年三千億円近いお金が使用済み燃料の再処理委託費用として日本原燃の収入になっている。試験が止まっていた〇九年度も同様」と、核燃料サイクルの推進政策がつくってきた制度に対する批判を行なった。
上関原発とめて
生物多様性守れ
後半は、首都圏で脱原発運動を進めてきた市民らが呼びかけ、昨年末から活動を続ける「上関原発どうするの?〜瀬戸内の自然を守るために〜」を代表して、ふぇみん婦人民主クラブの山口泰子さんが立地から現在の課題や法廷闘争などの経過報告を行なった。また、原子力資料情報室の澤井正子さんが名古屋のCOP10/MOP5会場でのキャンペーンの報告を行なった。
上関原発建設をめぐっては、「豊かな生物相と高い生産力に恵まれた瀬戸内海。その豊かさがほとんどの場所で失われた今も、周防灘の上関の周辺には、驚くほど多様な生物が残っています」と、生物学研究者の三学会(日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会)は、もっと慎重な環境アセスメントを求める要望書を提出している。
集会後、東京電力渋谷支店の前を通り「福島原発でのプルサーマルをやめろ!」などシュプレヒコールをあげながら、渋谷の繁華街でのパレードを行なった。福島第一原発3号機でのプルサーマルを中止し、核燃料サイクル政策からの撤退を! これ以上瀬戸内海を埋め立てるな! (S)
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