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成田空港 A滑走路内で炎上・死亡            かけはし2009.4.6号

フェデックス機の着陸失敗事故

安全無視・営利至上主義の帰結


回避可能だった
ウインド・シア

 米貨物航空会社フェデックス80便MD11型機は、三月二十三日午前六時五十分ごろ、成田空港A滑走路の中央付近で着陸に失敗、炎上し、乗員二人が死亡した。成田空港の航空機事故で死者が出たのは初めてだ。事故の影響で成田空港のA滑走路が終日閉鎖された。午後十一時までとしている空港運用時間を発着便の遅延のために二十四日午前三時まで延長した。A滑走路の運用は二十四日午前九時十分再開した。
 今回の大事故は、以下のような事実をみれば明らかなように成田空港会社と米フェデラル・エクスプレス(フェデックス)の営利至上主義による人災である。
 当日の気象状況は晴れていたが、空港周辺の風速が平均十三・九メートル、最大瞬間風速は二十・一メートルの突風が発生していた。成田空港の場合、春と夏の悪天候の時に独特な気象現象が現れる。気流が乱れやすく、風向きや風速が急激に変わるウインド・シアだ。すでに成田航空地方気象台は、ウインド・シア現象の発生を空港会社に通報していた。
 また、事故発生前にA滑走路に着陸した航空機七機のパイロットからウインド・シアの発生を管制官に報告していた。B滑走路でも事故前に着陸した三機のパイロットから報告がされていた。管制官は、当然、地上の気象用ドップラーレーダー装置によって管制塔の表示装置にリアルタイムでウインドシア状況について表示されていたはずだ。
 このように事前に気象実況やパイロットレポートによれば充分危険な天候状態だったのであり、管制官は着陸許可を出す必要はなかった。着陸準備に入っている飛行機のパイロットに天候が好天するまで他空港に向かわせ指示を出すことも可能だった。すでに二月二十日、米ノースウエスト航空の旅客機が千葉県・銚子沖上空で乱気流に巻き込まれて四十三人が負傷した事故が発生しており、悪天候の場合の慎重な飛行判断が求められていたはずだ。
 しかし管制官は、成田空港会社の過密運航方針をこなさなければならないため、フェデックス機に着陸ゴーサインを出さざるをえなかったのである。結果として同機は、滑走路南側から着陸を行い、後輪で滑走路に接地後、強風であおられ機体の揚力が急変化し、操縦不能となり、ポーポイズ現象(イルカが海面を跳ねるように機体がバウンドする)に突入。二度目のバウンドで前輪タイヤが外れ、バランスを崩して左に傾き、主翼を地面に擦りながら横転し、炎上した。
 国交省は「ウインドシアは予測できない。警戒のための情報は出すが、着陸するか決めるのは機長」などと述べ、責任回避に必死だ。空港会社の森中社長にいたっては、事故によって滑走路舗装や灯火修理などに約二億円、欠航便によって約一億円の損失を公表し、「事故原因がはっきりした段階でフェデックスに請求することも含めて対応したい」とどう喝し、自らの事故発生原因の関与について棚上げだ。

人員削減・下請
け化と労働強化

 第二の問題は、フェデックス社の安全・人命軽視の方針である。航空業界では、事故機のMD11型機は「欠陥機」だと認定されていた。同機の事故は、過去十二年間で重大事故が六件も起きていたのだ。
 一九九七年七月、米ニュージャージー州のニューアーク国際空港で、フェデックス社の貨物機が着陸に失敗して横転、炎上する同様の事故が起きている。九九年八月、中華航空の同型機が香港国際空港に着陸しようとしたが、台風による強風によってひっくり返り爆発炎上し、死者三人、二百人以上が負傷した。
 フェデックス社は、これだけの重大事故を繰り返していながら安全コストを削減する方針を修正することもせず、営利至上主義に貫かれた人員削減、修理・点検などの下請け化を強めていった。とりわけウインド・シアによる事故阻止のために万全な予防装備が必要だったにもかかわらず事故機は、ウインド・シアを離着陸時などの低高度で約一分前に予測できる警報装置を装備していなかった。なんとウインド・シアに遭遇した時に検知する旧タイプの警報装置だった。遭遇してから事故回避する操縦を行うことがほとんど不可能であることを総括していなかったのである。
 予測可能な警報装置だったならばウインド・シア回避を即断し、ゴー・アラウンド(着陸復行)することも可能だった。フェデックス社の安全・人命軽視の責任は重大であり、明らかに犯罪行為を繰り返したのである。長時間・過密労働を強制させられているパイロットにとって、この装置があれば即断でゴー・アラウンドへ移行できたはずだ。パイロット個人の操縦ミスなどと事故原因を押しつけることを許してはならない。
 事故調査について国交省は、米国家運輸安全委員会(NTSB)と協力して行っていくことを決めた。しかし、過去の航空機事故でもそうであったように事故調査委員会は、航空資本・業界、空港会社防衛の観点からパイロットの判断・操縦ミスに矮小化し、根本原因を覆い隠そうとする役割を忠実に果たしてきた。今回も同様に立ち振る舞うことが予想できる。これ以上の安全・人命軽視を繰り返す犯罪を阻止し、厳しく監視していかなければならない。

東峰住民追い出
しを許さない

 成田空港会社は、二月の運用状況を明らかにした。国際線の日本人旅客は前年同月比六%減。旅客数は二九%減と大幅な減少。旅客全体としては同一二%減。発着回数は同六%減、貨物量は同三四%減、給油量は同一四%減。世界的金融危機と同時不況なども影響して、いずれも「減」のオンパレードだ。さらに空港会社の株式上場についても森中社長が「二〇〇九年度の上場は株式市場の低迷から見て、難しいのではないか」と述べざるをえないほど直撃している。二〇一〇年三月以降、暫定滑走路北伸工事終了から供用後、二十二万回から三十万回などと発着回数の拡大をコマーシャルしてきたが、「減」の現実を直視し、撤回することが必要だ。そして、今回の事故発生によって過密運航の危険性を認識し、離発着回数を大幅に減らしていくことが求められているにもかかわらず全く無視だ。この態度は、再犯を居直り的に強行突破していくことの現れだ。
 「航空ビッグバン」と称して、これまで以上に過密運航、安全・環境・人権破壊、空港公害を拡大させていこうとしている。ただちに過密運航を前提とした航空政策を中止せよ!東峰住民追い出しをやめよ!4・12東峰現地行動と一坪共有地調査行動に参加し、空港会社の犯罪を糾弾していこう!(遠山裕樹)
b4・12三里塚・東峰現地行動へ
b日時 4月12日(日)/午後1時30分結集(京成東成田駅に12:40〜12:50に迎えの車が待機)/場所 東峰共同出荷場(集会後、開拓道路コース・デモ)/デモ後、3時頃から横堀地区・木の根地区の一坪共有地調査活動/主催 三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会




声明
石川静岡県知事の辞職表明にあたって
空港はいらない静岡県民の会


 ずさんな工事強行でゴリ押し的に静岡空港開港を推進してきた石川・静岡県知事は、測量ミスを言い逃れ続けたあげく三度目の開港延期に追い込まれ、ついに辞職を表明した。「空港はいらない静岡県民の会」は石川知事の責任を徹底的に追及していく立場から声明を発表した。(編集部)

 三月二十五日、静岡県知事石川嘉延は辞職を表明した。静岡空港建設に反対してきた私たちは、この表明を、以下のような経緯を踏まえ改めて廃港に向けて運動の前進を契機とするものである。
 (1)そもそも県民は空港を必要としていなかった。にもかかわらず巨額の税金を投入し、住民に大きな犠牲を強いる計画を推進したのは、ひとえに財・政・官複合体であった。バブル経済全盛期の一九八六年に計画の出発点として設立された「静岡県民間空港開設研究会」にゼネコン数社が参加していたことはこの空港の性格を雄弁に物語る。そして、96%超の工事落札率の高さや、工事を受注した西松建設による知事後援会パーティ券の購入等の事実がそれを裏付ける。
 (2)空港反対が多数を占める県民世論調査を無視し、建設の賛否を問う住民投票条例案を葬り去った知事は、お手盛り審議機関から建設のお墨付きを得、需要予測を幾度となく下方修正しながら最終的に国内線一〇六万人を決定した。しかしその数字は、就航会社が決まった時点で、予測の約四割しか見込めないという現実によってこの上ない虚構性が露わになった。地元会社の小型機、海外便、チャーター便の参入があるにしても、搭乗率保証などの就航支援と着陸料の大幅な減免によって大赤字のさらなる拡大は確実であり、その穴埋めはすべて県民の肩にのしかかってくるのである。
 (3)この空港が県民多数に歓迎されないがゆえに、知事は用地の強引な収用を急いだ。性急でずさんな手法は、測量ミスによって支障となる物件を見落とし、一方で収用するべきでない土地まで収用するという重大な過失を犯した。しかも、その過ちを長期にわたってひた隠し、事顕れるや言い訳を二転三転させ、ついに三度目の開港延期に追い込まれた。その国交省に対する延期許可申請において、自らの責任には一切触れず、すべて地権者の協力拒否が原因であると責任転嫁したことは、延期を直ちに許可した国交省とともにその官僚的無責任ここに極まったと言わざるをえない。
 (4)この三月十八日、県監査委員は開港延期問題について異例の行政監査の結果を発表した。その中で、「地滑り防止工事」と偽って地権者との協議を求めたこと、交渉の記録の不明なこと等々を指摘した。知事はこれを真摯に受け止めようとしなかったにもかかわらず、日をおかずして辞職を表明するに至ったのは、追いつめられてついに県民の意思を無視できなくなったことの帰結にほかならない。
 (5)暫定とはいえ開港を許した空港反対運動の立場から言えば、この辞職は知事に一矢を報いたということができる。しかし、石川知事在任十六年間に、多くのハコモノ建設を推進し、県財政を極度に窮乏させ、ために県民福祉や自然環境を犠牲にした強権的な悪政・失政の責任追及の手をいささかもゆるめることはできない。根本的から県政を立ち直すたたかいが必要とされているのである。
   2009年3月27日

〈連絡先〉静岡市葵区鷹匠2-12-10 空港はいらない静岡県民の会 電話・FAX 054-653-2791




地域の仲間と共に闘った!
郵政ユニオンが郡山南
支店で春闘ストライキ


 【福島】三月十九日、郵政労働者ユニオンのストライキが全国で闘われた。午前八時半、郡山支店、郡山西支店での朝ビラを終えた組合員と支援者を含め郡山南支店前に結集し、一時間にわたるスト突入集会が行われた。
 集会では、郵政ユニオン須藤中執がスト突入に至る経過報告が行ない、支援に駆けつけた全自交吾妻分会、郵政ユニオン栃木支部、ふくしま連帯ユニオン、福島県教組、ふくしま連帯ユニオン女性グループの仲間、パナソニック裁判原告佐藤昌子さん、蛇石郁子郡山市議、東北全労協坪井議長が次々とマイクを握って連帯を表明した。そして、スト参加者である福田郡山支部長が決意を表明、さらに他のスト拠点や国会議員からの連帯メッセージが紹介された。最後に「団結がんばろう」を突き上げ、九時三十分、争議行為終了を口頭で通知し、福田支部長を職場に拍手で送り出し行動を終えた。
 「非正規21万の均等待遇を!スト決行中」と大書された看板を掲げてのスト集会は沿道からの注目を浴び、翌日の地元紙にも報道された。一方この闘いに対し、会社側は仙台支社などから十数人を動員して監視、また、郡山支店ではJP労組が一カ月前の「春闘要求書提出!」のチラシまきを行っていた。 (N)

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