| 木の根一坪共有地調査&加瀬勉さんのお話 かけはし2009.2.2号 |
一月十一日、三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会の呼びかけで「木の根ペンション一坪共有地調査活動&加瀬勉さんのお話」が行われた。この日の反対同盟の旗開き終了後、参加者は、横堀大鉄塔のの中段に上がり、成田空港全景・横堀の一坪共有地を視認チェック。続いて、木の根ペンションに移動し、プール、ペンション周辺の共有地の調査を行った。
その後、ペンション二階で「一坪共有地堅持 農民追い出しを許さない」をテーマに加瀬勉さんの報告が行われた(報告要旨・別掲)。
山崎宏さんから大地共有委員会の取り組み、空港会社の一坪共有地売却要請手紙の配布状況、共有者からの問い合わせなどについて報告した。
さらに、「一回目のニュースレター(08・8・24)は、全国の仲間たちの協力によって新名簿にもとづいて配布することができた。しかし、返却、届いていない共有者の存在も明らかになった。すべての仲間たちに配布し、共有地堅持を訴えていくためにニュースレターの手渡しや新住所の申請に協力していただきたい」と要請した。
二人の報告後、質疑応答に入り、とりわけ相続問題について論議が行われた。
大地共有委員会の「一坪共有者の権利移転の手続について」を再確認した。(Y)
b「一坪共有者の権利移転の手続について」(大地共有委員会)から
ケース〈1〉の場合│「一坪共有者本人が死亡しているが、一坪共有者でもある子どもが「相続」する意向があるが、どのようにしたらいいか」
ケース〈2〉の場合│「自分が『死亡した場合』を想定して、事前に反対の意志がある者への「相続」は可能か」
回答 共有者の権利は、「反対する意志」が第一条件です。一般的な「財産」としての「相続」という概念には当たりません。
ただ、「反対の意志」がある近親者、友人、知人への移転については共有者の意志を尊重したいと思いますので、その際には大地共有委員会にご連絡ください。具体的手続については大地共有委員会よりお知らせします。
b「三里塚大地共有契約書」より
「二、受贈者は、土地の権利は取得するが、転売、贈与、担保の設定等、権利の移転及び共有地の分割は一切しない。
但し、死亡の際は、受贈者の意志をひきつぐ一人に相続するか、反対同盟の指定する者に共有持分を移転する。
三、受贈者は、当該土地の利用及び使用については、反対同盟と相談し、共有者同志の意志を十分いかして活用する。」
加瀬勉さんの報告から
日本人民の共有財産を
守るのは階級的義務だ
この土地を売ら
ないという思想
木の根ペンションに来る前に横堀団結小屋に立ち寄ってきた。小屋の土地は私の名義になっているが、反対同盟のものだ。横堀団結小屋の土地はよく管理していただきたい。
ペンションの共有地は、小川明治さんと小川源さんの遺言の土地だ。二人は生涯をかけたわけだ。私との約束を守って死んでいった。その土地を遺言として引き継いだ。だからそれを守る義務がある。道義的にも思想的にも自分の生き方としてもだ。同時に、これは日本人民の土地なんだ。日本人民の共有の財産だ。これを守りきるかどうかは、われわれの階級闘争の運命に関わることである。
これを売り飛ばして左うちわのやつは、日本の革命はできっこない。三里塚の土地を売って、他のところで頑張りましょう、頑張りましょうというのは信用できませんよ。
共有化運動は、どのように進めるか議論し、反対同盟が中心になって大衆運動として始めることになった。
ところが一つは共有化運動を妨害する中核派のゲバルトがあった。その過程を闘い抜いたが、今度は共有化を進める運動主体の共闘部分が弱体化していった。片方から内ゲバをかけられ、他方では運動体が弱体化した。それが今日的状況まできてしまった。
だからこそかなり政治的に、この土地を所有し決意を固めてもらいたい。反対同盟の遺産であるし、日本の階級闘争の拠点として人民の土地であるからいかなる場合でも、この土地を売らないという思想を貫いてほしい。
資本主義の危機
と私たちの課題
組織論、運動論について提起したい。
第一段階としては、一坪共有化全国連絡会みたいなものを作り、大衆運動を展開していくことだ。空港の中に土地を持ち、大衆運動が重なることによって物質的基盤が強化される。各地区で十人でも、二十人でもいいから、支部みたいなのを作って、たえず三里塚の情報を伝え、顔をあわせて、お互いに頑張ろうと交流を継続していくことが大事だ。
登記簿にしたがって、名簿を整理し、葉書・手紙を発送し、情報交換を行うことだ。
そのうえで年に最低三回は、三里塚現地に来て草を抜き綺麗にすることが必要だ。土地の管理をちゃんとやることだ。つまり、作業をしながら魂を入れていく。横堀と木の根については、たえずそこから目を離さないことだ。
今後の課題について提起したい。
第一は、これだけ時間がかかってくると相続問題がぬきさしならない。相続問題が発生する場合は、事前に反対同盟に返してもらうことも含めて了解をとっておかないとだめだ。
第二は、日本の食糧自給体制が崩れている状況の中で畑、農地の大切さをもう一回問い直さないとだめだ。あらためて食の安全と大切さを考えてみると、人類の解放にとって「大砲かバターか」のテーゼは続いている。
第三は、軍事再編、空港再編など新しくできている問題を、もう少し掘り下げて三里塚とどんな関係があるか議論していくことだ。
資本は、大量の労働者に対して首切りをおこない大失業状況になっている。三里塚と同じことをやっている。労働の現場の中で、三里塚の暴挙を訴えつつ、同時に食の大切さと安全についてどうするのかを論議していくことは重要だ。
第四は、世界で一番水を使っているのが日本だ。タマゴ一つを生産するのに、牛の一キロの肉を作るのにその計算をすると、世界で一番、水を消費しているのが日本だ。
さらに、地球の裏側からまぐろを買ってきたり、大豆を買ってきたり、いろんな穀物を買ってきている。何万トンの船が往き来している。膨大に地球を暖かくしているのだ。だから食料輸入問題とエネルギー問題について同時に考えなければならない。
こういった問題を整理しながら三里塚との関わりをもつようにしていただきたい。ぜひいい方法をみつけてほしい。(文責・編集部)
外国人使い捨てはやめろ!
日系ブラジル人が銀座デモ
雇用・住宅・教育の権利を
一月十八日、東京新橋の交通ビルで集会実行委員会による「SOSコミュニティ東京集会―自立に向けて『雇用』と『教育』のチャンスを」が日系ブラジル人など三百五十人を結集して開催された。協力団体は「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」と「生活と権利のための外国人労働者実行委員会」
派遣切りなど急激な雇用悪化が三十二万人の日系ブラジル人を直撃している中で、参加者の多くは全統一労組や神奈川シティーユニオンのブラジル人組合員であった。また、多くの家族も参加した。
集会ではまず、ラモス瑠偉さん(元Jリーグ監督)の日本人の支援を求めるビデオが上映された。被解雇者は「外国人が真っ先に解雇されている」「子どもを学校に行かせられない」と、大阪や名古屋で救援活動を担っているメンバーから、雇用確保、住宅確保、かつての「出稼ぎ」から移住、定住への現状と教育をうける権利にも言及する発言が続いた。
集会後、全統一の鳥井書記長の行動提起でブラジル国旗を振りながら銀座デモを展開した。非正規労働者の雇用、生活要求は外国人労働者との連携した闘いとして展開されねばならない。 (H)
コラム
銭湯物語
拙稿シリーズが回を重ねるごとに、銭湯の廃業が進んでいく。わが家では週末に夫婦で出かける。苦しい家計のなかの、ささやかなぜいたくである。
銭湯の激減は、何をもたらすか。地域の人々が一極集中するということである。これは何を意味するか。内風呂のない幼なじみや、さまざまな知人に、思いがけず再会するということなのである。
私が幼い頃、母親に連れられ通った風呂屋は、今や地域ではもっとも人気のある近代的な施設に衣替えした。適度な温度のたっぷりの湯。薬湯の岩風呂やラドン風呂、サウナもついている。脱衣場には必ず演歌が流れている。
幼稚園から中学まで一緒だった同級生は、勤めた先々での配転や過酷な労働に耐えられず、転職を繰り返した。今は大手カメラメーカーのサービスセンター・修理窓口に勤めている。「君も写真をやるから、ぴったりの仕事じゃないか」と喜ぶと、「いやー、よく壊れて持ち込まれるよ」と笑う。このメーカーの欠陥製品の多さを裏づける、現場からの貴重な証言である。
過度の近視と各種の眼病を抱える私は、メガネを外すと数十センチ先も見えない。湯船にひょっこりと現れた仲間に、疲労で欠席した集会の話を持ち出した。すると「いやー、実はAさんに急きょ登山に誘われてね、この連休で行ってきたんだ」と告白。Aさんは運動圏の有名な論客。「遠く」が「近く」なる話題であり、「つながり」を実感する瞬間である。地元議員の後援者にも会う。私を見つけると次回のイベントへのお誘いがかかる。公衆浴場はまさに社交場。情報源でもあるが、疲れを癒す場所で新たな課題を増やすようで、思いは複雑だ。
寡占化は、利用者間の面識を急速に広げている。数回通えば顔なじみ。番台の夫婦は、町ですれ違うとあいさつしてくる。
「温度がちょうどよかったね」――帰る直前、カウンターに声をかけた。いつも愛想のいいのは夫人のほうだが、この日は親父が口を開いた。「都が燃料を都市ガスにしろとうるさくてね。重油のほうが燃費効率がいいんだ。慎太郎はケチなんだよ」と不満を漏らす。大人四五〇円。決して安くはないが、経営もまた厳しい。銭湯の利用拡大をねらい、行政は無料入浴券を提供するが、役所まで身分証明とともに申請が必要なのだ。足腰が弱って歩行が困難な高齢者に、月に数回分。「そんなものいらないよ」――わずらわしい手続きを嫌う母親は無視。遠ければ入浴の回数も減る。
月額二万円にも満たない基礎年金から引かれる保険料。定額給付金をめぐっては首相麻生と野党が、ピント外れのこづき合いで時間を浪費した。高齢者の生活実態を知らない者の、愚策である。銭湯は消えても、私の怒りが消えることはない。(隆)
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