| 航空自衛隊習志野基地
かけはし2007.9.17号 |
習志野基地行動実行委が申し入れ行動
パトリオットミサイルはいらない!
集団的自衛権行使を許さない |
【千葉】防衛省が、三月三十日航空自衛隊入間基地(埼玉県)に配備した空自の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を使った首都防衛体制の構築に向け、実際に運用するための実地調査を九月にも都内で実施することが二十九日、分かった(8月30日共同電)。
この秋には航空自衛隊習志野基地へPAC3が配備される。この報を受け、九月一日「パトリオットミサイルはいらない! 習志野基地行動実行委員会」のよびかけで、市民四十人が集まり陸上自衛隊習志野駐屯地・習志野第一空挺団(船橋市)において、PAC3配備中止の要請行動を行った。
小雨の降るな
かで宣伝行動
それに先立つ午前中は、小雨の降るなか宣伝行動を行い、チラシ五百枚をまききった。宣伝行動では湯浅和子千葉市議(民主党)と中村ようこ習志野市議が、要請行動では浦田秀夫船橋市議(新社)と吉川ひろし千葉県議が訴えを行った。
「有識者会議」
の危険な論議
本紙九月三日号の平井論文でもふれているが、集団的自衛権に関する個別事例を研究する「有識者会議」は「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」において、「弾道ミサイルの警戒監視を行っている米国のイージス艦が攻撃されそうになった場合、放っておいてもよいのか、同盟国としてどういうことが相応しいのか」(6月11日第2回会合)といった非常に危険な議論を、改憲派のみで行っている(首相官邸HPに議事録がある)。
八月三十日には、第五回会合を首相官邸で開き、国連平和維持活動(PKO)などを行う他国軍に対する自衛隊の後方支援の在り方について議論し、会合では、輸送、補給などの後方支援が「武力行使との一体化」の懸念から制約されている現状について、「一体化論は国際的に通用しない」として、一定の歯止めを設けた上で支援拡大を容認すべきだとする意見で大筋一致したそうである。
違憲の米軍と
の統合が前提だ
PAC3の配備は、米軍との統合運用が前提となっており、あきらかに集団的自衛権の行使であり、憲法九条違反である。さらに配備後に想定されるミサイル発射訓練は、市民生活に支障を及ぼしかねない。
この文章を書いていると、防衛省が晴海ふ頭公園や、明治公園、代々木公園をPAC3配備の候補地として東京都知事石原に承認を得る旨のニュースが入ってきた(9月1日付ジャパンタイムズ)。元陸上自衛隊イラク先遣隊長で現参院議員佐藤正久の「巻き込まれ発言」にしても事態は確実にミサイル防衛体制と自衛隊の参戦化へと進行している。先だって行われた参院選の結果を見て、反乱だ世界革命だとはしゃいでいる場合ではない。横須賀基地の原子力空母配備反対運動や岩国、沖縄と連帯し闘おう。テロ特措法延長反対のうねりを作り出そう。(沢中)
申し入れ書
市民生活をおびやかす
ミサイル防衛の見直しを
航空自衛隊習志野基地第一高射隊長 原田一樹殿
防衛大臣 高村正彦殿
内閣総理大臣 安倍晋三殿
航空自衛隊習志野基地へのパトリオット・ミサイル3(PAC―3)配備を中止してください。
三月三十日に配備された入間に続き、今秋この習志野基地にもパトリオット・ミサイル=PAC―3が配備されるとのことです。
私たちは、日本国憲法の平和主義の理念に基づき、習志野基地へのPAC―3配備そしてミサイル防衛そのものに強く反対します。
ミサイル防衛は、もともと核先制攻撃を可能にするために開発されたものです。核非保有国である日本にとって、それは米国の核先制攻撃に加担することになります。事実、ミサイル迎撃の具体的なプロセスは米軍との統合運用が前提となっており、このことは集団的自衛権の行使を禁じている日本国憲法第九条違反であることは明白です。また、日本及び韓国でのアメリカ主導のミサイル防衛の整備は、東アジア全域の軍事バランスを著しくゆがめるものであり、宇宙空間も含めた軍拡競争を引き起こすものです。全世界市民の平和的生存権を謳い、その実現のための寄与を宣言した日本国憲法前文の理念を破壊するものです。
ミサイル防衛は未完成の技術です。これまでの迎撃実験での命中率は低く、また仮に命中してもNBC兵器の破片は広範囲に落下することは明らかにです。県及び市の「国民保護計画」に記載された「屋内退避」で対処できる事態ではありません。航空自衛隊側にはこうした事態への対応についての明確な説明が一切ありません。
軍事施設は第一の攻撃目標となります。PAC―3が配備された習志野基地周辺へのテロ攻撃の危険性は著しく高まることは必至です。そしてテロ対策の名目で常時監視体制が敷かれることにより市民生活が圧迫されます。また、PAC―3は移動して展開することがシステムの基本です。そのため訓練も含めた移動展開に伴う住民の退避、道路の規制、発射時の物理的衝撃など、これも市民生活への影響が甚大です。
現在PAC―3ミサイル一発が三〜四億円とされ、来年度からのライセンス生産ではその倍額と予想されています。ミサイル防衛整備の当初予算一兆円、今後の技術開発などでその数倍の税金が投入されると予測されます。このような税金のむだ遣いを主権者として看過するわけにはいきません。
これまでもミサイル防衛にかかわる情報は十分に公開されてきませんでした。八月十日締結された「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」により、ますます周辺自治体、住民への情報が制限され秘密裏に軍事力強化が進められることが予想されます。
日本国憲法の精神を破壊し、日本及びアジアの安全保障のありかたを軍事優先に大きく進めていくミサイル防衛は、私たちの市民生活をもさまざまに圧迫します。私たちは平和を愛し、同じく平和を愛する世界の市民とともに、軍事力によらない恒久の世界平和を心から希求します。
習志野基地へのPAC―3配備を中止し、日本のミサイル防衛整備の見直しを強く求めます。
2007年9月1日
パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会 呼びかけ・賛同人一同
九条の会・千葉地方議員ネットが憲法集会
辛淑玉さんが講演「人権弾圧に歯止めを」
【千葉】九月二日、九条の会・千葉地方議員ネット主催による憲法集会が開かれた。会場の千葉県教育会館には、会場埋め尽くす三百人が参加した。
昨年五月には、小田実さんと小森陽一さんが講演したのに続き、この日は、辛淑玉(しんすご)さんが最近出版した著書と同じ題名の「悪あがきのすすめ」というタイトルで講演を行った。
最近、米国から帰国し、特に日本の状況が悪くなったと述べた辛さんは、「ちまたの事件、さらに安倍改造内閣の問題にも触れ、民主党にこのまま政権移譲しても憲法の改悪の流れは変わらないだろうし、さらにどの政権が権力を取っても暴走する可能性がある。それに歯止めをかけていくことが、私たちの役割である」と語った。
「また、インターネットなどで叩かれている対象者やその叩いている人々を分析すると、女性、在日を含む外国人、公務員(正規労働者)、多少金を持っている者、高齢者やハンディキャップを持っている者、性的少数者、沖縄、アイヌという少数民族、学歴といった範疇が対象になり、日本国籍を持ち、高学歴の男性で、しかも低所得者層がそれを叩く構造にある」。
差別と排除の
論理が働く
「かつて、小泉はこうした層のフラストレーションをターゲットにして圧倒的支持を得た。これは、『敵』を造り、大衆のリンチを引き出すやり方とつながっている。例えば、林真須美被告の家への落書きから始まり、両親が住む家が放火された。朝青龍のマスコミバッシングなど、差別と排除の論理がそこには働いている」。
「労働厚生大臣柳沢の『女性は子どもを産む機械』という発言は、そうした発言をした国が世界に二つ存在した。旧日本陸軍とナチスドイツ。この二カ国の優性思想や全体主義の思想にそうした考えがあったし、実際女性に強制もした。一度も性にたいして痛い思いをしてこなかった男の論理でもある」。
人権が守られな
い状況が進む
「私の、憲法を守るという心情は、日本のなかで進んでいるこれまで話してきた人権自身が守られない事件、立川テント村、二十四歳の若者のトイレに『反戦』と書いたことに対する器物破損といったかつて見られなかった弾圧が始まっているからだ。また在日に対してもこれまでにない弾圧が行われている」。
「これまで在日は、日本国憲法下で、教育、年金、基本的人権すら享受できなかったし、こうした状況下では、在日は、これまで以上に薄い人権状況になる、このことに歯止めをかけたい」。
最後に主催者の千葉県会議員が「さらなる憲法改悪阻止の機運を盛り上げていくこと」を会場のみなさんに訴え、閉会した。 (浜)
映画紹介 マイケル・ムーア監督:2007年アメリカ映画
Sicko(シッコ)
今、病院で医療費を支払えない人が急増しているのを知っていますか? その医療費を支払えない人の大半が市町村に支払う国民健康保険料を滞納していることも知っていますか? 二〇〇四年六月一日時点の調査で国保料滞納世帯が四百六十一万(18・9%)、被保険者資格証明書交付世帯が三十万、有効期限付きの短期被保険者証交付世帯が百五万。被保険者資格証明書……ご存じですか。これは小泉純一郎が厚生大臣(当時)在任中に始めた制度で、滞納者が保険証を取り上げられ、かわりに証明書を交付されるのですが、これを交付されると医療費を全額自費で支払い、後で払い戻しの手続きをしなければいけません。保険料を支払えない人が、どうして医療費を全額自費で支払えるのでしょうか? こういった日本医療の不条理の一例を意識しつつ、八月二十五日に封切られたばかりの、奇才マイケル・ムーア監督が描く最新作を観てきました。監督はこれまで「華氏9・11」や、「ボーリング・フォー・コロンバイン」などアメリカの実相に鋭く切り込むドキュメンタリーを撮ってきましたが、今回は少しおもむきが違い、アメリカの医療体制について告発しています。
アメリカは日本と違い、公的健康保険制度がなく、すべて保険会社との契約です。会社が契約している場合もありますが、持病があり保険で治療を受けているために、八十歳近くになっても仕事を辞められない人がいます。医療保険に入っていない人が実に五千万人も存在します。そういった人々は持っているお金の枠内でしか医療を受けられません。作業で指を二本落とした人が、どの指を接合手術するか選択を迫られます。保険に入っていても安心できません。
保険会社に既往症の申告漏れや書類の不備で契約破棄や支払い拒否が横行。アメリカでは、受診時に既往症を調べることは、患者のためではなく保険会社のためなのです。こういった実例を、カナダやイギリス、フランス、キューバの取材を通して、誰でも平等にケアされる安心の医療とは何か、考えさせられる映画です。衝撃的なのは病院が治療費を支払えない患者を、貧民救済施設の前に棄てる場面です。
冒頭にあげたように、日本でも患者自己負担(保険料を含む)の増大(さっきあげた国々はすべて医療費無料!)により、支払いに窮する人が後を絶ちません。政府は病院経営への株式会社参入も特区で始めている。アメリカの現実は日本の未来像なのか?「やるべき医療を(患者の財布を気にせず)やるのみ」と言ったイギリスの医師の言葉が印象に残ります。サッチャーでさえ手をつけなかった医療費無料をなぜ日本で実現できないのか。
「私ではなく、私たちを大切にする」医療を。これまで私たちが掲げてきた「いつでもどこでも誰でも安心してかかれる医療を」の実現は、「国民医療」という枠を突破してあらゆる病んだ人への「医療費完全無料」がその第一歩となるのではないでしょうか。
(医療労働者・K)
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