| 東京地裁の不当判決を糾弾して かけはし2002.5.13号より |
東京地裁のデタラメな不当判決
三月二十七日、東京地裁で郵政四・二八裁判について「原告からの請求を棄却する」不当判決が言い渡された。
処分から二十三年、人事院「公平」審査の不当判定を経ての裁判提訴から十六年という長きにわたった裁判闘争だったが、判決文は第一に郵政当局の主張する闘争時の原告らの「非違行為」の認定にその大部分が費やされ、原告らが主張する基本的争点である「マル生差別=国家による不当労働行為」について全く触れていないお粗末なものである。
第二に、この闘争が全逓労組の機関決定に基づく全国闘争であるにもかかわらず(当時の石井全逓委員長が裁判で証言)、「その指導行為を現認できなかった」としている。
第三に、「闘いの単純参加行為のみを理由に懲戒免職処分に付された前例はない」との原告主張に対して、「仮にそうであっても、そのことから直ちに、組合役職者でない者のした争議行為の程度、態様の反社会性、反規範性が強い場合に他の事情と相まって懲戒免職処分に付することが許されないとはいえない」という。裁判史上初めて問われた判断の結論がこのていたらくである。
第四に、恣意的な現認行為による不公平な処分であるとする原告側主張についても、「処分の均衡を欠くと主張する原告らの心情も理解できなくはない」としながらも、「結果として原告らと同等ないしそれ以上の程度、態様で怠業を行った者の怠業行為が現認されなかったとしても、またやむを得ないというほかはない」と述べ、不公平性を認める一方で、処分は妥当でしかも「裁量の範囲」であるとした居直りに終始した判決だった。
この不当判決後、弁護士会館で「判決報告会」が六十人の参加者で開催され、被免職者と仲間たちが控訴する決意と控訴審に向けた取り組みと運動のより一層の広がりを目指して闘っていくことが確認された。
処分撤回へ全1日行動を闘いぬく
郵政四・二八を共に闘う全国ネットワーク(以下四・二八ネット)はこの不当判決を受けて四月二十六日、全一日行動として、各局情宣行動とともに赤羽局・八王子局での抗議集会を皮切りに総務省への抗議行動、全逓本部への謝罪要求と交渉申し入れ行動を行った後、文京区民センターで「四・二八ネット第十一回総会」が開催された。
総会ではこの一年間の活動経過報告、総括とともに今後の闘いについての方針が提起され、@すべての被免職者の職場復帰A裁判闘争B反失業、国鉄闘争Cネットワークの確立D民営化との対決などの取り組みが承認された。
4・28反処分23周年総決起集会
引き続き、この日の全一日行動の締めくくりとして「四・二八反処分二十三周年総決起集会」が開かれた。
四・二八ネットの代表幹事である吉岡徳次さん(全港湾元委員長・総評元副議長)から、「労働運動が後退している今日、政府・与党は『有事法』体制の強権的確立に向けた反動化をすすめている。しかし、労働運動は大手ではズッコケているが、中小労組では果敢に闘っており、闘争が多く見られる。郵政においても秋田大曲局の須藤さんが裁判で勝利したように、反処分闘争の闘いと合わせてこの反動化とどう闘うのかが課題となってくるだろう」との開会のあいさつがあった。
郵政OBの吉野信次さんと大塚正立さんからはそれぞれ「不当判決がでたが、控訴審を闘っていく上で郵政内のネットにとどまらず地域・市民とのさらなるネットの拡大が求められている。松戸市議になってから三年半経過したが、市長選ができるかどうか難しいが取り組んでいきたい」「私は一九四三年に赤羽局に入り戦後、労組(支部)を結成した。郵政全協発行の『伝送便』誌に「郵政労働運動私史」を連載しているところだが、今日の労働運動の後退の中で目に余るのはかつて指導していた人たちがゴルフ、カラオケ三昧というていたらくだ。皆さんの闘いと四・二八反処分の闘いの発展とともに日本労働運動の再生を目指して闘ってほしい」との力強い連帯と激励のあいさつがあった。
続いて、郵政公社化を一年後に控え、八五年に民営化されたJT(全たばこ労組)の仲間から、民営化で労働者の労働条件・賃金・配転そして労組機関の運営などについてどう変化したのかを参加者との質疑も交え、講演していただいた。
池田さんと名古屋さんが決意表明
さらに「郵政労働者の人権を考える会」の山田勇さん、「赤羽郵便局『池田さん、斉藤さん』と共に闘う会」からの連帯のあいさつの後、創刊二十五周年を迎えた『労働情報』江藤正修編集長は「四・二八判決を傍聴したが、裁判長が判決の前に『十六年のも長い裁判になったことは裁判所としても反省している』と述べたのに驚いた。しかし、結局敗訴となった。七七年大阪で開かれた資本主義と対決する労働運動討論集会で『労働情報』の発刊を確認し創刊されてから二十六年、この間の日本労働運動の後退局面の中で、連合が惰性で展開してきた賃金闘争の挫折をも含めて戦後運動は本当に終わったとみるべきだ。しかし、この局面の中で新しい労働運動のうねりとでも言えるような質の闘いがあちこちで出てきている。新たな想いで今後の運動を組み直していかなければならない」と述べ、労働運動の今後のあり方と闘いの方向性についての指摘と『労働情報』の果たす役割を述べた。
集会の最後に、四・二八被免職者の池田実さんは「全国の仲間に支えられてここまでやってこれた。三・二七判決後、気持ちを新たにしている。全逓本部は四・二八を『整理した』と言っているが、公社化の下での四・二八の闘いを労使ともに恐れている。継続は力だけでなく戦線の拡大に向けて全力で歩んでいきたい」と決意表明した。
続いて、名古屋哲一さんは「今後何年続くか分からないが、皆さんの支援の下でやっていきたい。判決ではマル生について一言も触れてはいなかった。処分の不公平性に関しても裁判所は原告ら以上に闘っている者もいると予測できるとまで述べているにもかかわらず、だけど処分者の裁量の範囲内であると無茶苦茶だ。『だが』『だけど』を削れば勝利となる非論理的なひどい判決だ。今後ともご支援よろしくお願いします」と闘いの決意を述べ、全一日行動の最後を締めくくった。 (中村哲也)
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