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郵政労働者ユニオン、ATTACが国会前座り込み     かけはし2005.6.13号

郵政民営化法案を廃案へ

労働者の首を切り公共サービスを破壊する民営化を阻止しよう

国会議員要請行動にも取り組む
世界のどこでも郵便事業民営化は大失敗している

 政府与党は審議期間を短くして、郵政民営化法案を無理矢理通すために、郵政特別委員会の設置を野党の反対を押し切って強行した。それに対して、民主・社民党は一切の国会審議に応じることを拒否した。しかし、このままで与党の一方的な審議を許せば、与党の思うつぼだ。六月二日から、民主・社民党も審議に参加することになり、国会論戦が本格化することになった。
 こうした状況を受けて、郵政ユニオンとATTAC首都圏が参加する郵政民営化監視市民ネットなどは国会議員にむけたロビー活動を続けてきたが、いよいよ全国の仲間の結集による国会活動を六月二日〜三日に行うことを決めた。
 六月二日、小雨のぱらつく中、午前十一時から午後二時まで、国会前(衆議院第二議員会館前)の座り込みを行った。郵政労働者ユニオンや4・28被解雇者の池田実さん、ATTACなどが参加した。
 郵政ユニオンの仲間は「郵政の民営化は郵便局を減らし、労働者を首切り、公共サービスを奪うものだ。郵貯・保険の三百五十兆円を市場に投げ出し、証券市場でカジノのようにバクチに投資されてしまう。こんな民営化を阻止しよう」と訴えた。
 ATTACジャパンの仲間は、「世界でも公共サービスの民営化を進められている。すべて失敗している。イギリスやニュージーランドでは、労働者や利用者の猛烈な反対の中で、いったん民営化されたものを公営に戻さざるをえなくなっている。フランスやオランダでEU憲法の批准が阻止されたが、これは公共サービスの破壊や女性や移民の権利を否定する動きに反対する運動の勝利であった」と報告し、フランスのSUD(連帯・統一・民主主義)労組からの連帯のメッセージを読み上げた。
 「フランスでは郵便局が減らされ、労働者が首切りされている。ボルドーの区分けセンターで、人員削減に抗議してストライキで局を封鎖した。そうしたら、当局は機動隊を動員して、組合員を誘拐と監禁の罪で逮捕した。われわれは断固してこうした弾圧を許さず闘っていく。日本の民営化阻止を闘う仲間に心からの連帯を送りたい」。
 郵政労働者ユニオンの国会要請団が長崎、広島、兵庫、浜松など全国から駆けつけ座り込みに合流、その後要請団は議員要請に入った。夜には郵政労働者ユニオンと郵政産業労働組合が共同の決起集会を開いた。

ピースサイクル
ともエール交換

 六月三日、郵政民営化に関する特別委員会が九時から開催され、小泉首相などが参加、自民党反対派の野田聖子元郵政相や野党各党などの質問が行われた。
 正午から三時まで前日に続き、郵政ユニオンなどは国会前の座り込み行動を行った。東海地本の池田さんは「静岡空港反対で、国会に何回かきた。静岡ATTACは民営化問題で学習会を予定している。地方で郵便局がなくなると、年金をもらっている年寄りが郵便局に行くことが困難になる。郵政民営化は老人を切り捨てるものだ」と批判した。4・28被解雇者の池田実さんは「国会の質疑の中で、元郵政大臣の野田聖子が『郵便局に行ったことがあるか』と質問したら、小泉首相は『最近は行ったことがない』と答弁した。まったく実情を知らないまま、民営化法案を出している。さらに、『郵政公社は黒字を出しているのになぜ民営化なのか』という質問に対して、竹中郵政民営化担当大臣は『今後十年たったら、経済がどうなっているかわからない。だから、いまこそ民営化が必要だ』と答えている。民営化の根拠がなにも出されていない、ひどい答弁だ」と批判した。
 ピースサイクルの十人が国会前に到着した。ピースサイクルは三月二十日に大分を立ち、福岡、広島、岐阜、愛知、千葉と回ってきた。八十のメッセージを広げて座り込みとエールの交換をした。
 郵政ユニオンの内田委員長、長崎、広島、千葉、東京の仲間が次々とアピールをした。国会議員への要請行動を行っていた郵産労の仲間が「六月十五日、共同の国会前の座り込みを成功させよう」と訴えた。ATTACジャパンの仲間も国際的な民営化反対の運動を紹介した。最後に、ユニオン本部書記長が「六月十四日から十六日まで、ふたたび全国結集して、国会前座り込みと六月十六日に院内集会を行う。最大の山場に、最大の力を集中しよう」と行動提起をし、団結がんばろうで締めくくった。(M)



郵政ユニオンと郵産労が決起集会

本気になって闘えば廃案に追い込める情勢だ

 六月二日、ラパスホールで「6・2民営化反対!郵政労働者総決起集会」が、郵政産業労働組合と郵政労働者ユニオンの主催で開かれ、百人が参加した。
 郵政ユニオンの内田正委員長が開会のあいさつをした。
 「二つの労働組合がいっしょに民営化反対の行動を起こしたことに大きな意義がある。民営化反対の声は大きくなっている。廃案に追い込むために本気になって闘おう。郵政民営化を阻止できれば、三位一体の構造改革に反対し小泉政権を葬ることができる。ともにがんばろう」。
 廣岡元穂さん(郵産労書記長)が「郵政民営化法案とたたかいの展望」と題して講演を行った(別掲)。続いて、山口啓さん(ユニオン東京貯金支部)が今年二月にブラジルで開かれた世界社会フォーラムで、郵政民営化について四十人の参加者にインタビューした内容を紹介した。

職場の闘いをい
っそう強めよう

 職場からの報告を六人の仲間が行った。
 練馬局(郵産労)――四つの郵便局がある。連絡会を作ってやってきた。春闘共闘の六百人の集会で三百筆、メーデーで一千筆の署名を集めた。十二〜十三人で街頭でも宣伝署名活動を行っている。
 越谷局(ユニオン)――八百人働いているが、半数がゆうメイトだ。トヨタ方式をまねたJPSが導入された。異常な労務管理が行われている。背面監視が続いている。JR西日本と同じだ。命令と服従を労働者に強いている。「言われたことはやれ」だ。トヨタは「富士スピードウェイ」を買収して、F1をやっている。F1ドライバーに集配作業をたとえて、作業能率をあげろという。「迅速・確実」が三年間のJPSの導入にもかかわらず、できていない。モデル局にするということで、二月以後ゆうメイトを増やして人員増になっている。トヨタ方式の以前に戻っている。しかし、ゆうメイトは定着せず、遅配や誤配も増えていて、うまくいっていない。
 昨年の五月三十日に、三十四歳の仲間が過労死した。この問題は国会でも取り上げられた。ようやく五月十八日に労災申請をした。一年かかってようやくここまでたどりついた。支援をお願いしたい。
 神奈川(郵産労)――考える会をつくって活動している。昨年十一月から、川崎や桜木町など駅頭情宣を行っている。県議会では三月に「慎重審議を」とする陳情が採決された。
 ゆうメイト(千葉)――職員との待遇の差がひどい。休憩室は三分の一だ。本務者に言っても、現場の声を全然聞いてくれない。民営化しようが公社のままであろうが、こうした状況を変えないとだめだ。職員とゆうメイトの両方ががんばらないとダメだ。
 郵産労東京地本――二〇〇三年から学習会をやり、〇四年に行動に出ることを決めた。光ケ丘団地に一万枚のビラ入れを行った。六十五人で山手線一周宣伝キャラバンを行った。署名は四万筆を超えた。
 賃金不払い訴訟で、違法・不適正な事実を認めさせ和解した木村さん――ゆうメイトから「よくやった。私がやるときはどうやるのか」と言われた。私の闘いが民営化反対の手がかりになればと思う。
 まとめの発言で郵産労委員長の山崎清さんが行動を提起した。
 「まったなしの山場を迎えている。郵政ユニオンは六月十四日から十六日まで国会前座り込みを行う。郵産労は四十七都道府県での運動とともに、六月十五日に国会前で座り込みを行う。郵政民営化をつぶせば、教育基本法改悪もつぶせるし、三位一体の小泉構造改革もつぶせる。国の姿形をかえる戦争への道も止められる」。
 最後に、団結ガンバロウを行って集会を終えた。(M)

廣岡元穂さんの講演から

郵政民営化の根拠は完全に破綻している


国会情勢はわれわ
れにとって有利だ

 政府は、昨年九月に郵政民営化の基本方針を決めて、六億円をかけて推進キャンペーンをしてきた。しかし、国民の中に浸透していないばかりか、自民党内にも反対の声が多い。四月二十七日に閣議決定。五月十日に特別委員会設置を強行した。これに対して、民主・社民が審議拒否をした。六月一日、理事会で民主党に本会議で質問させるべきだと野党は要求したが、これを政府は拒否し、今日の予算委員会で総括論議の中で発言させることで決着し、六月三日から委員会審議が始まる。六月十九日が会期末だ。その一週間前に延長するか決めなくてはならない。
 六月十七日に、野党は内閣不信任などあらゆる抵抗をして、法案を阻止するだろう。都議選までに、衆院を通過するかどうかに廃案にできるかがかかっている。自民党の中(84人)で、提出は認めるが中味は認めないという動きがある。郵政懇話会では、対立の法案を提出するとしている。
 こうした国会状況を見ると、@民営化法案を阻止できる状況にあるA民営化するという根拠そのものが破綻している。利便性の向上につながらない。最小限にしても二千七百四十億円も負担増になる。数十万人の労働者を解雇しては、経済の活性化につながらない。五百五十の自治体で、金融機関がなくなってしまう。そのために、一兆円をつぎこまなければならない――このように何ひとつ納得させるものがない。この法案をつぶすことが可能だ。

郵政民営化のね
らいはなにか

 @財政投融資制度を解体し、日本の金融システムをアメリカ型へ転換させるAバブルに踊った大銀行救済のために郵貯資金で、預金保険機構の欠損を穴埋めするB口座維持手数料などを中心とした事業展開がしたいC多国籍企業や大企業のための国家づくり。そのためには「規制」の緩和・撤廃及び「公共」分野の縮小、民営化が必要であり、郵政の民営化は小泉構造改革の「本丸」と位置づけている。

どのような目標を
掲げ、どう闘うか

 @金融・通信のユニバーサル・サービスの維持を前面にした運動A財政再建についての道筋をあきらにする――消費税の引き下げ、大幅賃上げ、医療・年金など社会保障の充実B諸外国では規制緩和・民営化から再び国営事業が復活している。ニュージーランドでは、キウイバンクの名前で郵貯が復活。ドイツでは、完全民営化を見送り、一九九九年ドイツポストがポストバンクを買収・再統合。フランスでは、昨年国営の保険事業をスタート。イギリスでは、一度やめた金融事業に再参入を決め、昨年から民間銀行と提携。アメリカは、「ユニバーサル維持は国営でしかできない」と、公社の経営形態を維持。
 第3種・4種郵便を存続させる会との共同のたたかい、署名、国会前座り込みなど多様に、全力をあげて闘う。(発言要旨、文責編集部)



【抗議声明】

郵政民営化法案の閣議決定、国会提出に断固抗議する

一.政府は、4月27日郵政民営化法案を閣議決定し国会へ提出した。全国都道府県議会や全国市町村議会決議、さらには各種世論調査結果にもあるように郵政民営化法案を今国会で通過させることに反対、ないしは慎重にという声が多数の市民・利用者の声である。しかし、それらの声は全く無視され、小泉首相の独裁者的手法によって強行的に進められた今回の閣議決定と国会提出に郵政労働者ユニオンは強く抗議する。

二.そもそも、郵政民営化を何のために行うのか全く不明である。当初政府は、「官の肥大化をふせぐため」という理由を掲げていたが現在では「郵政公社がジリ貧する」と180度違った議論を持ち上げてきている。これは、「先に民営化ありき」の結論があって理由をあとからこじつけているからこうなるのである。
  今回、閣議決定された法案内容を見ても、(1)郵便局の設置義務の明確化 (2)一体的経営の確保(3)郵貯・簡保のユニバーサルサービスの確保などを焦点にして修正が行われている。これでは、わざわざ何のために郵政公社を分割・民営化せねばならないのか全く民営化の根拠を失っている。

三.しかし、いくら修正が施されても見過ごすことができない点がある。(1)過疎地の一定数以外の郵便局は統廃合の対象であることが否定されていないこと、(2)「基金による赤字補填」構想は、いくら上積みされてもいわば、「焼け石に水」であり、リスク遮断どころかリスクの一体化システムとなっていること、(3)一体的経営の特効薬として出されている株の持ち合いも郵便新会社や窓口会社に株を買い戻す余裕はないこと、(4)完全民営化以降の貯金・保険の金融サービスの維持が維持される保証も無いことなどである。

四.このような郵政民営化法案が国会で成立すればだれでも、いつでも利用できる郵便局の利便性がそこなわれ、廉価で安心をともなった郵便サービスが解体の危機に至り、貯金や簡保といった公的な庶民の零細な貯蓄、決済、社会保障制度が解体されてしまう。巨大な民間金融機関の新たな誕生という最悪の結果をまねくことになる。

五.私たち、郵政労働者ユニオンはこれまでの郵政民営化反対運動を職場や全国各地で展開してきた。今後は、国会での法案審議という局面にはいるがさらに市民・利用者との結びつきを強め、法案廃案へ全力で闘い抜くものである。郵政民営化法案の国会提出に新ためて抗議するとともに郵政民営化を阻止するために郵政労働者ユニオンは組織の総力を挙げて取り組むことを明らかにする。
     05年4月27日
郵政労働者ユニオン中央本部
東京都千代田区岩本町3―5―1スドウビル 郵政共同センターTel:03-3862-3589  Fax:03-3865-2832
 e-mail : postunion@pop21.odn.ne.jp


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