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三里塚が突きつけた課題は続いている           かけはし2004.08.2号

世直しの闘いを次世代へ

『石井武の生涯』出版記念会


 全身で表現した闘いを次の世代に引き継ぐために

 七月二十二日、文京区民センターで『石井武の生涯』出版記念会が「『石井武の生涯』を刊行する会」の主催で行われ、六十人が参加した。
 三里塚反対同盟の石井武さんが昨年七月に亡くなった。十二月、三里塚闘争を担ってきた有志たちは、石井さんの生涯を本としてまとめ、次世代に伝えていこうということになった。そして、今年七月八日の一周忌に向け発刊を実現しようと、四月に発起人による呼びかけを発して、編集作業グループが立ち上げた。この集会は、「石井武の生涯」(内容別掲)の完成を記念するとともに、成田国際空港会社による追い出し攻撃と暫定滑走路による騒音公害、環境破壊に抗して暮らす東峰部落住民に連帯し、新たな闘いに向けたスタートとして行われた。
 記念会は、開催の前段として暫定滑走路供用後の東峰部落をビデオルポした「この大地に生きている」を上映後に始まった。司会は、相川陽一さん(編集委員)、高木久仁子さん(高木仁三郎市民科学基金)。
 大野和興さん(農業ジャーナリスト)は、『石井武の生涯』の出版に到る経過報告を行い、「石井武さんの生涯は、百姓の意地の生涯だった。この本は、その側面をうまく表現することができた。三里塚は、壮絶な世直しだ。その志を、次の時代にいかに引き継いでいくかということが唯一のテーマだ。石井武という強烈な個性を通して訴えたかった」と述べた。
 さらに現代社会に引きつけながら、「経済と軍事のグローバリゼーション下、小泉構造改革の一環として株式会社に土地を明けわたす農業特区が全国で進んでいる。だが、この流れに対して抗議して、トラクターデモ、行政闘争が始まっている。石井武さんに表現された闘いを引き継いでいきたい」と強調した。
 柳川秀夫さん(反対同盟)は、石井武さんとの交流の日々を思い出しながら、石井さんの遺志を引き継ぎ決意新たに闘っていくことを発言した(別掲)。
 続いて、上坂喜美さん(関西・三里塚相談会)からの発言後、石井紀子さん(家族)のあいさつが行われた(別掲)。
 最後に、山口幸夫さん(原子力資料情報室共同代表)が、故・高木仁三朗さんや岩山大鉄塔の闘いなどを振り返りながら、石井さんの闘いの姿を浮き彫りにしていった。会の後半は、記念パーティーが行われ、参加者たちから次々とアピールが続いた。  (Y)


柳川秀夫さんのあいさつ
生き様を胸に刻みながら


 反対同盟は、一九九〇年に入ったころから二期工事強制収用をいかに阻止するかに集中していった。政府との話し合いを通して、強制収用をしないと確約を取ることができた。これが、石井武さんが最後までこだわったことだった。結局、政府は事業認定を取り下げ、強制収用ができなくなった。力の衝突で人が死ぬことも想定していたが、そのようにならなくてよかった。だが、空港問題は依然として続いている。暫定滑走路が供用され、二千五百メートル化と北側延長をねらっている。私たちが三里塚にいるかぎり、空港滑走路に反対して闘い続ける。
 空港反対運動は、全国各地をかけずりまわり、さまざまな影響を作り出していった。日本の社会に問題があるから、三里塚に人が集まり闘争が続いている。グローバリゼーションの拡大によって物の価値がカネで判断される。開発一辺倒の社会に対して三里塚が突きつけた課題は続いている。
 こういう社会に抗する新しい物差しで新しい価値を作り出していくことが大事なことだ。絶対にやらなければならないと思っている。石井武さんは、そういうことを残してくれた。石井武さんの生き様を胸に刻みながら頑張りたい。(報告要旨。文責編集部)

石井紀子さんのあいさつ
すごい本ができたと思う


 すごい本ができたと思います。とりわけいいのが、相川陽一君のじいちゃんへのインタビューです。とても嬉しそうに喋っている。陽一君は、息子の同級生です。じいちゃんは、孫に話すような感じで、本当に嬉しかっただろうな、と読んでて感じました。
 私から見て石井武さんは、運の強い人で、自分のしたいように生きて、死にたいように死ぬということを貫けた希有な人間だなと思います。何度も聞かされたんですけど、お百度を踏むぐらい親にたのんで許してもらい一緒になった恋女房のこうさんと一緒に、二人の力で開拓して自分だけのお城を作ってきた。何にもないところから二人の力で作ってきたことは、なんて素晴らしい関係なんだろうといつも思ってました。じいちゃんが寝たきりになっても、ばあちゃんは見捨てずに、最後まで介護をしたんだと思います。
 もう一つ運がよかったことは、三里塚闘争があったことだと思います。暫定滑走路反対集会の時に、じいちゃんは、労活評の山崎さんに「手足になってくれて、本当にありがとう」とお礼を言ってました。このお礼は、山崎さんや支援の方みんなに言ったんだろうと思います。さらに本まで出してもらって本人は、さぞ大得意で小川源さんたちに自慢をしていると思います。本当にありがとうございました。(報告要旨。文責編集部)

横堀部落 開墾百年祭へ

b8月7日(土)午後5時b祝賀会横堀稲荷前(横堀現闘本部ウラ)午後6時30分〜 盆踊り 農業研修センター(旧・労農合宿所)電話0479―78―0100
b交通機関 京成 東成田駅下車で 車で送迎または、芝山鉄道 芝山千代田駅下車 タクシーで約5分
b宿泊は、農業研修センター、横堀団結小屋、木の根ペンション。東京近辺は、日帰りも 可能。


 『石井武の生涯』(「石井武の生涯」を刊行する会)定価2000円+税 七つ森書館
 本書の内容・プロローグ 追悼 小川ルミ子、鎌田慧、上坂喜美、加瀬勉 第一章・ 闘病と最後の闘い 第二章・いま、若者に語る三里塚〈聞き手・相川陽一〉 第三章・三里塚農民の心 終章・追悼 熱田テル、柳川秀夫、平野靖識など。 石井武年譜
b申込先 成田暫定滑走路声明事務局 〒182―0024 東京都調布市布田2―2―6―103 みさと屋(藤川) 電話0424―87―1714 FAX0424―87―1742 郵便振替00130―0―22827 ちば・市民ひろば


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