自衛隊撤兵を!非正規労働者の権利確立を!
五月二十六日、「私たちの声を政府へ国会へ04春の共同行動」集約行動が行われた。この行動は中小労組政策ネットワークを軸に、首都圏の闘う労働組合が結集し、さまざまな争議支援やイラク反戦・自衛隊派兵反対運動を積み重ねてきた04春の共同行動の集約行動として取り組まれた。
午前・午後の韓国人信用組合協会(あすか信組)、みずほ銀行本店、郵政公社など不当解雇や組合つぶしの背景資本・責任企業への申し入れ行動をはさんで、国会請願デモ、厚生労働省交渉を行い、夜は総評会館で集約集会を行った。
昼の国会請願デモは、五月二十四日に福岡高裁で不当逆転判決の出された中国人強制連行訴訟の支援グループの横断幕を先頭に行進した。福岡地裁の第一審判決は、強制連行され炭鉱で強制労働させられた中国人元労働者十五人(内一人死亡)の要求を認め、三井鉱山に計一億六千五百万円の賠償を命じていたが、福岡高裁はこの判決を取り消し、原告の請求を棄却するという不当判決を出した。
高裁判決は強制連行と強制労働について、「閣議決定にもとづく国策で、人間の尊厳に著しく背いた」として国と三井鉱山の共同不法行為を認定し、両者に賠償責任があったとした。にもかかわらず、提訴までに民法上の時効や除斥期間(二十年で賠償期間が消滅)が過ぎ、請求権はなくなっているとして被害者の請求を不当に退けたのである。全国で十二件が提訴されている強制連行訴訟のうち、今年三月の新潟地裁判決では除斥期間の適用がない安全配慮義務違反を根拠に国と企業に賠償を命じている。
日比谷公園で簡単な出発集会を開いた後、「日本政府は戦争被害者に賠償しろ!」「国と企業は強制労働の責任をとれ!」「日韓のシベリア抑留者に謝罪と補償を行え!」「自衛隊はイラクから撤退しろ!」「非正規労働者の使い捨て反対!非正規労働者の権利を確立しよう!」とシュプレヒコールを上げながら国会へ請願デモを行った。
夜の集約集会では、社民党や全労協の連帯あいさつ、各参加団体や争議団の活動報告やアピールが行われ、自衛隊派兵に反対し、労働者使い捨てを許さず、安心して働ける職場や生活できる賃金と均等待遇のために団結と連帯を広げながら闘い抜くことを誓いあった。 (I)
「いまこそ占領から降りろ」
破綻する米英軍の占領支配と自衛隊イラク派兵めぐり討論集会
五月二十二日、東京の文京区民センターで「日本政府の戦争支持撤回・自衛隊撤退を訴える5・22討論集会――ファルージャの虐殺とイラク全土の戦場化のなかで――」が開催された。この討論集会は、米英軍のイラク侵略戦争と占領が、占領軍とイラク民衆の全土的抵抗の発展に転化する新しい情勢にふまえて発表された共同声明「ファルージャの虐殺とイラク全土の戦場化のなかで米軍の武力行使の即時中止と日本政府の戦争支持撤回、自衛隊の撤退を訴えます」(本号4面掲載)の呼びかけ人が主催したものである。集会には約九十人が集まった。
イラク民衆全体を敵とする戦争
集会は、共同呼びかけ人の発言を中心に進められた。最初に武藤一羊さん(アジア平和連合ジャパン)がイラクの現在の情勢を整理して行動の指針を立てなければならない、と訴えた。
「一九九一年の湾岸戦争を第一次イラク戦争、二〇〇三年三月に始まった戦争を第二次イラク戦争とするならば、現在の戦況は第三次イラク戦争と規定すべき局面に入っている。第一次がフセインを封じ込め、第二次がフセインを打倒する戦争であったとするならば、現在は連合国によるカイライ政権樹立へのイラク民衆の全土的抵抗の発展に対してイラク民衆全体を敵とする戦争となっている」。
こう述べた武藤さんは、さらに次のように訴えた。
「今日のイラク民衆の抵抗は、たんに武装勢力によるものではなく下からの国民的戦線を土台にしたものになっている。そしてアメリカのイラク人への暴行・凌虐はレイシズムとマッチョイズム(「男性」性の力による支配)に貫かれたものだ。これは大中東戦争への引き金になりうる可能性を秘めている。この期に及んでも小泉政権は占領から降りようとはしていない。いまこそ『占領から降りろ』という言論の力を発揮しなければならない。重要なことは、イラクの民衆の中からともに具体的な連帯を作りだしていく勢力がはっきりとした姿を現していることだ」。
政府に撤退を決断させるための闘い
太田昌国さん(自衛隊の海外派兵と戦争協力に反対する実行委員会)は、二〇〇一年「9・11」に立ち戻って、今日のイラク戦争をとらえる必要性について語った。
「アメリカは9・11を唯一絶対の基準として自らをテロの『被害者』として押し出すことができた。しかし百五十年の近代史の中でアメリカが帝国として行った振る舞いを、アフガニスタンやイラクでの人種差別主義的戦争との関連で問うていく作業が必要だ。そしてイラクでは民衆的レジスタンスが生み出されているが、これは湾岸戦争時とはまったく異なる新しい事態だ。一方、山内昌之や池内恵のように専門的領域では一定の注目すべき業績を残している研究者が、きわめて非論理的に戦争への動きを肯定する『国策主義』に転落している現実を批判する言説が求められている」。
岡田剛士さん(パレスチナ行動委員会)は、「ガザからの入植地の一方的撤退」と評価されている「ブッシュ=シャロン合意」の欺瞞性と、それが和平プロセスを最終的・一方的に放棄する占領地併合であることを、今日の「中東新秩序」構想との関係で批判した。
小倉利丸さん(ピープルズ・プラン研究所共同代表)は、「共同声明」の文章に即して「連合国からの離脱、自衛隊の撤退」を現実化するための方策、すなわち政府に撤退を決断させるための状況をどのように運動として作りだすかを討論すべき、と強調した。
越田清和さん(ほっかいどうピースネット)は、「人質」解放を実現した市民・民衆運動の国際的ネットワークの力を、民衆レベルでの調査・支援の運動にどうつなげていくか、と発言した。柳田真さん(たんぽぽ舎)は、「人質」となった安田純平さんの報告会や五月二十日の「郡山さん、渡辺さん、安田さん帰国報告集会」(本紙前号参照)の熱気を紹介して、若い人びとの意欲や問題意識と結びつく運動のあり方を柔軟に構想していこう、と語った。
フロアをふくめた討論では、声明呼びかけ人の山本俊政さん(日本キリスト教協議会総監事)がイスラム教聖職者を含めた宗教者としての協力について発言した。(K)
「徹底批判!有事立法」
戦争遂行の法的基盤確立のため周到に準備された内容
五月二十二日、アジア連帯講座は、東京・文京区民センターで「徹底批判!有事立法」をテーマに木元茂夫さん(すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川、派兵チェック編集委員会)を講師に招き公開講座を行った。
自民・公明、民主党は、五月二十日に衆院で有事関連法案と改定日米物品役務提供協定(ACSA)承認案など三条約を強行採決した。国民保護法案については、緊急対処事態の適応範囲を広げた三党共同修正案を加えて採決を強行したのである。講座は、三党による有事法制の衆院強行採決を糾弾し、参院での阻止をめざしていくための討論となった。
「体制側の意気込みを感じる」
木元さんは、冒頭、「法案は非常に長いものになっており、七法案を全部隅から隅まできちんと読み通した人はいないんじゃないか。長大な法案がイラク戦争と年金問題の狭間で社会的に焦点化されず、審議時間がわずか五十二時間という短かさで衆院を通ってしまった」と厳しく批判した。また、「法案を読んで、政府・防衛庁が相当に年月をかけて論議をし、検討してきたんだなと感じる。憲法改悪が具体的な日程に昇る中で、たとえば、もし憲法改悪国民投票に負けても、この線まではいま作ってしまうんだと。ある種の体制側の意気込みも感じる」と総評を述べた。
米軍の軍事行動を最優先した内容に
木元さんは、最初に特定公共施設利用法法を取り上げて、「一九九四年、北朝鮮核危機の時、戦争計画五〇二七という第二の朝鮮戦争を想定したものがある。朝鮮半島周辺に五つの空母戦闘群を投入する。四十隻ぐらいの艦船が日本を出入港することになるが、横須賀港、佐世保港だけでは足りず、民間の港を利用することになる。有事の時は、特定公共施設利用法によって、合法的に米軍艦船が優先的に出入港できることになる。港は、自治体が管理しているが、この法律によって国の強権で奪い取ってしまう中身になっている」と指摘した。
さらに、有事法制との関連で特定船舶入港禁止法を取り上げ、「港湾法、国連海洋法条約では外国船舶の入港に対して不平等な取り扱いをしてはならないとなっている。特定船舶入港禁止法は、明らかに矛盾している」と批判した。さらに、米軍円滑化法の「飛行場施設の利用」「道路の利用」「海域の利用」「船舶の航行制限等」「空域の利用」「航空機の飛行制限等」「飛行の禁止区域」「電波の利用・利用調整指針」などの条文を取り上げ、米軍の軍事行動を優先とした内容で貫かれていることを明らかにしていった。
「軍法会議」設置のための布石
さらに、外国軍用品等海上輸送規制法案と捕虜取り扱い法案、自衛隊法改正案、国際人道法違反処罰法案、国民保護法案の性格、権力の意図、憲法との矛盾など細かくチェックし、鋭い批判を次々と展開していった。
とりわけ外国軍用品等海上輸送規制法案を取り上げ、「この法案を読んで大変びっくりした。第三章に外国軍用品審判所という規定がある。これは、防衛庁に臨時に、特別の機関として外国軍用品審判所を置く、政令で定めると書いてある。日本国憲法の第七六条に司法権規定(すべての司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する)がある。つまり、軍法会議を置かせないということだ。ところが外国軍用品等海上輸送規制法案では、あたかも憲法第七六条に挑戦するがごとく、防衛庁に審判所を置くことができると書かれている。こんなことをやってしまっていいのかと思った。よく考えたら、次は軍法会議を設置することをねらっているということだ」と強調した。
これに関連して木元さんは、「イラクに派兵されている自衛隊員が発砲してイラクの人たちを死傷させた事件が起きたら、自衛隊にその処分を決める権限はない。旭川地方検察庁が隊員を帰国しだい対応することになる。すでに小泉首相は、明確に軍法会議という用語を使わなかったが、必要性があると発言している」ことを紹介し、注意を喚起した。
質疑応答・討論は、自衛隊員に対する反戦アプローチ、反軍・反基地闘争の取り組み、立川反戦ビラ入れ弾圧と治安弾圧の強化問題などに関して行われた。最後に、アジ連の仲間が参院での法案阻止に向けた国会行動、反対デモの行動提起をした。 (Y)
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