| 「二〇〇二年卒業式報告集会」 かけはし2002.4.8号より |
三月三十日、東京・日本キリスト教会館で「2002年卒業式報告集会」が「日の丸・君が代」反対!学校と地域をむすぶ連絡会の主催で開かれた。
最初に各地の運動の報告が行われた。大野さんが三月十一日〜二十二日まで東京で行われたホットラインについて報告した。
「相談件数は十件ほど。@北海道の苫小牧のある中学では校長が昨年生徒が起立しなかったので、今年はそのような行動をするなら、事前に届け出るようにビラを生徒・保護者にまいた、という報告があったA都立養護学校で、去年はゼッケンをつけて卒業式に臨み、『君が代』の斉唱に『やめてくれ』と叫んだ。入学式には、強制反対のシャツを着た。今年は名指しで、校長・教頭、同僚からも批判されている。力づくで止められたらどうしたらいいか。処分をちらつかせているので抗議してほしい。ゼッケン・リボンは処分の可能性があるのかB国立の小中校長会で、卒業証書に西暦は認めず、元号にすることを決めた。校長会は任意団体でそんな権限はない。これに対して、連絡会として抗議文を出したC清瀬の小学校の教師から、昨年は不起立だった。処分を受けない最大限の抵抗は何かD墨田区の小学校教師から、ピースリボンや不起立をしたいがどうか、など集団での抵抗はむずかしいが個々の教師から、抵抗をするにはどうしたらいいのかの問い合わせがあった。女性が多かった。処分の関係では、不起立が処分されない最大限の抵抗だろうと回答した。入学式に向けたホットラインを四月四日から十一日まで行う」。
北海道・札幌から参加した教師は「一昨年までは『君が代』が三割。去年は九九%になった。今年は一〇〇%になっただろう。しかし、いろんなレベルで抵抗している。だれも来ていない所で『君が代』を流させるとか、ただテープで流しているところもある。自分の学校では去年は『国歌です』と言われてしまったが、今年は『歌わなくてもよい』と学校側に言わせた。平和教育の中で、『はだしのゲン』をとりあげた。この漫画の第十巻で『君が代』を強く批判している。生徒たちがこれを読んでいて、小学生三年生で十人ぐらいが座っていた。帯広では、小学生の卒業生五人がやめてくれと申し入れをした。小樽の中学校では『君が代』の時、校歌を歌った」と、報告した。
都高教の教師は「今年、学校側からは内心の自由の説明がない。起立を強制するように一歩踏み込んできている。職員会議ではほとんど発言しないようになっている。自分の学校では内心の自由があり強制ではないことを説明させ、座ったまま『君が代』が流された。生徒はほとんど座っていたが、保護者の八割ぐらいは立った。品川にある都立小山台高校の校長は『日の丸・君が代』強制に反対する申し入れ書に対して、『そちらが勝手に送りつけてきた。破ってしまってもよかったのだ』と発言した。この校長の暴挙に抗議する運動を行っている」と報告した。
都内のある小学校の教師の報告。「東久留米と西東京市では実施しない学校がいくつか残っているだけで、都内では卒入学式だけでなく、普段の行事でも『日の丸・君が代』がやられている。これを見過ごし反対運動を風化させてはいけない。職員会議でいかに論議ができるか。区内には若い人が多い。連合運動会で『日の丸』を揚げるというので、二十分間ぐらい反対意見を言い、会長と論争になった。後で若い教員から『なぜ、いけないのか』と質問された。こうした議論が重要だ。自分は黙って座っているが音楽の専任教員はピアノ伴奏を強制されることもある。そうした人をどのようにバックアップしたらいいのか」。
兵庫から参加した教師の報告。「二十五ある養護学校で四校が『君が代』なしだった。学校側は子どもが来る前に流すとか、校長の話の中で『君が代』に触れ、その時流すなどという欺まん的なことをやっている。自分は『君が代』の時、退席した。障害者解放運動や同和教育などで励まし合ってきた。これからもがんばってやっていきたい」。
埼玉から参加した埼高教の教師の報告。「『日の丸・君が代』の実施について、職員会議で採決をとると数年前までは反対が多数だったが職務命令で実施されてきた。かつては『校長は職員会議の決定を守れ』という立て看板を出したり、ワッペンをつけたり、組合のビラを生徒や保護者に配った。今年は年休をとって、学校の外で本部のビラを配った。市長・教育長、市議会議員十六人が式に参加して、反対運動に圧力をかけているが市民運動とも連携してがんばっていきたい」。
神奈川の教師の報告。「県教委は@心をこめて『君が代』を歌うことA県立高校で実施せずに最後に残っていた校長に処分するという二つの通知を出した。そしてさらに県教委は『日の丸』は正面に掲げろ、式次第に入れろ、『君が代』斉唱を全員で行うようにしろと攻撃をエスカレートさせ、それに従わなければ、処分すると教師を脅している。自分の学校ではビラをまき、『日の丸』は三脚に、式は対面式でやっている。他の学校でも個人的に退席する、歌わないなどの抵抗は続いている。相模原では六年生の小学生が座って歌わないという行動もとったところもある」。
千葉では、千葉高教組は二月九日に五百人で集会を行った。東葛高、小金高、国府台高の三校の生徒たちは昨年に引き続き今年も闘い、『日の丸』は式場外、『君が代』は卒業式の入場後、式開始の前という形で行われ、ほとんどの生徒は斉唱しなかった。
都立高校教職員と市民の〈意見広告の会〉は四月七日(日)の朝日新聞東京版に「教育基本法の理想を生かす学校に私たちは『日の丸・君が代』の強制に反対します」の意見広告を出すことを報告した。さらに、千葉学校労働者合同組合は、四街道南小学校の渡壁隆志さんに対して三月二十六日に、不当な一年二カ月の実刑判決が下されたことを批判し支援を要請した。
足立区立の中学校の教員であった増田都子さんは平和教育を理由に、二年六カ月にわたる長期懲罰研修を課せられたが、四月から九段中に現場復帰することを報告し、これからも闘い続けていくと語った。
そして、国立での昨年の不当処分に対する不服申立てに対する都人事委員会での公開口頭審理を闘いぬいている報告や多摩中の根津公子さんに対して都教委は不適格ということは認定しなかったが、指導力不足ということで減給十分の一、三カ月という非常に重い処分を下したことを批判する報告があった。『日の丸』引き下ろしで処分された練馬養護学校の神岡さんは最高裁に上告して闘っていることを報告した。
各地の報告の後、『日本近代公教育の支配装置』を出版した京都の岡村達雄さんが「教育処分体制における戦前・戦後―教育支配の装置」として講演を行った。
『日の丸・君が代』の強制や学校管理が強まる中で、ねばり強く闘っている報告があり、今後ともがんばりぬくことの大切さを確認して報告会を終えた。(M) |