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日の出の森から世界へ                 かけはし2004.03.22号

ごみも処分場も未来はない

「ごみを出さない、燃やさない、埋めない社会」めざしシンポジウム

 三月六日、東京・国分寺Lホールで、シンポジウム「日の出の森から世界へ││ごみも処分場もない未来をめざして」が開かれた。主催は日の出の森・支える会。会場には、日の出の森を破壊して環境汚染を続ける谷戸沢処分場と二ツ塚処分場に反対して運動を続けてきた人々など百三十人が集まった。
 日の出の森のごみ処分場建設に反対する闘いは、全国の廃棄物処分場反対運動の象徴となった。二〇〇〇年十月、東京都石原都政は二千八百人が共有するトラスト地を暴力で強制収用し、処分組合は第二処分場の稼働を強行した。しかし日の出の森・支える会はそれ以降も、重金属などによる地下水の汚染やダイオキシンを含む焼却灰の飛散をはじめとする環境汚染を告発するなど、積極的な運動を続けてきた。
 処分場に全三多摩のごみを持ち込む各自治体が作る処分組合は昨年二月、さまざまな重金属など危険物質を含んだ焼却灰を原料にしたとんでもないセメント=エコセメントを製造する工場の造成工事を開始した。普通のセメントより十倍も製造費用が高く、質も悪く危険なセメント製造のために、今後二十年で一千億円も投入されるという。
 日の出の森・支える会は、エコセメント事業に反対する闘いや深刻化する環境汚染を告発し続けるとともに、ごみを減らす真剣な努力もせずに「燃やして埋める」だけの旧態依然としたごみ行政を問い、現実に可能な「ごみゼロ社会」のビジョンを提起し続けてきた。
 シンポジウムでは最初に、日の出村に暮らし反対運動を続けた絵本作家の田島征三さんが、「日の出の森を守る運動は続いている」と題してごみ処分場との十数年にわたる闘いを報告した。
 行政=処分組合は、当初は圧倒的多数だった処分場建設反対住民を、ありとあらゆるいやがらせや暴力(放火まで行われた!)や買収で切り崩し、追い出し、処分場建設を強行した。田島さんは、この経過を怒りを込めて報告した。そして、あらゆる暴力に屈せず、ブルドーザーの前に立ちはだかったり、トラックの前に寝ころんだり、命がけで続けてきた闘いを振り返った。
 現在、処分場に毎日大量に運び込まれるダイオキシンが入ったごみ焼却灰が飛散しており、周辺のがん死亡者は全国平均の四倍という状態になっている。田島さん自身も九八年にがんを発病し、伊豆への「亡命」を余儀なくされたが、いまも闘いを続けている。
 続いて日の出の森・支える会代表の瀬戸昌之さん(農工大教員)が、「拡大生産者責任」を徹底することでごみゼロ社会は可能だという報告を行った(報告要旨別掲)。
 廃棄物処分場問題全国ネットワークの大久保貞利さんは昨年九月、NPO関係者や議員、弁護士など二十八人で調査団を作り、二〇一〇年までに脱焼却・脱埋め立てでごみゼロ化を実現することをめざして徹底した廃棄物資源化政策を押し進めているカナダ・ノバスコシア州(人口九十四万人)を訪れ、ハリファックス市(三十七万五千人)のごみゼロ政策とその実施状況を、八日間にわたって見学してきた。
 大久保さんはこの画期的取り組みについて詳しく報告した。カナダでは一九八九年に開かれた全州環境大臣会議で二〇〇〇年までに廃棄物を一人当たり五〇%削減する目標を設定するなど、廃棄物削減政策を積極的に押し進めてきた。ノバスコシア州では、埋め立て禁止条例にもとづき生ゴミの堆肥化が行われ、飲料容器・タイヤ・ペンキ(家庭用の塗装に使われている)にデポジット制が導入され、各種紙類・びん缶・タイヤなどの徹底したリサイクル事業が行われている。
 行政からも企業からも市民からも独立した第三者機関として、ごみに関わるすべての利害関係者が参加するRRFB(廃棄物資源回復委員会)が州法にもとづいて作られ、ごみの資源化を押し進めている。RRFBには税金は投入されず、デポジットで生まれた資金で運営されている。大久保さんは、RRFBがあえて「市民からも独立」とされているのは、「市民はわがままだからです」と言って笑わせた。
 RRFBが政策実現のための上位組織として機能することと並んで、市民にも行政にも、とりわけ企業にも、廃棄物の資源化促進についてのスチュワードシップ(社会に貢献する奉仕の精神)の徹底を求めるというのが、ノバスコシア州のごみゼロ政策の核心であるようだ。
 大久保さんは最後に、ノバスコシアで感じたこととして「二〇一〇年までにごみゼロ化をめざすという目標年度と戦略の明確化が大事」「生ゴミの堆肥化とデポジット制が減量の鍵」「法律で裏付けられた第三者機関としてのRRFB設立が鍵」「日本の大規模焼却工場に比べて、はるかにローコスト・ローテクで減量できる」「税金投入ではなく、排出者責任で資金を作るべき」「あらゆる面で環境教育を行うことが重要」「ごみ削減と雇用創出の共存が可能(千人の雇用が創出されている)」などをあげた。
 グリーンピース・ジャパン有害物質問題担当の佐藤潤一さんは「ごみ収集車のない町」として有名になった徳島県上勝町の現状について報告した。
 上勝町は昨年九月、グリーンピースジャパンなどと連携し、二〇二〇年までに脱焼却・脱埋め立てで「ごみゼロ」をめざすという「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、生ゴミの堆肥化はもちろん、家庭ごみの三十二分別など、徹底した分別と減量化で、焼却ごみの量をそれ以前の三分の一に激減させることに成功した。
 上勝町は、国と徳島県に対して、ごみ発生を抑制するために期限付きの目標設定と拡大生産者責任の徹底などを法的措置として押し進めることを求め、同時にあらゆる製品の製造企業に、二〇二〇年を目標にその製品の再利用・再資源化の経費を製品価格に内在化することを求めるとともに、全国の市町村に対して上勝町と同様の目標を定め、協力体制を作ることを呼びかけている。
 四つの報告を受けて会場からの意見や質問も交えて討論が行われた後、高尾山の自然を守る会、容器包装リサイクル法の改正を求める全国ネットワーク、たまあじさいの会、STOPエコセメント市民の会、日の出の森・水・命の会がそれぞれアピールを行った。
 最後に廃棄物処分場問題全国ネットワーク代表の大橋光雄さんが閉会のあいさつを行い、「日の出の森の闘いのうねりは全国に広がり、日本の廃棄物行政に大きな影響を与えた。行政は口先だけではあっても循環型社会をめざすと言わざるを得なくなっている。自信を持って発信し続けよう」と訴えた。     (I)




「拡大生産者責任」こそがごみゼロへの道

 「燃やして埋める」というのが、いまの日本のごみ行政だ。これに賛成する人は、ごみ処分場はどこかに必ず作らなければならないと言う。本当にそうか。
 われわれは毎日必ずごみを出す。新聞雑誌や包装紙などの紙ごみ、食べ残しなどの生ごみ、ペットボトルなどの容器ごみがそれぞれ約三分の一ずつ、事業ごみを含めた一般ごみを毎年五千万トン出し、そのほとんどを燃やして埋めている。燃やせばダイオキシンが出るし埋めれば地下水を汚染する。
 紙ごみは行政が持っていけばごみだが、再生工場に持っていけば資源になる。日本は年間三千百万トンの紙を消費しているが、すでにその六割は再生紙になっている。約千七百万トンから千八百万トンが再生紙だ。一トンの紙ごみを燃やして埋めるのに五万円かかる。再生紙になっている分を全部燃やせば九千億円。再資源化でこれだけの税金が軽減されているが、安いバージンパルプがどんどん入ってくれば古紙再生事業は成り立たなくなってしまう。
 生ごみの堆肥化はすでに一部の自治体で始まっている。生ごみは二千万トンで、これを燃やして埋めるために一兆円の税金を使っている。ペットボトルはかさばり、処理に一本あたり五十円から七十円かかっている。これらを解決できれば、ごみゼロが可能になる。家電製品のごみも出るが、一日あたりにすれば生ごみや紙ごみや容器ごみの数十分の一しかない。
 OECDは、二〇〇一年にごみ問題で「メーカーは製品に責任を持つだけでなく廃棄にまで責任を拡大すべきである」という「拡大生産者責任」(EPR)の宣言を行った。物を売る時、回収や再資源化や廃棄の費用を価格に入れるデポジット制を導入するということだ。OECD加盟国の日本にもそれを実践する責任がある。
 ペットボトル飲料なら処理費用五十〜七十円を価格に上乗せし、使用後の容器を持っていけば五十円返ってくる。そうすれば不法投棄など一気になくなる。紙一トンを売る時に回収と再生のための費用一万円上乗せすれば、燃やして埋める人はなくなるし、その必要もなくなる。家電製品もメーカーに回収と再利用を義務づければ、処理に困るようなものは作らなくなるし、鉄やアルミやプラスチックに分けやすい製品を造るようになり、限りなく一〇〇%に近く資源化され、埋める必要はなくなる。
 昨年六月、廃棄物対策二法が成立した。一見、政府も努力しているように見えるが、ここでは「拡大生産者責任は見送る」とされ、産業廃棄物を一般廃棄物と一緒に燃やしていいというように改悪されてしまった。何の見識もない。産廃を燃やすために、税金を使って焼却場が大増設される。
 日の出ではエコセメントが作られることになった。焼却灰に石灰を入れて燃やせば確かにセメントにはなるが、重金属などが入った相当品質の悪いものになる。高度経済成長のころのセメント消費量は年間九千万トンだったが、いまでは六千万トンぐらいになり、作っても売れず、工場閉鎖が相次いでいる。
 普通のセメントはトン当たり二千八百円程度だが、エコセメントは三万円もかかる。品質も悪く値段も十倍。こんなもの一体だれが買う。国や自治体が業者に無理やり使わせるしかなくなり、ごみの後始末を税金で穴埋めする利権の構造がまた膨れ上がってしまう。拡大生産者責任こそが、ごみゼロへの道だ。(報告要旨。文責編集部)



大阪ユニオンネットが04春闘第一派行動を展開

年金改悪と労働法制改悪に反対して

 【大阪】三月三日午前八時三十分、大阪城公園南側のNTT西日本本社前には、全港湾大阪支部、全日建関西地本、大阪全労協などの参加組合の赤旗やのぼりが掲げられ、大阪ユニオンネットの04春闘第一派行動の出発集会が開かれた。結集した労働者はおよそ百五十人。
 司会は電通合同労組の山崎委員長が行った。おおさかユニオンネットワークの馬場徳雄さんが主催者のあいさつを行い「連合など大手組合では春闘がなくなっている。他方大手企業は空前の利益を上げているが、労働運動はこれに対して何もできていない。おおさかユニオンネットの闘いが重要だ」と発言した。その後全港湾大阪支部、全日建、大阪全労協、大阪教育合同、管理職ユニオン関西、ゼネラルユニオン、郵近労、シェル労組、なにわユニオンなどが闘いの報告と決意などを述べた。
 全日建は、三月中旬のイラク派兵反対などでのストライキの決意を述べ、シェル労組は半日ストで参加していることを報告し、郵近労は郵政近畿支社前での「四日連続十時間深夜勤反対」の座り込み闘争の報告と決意を述べた。
 集会の最後に、集会の途中で行ったNTT西日本本社への申し入れに対しての不誠実な対応に対する抗議のシュプレヒコールを行って、部隊はNTT本社のすぐそばの厚労省(府庁別館)への申し入れ行動に移った。厚労省には、年金制度関連法案の改悪と総合規制改革会議の第三次答申にある「労災保険の民間開放の検討」を中止するよう申し入れた。
 この後部隊は三班に分かれて行動を行った。第一班は午前中、管理職ユニオンの日本たばこ(とりわけ関連会社の労働者の整理を進める)への申し入れ、全日建のアラヤ工業(団交拒否、残業代不払いなど)への団交促進、NTT関連会社のOCB(組合員への不当な成績評価など)への申し入れを行い、午後からは大塚製薬に対する解雇撤回要求、郵政公社近畿支社前での郵近労の座り込み支援と公社への抗議申し入れ、日米英語学院への抗議申し入れのゼネラルユニオンの支援、なにわユニオンのCECへの団交促進要求への支援、北摂ユニオンの日本ネットワークビジョンへの申し入れを行った。
 第二班は、午前中は府庁別館前で大阪府などへの要求数回の後、教育合同の大阪府教委に対する臨時講師の正規化要求などの申し入れ、太田府知事・府商工労働部に対する「不当労働行為の排除および救済の迅速化」などの申し入れの後、午後からは第一班に合流。第三班は、ゼネラルユニオンの西宮市への外国人講師解雇への抗議行動支援全日建による伊丹産業(伊丹市)への抗議、全港湾による豊島運送(池田市)への抗議の支援を行った。
 大塚製薬前では、組合側の会見申し入れを一方的に拒否するばかりか、幹部社員を社屋前に配置し敵対する会社に対して強い抗議のシュプレヒコールをあげ、大塚製薬の商品の不買運動が提起された。
 郵政公社近畿支社前では、郵近労の仲間たちが三日目の座り込みを闘っているところに支援部隊が合流し集会を開いた。集会では、座り込み闘争を提起した城東支部の下村さんから経過報告が行われた。二十二時から翌朝九時までの十時間の深夜勤務を四日連続で行わされる労働条件の極端な改悪が、現場の労働者の九〇パーセント以上が反対しているにもかかわらず連合労組の協力で導入されたことに対する闘いであることが明らかにされた。また、弓削さんからは、その労働条件が強制されている尼崎での労働者とりわけ高齢の労働者の極限的な状況が報告された。結集した労働者は怒りを込めてシュプレヒコールをあげた。
 日本ネットワークビジョン前での一班、二班の総括集会では、ユニオンネットの馬場さんが第二派以降も全力をあげて闘うことを呼びかけた。関西共同行動からは三月二十日のイラク反戦集会への取り組みも訴えられた。     (H)


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