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資料                        かけはし2003.3.10号より

すべての外国人学校に大学の受験資格を認めよ!

緊急抗議文


 文部科学省は、外国人学校のうちインターナショナルスクールの卒業生にかぎって国立大学の入学資格を与え、朝鮮学校・韓国学校・中華学校などの民族学校には資格を認めない方向で検討している。文科省自身の前言をひるがえすこの動きは、「北朝鮮批判の世論」を口実に、在日朝鮮・韓国・中国人への民族的差別をあおるものだ。この不当な対応に対して在日韓国青年連合が緊急抗議声明を発表した。

 昨年三月、閣議決定された「規制改革推進三カ年計画」により、インターナショナル・スクール卒業生が、大学受験の要件となっている大学入学資格検定試験に合格しなくても日本の大学を受験できるように、二〇〇二年度中に措置が行われることが明らかとなった。そして、このインターナショナル・スクールに朝鮮学校・韓国学校・中華学校が含まれるか否かが継続して検討されてきた。去る二〇〇三年一月二六日、二三万九〇〇〇名分の署名提出に訪れた在日朝鮮人民族教育対策委員会メンバーらとの懇談の席で、河村健夫文部科学副大臣は、外国人学校出身者の大学受験資格問題について、「朝鮮・中華学校もインターナショナル・スクールと一緒に認められるべきだと思う」と前向きな見解を示した。私たちはすべての外国人学校卒業生に大学受験資格が含まれることを期待しながら情勢を見守ってきた。
 しかしながら、二月二一日付の朝日新聞報道によると、文部科学省は、英米にある民間の評価機関によって認証を受けているインターナショナル・スクールの卒業生に限って大学受験資格を認め、朝鮮学校・韓国学校・中華学校の卒業生に対してはこれまで通り認めない方向で検討していることと明らかとなった。二月二一日に文部科学省を訪れた兵庫県外国人学校協議会に対して、池坊保子文部科学政務官は「機会は平等に与えられるべきだと私は思っているが、諸般の事情の中で状況は極めて難しい」と説明したと伝えられている。
 伝え聞くところによると、文部科学省は、日本人拉致問題など朝鮮民主主義人民共和国(以下:北朝鮮)をめぐる情勢の変化から、「国民には北朝鮮にはぬぐいがたい不信感がある。いま認めれば、北朝鮮に利するように見られかねない」(朝日新聞報道)と判断し、現段階では認められる状況にはないとの結論に至ったとのことである。
 私たちはこのような文部科学省の姿勢を断固として容認することができない。今回の方針によると、外国人学校のうち朝鮮学校・韓国学校・中華学校などを切り離すというものである。しかしながら、この切り離しには何らの正当な根拠を見出すことができない。切り離しの根拠に見ることができるのは、上記に述べたような非常に政治的な理由のみである。
 文部科学省が固執してきた、「大学入試資格」を外国人学校に付与しないという方針は、既に様々な場で「重大な人権侵害」であるとの批判を浴びている。日本社会の構成員として暮らす、外国人学校に通う生徒たちが、ただ単に外国人学校に通っているというその一点だけで大学の受験資格が排除されているという現実は日本社会の外国人に対する差別・排他性を顕著に表すものであった。これまで、外国人学校の生徒たちがすべての国立大学、そして一部の公私立大学を受験するためには大学入学資格検定試験に合格しなければならず、そのために様々な負担を余儀なくされてきた。
 このような子どもの人生に関わる問題、そして、ごく当たり前の基本的人権を保障する問題とも言える外国人学校卒業生に対する大学受験資格を、政治的な理由によって、朝鮮学校・韓国学校・中華学校などの卒業生に対してのみ、今後も保障しないと決めるべきではない。問題になっているのは「政治」ではなく、子どもの「人権」である。このような文部科学省の判断は差別を助長し、子どもの権利を著しく蹂躙するものと言わざるを得ない。子どもの教育の権利を先頭に立って守るべきはずの文部科学省が、政治的な判断から、先頭に立って、外国人の子どもの教育の権利を蹂躙し続けている異常な姿に、私たちは激しい怒りと悲しみを禁じえない。
 私たちは、インターナショナル・スクールは勿論のこと、朝鮮学校・韓国学校・中華学校などを含むすべての外国人学校の卒業生に、大学受験資格を即刻認めることを強く要求する。

二〇〇三年二月二五日

在日韓国青年連合(韓青連)共同代表 金宅守 宋勝哉


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