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    かけはし2020年6月22日号

小池都政の悪業に終止符を


宇都宮けんじさんを東京都知事に

逃げとごまかしを許さない

今こそ労働者・市民のために

インチキの極み「東京大改革」

 六月一日何ら具体策を伴わなかった東京アラートが解除された。そして小池都知事は、これからは「自粛から自衛」だと宣言した。つまりは自己責任ということだ。
 そして一二日、小池都知事は知事選への立候補を表明した。記者会見で発表した「東京大改革2.0」は、四年前の公約とは全く無関係に出されている。これは空疎なコピーでしかない。「東京大改革2.0」の三本の柱の具体的内容は、現時点でもネットでもヒットしない。だから内容を示唆するのは記者会見で示されたフリップのみ。しかし、あまりに無内容。
 「東京大改革2.0」の第一の柱が「都民の命を守り『稼ぐ』東京の実現」。緊急事態宣言が出されて路上に四〇〇〇人が放り出された時に、都が民間の低額宿泊所にネットカフェ難民を押し込もうとしたことを、どう説明するつもりなのか。これだけで小池都知事の「東京大改革2.0」の第一の柱が嘘でしかないことが明らかだ。

高齢者・弱者に冷たい都政


 公約のキャッチコピー化。公約が選挙民への約束ではなく、その場限りのパフォーマンスになり果てている。前回立候補時の公約の実現が検証されもせず、次から次へと目新し気なキャッチコピーを繰り出すことで都民を惑わす、安倍流“広告代理店政治”の東京都バージョンだ。
 リーマンショックを超える不況が襲いかかっているその時に、「都民の命を守る」として立候補会見で発せられたのは、がん医療や高齢者のフレイル(健常から要介護に移行する中間の段階)だった。この二つの課題は確かに重要な課題だ。しかし、そのために小池都政は四年間に特筆すべきことは何もしてこなかった。自粛による介護サービスの縮小に対して対策をとるふりをしたのだろうけれど。
 高齢者のフレイルを問題にするのであれば、まず真っ先に介護現場の三密を解決するための具体的方策を示すべきだ。介護も保育もケア労働の現場は三密だ。三密を解決するためには介護者一人当たりの利用者を減らして、スペースを確保することが解決策となる。
 今までの狭い空間に利用者を詰め込むことでしか事業が継続できない介護の在り方を変えること。そのためには、この間、感染予防のために活動を自粛してきた介護事業所への運営を資金援助により安定させ、介護労働の価値を認め労働者の待遇を改善すること、これが高齢者フレイルを防ぐ最低限の条件だ。
 しかし具体策は一切触れられなかった。このように、少し考えればわかるような無内容な会見が全く批判もされず、前回の公約の達成率も議論されることなく、マスメディアから垂れ流されている。それは、選挙に行っても意味はない、政治家はみんな私利私欲の塊で誰を選んでも結果は同じだというメッセージとなっている。そして政治について、地域で、学園で、職場で、議論することを妨げている。

市民運動こそ政治を変える


 さらに小池都知事は日本記者クラブが開催する候補者討論会への出席を断ってきた。徹底的に論戦を避け疑惑の追及から逃げ切るつもりのようだ。
 そのような中、一三日小池都知事の「都民の命を守る」がやはり嘘でしかないことが明らかになった。強い雨がたたきつけるように降る中、食事配布を行おうとした支援団体と集まってきた人々を、雨を防ぐことができる都庁下から排除したのである。
 都庁下は確かに都庁の敷地内だが誰もが自由に通行できるスペースである。「都民の命を守る」は飾りでしかなく、「稼ぐ東京の実現」こそが小池都知事の本音である。このような非道な対応に対して#都庁管理課の対応に抗議します、が急速に拡散されている。
 小池都知事が立候補会見で示したもう一枚のフリップ。そこには「新型コロナウイルス感染症対策 第二波への備え」として「東京版CDCの設置、疾病対策予防センターの創設」、そして具体策の第一として「PCRほか各種検査体制の強化」と書かれていた。
 歴代都知事が都内の保健所を統廃合してきたこと、健康安全研究センターの職員を削減し続けてきたこと。この二つの失政が重なり十分な数のPCR検査を実施してこれなかった原因である。この失政を反省もせず「CDCの設置」でごま化そうとする極めて不誠実な態度である。さらに都内の感染症医療を大きく後退させる都立・公社病院の地方独法化方針を変更していない。
 政策論議を徹底的に避け、この間の都の予算を使用した圧倒的なマスメディアへの露出による知名度を利用し逃げ切ろうとする戦略を許してはならない。
 私たちは、このような小池知事の姿勢を徹底的に批判しよう。そして様々な運動団体と有機的に結びつくことにより急速に具体化されつつある、宇都宮さんの政策を広めよう。#都立病院独法化中止、#宇都宮けんじさんを都知事に、を拡散させよう。職場で、学園で、地域で対話を広げよう。
 六月一三日時点で山本太郎さんの都知事選立候補が取りざたされている。山本太郎さんが、どのような考えで立候補を検討しているのか全く分からないので評価できない。ただ私たちは、知名度に頼るのではなく運動の力で一歩でも前に進むことを選択しよう。
  (六月一三日 矢野薫)

6.14

宇都宮けんじさんが街頭演説会

このままでは生きていけない

暮らしと雇用を守れ

 六月一四日午前一一時から正午まで、都知事選予定候補者・宇都宮けんじさんが新宿駅東口アルタ前で街頭演説会を行った。コロナ禍のため場所の告知を行わず、インターネットライブ配信で支援を訴えた。
 海渡雄一さん(弁護士)と佐藤梓さん(前八王子市議)が司会を務めた。応援演説の築地女将さん会の山口さんらは、「築地を守りたいと四年前に当選した小池知事にも期待したが何もしてくれなかった。宇都宮さんには相談に乗っていただきお世話になった。グリーンな東京をつくってほしい」と話した。次に、「障害ひとり親に関する法改正を求める会」の香川さんが障害年金を受給するひとり親にも、児童扶養手当が併給出来るように法改正を求めること、弱い立場の人を支援してきた宇都宮さんに期待することを話した。

3野党議員が
応援アピール


次に、地方議員と国会議員が応援演説を行った。
漢人あきこさん(みどりの党、小金井市議)は「みどりの党には国会議員がいない。供託金が非常に高く立候補が困難という問題がある。供託金制度は違法だと訴訟の弁護団長に宇都宮さんになってもらった。小池都知事は二〇五〇年にCO2ゼロを発表しているが一〇年後にどのように減らすのか明らかにしていない。宇都宮さんはロードマップを明らかにしている」と支援を訴えた。
続いて、三野党の国会議員が応援演説。
福島みずほさん(社民党党首、参議院議員)。「宇都宮さんは弱者を守るために命をかけてサラ金業者と闘い、多重債務で苦しんだ人を救うために、サラ金規制法を作った。コロナ禍で休業者が六〇〇万人出ている。これからがたいへんだ。宇都宮さんのような人が知事になり、弱者救済のための政策を実現させたい」。
田村智子さん(日本共産党副委員長)。「小池都知事は築地の跡地を大規模開発し、世界一稼げる街にするとしている。選手村は使い終わったら、高級マンションとして売り払えるように、格安でデベロッパーに売り渡した。だから、コロナ検査で待機の人のために使えなかった。イギリスでは選手村を公営住宅にし、低所得者のために活用している。都は病院や保健所を再編縮小してきた。これでは都民の命は守れない。宇都宮さんは四年間、必ず都議会を傍聴した。サラ金業者から命を狙われても弱者の視点から運動を作ってきた。宇都宮さんを支援したい」。
蓮舫さん(立憲民主党副代表、参議院議員)。「小池都知事は自粛から自衛へと言うが困っている人はそんなことはできない。東京都の予算は七兆三五〇〇億円。コロナ禍で格差が非常に広がっている。これをどう是正するかが今一番必要だ。苦しんでいる人に届く政策が必要だ。宇都宮さんならできる」。

弱者切り捨ての
都政を変えよう


最後に、宇都宮けんじさんがあいさつし、支援を訴えた。
「五月二五日、誰に相談することもなく自分で決めて出馬表明した。その後、政党や労働組合や市民団体からの支援が広がり、心強く思っている。今回の都知事選は生存がかかった選挙だ。仕事や住まいを失う、生活がおびやかされ、弱い人に襲いかかっている」。
「ネットカフェが休業に追い込まれ、四〇〇〇人が追い出された。都は四〇〇人分のビジネスホテルを用意したが、残りの人がどうなったか分からない。路上へ大量の人が放り出された。リーマンショックより広く深く貧困が広がっている。四月末には練馬のとんかつ屋さんが経済的に追い込まれて焼身自殺を図った。何としてでも止めなければならない」。
「社会のあり方が問われている。人権より経済の効率化ばかりが優先させられる。原発政策もそうだった。新自由主義政策は自己責任ばかりが問われる。この政策の転換をしなければならない。共生・連帯の社会を。一人一人の暮らしを守る都政の確立を。東京が変われば日本の政治も変えられる。立候補は三度目だが立てることに幸せを感じている」。宇都宮けんじさんを都知事に。   (M)


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