リレーデモでつなごう
「老朽原発を動かすな」
国・電力会社は判決に従え
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【大阪】福井県若狹地方(敦賀美浜・大飯・高浜)は県の最南部に位置し、滋賀県や京都府に隣接している。関西電力と日本原子力発電の計四原発のほか高速増殖原型炉もんじゅ(廃炉確定)もあり、原発銀座と言われる。二〇二〇年九月六日の関電の老朽原発再稼働反対デモ(本紙で報告)に続く一一月二三日の行動の報告を準備し終わった後の一二月四日、突然NHKニュースが飛び込んできて、大飯原発の設置許可取り消し判決が大阪地裁であったという。
そのニュースは翌日朝刊の1面トップを飾った。関電関係だけでも多くの裁判が闘われており、大飯原発関連の裁判闘争が現在どうなっているのか、実のところ把握できていなかった。しかし、この判決の意義は計り知れないので、先にこの判決について簡単に触れておきたい。
大飯3・4号
機判決の衝撃
この判決は、国の原子力規制委員会が新しい規制基準に適合していると判断した審査の過程に、看過しがたい誤りや欠落があると指摘し、この原発設置許可を取り消したというもの。福島原発事故以降の新たな設置基準が設けられてからの設置許可取り消しの判断は初めて。報道によると、福井県や関西の住民一三〇人の原告は、大地震への耐震性が不十分だとし、大飯原発3・4号機の設置許可を取り消すよう求めていた。過去に起きた地震の規模の平均値より大きな規模の地震が起きることも想定し、その『ばらつき』を考慮する場合、平均値に何らかの上乗せをする必要があるが、それを検討していないと判決は判断した。
この判決は、福島事故以降の原発再稼働に大きな影響を与えるだろう。新聞報道で国側の学者は、多くの専門家が論議して出した結論に司法が介入することの不当性を述べていたが、そのような論理は、福島事故で完全に破産している。事故当時の原子力保安院のテレビ会見は、多くの人の記憶に鮮明に残っていると思う。
大飯原発3号機は一九九一年、4号機は一九九三年に営業運転、関西電力がもつ原発の中では最大のもので、福島事故後は運転を停止し、新しい規制基準のもとで検査に合格して二〇一七年に再稼働した。現在は、3・4号機とも定期点検のため運転停止中。再稼働予定の時期は4号機来年一月末、3号機は未定。ちなみに、大飯1・2号機は、原則四〇年の運転期間を迎えたため二〇一八年運転を終了し、現在は廃炉作業が進められている。
大飯原発3・4号機の場合、運転停止の仮処分に対し二〇一四年福井地裁が運転停止を命じたが、二審で取り消された。ちなみに、高浜原発3・4号機の場合、運転停止の仮処分請求に対し福井地裁が二〇一五年、大津地裁が二〇一六年に二度も運転停止を命じた。この度の判決は設置許可の取り消しであり、確定すれば運転できなくなる。そうなると他の原発でも基準地震動の見直しが求められる。特に、美浜3号機は大飯原発と同様の算出方法をとっているそうで、一層廃炉への圧力として働くに違いない。
全国から廃炉
の声上げよう
老朽原発うごかすな!実行委員会主催の関電包囲大集会は一一月二三日、関電本店前で開かれ、五五〇人の市民が参加した。集会は河住和美さん(GoWest、ComeWest!!)の司会で進行した。
関電の老朽原発というのは、高浜原発1号機(46年)・高浜原発2号機(45年)、美浜原発3号機(44年)のことである。原子力規制委員会は二〇一六年、これらの老朽原発の四〇年越えを拙速審議により認可した。しかし、この認可以降に、関電原発の蒸気発生器伝熱管の減肉トラブル、再稼働準備工事中の死亡を含む人身事故、原発マネーの不祥事が明るみに出た。これらの事態は認可の過程では想定されなかったものである。
無責任な規制委員会の認可、原発四〇年越え運転が人の命や尊厳、企業倫理をないがしろに画策されたことは明らかだ。この老朽原発を再稼働することは断じて許されない。政府や原子力村の連中は、関電の老朽原発の再稼働を契機に、全国の老朽原発の六〇年稼動を画策しているが、関電老朽原発の再稼働阻止は、全国の原発の廃炉につながる展望を持っている。
原発ゼロ法案を
審議せよ!
主催者あいさつを中嶌哲演さん(原子力発電に反対する福井県民会議)が行った。中嶌哲演さんは、次のように語った。
「ふたつの問題点に絞って話したい。ひとつは、老朽炉を止める場合の短期的な経済上の問題。二月末から三月初旬にかけて一二日間の断食抗議をした。関電は高浜1・2号機に二一六〇億円、美浜3号機に一六五〇億円の巨費を投じて安全対策工事をしていたが、残ったお金を廃炉の準備費にまわせと、この工事の中止を求めた。しかし止めれば地元は経済が行きづまる。だが、国会に上程されている原発ゼロ法案を審議すれば、全国の原発の廃炉、ましてやたった3機の原発の廃炉など簡単に展望できるという確信があった。
「高浜だけでも二、三〇〇
〇人の人が働いている。稼動中止をいうことはこの人らの生活の糧を奪うのではないかと以前は思っていたが、原発ゼロ法案があるから確信が持てた。二つ目は、原子力村・行政はどんなムリなことでもごり押しをしてきた。地元美浜と高浜の議会と首長、県知事が同意すればそれでよいと。それにより、土俵の外に取り残されてきたのは、小浜や若狹の市民だった。関西の皆さんは全く土俵の外だ。土俵の外にいる者が断固として迫っていきたい」。
このように述べ、中嶌さんは「後から来る者のために」という詩を朗読してあいさつを終えた。
若狹地元も
再稼働反対
老朽原発地元からの発言をした山本雅彦さん(原発住民運動福井・嶺南センター事務局長)は、次のように述べた。
「関西電力の社員がコロナに感染する事態になっている。もし原発稼動の最中に運転員が、電機の補修に当たっている人が感染したら、原発は安全に運転できるのか。止めるべきだ。美浜町や高浜町では、商工会議所や自民党議員が請願を採択するという形で、再稼働を認めようとしている」。
「高浜町には原子力特別委員会があるが、この委員長に元関電社員の町議会議員が、国にお金を出してもらうことになっているから、絶対採択してくれないと困ると言って圧力をかけている。委員長は、意見書をつくるように求められたが、断った。その結果、関西電力の職員と浜町の職員、関電元職員の議員ら少数の者によって意見書がまとめられた」。
「この事実が、原発反対住民会議は高浜や美浜町の議員に会って、再稼働を止めてくれと説得して歩いている時にわかった。関西電力は町民の意見を聞かない。意見書には、地域振興策が取られてきたが、街はよくならなかった。だからさらなる支援を頼むと国に要望している。また、再稼働に同意することで、高浜や美浜の町民が国民から非難されることがないようにしてほしいとも述べている」。
再稼働すれば国民から非難されることをわかっているのだ。県にも再稼働を止めるように要請したが、県は、プロが安全だと言っているのだから安全だという見解だ。自ら審査しようという気はない。県の専門委員会にも慎重審議を求めている。なんとしても再稼働を阻止したい」。
原発止めるの
が企業の責務
続いて、四〇年廃炉訴訟市民の会(愛知)、原発ゼロ・被災者支援奈良のつどい実行委員会(奈良)、さよなら原発1000人集会実行委員会(兵庫)、再稼働阻止全国ネット、川内原発前反対派テントからアピールがあった。
菅野みずえさん(福島県浪江町から兵庫県に避難)は、次のように訴えた。
「ここに来るときイルミネーションの準備を見て、原発の電気がすべて止まっているにもかかわらず、生活に直接関係のないことにもこんなに電気が使われているのだと思い、ものすごく切ない思いがした。政府交渉に数本の電車を乗り継いで福島から東京に向かったとき、東京地下鉄が三分おきに動いていた。私たちの苦労は何なのか」。
「福島は、東京に必要な電気を送っていたのに、この街は核の電気がなくても動いている。事故前と何の変わりもない暮らしがここにある。なのに、私たちはあしたのこともわからない暮らしをしている。そのことを切なく思い出した。電気は足りている。今関電がすべきことは、企業の社会的責任をきちんと取ることだ。この感染症の中で、危うい原発は止めることが企業の責任だ」。
近畿圏の労働組合から、フォーラム平和・関西ブロック、全労連近畿ブロック、大阪ユニオンネットワークから発言があった。
リレーデモ
出発宣言
最後に、リレーデモに参加する各地域の責任者、大阪:庄司修さん(原発ゼロの会大阪)、北摂:二木洋子さん(反原発自治体議員・市民連盟関西ブロック)、京都:小林正明さん(老朽原発うごかすな!京都実行委員会)、野坂昭生さん(原発のない社会へ2021びわこ集会実行委員会)、高島市:(メッセージ)。
集会の最後にリレーデモ出発宣言を行い、参加者は一度西梅田公園に移動し、そこから国道1、2号線を通りJR大阪駅付近までの道のりを、「老朽原発うごかすな!」を訴えてデモを敢行した。
一一月二三日のデモの続きは、二四日新大阪駅から吹田市・茨木市・高槻市を通り京都府に入り、京都市を経て大津市・滋賀県に入り、琵琶湖西岸を経て近江今津から若狹に入る行程である。最終的には、一二月九日美浜町役場に申し入れを行い、関電原子力事業本部を包囲する行動が予定されている。 (T・T)
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