もどる

    かけはし2020年12月14日号

分断と差別に反撃しよう


11.27

21権利春闘発足集会

コロナ危機の犠牲押しつけ許さない



8時間働けば
暮らせる社会


 コロナパンデミックが労働者民衆の生活を厳しく締め付けている今こそ、労働者の権利主張を力強く突き出そう、労働組合がその先頭に立とうと、一一月二七日夜、全水道会館を会場に21けんり春闘発足総会が同春闘全国実行委員会主催の下に開催された。感染の第三波と言われ新規感染者数がうなぎ登りに激増する中、参加を各組合三人までと制限する変則的な総会にならざるを得なかったが、総会の模様はリアルタイムでインターネット中継された。
 総会では全国実行委員会共同代表の一人である渡邉洋全労協議長があいさつに立ち、まずコロナが組織活動に制約を加えているがそれを超える挑戦をと訴えた上で、感染症対策を理由とした働き方をめぐる経営側の動きに対する権利と安全を軸とした明確な要求の対置、および、特に移住労働者や非正規の仲間に犠牲が集中している雇用危機をめぐる反差別の闘いについてその重要性を強調した。さらに労契法20条裁判の最高裁判決が非正規差別を当然とした論理であることも指摘した上で、分断と差別に対する徹底した闘いを訴え、その観点からも陣形を幅広く作るべく挑戦したいと、代表としての決意を述べた。そして第二部の学習会で先に挙げた課題についてわれわれの立脚点を固めようと呼びかけた。
 これを受けて「8時間働けば生活できる賃金を! 8時間働けば暮らせる社会を! 差別の根絶! 全労働者に同一労働同一賃金を! コロナを口実にした解雇・賃下げを許すな!」を総スローガンとした21けんり春闘方針が中岡基明同実行委員会事務局長から提起された。要求は、どこでも誰でも時給一五〇〇円、月額二五万円以上の賃金確保の賃金要求、さらに、公務・公共サービスの取り戻し、などが提起され、さらに地球温暖化防止の取り組み、改憲阻止と辺野古新基地建設阻止闘争の強化、原発再稼働阻止、全日建運輸連帯関生支部弾圧への反撃が呼びかけられた。
 そして特に、コロナ禍の中で浮き彫りになったいわゆるエッセンシャルワークの社会にとっての不可欠さとそれに反した劣悪な処遇、に照らして、労働の社会的価値をあらためて社会に問い、生産性基準という資本が社会に押しつけている考え方をひっくり返す闘いに攻勢的に、ストライキを背景に挑む必要が強調された。総会は、行動方針、組織体制を含めたこれらの方針を満場の拍手で確認、直ちに第二部の学習会に移った。

コロナ禍の中で
未来をさぐる


学習会のテーマは「20条裁判・コロナ・そして労働の未来」で、講師は大阪労働者弁護団の在間秀和弁護士。
在間さんはまず20条裁判について何が見えたのかとして、特にEU指令と対比した時、日本の裁判所に差別を否定する意識が極めて薄いことがあらためて明らかになった、労契法自体が「同一労働同一賃金」ではない、と指摘した。そしてその観点から、あらためて労働組合、労働者の団結による、差別を許さない闘いの決定的重要性を力説した。
次にコロナ禍の労働について、テレワーク、副業・兼業、料理配達サービス、解雇、を具体的に点検し、どこを見てもコロナ以前から資本側が課題としてきたものであることだ、と明らかにし、それを一気に加速しようとしている、と注意を喚起した。その上で権利を譲らない基本通りの闘いを貫徹すべきであり、その中では今こそ「非正規労働」問題への取り組みが重要だと強調した。
最後の論点が「働き方の未来」。そこではまず、資本の考えを掴むべきとして、いくつかの彼らの構想が紹介された。そしてそこに貫かれた最大のテーマを「生産性向上」とえぐり出した上で、いわば個人事業主からなる社会を理想とする「労働法不要論」が展開されている、と指摘した。そこに描かれた世界は、現実の不平等もそこに張り付いた支配・従属関係も完全に視界から消され、その意味では単なる一九世紀への逆戻りでしかない。
在間さんは、このような資本に対して、今こそ働く側からの「働き方の未来」の真剣な探求が必要だとし、まず、労働者の自己決定を軸にした労働者保護法制の必要性を訴えた。その上で資本主義が問題になる時代だと提起し、労働者協同組合の可能性に期待したいと結んだ。

新しい社会の
あり方を考える


会場からは、労契法20条判決での手当是正について、手当自体にジェンダー差別があり、その点で今回の判決にはジェンダー差別の問題もある、と指摘された。また、労働者協同組合事業に関しては、時として劣悪な条件を自ら引き受けるという危険も潜んでいるのでは、との指摘も行われた。在間さんは後者に関して、大きな問題だと認め、新しい社会のあり方と重ねてさらに検討が必要だと述べた。
この後、東京清掃労組、全日本港湾労組、郵政産業労働者ユニオンの各代表が12けんり春闘に向けた決意を表明し、平賀雄次郎共同代表(中小民間労組懇)の音頭で団結ガンバロウを三唱、差別と分断に真っ向から対抗する21けんり春闘突入を全体で確認した。

(神谷)  

 


もどる

Back