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    かけはし2020年12月14日号

見せかけ・反動の小池都政ノー


11.22

都・北区総合防災訓練反対行動

自衛隊参加反対をアピール

選別排除進める小池都政許さない


 【東京北部】一一月二二日、東京都・北区総合防災訓練が行われ、コロナ禍の中での防災訓練に対して監視行動と反対集会が行われた。主催は東京都総合防災訓練に反対する実行委員会2020。 午後二時から行われた十条台区民センターで行われた報告集会には約五〇人が参加。
 まず初めに東京都との交渉についての報告、米軍の参加はヘリコプターで座間から陸軍が、厚木から海軍がそれぞれ一機づつ有明まで物資の輸送を行う。コロナ禍の中、感染リスクで炊き出しを中止したり見学を制限するのは、そもそも、コロナ禍での災害に対処する実践としては絶対矛盾であり、それで行う防災訓練なんて意味があるのかと問うたが、まともな回答ができなかったとのこと。
 また二二日には会場正門前では実行委員会による訓練反対の取り組み、続いて北区との交渉及び当日朝八時半から北区・中央公園で行われた防災訓練の監視行動の報告がおこなわれた。今年の防災訓練は感染対策のため参加者を事前申し込みをした北区在住者五〇〇人としたため、監視行動のために公園に入れたのはごく少数であった。北区十条地区は戦前は陸軍の基地が置かれ、周辺には軍需工場群が広がるという土地で、今回会場となった中央公園の一角にはかつての王子野戦病院が今も残る。そして中央公園の隣には自衛隊の補給統制本部があり、今回はここも訓練会場となった。

自衛隊の役割り
中心化が着々と


中央公園の中には消防、警察、自衛隊、赤十字、NTT、日本郵政、様々な民間団体などのブースが並ぶ、これらは例年と比べて縮小しているようには感じられない。各ブースでは展示、パンフレットの配布などのほかクリアファイルなどのグッズ類なども大量に配られていた。基地内に入るとそこには様々な緊急車両の展示。グラウンドの外周にL字型にパトカーやオフロードにも入っていける小型の救助車、水道局の給水車、NTTの衛星通信車、などが並べられており、角を曲がったところには自衛隊の軽装甲機動車、バイク、キッチンカーが展示されている。いつもなら自衛隊員がカレーの炊き出しを行い、この間はその配食を動員された地元の高校生が行ってきたが、今年はコロナで中止となった。
一〇時四五分から公園内の野球場で行われた救助訓練がメインイベント。見学者は五〇〇人の中からさらに先着で二〇〇人に絞られる。地面にリボンが差してあり、そこに座るとソーシャルディスタンスが保てるという仕組みになっている。
「自助・共助・公助の訓練」であるとのアナウンスで始まった訓練はまず上空に航空自衛隊・航空救難団・百里航空救難隊の飛行機(U―125A)、続いてヘリコプター(H65J)が飛来し、上空から情報収集を行う。北区土木部と北区造園協力会が倒れた街路樹をチェーンソーで除去し、消防少年団の小学生が火災を通報し、消防が火災を消し、横田基地の迷彩服の自衛隊が倒壊家屋からけが人を救出する。最後は消防車が空に向かって放水を行って大団円。
小池都知事、北区長、都議会議長、区議会議長が「来年二〇二〇大会を迎えるにあたり」とか「高度かつ統制の取れた」とか「コロナ禍の中でソーシャルディスタンスに留意し」とか異口同音な講評を行い参加者の労をねぎらって訓練終了。 今回、自衛隊基地が訓練会場に組み込まれるということで自衛隊がどのように登場するのか注目されたが展示も最小限にとどめ、救助訓練でも航空自衛隊がかなり前のめりに感じた以外は全体としては、例年の訓練と比べてやや控えめな印象。しかし、自衛隊の飛行機やヘリの情報に基づいて全体が動くなど、二〇年の中で、着々と積み重ねてきた結果、指揮命令系統の重要な部分はすでに押さえており、コロナ禍の中、隊員の感染のリスクを負ってまで大量動員する必要がなかったということなのかもしれない?。
また、会場正門前では実行委員会の仲間が横断幕を掲げ、マイクとビラで自衛隊と米軍参加の防災訓練反対を訴えたが、ビラの受け取りも良かった。
続いて中央公園隣の東京都立北療育医療センターで行われた医療救護班活動の報告。ここもかつて王子野戦病院の敷地だったところで、一〇〇人ほどが参加して災害拠点病院、医師会、歯科医師会、薬剤師会、日赤などが連携してトリアージの訓練が行われた。

ヘイト後押し
の小池に反撃


続いてこの日の集会の主要発言者三人の講演に移る。最初は「九月、東京の路上で一九二三年関東大震災ジェノサイドの残響」「TRICKトリック『朝鮮人虐殺』をなかったことにしたい人たち」などの著書がある加藤直樹さん。加藤さんは二〇年前の石原都知事(当時)による練馬駐屯地祭でのいわゆる「三国人発言」がヘイトなど「現在」の原点であり、自分にとってもそうであると話しはじめた。
小池都知事は二〇一七年から横網町公園での関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を送るのを中止している。横網町公園の追悼碑は一九七三年に関東大震災から五〇周年を期に宗教者、保守政治家や、公明党の議員など広範な人々によって作られ、毎年追悼式が行われ、都知事は毎回追悼文を送って来た。それは石原都知事の時代も変わらなかったが、小池は「(虐殺は)諸説ある」などとして追悼文をやめている。
関東大震災での朝鮮人虐殺を無かったとしている「日本女性の会 そよ風」なるヘイト団体がこの数年追悼式に合わせて大音量のスピーカーで「不逞(ふてい)朝鮮人が日本人を虐殺したのが真相」といった妨害を行って来た。自分たちも追悼会を行っている、としているが、追悼式典に参加している人々との間にトラブルを起こし、追悼式典を中止に追い込むことが目的であり、それは彼らのホームページなどでもハッキリと書いてある。
東京都は今回、双方に対して公園使用上の一定の条件を出し、これを守れない場合は「不許可になっても異存ありません」という誓約書の提出を求めてきた。東京都建設局はトラブルを回避するため「公平に誓約書をお願いすることにした」としたが、追悼式典の側はこれを拒否した。ヘイト団体とヘイトクライムの犠牲者を追悼する側を同列に規制することは公平でもなんでもないからだ。このことが報じられるとあっという間に三万人の署名が集まり、多くの識者も声をあげた。これを受けて東京都は誓約書の提出要求を撤回せざるを得なくなった。  さらに東京都総務局人権部が「そよ風」が集会で行っている言動を都人権尊重条例が解消を求める「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」つまり「ヘイトスピーチ」と認定したのだ。東京都のヘイトスピーチ認定は一般の人からの通報を受けて、識者で構成される人権審査会が審査を行い、その審査を受けて人権部が決定する。
今回、多くの人々が声を上げ、署名を行い、闘うことで追悼式典をつぶすことを阻止することが出来た。しかし、虐殺の事実を否定するヘイト団体とさほど変わらない考え方の人物が都知事を務めている状況は変わらない。

無策のごまかし
罰則つき都条例


次に小池都知事が特別顧問を務める都民ファーストが東京都議会へ提出しようとしていた「罰則付きコロナ都条例」など都政をめぐる問題については都政ウォッチャーの渥美昌純さん。今回都民ファーストが提出した条例は「東京都新型コロナウイルス感染症対策強化に関する特別措置条例」、すでにある「東京都コロナ感染症対策条例」(対策をした飲食店の虹色ステッカー)とは別物、すでにある条例は四月七日に議会での議決をしない専決処分で成立、自由を守る会が反対、七月の一部改正で自由を守る会、共産党が反対、さらに一〇月に一部改正、このとき初めてパブコメ、自由を守る会、共産党が反対、となっている。
また、ほとんどの都民が知らないことだが、この間、二月二八日より東京都議会はコロナ禍を理由に傍聴中止措置が続けられており、これは地方自治法にも違反した行為であり許しがたい。渥美さんが代表を務める「集会・デモぐらい自由にやらせろ!実行委員会」は都議会議長宛に傍聴中止措置の解除を求める陳情を行っている。
都民ファーストの条例案は迷走しており、二二日時点でも内容が未公開であった。その後、都民ファーストとともに都議会与党を構成する公明党が罰則付きの条例には反対していることから都議会への提出を断念。しかし、委員会での検討を追求していると報じられた。

大軍拡の暴露と
反撃への連携を


続いて武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司さん。安倍・菅政権下での大軍拡について解説。イージス・アショア配備撤回から一転して敵基地攻撃論が浮上。安倍前首相が閣議決定のないまま「内閣総理大臣の談話」を発表し、年内に新方針を発表するとしていたが、大阪市廃止の住民投票敗北に痛手を受けた公明党に配慮し、来夏の都議選、あるいは衆院選後まで先延ばしになったとの見通しが報じられている。だが予断を許さない。推進派のイデオローグと目される一人が村野将(米ハドソン研究所研究員)であり、高橋杉雄との共著『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書店)において内容が明らかにされているが、「日米が第一に追求するべきは、策源地攻撃用のGLCM(地上発射型弾道ミサイル)とMRBM(準中距離巡航ミサイル)/IRBM(中距離弾道ミサイル)とのベストミックス」「東南アジアから南西諸島に至るラインに、対艦攻撃用トマホークを分散配備する」「ポストINF打撃システムの運用に際して、米軍と自衛隊との共同作戦図を共有し、日米共同の統合ターゲティング調整メカニズム確立」など、そこに描かれているのは対中国を想定して南西諸島をミサイル戦争の舞台にする危険な未来図である。
ついこの間まで民主党にいた自民党の長島昭久など推進派がシンポジウムなどで嬉々として語っているネタ元もこれである。
杉原さんは敵基地攻撃兵器のターゲットとされる人々や韓国など海外の市民運動とも連携しながら、米国などの軍産複合体と対峙し、日本に軍産複合体を作らせない闘いを様々な人々の連携で作るあげていることの必要性を訴えた。   一二月一二日(木)一四時から一五時には「殺すな!STOP敵基地能力12・17国会正門前ダイ・イン」が行われる。 若干の質疑応答を行い集会を終えた。                  (板)



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