一一月一八日夜、東京都練馬区のココネリホールで「日本航空(JAL)不当解雇撤回闘争を支援する東京北部集会」が開催された。集会には一一六人が参加した。主催はJAL不当解雇撤回闘争支援東京北部集会実行委。
経営の好き勝手
許さないために
二〇一〇年、放漫経営で危機に陥った日本航空は、人員削減を強行する中で同年一二月三一日(大晦日!)に年齢と病歴を理由にパイロット八一人と客室乗務員八四人、計一六五人を整理解雇した。JALの経営危機は、日米貿易摩擦解消のため一機二〇〇憶円のジャンボ機を一一三機も購入することを強制されたこと、あるいはホテル・リゾート事業の失敗による巨額の赤字など、経営陣ならびに政府による米国への政策的配慮による要因が大きい。しかしその責任は、すべて労働者に押しつけられたのである。
その上、解雇の過程で労働組合のスト権投票に対して、管財人らは「スト権が確立したら企業再生機構からの三五〇〇億円は出資しない」との脅しを行うに至った。二〇一六年最高裁は、この行為が憲法二八条違反としてJALの敗訴が確定した。
一〇年後の今、コロナ危機の中で、労働者の生活と権利を守り、解雇・賃下げに反撃する労働者の闘いを再生していくためにも日航労働者の闘いを思い起こし、雇用・権利・生活を守る闘いを構築していくことが問われている。この日の東京北部集会は各地での集会の第一段として準備された。
この時代だから
争議解決に価値
メインの講演は、毎日新聞記者で元国民支援共闘代表の東海林(とうかいりん)智さん。
東海林さんは「一番最初からとんでもない解雇だと思っていた。十年経っても負けずに解決を迫っていきたい」と切り出し、「コロナ禍の中でのその今日的意義を明らかにしていこう」と切り出した。
「安倍『働き方改革』で進められた『柔軟な雇用』の矛盾が一気に噴き出した。休業補償がまともに出たのは正社員だけだ。派遣社員なので休業補償を支払う義務がない、とか、パート、アルバイトは休業補償の対象にはならない、とのデマが飛び交った」。
「そうした中で犯罪組織の『受け子』として使われる例や、『労働法なき世界、労働者なき世界』が作り出された。個人請負とされてきた労働者(典型的にはヤクルト・レディー、出前代行のウーバーイーツの例)は『個人事業者』とされて労働者の権利の適用外とされる。こうした人びとはコロナ禍で、月収三〜四万円に落ち込む例が多い」。
「JAL争議の教訓は、『コロナ禍の労働のあり方』を見るとき大きな教訓となる。今だからこそ争議の解決は価値あるものになるはずだ。コロナ禍の下、今後リストラや退職勧奨、整理解雇、指名解雇などの頻発も予測されるが、状況が回復し、採用を再開する状況があれば、解雇したものを優先的に採用するという条件をJALに守らせることで、多くの闘いに波及させることができる。『ILOの勧告を守れ』だけでは理解が広がらない。この勧告をどのように使うかをアピールする必要がある」。
権利の主張
今こそ必要
東海林さんの講演のあと、客室乗務員原告団長の内田妙子さんが発言。客室乗務員は二〇二人が指名解雇を受けたが、年末には一六五人が残った。日航は今年、三三〇〇億円〜三八〇〇億円の赤字が記録されると言われるが政府は「雇用を守る」と言明している。内田さんはこうした局面の中でこそ、労働者の雇用・権利を守る闘いを、と呼びかけた。
続いてパイロット原告副団長の斎藤さんが発言。斎藤さんは高校を出て二一年間、海上自衛隊P3C対潜哨戒機のパイロットを経験した後、旅客機のパイロットになったという経歴の持ち主。斎藤さんは「解雇指名を受けて初めて労働組合の意義を理解した。この日の集会には、解雇された日航労働者当該が一六人参加している」と報告した。
最後に練馬全労協議長の奥山さんが、このコロナ危機の中で、JAL争議の経験を引き継ぎ、その勝利を実現するとともに、労働者の雇用・賃金・権利を守る闘いを発展させよう、と呼びかけた。 (K)
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