川崎市アートセンターで「はちどり」(監督 キム・ボラ、2018年、韓国・アメリカ)を観た。
「はちどり」は「リコーダーのテスト」で9歳だった主人公ウニのその後の物語だ、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ国内外の映画祭で50を超える賞を受賞した、という。
「はちどり」は14歳で中学2年生の少女ウニ(パク・ジフ)の目から見た世界を描いている。
「はちどり」は女性を性的対象として描いていない。人間として描いている。「はちどり」で印象に残ったセリフの1つは、漢文塾の教師であるヨンジ(キム・セビョク)の「誰かに暴力をふるわれたら立ち向かうの。黙っていたらダメ」という言葉だ。「はちどり」は暴力とたたかうことを訴えている。「私たちは死んでも立ち退かない」という住民の横断幕を見て、「三里塚のたたかう農民」や「沖縄のたたかう人びと」のことを思い出した。映画を観ていて、人間の存在はかけがえのないものなのだということ、人はさまざまな人びとの愛(善意)によって支えられているのだということが伝わってきた。日本人も朝鮮人も同じ人間であり、朝鮮人の命も大事なのだということが伝わって来た。そして関東大震災の時に虐殺された朝鮮人のことを考えた。ソンス大橋の崩落で亡くなったある人のことが悲しかった。「人生は美しい」みたいなヨンジ(キム・セビョク)のことばで、トロツキーの遺書を思い出した。
「人生は美しい。未来の世代をして、人生からすべての悪と抑圧と暴力を一掃させ、心ゆくまで人生を享受せしめよ」(1940年2月27日、トロツキー/訳 西島栄)。
(2020年11月8日)
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