一〇月三一日、渋谷区立勤労福祉会館で「反原子力の日」集会が行われた。主催は原発とめよう!東京ネットワーク。集会には四〇人が参加した。
一九五六年一〇月二六日、日本が国際原子力機関に加盟し、さらに一九六三年の同日には茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉で日本初の原子力発電が行われたことを記念して、政府は一九六四年に、この日を「原子力の日」にした。反原発運動は、政府・電力資本の側の原発建設・依存政策に抗して、一〇月下旬に「反原発の日」行動を設定してきた。
この日の集会は二つの講演をメインにして進められた。
原発汚染水を
海に流すな!
最初の講演は、「福島第一原発汚染水問題」で講師は満田夏花さん(FoE Japan事務局長)。
満田さんは、福島第一原発のタンクに溜まり続けている汚染処理水を海に流す方針を固めた、とのメディア報道に焦点を当てて報告した。汚染処理水の海洋放出には世論調査では七〇%が反対している。ALPS処理汚染水には860兆ベクレルのトリチウムが含まれ、セシウム137、セシウム134、ストロンチウム90、ヨウ素129などの放射性物資が残留し、七割以上の水で基準を超えた数値が記録されている。トリチウム以外でも62核種の総和で基準超えが七割に達している。
東電の「処分」素案は、海洋放出に当たっては海水で希釈し、三〇年〜四〇年かけて放出するというものだ。こうした「海洋放出案」に対して漁民は繰り返し反対の意思を明らかにしており、福島県漁連、茨城沿海地区漁業協同組合連合会、そして全漁連も「海洋放出に断固反対する」との特別決議を全会一致で採択した。福島だけに重荷を背負わせるな、という強い意志が漁民の間で明らかになっている。
朝日新聞、福島放送による福島県内の世論調査(二〇二〇年二月)でも、海洋投棄に反対が五七%、賛成が三一%だ。この間、開かれた公聴会では多くの人々が「大型タンクによる陸上保管案」を提案し、「海洋投棄」を是とする人は圧倒的に少数だった。
政府は、「トリチウムは自然界にも存在し、国内外の原発施設から大量に放出されているものの健康被害は報告されていない」、と強弁している。しかしトリチウムがもたらす健康被害について軽視すべきでない、という議論があることを満田さんは指摘した。
今年になってから意見聴取も行われている、多くの場合経産省が選んだ「関係者」からのみの意見聴取であり、議論の場はない。その一方、国際的にも韓国、アメリカ、イギリスの市民団体などから反対の声が寄せられている、という。満田さんは「汚染水の海洋投棄反対、放射性物質総量提示」などのFoE Japanの声明を紹介した。
放射能廃棄物
地層処分NO
次に原子力資料情報室共同代表の西尾漠さんが「高レベル放射性廃棄物『文献調査』のねらい」と題して報告。西尾さんは、北海道寿都町の町長、神恵内村の村長が「放射性廃棄物地層処分地選定」の手続き受け入れに向かって一歩進めている、と報じられていることを取り上げ、「受け入れに応じてくれる所が『適地』だというものでしかない」と批判した。それは住民の意向を無視したさらなる混乱を引き起こすことにしかならない、と強調した。
集会後、渋谷の繁華街を通るデモを行い、「原発いらない」のアピールを届けた。 (K)
11.12
学術会議任命拒否
強権政治にSTOP
新宿駅前でアピール
一一月一二日午後六時から、「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委」は、東京の新宿駅前で「菅首相は学問の自由を守れ、日本学術会議会員任命拒否を撤回せよ」と訴える緊急の街頭宣伝が行われた。主催は戦争させない・憲法9条を壊すな!総がかり行動実行委と安倍9条改憲NO!実行委。
菅新政権の下での、「日本学術会議」新会員の六人の任命拒否は、これまでの歴代自民党政権も敢えてやらなかった、政府による学者・研究者たちへの公然たる介入であり、政府への批判的言論に対して露骨な圧力によって脅しをかけ、学会に対して政府への異論を封じ、学者・研究者に対するコントロールを強化しようとするものだ。その中心で動いたのは警察官僚出のトップである杉田和博官房副長官だ、と報じられている。神奈川県警本部長、内閣情報室調査室長、危機管理監、内閣官房副長官兼内閣人事局長などをつとめた七九歳の杉田は、学術会議の六人の任命拒否を主導した張本人である。
この日の行動では総がかり行動実行委員会の高田健さん、小田川義和さんが「学術会議」会員六人の任命拒否という「民主主義破壊」の暴挙を軽視することなく、任命拒否の撤回を勝ち取ろうと呼びかけた。国会議員からは共産党、立憲民主党、沖縄の風、社民党の代表があいさつし、菅政権による「学術会議」新会員六人の、理不尽きわまる任命拒否を撤回させよう、と訴えた。
- これは決して「学術会議」VS「菅政権」という枠組みで捉えるべきではない。民主主義破壊の強権政治へのさらに大きな踏み込みにストップをかけ、改憲を断念させる陣形に向けて労働者・市民の反転攻勢にはずみをつける行動を積み重ねよう。 (K)
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