11.12
止めよう女川原発2号機再稼働
石巻市民が同意差し止め仮処分申立
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【宮城】一一月一二日、石巻市民一七人が「宮城県知事と石巻市長は、女川原発2号機が運転を再開するのに際して、同意をしてはならない」と仙台地裁に同意差し止めの仮処分申立を行った。
女川原発2号機は、原子力規制委員会での一七四回にわたる「適合性審査」が九月二八日に実質的審査が終了し、今後は、「適合審査書案」を作成・公表、審査案に対するパブリックコメントを募集。その後、パブコメへの意見に回答を付した「適合審査書」が公表され、原子力規制委員会から経済産業大臣に「適合審査書」が提出され、経済産業省・資源エネルギー庁長官が事業者に設置変更の許可が出される。その後、資源エネルギー庁長官が知事を訪問、設置変更許可を報告、地元同意の手続き要請へと進む。
「避難計画」の
実効性を問う
申し立ての理由は、「女川原発2号機の三〇q圏内(UPZ)の住民が人格権に基づき避難計画に実効性が欠けているにもかかわらず、住民に知らせないままで再稼働に同意しようとしている宮城県と石巻市に同意を差し止めるよう求める」ものである。電力会社ではなく、自治体を相手取り、避難計画の実効性を争う全国初の訴訟となっている。
机上のプラン
にすぎない!
申し立てを行った石巻市民は、女川原発の避難計画に関心や多くの疑問を抱き「女川原発の避難計画を考える会」を立ち上げ、宮城県が作成した原子力防災のガイドラインとそれに基づく石巻市の広域避難計画について、昨年の四月より、その検証のため毎月一回の検討会・学習会を重ねてきた。
それぞれの居住地から、市の広域避難計画で示された避難経路に従い、実際に避難してみた結果、交通渋滞で三〇q圏内から脱出できない恐れや避難退域時検査所や受付ステーションを経て避難所までたどり着けない恐れがあること、風向きで避難先を変更する場合はどうするのか、指定された避難先で拒否されたら二次避難所はどうなるのかと様々な疑問が生じた。
このように避難計画は、一四万市民を県内に限定した他自治体に、いかにして振り分けるか苦心した机上のプランであると言わざるを得ない。
実効性がなくて
も同意するのか
自家用車がなく移動が困難な住民のためのバスが確実に確保できるのか、入院患者や高齢者施設、障がい者施設の入所者の「要支援者」など社会的弱者の避難問題、複合災害時における対応などを指摘し、宮城県や石巻市に四次にわたる公開質問や「合同説明会」開催要求、情報公開請求を行ってきた。
宮城県と石巻市は、合同説明会については、「避難計画は策定途上で、住民の不安を煽る」として「現段階ではできない」と説明会開催は拒否、「避難計画の実効性確保は、再稼働同意の必須の条件ではないのか」という質問については、「(同意を求められたら)国の原子力防災会議の状況なども踏まえて判断する」と国の指針で判断する姿勢で住民の意見など無視する構えだ。
こうした県や市の姿勢を放置するなら、避難計画の実効性について、市民への説明がないままに再稼働が同意されてしまうことを危惧し、「市と県の避難計画に実効性があるのかないのか」「実効性がないとすれば,それでも再稼働に同意してよいのか」を法廷の場で明らかにし,市民や県民に伝えるための手段として「女川原発の再稼働に同意しないこと」を求める仮処分を申し立てた。
「避難させる」側
の視点だけだ
申し立てで、避難計画に実効性が欠けている七点を指摘している。第一に、交通渋滞で避難所にたどり着けないこと。第二に、複合災害時に受け入れ自治体から受け入れを拒否され、二次避難先が確保できないこと。第三に、バスの確保、手配ができないこと。第四に、病院、高齢者施設・障がい者施設など入院、入居者など「要介護者」の避難が困難であること。第五に市の行政移転先が確保されないこと。第六にオフサイトセンターが機能しないこと。第七に安定ヨウ素剤の緊急配布ができないことを上げている。
その理由は、第一に避難者の視点を欠き、避難させる側の視点のみで計画が作成されたこと。第二に現場調査を欠いたこと(机上のみの計画)。第三に設計のミスの放置(30q圏内からの脱出と指定した避難所への避難を同時に達成しようとした設計ミス)第四は宮城県が現場責任を果たそうとしていないこと(バス確保をバス協会に丸投げ)。第五に福島事故の教訓を全く反映させていないことを指摘している。
事前防止義務
違反に警鐘!
人格権は、個人の生命、身体、精神及び生活の平穏等の人格的利益を保護する権利である。将来違法な侵害が発生する恐れがある場合、その侵害の原因となる行為の差し止めを請求することができる。
宮城県と石巻市は、実効性を確保することが求められている。現状の避難計画は実効性を欠き、東日本大震災の津波で児童と教職員が犠牲となった大川小学校の控訴審判決で、実効性の高い避難計画の事前の整備を怠った学校側の責任を厳しく指摘されたいわゆる「事前防災義務」に違反していることは明らかである。
実効性に欠ける避難計画=事前防止義務違反状態の同意は、人格権を侵害するものであり、宮城県知事と石巻市長は女川原発再稼働に同意してはならないことは明らかである。
同意差し止め裁判に支援と注目を! (m)
呼びかけ
一般社団法人三里塚大地共有運動の会
12・1第2回総会記念集会へ
人権無視・環境破壊NO!
〇日時:12月1日(日)午後1時30分開場・午後2時開始/資料代 500円
〇会場:東京・文京シビックセンター4階シルバーホール(後楽園駅・春日駅/地図裏)
総会記念集会
・主催者挨拶・総会報告 山口幸夫さん(代表理事)
・三里塚から 加瀬勉さん(元三里塚大地共有委員会代表〈2〉)
・三里塚から 柳川秀夫さん(三里塚芝山連合空港反対同盟)
・法人活動報告 三里塚大地共有運動の会
・三里塚現地報告 山崎宏さん(横堀)
・講演 大道寺毅さん(羽田空港を監視する会)
「首都圏空港機能拡張は何を突きつけているか―羽田空港から考える」
・連帯発言
主催:一般社団法人三里塚大地共有運動の会
共催:三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)
三里塚空港に反対する連絡会
連絡先▼東京都渋谷区初台1-50-4-103 TEL03-3372-9408 FAX03-3372-9402
https://kyouyu-undou-no-kai.blogspot.com/
第2回総会記念集会へ
一般社団法人三里塚大地共有運動の会は「三里塚闘争に連帯し,三里塚大地共 有運動を継承し発展させることを目的」に、1966年からの三里塚一坪共有運動、 83年からの再共有化運動を受け継いで、2018年10月に設立されました。
成田空港では2018年3月、夜間発着時間拡大など空港機能強化が決定され、田 村明比古成田空港社長の第3滑走路運用開始目標の2020年代半ばへの前倒し表明 など、移転を強いられ、騒音被害を受ける住民を無視した空港拡大が続いています。同時に「所有者不明土地対策」を口実とした共有地取り上げの法制化の動き が進められています。
この1年、三里塚大地共有運動の会は全国の共有者に呼びかけ、法人への登記 変更に着手し、三里塚現地共有者会議の開催、台風被害カンパ、三里塚現地での イベント・行動に取り組んできました。設立1年を迎え、第2回総会の記念集会 を12月1日に開催します。
羽田空港新飛行ルートの
人権無視・環境破壊
また、集会では大道寺毅さん(羽田空港を監視する会)から「首都圏空港機能拡張は何を突きつけているか―「経済活性化」が人々を押しつぶす時代への舞い戻り―羽田空港から考える」をテーマに講演をしていただきます。
国交省は、首都圏空港機能強化政策として成田空港機能強化とセットで羽田空港の新飛行経路の運用を開始(2020年3月29日)し、国際線を年間約3・9万回増便を決定しています。新ルート下の住民は、人権無視・環境破壊だとして抗議を表明しています。羽田空港機能拡大の問題を探っていきましょう。
12・1記念集会にご参加ください。
コラム
怒りの礫が届くとこまで
久しぶりに福島の友人から電話があった。用件は、家族での食事会をするのだがいいとこないかという話。とりあえず何箇所か店名を教える。明るい話声に何か良いことがあったのか?と聞くと「孫が中学校に入学した」と言う。もう中学生か! 改めて「八年の年月」を考えさせられる。原発事故によって一緒に暮らしていた孫と家族が避難し、夫婦二人が故郷に残った。遊びに行くと、ばーちゃんにじゃれつき、照れながらあいさつするお孫さんだった。しんと静まりかえり、出歩く人もいない町。同居家族が去った家は、やりばの無い怒りと辛さと寂しさが漂っていた。ストレスが心を蝕み、抜け殻のようになっていく妻を支えて来た友人の口から「ようやく元気になった。一緒に散歩にも出かける」と弾んだ声が電話口から聞こえた。だからこそ。だからこそ。一層の怒りが込み上げてくる!!
総額三億二千万円。菓子袋の底から「出るわ!出るわ!」現ナマ、金貨、金杯、ドル札、商品券……。関電社長、会長の三時間超の記者会見。口を「へ」の字に結び、公開された身内の「調査委員会」報告書(氷山の一角)に苦渋の「被害者」面して答えている。この演目の筋書きはこうだ。金品の贈り主の元高浜町の元助役は既に亡くなっているので、これ幸いとばかりに、洗いざらい元助役に擦り付けるべく極悪非道な人物像を描き出す。そして「恐怖の賄賂地獄」から抜け出せなかったか弱い「善人」を演じる。
二〇〇六年から始まった「賄賂」攻勢の背景は、原発原子力事業本部(福井県美浜町)を舞台にした二〇一七年高浜原発、二〇一八年大飯原発の再稼働に向けた動きだ。
「手土産」を持参し発注工事の情報を手に入れ世話になった幹部には「特注」の菓子袋。グルグル回る巨額の原発マネーで「ウイン ウイン」の関係を築く。掛かる費用は「総括原価方式」によって電気料金に含ませ、利用者から問答無用とばかりに徴収する。
東電を訴えた民事裁判の傍聴席で、原告の声を聴き、被告の反対尋問を聞く。「コンビニも開店し診療所もある、消防署や役場も、来年はマルシェもできる」と前置きし「復旧が一歩、一歩進んでいると感じませんか?」。原告が「復旧ではない」と即答。「人は帰ってこない、としよりばっか戻ってきても何の楽しみもね」「畑や田圃も何にもできね」。切々と語る原告の言葉は「故郷」を失った悲しみと怒りに満ちている。
自然との関りを絶たれ、人と人との繋がりを絶たれて何が「復旧」なのか! 本当に腹立たしい東電刑事裁判の旧経営陣三名「無罪」忖度・不当判決だ! 怒って怒って怒って毎日、毎晩東電に怒りをぶちまける電話をかけ続けた二〇一一年。返ってくる空虚で「事務的」な応えに疲れ果てたと嘆く。いま友人の切なる思いは「何としても仇を取る」の一言だ。
関西から関電包囲に向けたリレーデモが高浜現地から出発したとの報。東北から女川原発再稼働阻止に向け一七名の市民が「県知事と石巻市長は同意するな!」と同意差止めの仮処分申し立ての報。追い詰めて追い詰めてこの怒りに満ち満ちた礫が届くとこまで。(朝田)
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