沖縄報告 11月10日
今こそ新基地建設断念させよう
沖縄 K・S
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11.6
琉球セメント安和桟橋
拍車がかかる赤土土砂
の搬入搬出に抗議
一一月六日水曜日の現地行動は、キャンプ・シュワブゲート前の座り込み、琉球セメント安和桟橋ゲート前の阻止行動、そしてカヌーなど海上行動チームの安和桟橋での運搬船接岸・離岸阻止行動として、行われた。現場が辺野古、安和、塩川の三カ所になり、全体的に縮小傾向の現地闘争の人員が分散を余儀なくされる中で、それぞれの現場では、諦めない、屈しない行動が果敢に展開された。
安和のゲート前行動は、水曜日を主として担う普天間爆音のグループ、島ぐるみ南部の南風原、糸満、豊見城、八重瀬、南城を軸に展開される。先々週一週間土砂搬入が完全にストップした沖縄防衛局の焦りを表すかのように、先週、今週と安和、塩川からの赤土土砂の搬出のペースが上がっている。五日には、安和、塩川合わせてダンプの台数にして一〇〇〇台を超えた。
辺野古ゲート前では、平和市民連絡会の高里鈴代さん、宮城恵美子さんのリードで、朝九時、昼一二時、午後三時の資材搬入を止めるため、警察機動隊の排除に抵抗しゲート前の座り込みをやり抜いた。塩川港では、本部町島ぐるみを中心に早朝からの行動隊が赤土ダンプの進入を一時間にわたって止めた。安和桟橋のゲート前入口と出口でもそれぞれ一〇人前後のメンバーがノボリをたて、プラカードを手にしてダンプの出入りに対する粘り強い行動を展開した。安和の海上では辺野古からカヌー一四艇とゴムボートが早朝からスタンバイし、運搬船の接岸・離岸に身を挺した抵抗を続けた。
チリも積もれば山となる、という諺がある。少しずつ工事を遅らせる毎日の抵抗の積み重ねは大きな打撃となって政府防衛局へ波及していく。埋め立て工事が始まってすでに五年。当初の予定では五年で埋め立ては完了するはずだった。ところがどうか。統一連事務局長の瀬長さんは八日豊見城村で開かれた日本平和大会で「埋め立てはわずか一・四%」と述べた。この事実だけでもうすでに辺野古新基地建設は破綻していると言うべきだが、安倍は辺野古に固執し続けている。この先、さらに無駄な年月と国家財政がつぎ込まれようとする。安倍が県民に寄り添うというのなら、首里城再建だけでなく、辺野古新基地を断念せよ!
県議会与党会派の六人は一一月一一日から一週間の予定で米国を訪問し、APALAとも連携しながら、新基地反対・埋め立てストップ!の県民の民意を伝える活動を展開する。県民ぐるみの総力を挙げて埋め立てを止めよう!
〈カヌーチームTさんの報告〉
14人で行動した
一一・〇六(水)安和 快晴。日中は約二八℃、太陽が当たっていると暑いくらい。
本日はまるで昨日行った抗議&阻止行動の内容をそのまま再現したような感じだった。違ったのは昨日の参加者七人に対し本日は一四人。これだけの人がいるといろいろ作戦を立てることができるし、やりがいがある。
桟橋下の網にカヌーを結び待機する。午前中四五分、午後七五分、ガット台船の出港を遅らせた。今日は人数が多かったので全員が網に結ばないで、ガット台船の周りをカヌーで漕ぐという作戦も併用。残念ながら、三隻目のガット台船は一五時四五分着岸。
私たちが辺野古の第二テントに戻ったのは一七時四〇分、ライフジャケットやカヌーを洗い、テントを後にしたのは一八時一〇分、もう辺りは薄暗い。
11.4
県下45万人の水が危ない
米軍による水汚染問題
講演会に130人
一一月四日午後、宜野湾市社会福祉センターで、島ぐるみ会議ぎのわん主催の「PFOS/PFOA汚染で県下四五万人の水が危ない!」と題する豊里友治さんの講演会が開かれ、各地から一三〇人が参加した
司会は桃原功市議。はじめに主催者を代表して、新垣清涼県議、島ぐるみ会議ぎのわん顧問の伊波洋一参院議員があいさつした後、豊里さんがパワーポイントを使って講演した。豊里さんは嘉手納ピースアクション世話人で、毎週金曜日の朝、嘉手納基地のゲート前行動を続けている。
〈豊里友治さんの講演〉(要旨)
北谷浄水場の汚染を中心に考える。PFOSは二〇〇九年POPs条約で製造、使用、輸出入が制限された。PFOAは二〇一九年に製造、使用、輸出入が禁止された。PFHxSは、二〇二一年、規制がかかると予想される。PFOS等の毒性については、環境省が二〇一一年に出した処理に関する留意事項、北海道大環境研究教育センターの岸玲子先生の研究などによっても明らかにされている。今年五月一五日放映の「クローズアップ現代+」によると、米国のデュポン社はPFOA被害裁判で和解し、三五五〇人に七六〇億円の補償を行った。工場周辺七万人の毒物の血中濃度は米国人平均の二〇倍にも上り、高コレステロール、甲状腺疾患、腎臓がん、精巣がんなど六つの病気を補償した。
米国の保健福祉省の毒物疾病登録局は二〇一八年、動物実験の結果をもとに、PFOS/PFOAの基準値を定め、環境保護庁は二〇一九年、包括的な全国PFAS行動計画を公表した。それによると、PFOS/PFOAを有害物質としてリストに加え、二一〇〇億円を投じて基地周辺の汚染場所の浄化を行う計画であるという。独・英の基準は米国より緩いが、米国の各州ではより厳格な独自の規制に取り組む動きが進んでいる。
厚生省が集約した二〇一
三年から五年間の全国約一〇〇カ所の浄水場のPFOS/PFOA検出状況によると、米英独の基準値をはるかに越える量が測定されている。特に、最近は北谷浄水場が原水、浄水とも最大値を記録した。言うまでもなく、汚染源は嘉手納基地だ。@嘉手納基地内を源流とする大工廻川の高濃度汚染、A基地内の井戸群の汚染、B基地の地下水脈が出る屋良地域の湧水の高汚染、C有機フッ素化合物は人工化合物で、基地周辺に有機フッ素をつくる工場はない、D米国防総省は五〇年間泡消火剤にPFOSなどを使用し続けたとワシントンポストに告げた、などが証拠だ。
沖縄県の現在の一日最大給水能力は六〇万トン以上あるが、実際の供給量は四二万トン前後で推移している。汚染された水源からの取水を止めることは可能だ。北谷浄水場の使用を中止し、米軍に有機フッ素化合物の使用を止めさせ、日米両政府に汚染除去を求めなければならない。国、県は過去の健康被害を解明すると共に、米国の州独自の取り組みにならって、県独自の厳しい環境基準を設けるべきだ。
活発な意見交換
意見交換では、「大掛かりな除染作業が必要になる。基地の中で浄化すべき」「韓国でも、二〇一〇年ごろから始まった返還米軍基地の汚染に対する取り組みをしてきた。韓国の環境団体との連携を進めた方がよい」「大山は金武と並び県内有数の田芋畑だ。行政が責任をもって調査、対策を」「かつて長寿日本一だった沖縄が二〇〇五年あたりから急速に転落するのも関連があるのではないか」「粒状活性炭は、県の言明とは逆に、有機フッ素化合物の除去に効果があるとは思えない」「土壌汚染も深刻だ。米軍に薬品名、使用歴を公開させることが必要だ」「米軍に原状回復の義務がないという現在の地位協定に根幹の問題がある」「普天間の返還の前に、米軍の責任による浄化を実現させなければならない」など、活発な議論が交わされた。
11.5
平和祈念資料館1階企画展示室
「戦死者たちからのメッセージ」展
一一月五日、島ぐるみの友人から「苦しくなるぐらい、すごいメッセージ力がある」との連絡を受けて、さっそく足を運んだ。全国各地からの修学旅行生であふれる平和祈念資料館一階の奥まった企画展示室で、武田美通・鉄の造形「戦死者たちからのメッセージ」と題する三〇作品が展示されていた。知る人ぞ知る、かも知れないが、私は初めて見た。そして鉄という金属を素材としていることが信じられない位、造形のすばらしさと訴える力強さに心を奪われた。何という巧みさ、表現力。まるで死した兵士たちが実際に語り、叫ぶような迫真力にあふれていた。
三〇作品どれもみな素晴らしいが、その中で特に印象深かったのは、鉄のヘルメットをかぶり銃剣付き小銃を手にしたドクロの兵隊が帰還の敬礼をしている作品だ。タイトルは「帰還兵が問う」とある。ドクロの帰還兵は「あの日から七四年、風さらしだった白骨のわが身に、敢えて当時の兵器をまとい、長い歳月をかけて、ようやく帰ってまいりました。あの戦争は何だったのか、しっかり検証されたのでしょうか。私たちの死はムダではなかったのでしょうか。それを確かめたくて帰ってまいりました」と語りかける。
もう一つ目に焼き付いたのは、白骨のドクロがかんからサンシンを手にして歌っている造形だ。説明文には、「歌い継ぎ、語り継ぎゆかん、沖縄戦の地獄を」とのキャプションのもと、「米軍の沖縄上陸いらい猛烈な鉄の暴風にさらされながらも県民男子は防衛召集の兵士として戦列に加わり、女子もまた看護や炊事、砲弾運び、さらには挺身切り込み隊にまで参加し、約一〇万人が戦火の犠牲となった。この凄惨きわまる沖縄戦をどれだけの人が知っているだろう。果たして、後世に生きる私たちはいま、沖縄とどう向き合っているだろうか」とある。
銃で自決する兵士、銃剣を手にした陸軍兵士、指さす特攻兵士、飢餓地獄の兵士、靴を喰う兵士なども含めて、鉄で造形したドクロの表情が素晴らしい。ドクロが語り、問い、叫ぶ。
展示会は一二月一五日まで。武田美通さんは二〇一六年五月一五日、八〇才で亡くなった。是非足を運び、異才が残した作品群に向き合ってほしい。
10.27やんばるの森ツアー
無残に皆伐採された
森の姿に息をのむ
一〇月二六日、沖縄環境ネットワークとやんばるDONぐり〜ず共催による「オスプレイと同居する世界自然遺産はない!やんばるを真の世界自然遺産に」緊急学習会が開かれた。講師は、広島フィールドミュージアムの金井塚務さん「やんばるの森の皆伐による生態系の破壊」、日本鱗翅学会の宮城秋乃さん「北部訓練場返還地の米軍廃棄物・土壌汚染問題」、沖大名誉教授の桜井国俊さん「コスタリカから学ぶツーリズムのあり方」の三人。
翌二七日(日)、やんばる森林伐採地をめぐるツアーが実施され、十数人が参加した。第一の観察地点は、宜名真林道沿いの伐採地。宜名真集落から川沿いに舗装された林道を登っていくと、道路脇に二台の重機が止まっていて、道の左側の斜面は数十m下の谷まですべて伐採されていた。中にはノグチゲラが営巣できる直径四〇〜五〇cmクラスのイタジイの木も根元から切られている。
対面の森一面にはおそらく数年前に伐採されたところであろう、草木が低く茂っている地域がある。一見回復したように見えるが、森本来の機能は失われている。金井塚さんによると、伐採には川筋から五〇mは残そうという昔からの取り決めがあるという。しかし、そうするとやんばるでは「林業」は成り立たない。そのため手あたり次第伐採が行われているのだという。
奥やんばるの里で遅い昼食をとったのち、午後はもう一つの皆伐採地、辺土へ向かった。国道から入った道をしばらく行くと、U字型の道をはさんで谷の両側が広範囲にすべて伐採されている。無残な姿に言葉を失った。ブルドーザーで尾根筋につくられた赤土の道を通って伐採がさらに広がっている。特別保護地域の西銘岳が向こうの方に見える。なんのための「世界自然遺産」か。森を育てて使うという本来の林業の姿は全く見られない。伐採したあとの植林事業の補助金目当てに群がる金の亡者。補助金目当てのためにやんばるの森が大規模に壊されていることを県民は知らない。
伐採面積は、宜名真が約二ヘクタール、辺土が約二・五ヘクタールにのぼる。国頭森林組合による、理不尽な森の破壊を止めなければならない。
■命の森やんばる訴訟の次回口頭弁論期日は一二月一七日(火)10:00、那覇地裁。
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