10.30
米国の「有志連合」構想に加担するな
首相官邸前で緊急抗議行動
戦争に直結する違憲行為だ
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「調査・研究」を
口実に戦争行為
安倍首相は一〇月一八日、自衛隊に中東への自衛隊派遣検討を指示した。それを受けて防衛省は「調査・研究目的」として、範囲を限定することなく、また国会の論議を受けることもなく、政府の独断で自衛隊を海外派兵しようとしている。
アメリカがイランと対立する中、ホルムズ海峡を守る名目で、アメリカが連合軍を結成してイランを抑えこむ体制を作りつつある。それへの参加を求められた日本がイランとも決定的対立を避けるために、独自に自衛隊派遣を行い、アメリカの顔を立てるものだ。「調査・研究」では原則武器使用は認められないとしつつも、自衛隊幹部は緊急事態になれば武器の使用もありうるとはっきりと述べている。
いずれにしても、今回の自衛隊派遣は、軍事的対立・緊張の真っ只中に、自衛隊が入っていくというきわめて危険なものだ。
こうした動きに対して、公明党の北側一雄(副代表)は一〇月二四日の記者会見で、「『調査・研究』を根拠にして、安易に自衛隊が派遣されることはあってはならない」と述べた。また、自民党の石破元自民党幹事長も「政府は国民に説明が必要だ」と疑問を提起した。
自衛隊の中東派遣は憲法違反であり、戦争法の枠を超えて自衛隊を実際の戦争状況に突入させるものだ。断じて許してはならない。
「不測の事態」
想定した派遣
一〇月三〇日午後六時半から、「自衛隊の中東派兵やめろ!米国の有志連合構想に加担するな!自衛隊を戦争に巻き込むな!10・30首相官邸前緊急抗議行動」が戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委の呼びかけで行われ、二五〇人が参加した。
福山真劫さん(1000人委員会)が主催者あいさつをした。
「九月一一日に第四次安倍内閣が発足したが、二九人の閣僚のうち一九人が右翼だ。閣僚の辞任があり、政権は末期症状を示している。自民党は憲法改悪に動き出し、全国で改憲集会を行っている。国民投票法の成立、改憲発議を強行しようとしている。そして、一〇月一八日のNSCで安倍首相は中東への自衛隊派兵に向けた準備をするように指示した。この派兵は国会の議論なしで脱法行為だ。トランプがイラン核合意から離脱し、イランへの制裁を科していることが問題だ。立憲野党と連携しながら憲法集会などを成功させよう」。
次に参加した国会議員が発言した。
井上さとしさん(参院議員、共産党)は「自衛隊を中東に派兵しようとしているが、わが国の船舶を保護しなければならない状況にない。派兵目的を調査・研究としているが与党からも批判が出ている。派兵は歯止めが利かなくなり拡大していく。米軍と密接に連携していくことになり、一体的行動になる。軍事攻撃があればいっしょに戦争することになる。自衛隊は不測の事態があれば、海上警備行動を行うとしている。今回の派兵にホルムズ海峡は入っていないが広がっていく可能性がある。海外での武力行使ではなくイランとの平和外交を行うべきだ。武器の爆買いではなく、被災者支援を行え」と訴えた。
大河原雅子さん(衆院議員、立憲民主党)は「防衛省設置法を根拠としてオマーンに自衛隊を派遣し、有志連合の後方支援をする。公明党も疑問があると表明した。命を守る政治が大事だ。派兵に断固反対する」と述べた。
ジブチの自衛隊
基地活用も想定
次に、JVC(日本国際ボランティアセンター)の今井高樹代表理事が「私たちはアジア・中東・アフリカで人道支援の活動をしている。自衛隊が出ていけば、当地の人々の見る目が変わる。日本は中立の立場と見られ、良い印象を持たれている。米国は嫌いだが日本は違うと協力してくれている。自衛隊を派兵すれば米軍と同じだと敵対意識が出てくる。孤立しているのは米国。自衛隊の派兵目的はジブチの自衛隊基地を広く運用し、軍事行動の実績を作っていくことだろう。私は南スーダンへの自衛隊派兵が違憲であるとする訴訟に加わっている。駆けつけ警護だとしているが住民と武装勢力の区別もつかず、国連PKO部隊を政府軍が襲う事態もあった。派兵はすべきでない」と訴えた。
海運9条の会の仲間は「若い頃、ホルムズ海峡をタンカーで何度も航行した。船の安全を守るためには自衛隊を派兵しない方がいい。トランプがイラン核合意に戻り、外交努力することが安全を担保することになる。イラン・イラク戦争時に、船に対してロケット攻撃があった。その時、米国から護衛の申し入れがあったが断った。なぜなら、国際運輸労連でも船員が拒否すれば戦争海域に就航しないルールになっていて、そういう労働協約を作っている。船乗りを応援してほしい。日本の安全保障は海から始まる。海外派兵をしてはならない」と述べた。
しないさせない練馬アクションの池田五律さんは「離島防衛には予算がつき、それで米軍のオスプレイや戦闘機を買う。中国脅威論に基づきインド・太平洋戦略へと拡大されていく。オマーン派兵も海外派兵の拡大だ。それは沖縄・南西諸島の基地強化へつながる。そして、首都圏の米軍・自衛隊基地強化にもなっている。一二月三日から一六日、ヤマザクラの図上演習が練馬駐屯地で自衛隊五〇〇〇人、米軍一六〇〇人が参加して行われる。反対の集会・デモを一一・三〇に準備している。参加してほしい」と訴えた。
最後に、今後全国各地での反対集会・3000万人署名をやり、自衛隊中東派兵をやめさせる闘いを作り出そうと行動提起があり、首相官邸に向けて派兵反対のシュプレヒコールをあげた。 (M)
天皇「代替わり」と日本共産党
「歯止め」のかからぬ屈服
「提言」路線の無力性明らか
「祝意を示す」のは当然?
今年五月九日の衆院本会議で、日本共産党をふくむ「全会一致」で新天皇の即位にあたっての「賀詞」が採択された。
六月四日の「しんぶん赤旗」に掲載された志位和夫委員長へのインタビュー「天皇の制度と日本共産党の立場」の中で、共産党は現行憲法に規定された「天皇制条項」について、「憲法上の制度」として承認する立場を明確にした。すでに共産党は「新天皇の即位にあたっての賀詞」に賛成していた。志位委員長は、一般紙の記者からの質問に対して次のように語った。
「天皇の制度というのは憲法上の制度です。この制度に基づいて新しい方が天皇に即位したのですから、祝意を示すことは当然だと考えています。私も談話で祝意を述べました。国会としても祝意を示すことは当然だと考えます」。
昭和天皇裕仁の死と「代替わり」にあたって、批判の主張と行動を繰り広げてきた共産党の深刻な変節、すなわち現行憲法の天皇制条項を全面的に支持する党への転換が明らかになったのである。
その集大成というべきものが、先述のすでに本紙でも紹介されている「赤旗」六月四日付に掲載された志位委員長へのインタビュー「天皇の制度と日本共産党の立場」であった(日本共産党中央委員会出版局のパンフレットとして刊行されている)。また本紙七月二二日号には、同インタビューに対する本紙読者SMさんからの詳細な紹介と批判が掲載されている。
志位は、このインタビューの中で、前綱領では「君主制の廃止」という「憲法改正を必要とする課題を掲げていた」ため、「憲法改悪に反対し、憲法に保障された平和的民主的諸条項の完全実施を要求してたたかう」とまでしか書けなかったが、二〇〇四年の改定綱領では憲法の「全条項をまもる」ということを、初めて明確に打ち出せるようになった、と得意げに主張した。
踏み外せぬ一線
しかし、言うまでもなく日本共産党が「共産党」を名乗る以上、絶対に踏み外せない一線が引かれていることも確かである。
それは昨年(二〇一八年)三月二二日に出された「天皇の『代替わり』にともなう儀式に関する申し入れ」と題した党中央委員会の声明に表現されている。
同申し入れは「天皇神格化と国家神道を徹底する立場から、明治期に作られた以下の国事行為や儀式は、明らかに日本国憲法の原則――国民主権や政教分離の原則に反するものであり、根本的に見直しが必要だと考えます」として、その対象に「剣璽等承継の儀」、「即位後朝見の儀」、「即位礼正殿の儀」を挙げている。
「前回の『即位礼正殿の儀』は、即位を公に宣明するとともに内外の代表が即位を祝う儀式として行われました。『神話』にもとづいてつくられた、神によって天皇の地位が与えられたことを示す『高御座』と呼ばれる玉座から天皇が言葉を述べ、その下から内閣総理大臣が祝いの言葉を述べて万歳三唱が行われました……こうした儀式は、憲法の国民主権、政教分離の原則とは両立せず、国事行為にふさわしくありません」。
つまり「憲法」の民主主義的理念に即した、「代替わり儀式」の改良を、という主張である。共産党のこうした立場は、あっさりと無視されてしまった。「主権在民」と「神権天皇制」との併存という本質的な矛盾に手をつけることなく、それを逆利用した形での「政権構想」が可能だとする構想は、やはり「見直し」を余儀なくされるに違いない。
今こそ「廃止」の声を!
この間、共産党系のメディアで、志位見解を代弁するインタビューや評論を繰り返している中島三千夫・神奈川大名誉教授は次のように述べている。
「いままで共産党の支持者は、歴史的体験もあり、天皇制は民主主義や法の下の平等に反している制度、本来あり得べからざる制度であり、いずれ消滅していくべき制度である、という考えから、あまり具体的に考えない。あるいは、生前退位や女性天皇の問題にも、どうして共産党は天皇制の存続を手助けする、あるいは二重の差別を生むようなことに賛成するのか、という気持ちもあったと思います。しかしこれからはやはり、国民主権や政教分離、あるいは両性の平等といった観点から皇位継承の問題や天皇の制度について一つ一つ具体的に考え、発言・提言していくべきだと考えています」(『前衛』二〇一九年一一月号)。
共産党系のメディアでは、「女性天皇」を擁護する主張も掲載され始めている。共産党が「連立政権」構想に関与しようとする限り、そうした圧力に抗することは困難だろう。労働者・市民は、このような流れに対抗する運動と理論を現実の闘いの中で作り出していこう。 (純)
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