7月参議院選挙へのつぶやき(下の二)
たじまよしお
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今回の参議院選挙から見えてきたもの
しかし、今後私たちはどのように生きていったらよいかを示唆するものも少し見えてきたようにおもいます。今回の選挙で野党各党は、最低賃金についてなんらかの形で触れないわけにはゆかなくなっていました。「最低賃金は全国一律今すぐ一〇〇〇円。一五〇〇円を目指す」これは何年か前から首都圏青年ユニオンが掲げてきたものです。七、八年前だったでしようか。テレビ討論で福島みずほさんが最低賃金を一〇〇〇円にと発言したところ、資本主義を否定するのかという男どもの野蛮な発言が飛び交い、福島さんも負けてはいないという場面がありました。その頃と比べると格段の違いです。国会を震撼させるような大規模な抗議行動を展開したわけでもありません。最低賃金の大幅な底上げを訴えるフレーズに「冠婚葬祭への出席を断らなくてもよい賃金を」というのがあって私は感動しました。
お友達の結婚式には今時最低一万円はつつんでゆかなくてはなりません。くたびれたような靴でも恥ずかしい。新調の靴も奮発したいけど、そんなことしたら翌月の電気代の支払いも難しくなる。そのフレーズにはそんな生活の実感がにじみ出ています。表現力の勝利だと思います。
二○一六年の当時の明仁天皇による生前退位に関するビデオメッセージのあと、天皇制に反対する全国各地の運動による共同声明をすべての国会議員に送付したことも、ボディブロウとして確実に効いていると私は見ています。自分の身の回りで地道な活動を続けてゆくことの意味を今回の参議院選挙で気づかされました。
若者たちを包む訴え
先に紹介したMさんからの便りに「今回の選挙で特徴的だったのは、何回か訪れた(れいわ新選組の)選挙事務所や街頭宣伝の場所に、見知った顔があまり見当たらなかったことです。これまで選挙に関わったことのない人たち、それも若い人たちが、おおぜいボランティアとして参加していました」とありましたが、こうしたことを新しい風として清々しく感じるとともに、痛々しさを禁じ得ないのです。
やはり地球温暖化や精子の減少、そして天皇制の問題のことなども高々と掲げて、それらの若者たちを柔らかく包み込んでしまうような組織を創ることが問われていると思います。フランスの反資本主義新党を立ち上げるための綱領を練り上げるときに、ごく最近政治に目覚めた者も古参の活動家も車座になって討論したということです。一人の若い女性が「猫ちゃんを大切にすることを綱領に表現してほしい」と発言して、古参の活動家が目を白黒させたという話を以前ききました。そのような活き活きした場面に身を置いてこそ、れいわの選挙運動にボランティアとして参加した若者たちの心は解放されるのではないかと思うのです。
この南信州の三八〇戸ばかりの集落で二○○三年のイラク派兵反対運動から今日まで、私は反原発から九条改憲反対などなどの署名活動に取り組んで、各戸を隈なく七回ほど訪問しました。
そしてこの春の統一地方選挙では友人のKさんが辺野古の新基地建設反対の公約をも掲げて町議会議員選挙に立候補するというので、私は「やるしかない!」と腹をくくりました。それで「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名(最新改訂版)」を抱えてKさんへの選挙協力を訴え、各家庭を訪問し確かな手応えを得ました。結果は一二人の当選の中で五位に入り、高位当選といってもよいと思います。
自分にとって心から納得できる議会政党が創られるなら、党員加入を勧めて各家庭を隈なく訪問することになると思います。ある家庭を訪問しますときまって大声で罵られる。「お前は不勉強だ。もっと勉強して出直してこい」などと怒鳴られるのですが目を見ますと私に敵意をもっているようでもないのです。
その後、道端で出会うととても良い笑顔を見せてくれます。怒鳴られるからといってその後そのお宅の前を素通りしてしまったら、草の根の運動からセクトの運動に変質してしまいます。署名活動は政治以前の、自分自身の思想の検証の場なのです。
もう一つの世界は可能だ
二○○八年の洞爺湖サミットに私は「アナザーワールドイズポシィブル」と、Tシャツに英語で書いて現地入りしたところ、皆さんVサインで応えてくれました。昨年のことだったと思いますが「米大統領・トランプさんにも困ったもので」という感じのテレビ番組で「もう一つの世界は可能だといっている人たちの力がもう少し大きくなればいいんですけれどもね」と言った人がいて、私は別の手仕事をしていて慌ててテレビを振り返りましたが、どなたの発言か分かりませんでしたが、確か女性の声でした。新しい議会政党の名前は「アナザーワールドイズポシィブル」「アナザーワールド」または「アナザーワールドシステム」どれがよいのかなどと楽しんでおります。組織名称については全国津々浦々から一〇〇も二〇〇も案が出て投票で決めればよいとおもいます。その決定過程が納得できれば自分の出した案がとおらなくても、人間というものは納得するものなのです。
これまでブツブツつぶやいてきましたが、どの問題も資本主義の枠内そして一国の中だけでは解決できないことのように思います。それで、第四インターナショナル第15回世界大会報告決定集に収録されている「エコロジーと社会主義」を読む必要に迫られているところです。未だこの本は手元にありませんので注文することにします。
また、「かけはし」読者の皆さんから率直なご批判をいただけましたなら、軌道修正をしながらブツブツとつぶやき続け、もしも共同の作業に発展すれば幸運です。(二○一九・八・三○)
9.21
名古屋で関生労組支援連帯集会
東海の地から反撃・連帯を
無法きわまる弾圧許すな
【愛知】九月二一日、午後一時半から名古屋市金山にある愛労連の本部である労働会館東館ホールで講演&討論会「存亡の危機に立つ労働組合運動と憲法28条―関ナマ労組つぶしはなにを意味するか」が行われ一二〇人の労働者が結集した。
この集会は、一連の弾圧をうけた全日建関西生コン支部を支援するため、今年六月二九日に結成された日本共産党の良心的党員、社民党、新社会党、新左翼、その他の党派の枠をこえた活動家たちで構成する「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」の主催で行われ、幅広い層から多くの労働組合員、労働者、市民の参加で成功した。
関生弾圧は労働
三権じゅうりん
司会のあいさつで集会が始まり、共同代表の石田好江さん(愛知淑徳大学名誉教授)が開会のあいさつを行った。石田さんは、なかなか終わりそうにない厳しい弾圧だが、これに息切れしないように、そのためにも今日の講演集会を成功させようと述べ、開会のあいさつとした。
続いて熊沢誠さん(甲南大学名誉教授)の講演が始まった。熊沢さんは今回の関西生コン支部(全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コンクリート支部)への弾圧は民主主義国家の法的な到達点を完全に無視する常軌を逸した労働三権(憲法28条)を蹂躙する弾圧であると指摘した。そして、なぜこのような弾圧がおこるのかについて「現在の労働運動の衰退を背景にして権力は関西生コン労組のような『過激派』労組を弾圧しても大規模な抵抗はないと読んでいるのではないか」と述べた。
ではなぜターゲットにされたのか? それは関西生コン労組が企業の枠を超えて組織する業種別労組であり独自の産業政策を展開し、ストライキで闘う労組だからだと説明した。
関生支部支援は
憲法を守る闘い
警察権力や資本の弾圧の具体像については、経営者の組合である大阪広域協同組合の変質があったとし、警察の取り調べは逮捕者だけなく家族へも関生労組と手を切れと脅迫するものであり治安維持法下の特高警察の尋問を想起するものだと述べ、ちがうのは拷問の有無のみだと指摘した。
今やストライキ、ピケットは非合法の犯罪と見られかねない力が動いていると危機感を強調した。さらに「ふつうの労働者にとっての民主主義」とは?について、参政権や選挙権だけでは労働条件を維持、向上することは困難である。だからこそ労働三権が保証された労働組合運動が必要であると述べ、関西生コン労組弾圧は憲法違反であり、関生労組確立は必須の護憲運動であると述べた。
続けて熊沢さん自身の危惧として、この弾圧に対して「護憲派」があまりに鈍感であるとし、労組全国組織や単産、「リベラルな市民団体」、日本共産党、立憲民主党、などが今も沈黙を続けていることを批判した。
何を求めてきた
かを明確にする
結論として関西生コン労組弾圧粉砕は護憲闘争の緊急課題の一つであるとし、この弾圧の画期性、戦後民主主義の全体にとっての危険性、ファシズムの到来の可能性を見逃してはならないと述べこの弾圧は必ず私たちすべての自由と民主主義と抵抗の圧殺となることに気づこうと述べた。
最後に今、必要なこととして裁判闘争を包む大衆的街頭闘争、多くの労働組合の抗議行動、各野党、各労組のナショナルセンターの枠を超えた労働者市民の幅広い戦線を構築することが急務だと強調し、野党は関西生コン労組弾圧問題を政治課題化し大阪広域協組の中心人物の木村貴洋、滋賀県警本部長らを国会の証人喚問にかけよう、武健一委員長に「我々はなにを求めてきたのか」を語らせるべきだと述べ、講演を終えた。
愛知からの熱い
共闘の意思が
途中一五分の休憩をはさんで質疑、討論が活発に行われ、ユニオンみえ、地域労働組合きずな、愛知働くものの健康センター、愛知連帯ユニオン、野宿労働者、東海合同労組などが発言した。討論の最後に関西生コン労組を代表して参加した西沢さんから報告と支援の訴えが行われた。
西沢さんは関西生コン労組の弾圧の経緯を詳しく語り、マスコミがこの弾圧について取り上げないことについて批判した。そして激しい弾圧の中で仲間が去って行ってしまうという現実の中で苦闘しながらも、あきらめずに闘うことを表明した。
最後に「今日の集会で愛知の共闘の意思をものすごく強く感じています。これから生コン支部もこの熱意に負けないようにしたいと思います。大好きな先輩や仲間が辞めざるを得ない状況になってしまって、その人たちを戻すという目的もあります。もっともっと闘っていきたい。そのためにはみなさんの協力が絶対に必要になってきます。今、言葉にならないくらい胸いっぱいです。ありがとうございます」と決意と感謝の言葉を述べて発言をしめくくった。
周りに見える
闘いを作ろう
最後に集会のまとめと閉会のあいさつを共同代表の中谷雄二弁護士が行った。中谷さんは、「表現の不自由展の中止などめちゃくちゃな弾圧がおこっている。声をあげるために様々な人と議論をしていく必要があると思います」と述べ、「過去に座り込みをやって何千万円という損害賠償を請求された裁判をやったことがあります。闘いは法律の枠内だけでは限界があります。周りに見える闘いをやらなければならい。みなさん頑張りましょう。こんなところで負けるわけにはいかない! 労働組合がんばりましょう」と発言し、ともに闘うことをうったえて集会は終了した。
(越中)
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