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    かけはし2019年9月9日号

グローバル企業による搾取と収奪を許さない


8.28〜30 アフリカ開発会議(TICAD)

8.25

アフリカから学び考える横浜の会

資源収奪と私たちの「豊かさ」

村田はるせさんの「お話」

 八月二五日、アフリカから学び考える横浜の会は、かながわ県民センターで村田はるせさん(アフリカ文学研究)を招き、「アフリカでの資源収奪と私たちの『豊かさ』―ルワンダとコンゴ民主共和国を中心に―」をテーマに「おはなし」が行われた。
 八月二八日〜三〇日、横浜で第七回アフリカ開発会議(TICAD)が行われる。この国際会議は、一九九三年以降、日本政府がアフリカへの経済侵略を強化していくために主導し、国連、国連開発計画、アフリカ連合委員会、世界銀行と共同で開催してきた。安倍政権は、この会議に対して「横浜宣言」において「民間企業の発展、デジタル変革、若者・女性の起業」を掲げ、「投資環境整備」「最後の市場アフリカ」として日本資本の侵略を促進させていくステップとして位置づけている。
 その本音を隠すこともなく「TICAD7の主要テーマの一つは、投資の促進とビジネスの活性化です」と強調するほどだ。例えば、国際協力銀行は再生エネルギーや廃棄物処理の普及促進として四千億円融資するが、当然、日本資本の利権を前提にして計画している。国際協力機構もアフリカ開発銀行と共同でインフラ開発に三千億円超の円借款融資によって借金漬けを通した権益を広げていくねらいだ。
 軍事的にも、モザンビークPKO派兵(一九九三年)を皮切りに自衛隊医療部隊、空輸部隊を派兵してきた。一一年七月にはジブチ共和国の国際空港内に海賊対策などと称して自衛隊基地を設置し、ここを拠点に軍事展開をしている。
 憲法九条改悪を先取りした派兵強行を既成事実の積み上げによって強行突破してきた。とりわけ中国による「一帯一路」構想と連動させたアフリカに対する大型インフラ投資と借金漬けによる権益拡大、軍事的影響力の拡大に対して横浜宣言で「ルールに基づく自由で開かれた海洋秩序」を明記し、対中国シフトの一環として構築していくことをねらっている。
 このようなTICADに対して横浜の会は、「サハラ以南アフリカの多くの国は、独立したあとも独裁的な統治や、資源収奪をねらう先進国の政治的・経済的介入に苦しめられてきました。日本から遠くはなれたアフリカでの紛争は、わたしたちの豊かな生活と無縁ではなく、むしろ深くかかわっています」という立場と視点からアフリカが抱える課題を探った。

貧困・暴力と
地域紛争の関連
村田さんは、最初に「コンゴ東部での資源収奪」についてクローズアップし、歴史経過を踏まえ「一九九八年からの一〇年間、暴力、病気、飢えなどによるコンゴ東部の死者数は五四〇万人にのぼっている。人権侵害の多くは、資源の採掘現場で起きている。コンゴ軍や武装勢力が資源の搾取のために一般市民を奴隷労働者扱いしている。資源を売った資金で武器を買い、兵力が増すことによって資源地域への支配をますます強化している」と述べた。
次に「ルワンダのジェノサイド」を取り上げ、@前史―ベルギーの植民地支配、ツチ族優遇政策A内戦(一九九〇年〜)Bジェノサイド(一九九四年四月〜七月)などについて整理し、武装勢力の支配と住民抑圧がつづいていることを批判した。
そのうえで「紛争を終らせるためには、ガバナンス改善、治安改革、法の統治の浸透が必要だ。コンゴ人による取り組みを支援するべきだ。それはコンゴの市民社会による活動、議会による規制の取り組みだ」などを強調した。また、「紛争資源問題や性的暴行ばかりを取り上げる過度に単純化された『語り』が、意図せざる問題を引き起こしたり、他の重要な問題を覆い隠したりしている」という研究者たちの指摘を紹介した。
村田さんは、「外から見れば『民族対立』に見えるが、本質的には権力者間の争いであり、利益を守るために民衆をだまし、対立を煽る操作などを繰り返してきたのが実態だ。だがルワンダ民衆は、権力者たちの正体を見抜き、新たなステップに向かおうとしている。私たちはアフリカ民衆の訴えを誠実に聞き、生活や生き様などに対して具体的に寄り添う姿勢が重要だ」と訴えた。
木元茂夫さん(「自衛隊は何をしているのか」編集委員会)は、「アフリカ大陸と自衛隊 海賊対処部隊派遣の一〇年」について報告した。
最後に、主催者から八月三〇日の「TICAD7に反対するアピールデモ」(午後6時半、横浜・桜木町駅前広場)への参加が呼びかけられた。 (Y)

8・30

横浜でTICADを考える会がアピールとデモ

アフリカの資源・環境・未来
を奪うTICADにNO!

 八月三〇日、横浜でTICADを考える会は、桜木町駅前広場で「アフリカの資源・環境・未来を奪うTICADにNO! TICAD7に反対するアピールとデモ」を行った。
 安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環としてアフリカへの経済侵略と軍事的影響の拡大に向けて横浜の第七回アフリカ開発会議(TICAD/八月二八日〜三〇日)でたち振る舞った。TICADは、国連とともに日本のイニシアチブで積み上げてきた。アフリカ各国(五四カ国)の政権首脳を経済援助と称して買収し、日本資本と共同で権益を広げてきた。
 TICAD7のテーマとして「アフリカの躍進を! ひと、技術、イノベーションで」を掲げたが今回の横浜宣言は、中国によるアフリカへの覇権からの劣勢を意識して対中国シフトに貫かれた内容となっている。その一つが中国の海洋進出に抗して「自由で開かれたインド太平洋」構想を押し出し、日本帝国主義の利益と手前勝手な立場から「海洋安全保障における協力促進と国際法の原則に沿った、ルールに基づく海洋秩序」などと言い出しているにすぎない。
 つまり、中国の軍事力の影響拡大に対して日本は、日米安保のグローバル戦争を前提にした軍事作戦の展開のレベルアップを策動しながら米軍とともにその一端を担っていくことを目的にしており、それを中東・アフリカへと広げていくのが本音だ。軍事的緊張と挑発を射程に入れた帝国主義的野望を許してはならない。
 さらに宣言は、経済的分野についても中国による借金漬けを前提とした過剰融資の手法を批判する。だが、政策目標として「経済構造転換の促進と改善が必要」「質の高いインフラは、持続可能な経済、社会、開発効果の最大化に寄与する」「アフリカ開発における民間の役割を認識」と強調し、欧米帝国主義の経済侵略政策に連動しながら諸分野に渡って収奪と搾取を行っていくことを宣言した。
 安倍首相は、わざわざ「この三年間で日本からアフリカへの民間投資が約二兆一千億円に達した」と自慢し、「この勢いが日々新たに塗り替えられるよう、全力を尽くす、日本企業のアフリカへの投資を助けるため、あらん限りの策を講じる」と居直った。
 横浜宣言は、アフリカに対する人権・環境破壊を加速化させることは明白だ。アフリカ民衆とともに連帯運動を強化し、中国も含めた帝国主義諸国の野望を打ち砕いていこう。

開発の名による
搾取と抑圧反対
アピール行動は司会の中森圭子さんのあいさつから始まり、「私たちはTICADに反対する声をあげていこうということで集まりました。TICADは、アフリカの人々のためになるからやると言ってますが、本当にそうでしょうか。アフリカでは戦争が続き、民族同士の争いが絶えません。先進国が資源をどのように使うかという目的のために襲いかかるようにねらっている。アフリカ民衆の生存を脅かすような日本政府の政策に対して反対していくことだ」と訴えた。
リレートークに入り、TICAD7に反対するアピールが行われた。
大友深雪さんは、アパルトヘイト時代から南アフリカの教育支援に関わってきた観点から「どんな地域でさえ武器、原発、軍隊、有害物質の所有・持込みを許さず、水・種子の民営化を阻止。住民の立ち退き、土地破壊をまねく大規模開発と農業ビジネス、巨大プロジェクトへの投資をやめさせよう。債務は取り消し、不当蓄財解体、汚職根絶だ。住民による資源の再配分、協働も助け合いが必要だ」と強調した。
さらに会の小倉利丸さん、茨城国体を問う「戦時下の現在を考える講座」、信仰とセクシュアリティを考えるキリスト者の会、木元茂夫さん(すべての基地にNO!をファイト神奈川)、宮崎俊郎さん(「2020オリンピック災害」おことわり連絡会) が発言。
アピール終了後、桜木町駅前から横浜赤レンガ倉庫に向けてデモに移った。「TICAD7反対!アフリカ民衆の人権破壊を許さない!」とシュプレヒコールを響かせた。    (Y) 


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