沖縄報告 8月25日
政府が軟弱地盤の有識者会議を設置方針
沖縄 K・S
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9月18日口頭弁論に玉城知事が陳述
政府を提訴した2つの裁判
沖縄県の埋め立て承認撤回を取り消した国交相の裁決は違法だ、と沖縄県が国の違法な関与の取り消しを求めた訴訟の第一回口頭弁論が九月一八日、福岡高裁那覇支部で行われる。玉城デニー知事は記者会見で「国が私人に成りすまして地方に関与するという手法がまかり通れば、憲法で認められた地方自治は保障されなくなる。沖縄県だけの問題ではなく全国の地方公共団体に与える影響も大きい」と述べ、第一回弁論で自ら陳述をする意向であることを明らかにした。
これ以降、沖縄県が日本政府を相手に提訴した二つの裁判が進んでいく。地方自治法に基づいて提訴したこの「国の違法な関与の取り消し」を求める裁判と、もう一つは行政事件訴訟法に基づいて、沖縄防衛局が国交相に行政不服審査法によって県の埋め立て承認撤回の審査を求め国交相が埋立承認撤回を取り消す裁決をしたことは違法だと、那覇地方裁判所に国交相の裁決の取り消しを求める裁判だ。二つの裁判は異なったアプローチの仕方で、ともに違法な国交相の裁決の取り消しを求めるものである。これら裁判闘争が今後の焦点の一つになる。「無理が通れば道理が引っ込む」というような力を背景とした国の違法行為を押し付ける安倍官邸に負けられない。二つの裁判闘争を全力でやり抜こう。
沖縄県の全国キャラバンと知事の訪米
米軍再編計画の見直しへ
八月中旬米ワシントン州で、VFP(Veterans for Peace、平和を求める元軍人の会)の年次総会が開かれた。VFPは毎年定期的に年次総会を開催している。真喜志好一さんなど参加した沖縄代表団(琉球沖縄国際支部 VFP-ROCK)が提出した辺野古新基地建設に反対する決議案が八月一七日、全会一致で採択された。決議は、二月の県民投票で七二%が埋め立て反対の意思を表明したことや大浦湾に軟弱地盤が広がり地盤改良のために七万七千本もの砂杭を打つことが計画されており深刻な環境破壊が憂慮されることなどを指摘し、米国防総省ならびに米連邦政府の調査機関たる政府監査院が大浦湾で独自の実地調査を行うことを求めた。
玉城知事は、一〇月頃成立が想定される米国防権限法案の議会審議に向けて訪米時期を早めることを検討しているという。「新外交イニシアティブ」の猿田佐世代表によると、上院が可決した国防権限法案は現在の米軍再編計画の様々な角度からの見直しの必要性を提起し「米軍のプレゼンスに対する受け入れ国、地域社会および地域の人々の政治的支持」の面からも検証を求めている。知事の訪米は米軍再編に関わる米議会レベルに辺野古NO!の沖縄の民意を明確に伝え、辺野古新基地を止めようというものだ。
玉城デニー県政は翁長知事を引き継ぎ、ドイツ、イタリア、韓国、フィリピンの訪問調査を基に米軍特権の日米地位協定の改定を行うため全国知事会への働きかけを継続している。六月の東京から始まった沖縄県による辺野古反対を訴える全国キャラバンは、八〇〇人が参加した八月一九日の名古屋に続き、九月八日大阪で開催される。県は辺野古を止めるために行政のチャンネルを活用して努力している。県の行政としての努力に敬意を払い、これ以降予定される全国、米国での県のキャンペーンをさらに広めよう。
埋め立てに関する有識者会議はゴマカシ
工事は必ず頓挫する
琉球新報、沖縄タイムスの八月二四日付の報道によると、日本政府は大浦湾の地盤改良工事に関する有識者会議を設置し九月初めにも都内で初会合を開催するとのことだ。
有識者会議に参加する土木工学の専門家たちの名前について具体的に明らかにされているわけではないが、政府防衛局が強行する辺野古・大浦湾の埋め立てに専門家の立場からお墨付きを与えようとするものになることは明らかだ。政府防衛局はこの御用学者の会議を受けて来年早々にも沖縄県に対し埋立願書の変更申請を行うであろうといわれている。土木工学の専門家と言われるみなさん、自身のキャリアを汚さないためには、こうした官邸主導の御用学者の会議には決して関わらない方がいい。
安倍官邸が国家権力を動員して強引に埋め立て工事を強行しても、埋め立て工事は必ず中途で頓挫する。昨年一二月に始まった辺野古側の埋め立てははじめ六カ月で終了する予定だったが、八カ月以上経ってもまだ四分の一にも至っていない。政府防衛局は埋め立てとは別に、大浦湾の軟弱地盤の地盤改良工事に三年八カ月かかると試算している。沖縄県の試算によると、辺野古新基地の完成まで一三年、二兆五五〇〇億円かかる。遅れを重ねてきたこれまでの経緯を見ると、実際は工事の遅れと費用の膨張は見当もつかない天井知らずになるに違いない。
延々と続く国家指導者たちの底なしの無責任
自然環境や経済的な面とともに県知事・県議会をはじめ県民の多数が反対し続けているという政治的な面でも困難な工事である辺野古新基地建設を安倍内閣は見通しもないままどうして強引に進めようとするのか。それこそ国家権力を掌握する者たちの底なしの無責任にほかならない。小林正樹監督のドキュメンタリー映画『東京裁判』に描かれているような国家指導者たちの集団的無責任の姿が二重写しになる。
最近明らかにされた元宮内庁長官・田島道治さんの昭和天皇「拝謁記」には、一九五二年三月一四日の記述に、アジア太平洋戦争の収拾をめぐって「無条件降伏はいや」「一寸こちらが勝ったような時に其時を見付けたいという念もあった」と記している。一九四五年二月の近衛文麿元首相の国体維持の立場からの戦争終結の上申に対し昭和天皇が「モウ一度戦果ヲ挙ゲテカラデナイト中々話ハ難シイト思フ」と述べ却下した事実が天皇自らの言葉により裏付けられた。この天皇の自己保身のために、東京大空襲、沖縄の地上戦、広島・長崎の原爆をはじめ国内外の多くの人びとの命が失われた。天皇をはじめ国家指導者たちには自分たちの無責任に対する自覚が全くない。
8.21
琉球セメント安和桟橋
ゲート前と海上で赤土土砂搬出阻止行動
琉球セメント安和桟橋での赤土土砂搬出入に抗議・阻止する行動は、旧盆休み明けの八月一九日月曜日から始まった。本部町島ぐるみ会議を中心に各地の島ぐるみ、グループの分担で、ゲート前の抗議・阻止行動、ダンプの搬入台数チェック、運搬船への積み込み台数チェックが毎日早朝から夕方まで休みなく続けられている。カヌーを中心とする辺野古の海上行動チームは週の半分、安和に駆け付け、運搬船の辺野古埋め立て現場への出航を遅らせるために、運搬船の周囲で身を挺した行動を果敢に展開している。
八月二一日水曜日は、南風原、糸満、豊見城、八重瀬、南城など島ぐるみ南部のメンバーを中心に早朝からゲート前で、「基地は住民の生活を脅かす」のノボリをたて、「辺野古新基地NO!」「美ら海守れ!」などのプラカードを手にして、赤土土砂を積んだダンプの進入に抗議を続けた。ゲート前の抗議行動のために、採石場から赤土を積んだダンプがゲート前の信号の右折車線に列をなしているが、青から赤への信号の変換に合わせて一台ずつしか入ってこれない。
名護から本部の水族館の通り道にあたるゲート前の国道は、仕事関係の各種車両だけでなく、観光バスやレンタカーが数多く通過する。窓を開けて手を振りクラクションで合図する車、助手席からスマホでゲート前の様子を撮影するレンタカー、修学旅行の大型バスから興味深そうに見つめる中高生、中には手を振り「頑張れ」との声をかける若者たちも多い。ゲート前行動は、赤土ダンプに対する抗議と共に、県民、国内外の旅行客に対するアピールの場になっている。
八月の下旬と言ってもまだまだ暑さが厳しく、太陽光線をさえぎるものがないゲート前での行動は、体力を極度に消耗するが、確実に効果がある。ほぼ毎日ゲート前に姿を見せる山城博治さんも真っ黒に日焼けした顔をくしゃくしゃにして埋め立て工事の強行を糾弾する怒りの声を上げ続けている。
この日海上でも、辺野古から駆けつけた「辺野古ぶるー」がカヌー一九艇、ゴムボート一艇を出して、土砂運搬船の辺野古への出航を遅らせるための身を挺した行動を約五時間にわたって展開した。
〈カヌーチームTさんの報告〉
8月21日(水)安和
晴れ、風強く海上では約八m。
安和に到着した時、赤土を満載したガット台船が出港し、代わりの台船が入港してきた。出港した台船は昨日からの続きで今日は残りの僅かの赤土を積んで出港したと思われる。
次の台船は比較的大型で、ダンプカー二四〇台くらい積載できる。従って、順調に作業が進行しても二時間ほどかかると思われるので、琉球セメントゲート前のダンプカーへの抗議&阻止行動に参加した。
一一時、カヌー一九艇は安和の海岸から出艇、風が強く波は一〜一・五mと高い。出艇はギリギリのところだが、みんなの意識が高く漕ぎ出す。昼まで待ってもまだ満積とならず、昼を挟んでの抗議&阻止行動となる。
一三時五〇分ごろ「出港」の声が聞こえてくる。まもなく海上保安官が海に飛び込んでくる。緊張が走る。結局私たちは一五時一五分まで粘り一時間あまり出港を遅らせた。
その後入った台船は今日中に赤土を満載できるかどうかきわどいところである。明日に持ち越す可能性が高い。今日はほぼ二隻の出港に抑えたことになると思う。
8月23日(金)安和
台風一一号の影響もあり、風はかなり強い。
一〇時に安和の浜を出て赤土を積んでいるガット台船に迫る。桟橋の下にもぐり待機する。本日は海上保安官の対応は早く、私たちの体制が整う前に剥がしにかかる。私は三〇数分粘った。全体としては約四〇分阻止した。
赤土は一四時一〇分ごろに積み終わった。私たちは午前中の失敗を教訓に三〇分前には現場にいた。一四時四〇分近く、海上保安官が海に飛び込み、私たちを剥がしにかかる。私は二五分ぐらい粘ったが、ハサミでロープをあちらこちら切られ比較的早く剥がされてしまった。全体としては四〇分以上粘った。
本日は午前と午後でダブルヘッダーであったが、合計で一時間二〇分は遅らせたと思う。しかし、さすがに連日の抗議&阻止行動はかなり疲労感がある。帰りも遅かったので、夕食を終えて九時前、Facebookを書いている。
全国高校生短歌大会で最優秀賞
碧海に コンクリートを流し込み 儒艮の墓を 建てる辺野古に
石川啄木のふるさと、岩手県盛岡市で開催された第一四回全国高校生短歌大会(短歌甲子園)で、沖縄から出場した昭和薬科大付属高校文芸部の二年生女子学生三人のチームが団体戦で準優勝に輝いた。トーナメント方式の対戦を勝ち上がり、決勝戦の大将戦で昭和薬科チームの島袋乃碧(のあ)さんが読んだ短歌は、「灰色の箱が生み出す爆音は 今か咲く花只揺らすのみ」だった。
大会を通して最も優れた歌に送られる特別審査員小島ゆかり賞には、国吉伶菜さんの「碧海に コンクリートを流し込み 儒艮の墓を 建てる辺野古に」が選ばれた。
高校生も全国の舞台で自分たちに合ったやり方で、普天間閉鎖!辺野古阻止!を訴えている。高校生の活動に拍手を送り、彼らに続こう。
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