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    かけはし2019年7月29日号

9条改憲阻止する共同戦線へ


第25回参院選挙が明らかにしたこと

安倍政権打倒へ!闘いの再構築を

沖縄の闘いと共に!東アジアの平和を

改憲派3分の2は止めたが

 七月二一日投票の第二五回参院選は、安倍内閣の下での憲法改悪のプログラムの帰趨を決する、重大な政治戦だった。自民・公明の与党ブロックは公示前の一四五(自民一二三、公明二五)から一四一議席(自民一一三、公明二八)と議席を減らしたものの過半数を維持することができた。一方、改憲に積極的な「維新」は公示前の一三議席から一六議席に伸ばし、改憲派全体としては一五七議席に増加した。しかし自民・公明の政府与党と維新を合わせても、改憲発議に必要な三分の二に達しているわけではない。
 他方、野党の「安倍改憲反対」勢力は、立憲民主党が公示前の二四議席から三二議席と八議席増やしたものの、共産党は公示前の一四議席から一議席減らして一三議席、国民民主党が公示前の二三議席から二議席減らして二一議席となった。社民党は党の存続自体が危うくなる危機に直面していたが、比例区得票率二%を突破し、公示前の二議席を維持することができた。

「れいわ新選組」の意味
 
 今回の参院選で注目を集めたのは、山本太郎参院議員が代表を務める「れいわ新選組」だった。
 「れいわ新選組」は、重度障がい者の二人を比例の「特定枠」で当選させ、「政党要件」を確保して大きな注目を集めている。本紙の参院選に関する記事では「れいわ新選組」について言及しなかったが、この点は参院選分析と、われわれ自身の主体的評価と方針にとって大きな欠落であり、今後の日本政治を考える上で、既成の議会政党の枠組みにとどまらない、議会と選挙をめぐるさまざまな動向と、市民自身による参加の新しい試みを共有しようとすることに留意したい。
 日本経済新聞は投票日翌日の七月二二日の紙面で、「若者の自民支持根強く」の見出しで次のように分析している。
 「比例代表への年齢別の投票先を見ると全ての年代で自民がトップだった。特に20代と30代は40%以上が自民に投票した。20代では41・1%、30代では40・6%だった。若者が自民を支持する傾向は前回の参院選と同様だ」。
 まさにこの点にこそ、われわれが克服のために挑戦すべき課題がある。

市民と野党の共闘


 今回の参院選は、安倍政権の「改憲」に向けた総決算、とりわけ朝鮮半島をめぐる南北対話への流れと、それに逆行する安倍政権の政策、イランをめぐるトランプ米政権の戦争挑発と「有志国グループ」への参加、そして言うまでもなく安倍政権が任期内にめざす9条改憲を阻止する闘いにとって決定的に重要であった。
 沖縄では、「オール沖縄」で闘った高良鉄美さんが自民党の安里重信候補を大きく引き離し、糸数慶子参院議員の議席を引き継いだ。「野党共闘」は、秋田、岩手、宮城、山形の東北各県、さらに長野、新潟、滋賀、愛媛、大分の一人区でも勝利した。しかも、この野党共闘が、基本的には「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」と「立憲野党(立憲民主党、国民民主党、社民党、共産党、そして社会保障をたて直す国民会議)」の「一三項目政策合意」をもとに成立したことは重要な意味があり、まさに安保法制反対闘争以来の「市民と野党の共闘」という枠組みを基盤としていることに留意する必要がある。
 この点で、安倍9条改憲を阻止する「縛り」としての意味を、野党にも強制するのである。
 言うまでもなく、市民と野党の「政策合意」は、労働者・市民の側が主体的に「安倍改憲」に反対する「闘いの武器」として野党にも強制することによってこそ実効性を持ちうるということを忘れてはならない。
 安倍政権は、七月参院選の結果を受けて、自らの政策が「信任」されたと強弁し、「憲法について論議しようともしない野党」への攻撃を強めていくだろう。イラン情勢の緊迫・トランプ政権による対イラン「有志連合」の思惑は、日本に対しても大きな圧力としてかけられることは必至である。
 安倍政権は、残された任期中に「9条改憲」を何としても「やりとげる」ことに執念をもって臨んでいる。核戦争の危機をふくんだペルシャ湾情勢の切迫、朝鮮半島をめぐる新しい動きは、「戦争する国家」への日本の脱皮を促す要因となっている。そしてそのためにも憲法9条の改悪が絶対に必要となっているのだ。

社会的広がりの中でこそ

 安倍首相は自ら、参院選後の記者会見においても、憲法についての論議を進めることを明らかにし、任期中の改憲への意欲を燃やしている。そのためにもアラビア半島とイランを戦場とする「有志連合」に自衛隊も参加する可能性について言及し、それをもテコにして、憲法9条改悪のテコにしようとする動きを進めていこうとしている。
もちろん、憲法9条改悪は容易なことではない。そうであればこそ、安倍政権は必ずしも9条ではないさまざまな回路を通して、「改憲」の議論を誘導し、「憲法審査会」で早期に議論を開始しようとするだろう。「憲法について議論することもしない野党」というあてこすりで、改憲論議の土俵に乗せることをプログラム化している。安倍はおそらくオリンピック後も見据えて、自らの手で改憲を実現する意思を明確にしている。
すでに安倍の取り巻きたちは、安倍の意向を忖度しながら安倍の自民党総裁四選への準備を進めている。菅官房長官は、投票日翌日の七月二二日、早くも「憲法審査会での論議を行い、国民的議論につなげる」ことを野党に「呼びかけ」た。
自民党総裁の任期を延長し、現行規約の総裁任期を現在の三期九年(二〇二一年九月まで)を延長して四選も認める、と菅は語り始めている。いずれにせよ安倍9条改憲を阻止し安倍政権を打倒する闘いの本番は、すでに始まっている。労働者市民は、さらに長期にわたる闘いをも射程に入れて、安倍政権打倒・改憲阻止の本番に臨もう。
言うまでもなくこの闘いは、沖縄の辺野古新基地建設反対闘争を先端にした、さまざまな政治・社会的運動課題の広がりの中でこそ有効なものとなる。
改憲阻止、安倍政権倒せ!の声を、さらに広げよう。
(7月22日 純)




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