もどる

    かけはし2019年7月22日号

エコ社会主義への実践のために


かけはしサイトに「エコ社会主義」のページ

反資本主義の豊富化へ

共に論議と運動を進めよう

新しく開設されたページ

 最近、「週刊かけはし」のサイトに「エコ社会主義」のページが開設された。すでに気がつかれた読者の方もおられると思うが、まだ十分に知られていないようなので、開設の意味と内容を紹介してみたい。
 従来から「週刊かけはし」のサイトには、「かけはし」の過去の紙面とともに、第四インターナショナルの重要な決議や論文も紹介されていた。しかし、気候変動や環境問題に関する第四インターナショナルの立場をまとまった形で紹介するページは用意されていなかった。これは、私たちとしても反省が必要なことだったと思う。どうしてかというと、第四インターナショナルは自らを「エコ社会主義者の党」を宣言し、気候変動や地球温暖化による環境破壊を「人類への主たる脅威の一つ」「ローザ・ルクセンブルグの有名な定式=『社会主義かバーバリズムか』に新しい意味を与える問題」と考えて、そのオルタナティブとして「エコ社会主義」をかかげてきたからである。
 さらに、第四インターナショナルの各国支部は、気候変動に反対する大衆的動員や理論・宣伝活動に大きな努力を傾注してきた。とりわけ、フィリピンやバングラデシュなどアジアの同志たちを先頭に、グローバル・サウスの各支部は具体的実践を通じて「エコ社会主義」のイメージを獲得しようとしてきた。
 もちろん私たちも、気候変動や環境問題に対する闘いに参加してきたし、「かけはし」の紙面にも紹介されてきた。しかし、これまで正面切ってこの問題を議論し、闘いの前面にかかげることはできてこなかった。この反省の上に立って、遅ればせながら、私たちは今年二月のJRCL二三回大会で「エコ社会主義について」の決議を初めて採択したのである。今回の「エコ社会主義」ページ開設は、その流れに沿ったものだ。

国際的挑戦も共有し


 では、「エコ社会主義」ページの内容を具体的にみてみよう。まずトップには、JRCL二三回大会の「エコ社会主義について」決議が掲載されている。「かけはし」紙上で今年の一月一日号に掲載された論文『資本主義による環境破壊に抗し、エコ社会主義オルタナティブに向けた討論と具体的闘いを』とほぼ同じ内容だが、決議の全文が掲載されるのはこれが初めてである。私たちが、「エコ社会主義」に向けた闘いをすすめていくうえでの決意表明でもあり、現状認識でもある。ぜひ一読していただきたい。
 続いて、第四インターナショナルの最近の三つの大会で採択された決議がまとめて紹介されている。一五回大会の『エコロジーと社会主義』、一六回大会の『気候変動とわれわれの任務』、そして昨年に開催された一七回大会の『資本主義による環境破壊とエコ社会主義オルタナティブ』の三つだ。第四インターナショナルが気候変動・環境破壊の現状をどのように考えているのか、その解決策としての「エコ社会主義」実現のために何からとりくもうとしているのか、を知る上での必読の文献といえよう。あわせて、一七回大会に提出されたイギリス支部の同志からの対案も、何が討論されているかを知る上で欠かせない論文である。

実践と結合した議論を


 この他にも、「かけはし」紙上に掲載されたミシェル・レヴィーとダニエル・タヌロの諸論文やインタビューがまとめてアップされている。この二人は、著名な研究者であり、気候変動問題についての第四インターナショナルの中心的理論家である。なお、ミシェル・レヴィーの最近の著書である『エコ・ソーシャリズム』の日本語訳の出版が準備されているので、ぜひ注目してほしい。さらに、ページの最後には、{かけはし}紙上に掲載された気候変動や「エコ社会主義」についての論文もアップされていて、この問題についての理解を助けてくれるだろう。
 先に述べたように、この「週刊かけはし」サイトでの「エコ社会主義」ページの開設は、私たちの今後の闘いにとってのささやかな第一歩である。これを出発点にして、さらに討論と実践の中から、内容を豊富化できるかどうかが問われていると思う。ぜひ読者の皆さんから、ご意見・ご感想を寄せていただきたい。(大森)

7.12

狭山江東地区集会

石川一雄さんの再審無罪を

再審闘争はヤマ場全力を

 七月一二日午後六時半から、東京都江東区亀戸文化センターで「石川一雄さんの再審無罪を勝ち取ろう!7・12狭山江東地区集会」が部落解放江東共闘会議の主催で開かれた。
 主催者あいさつ、集会基調提起の後、山本志都さん(狭山弁護団)が「狭山第三次再審請求審の現状と課題」と題して講演を行った(別掲)。次に石川一雄さんと早智子さんが再審に向けたアピールを行った。
 石川さんは「今日、ここに来るのにすまない気持ち(今年こそ再審決定がおりると毎年のように言い続けてきた)でいっぱいで、重りを付けたように足が重かった。弁護団会議で『後藤まり子裁判官の担当のうち(来年八月で退官する)に、再審決定を出させたい。多くの証人調べをしてほしいが五人程度に絞らざるを得ない』と意見が出された。私も後藤裁判長の任期の間に結論を出してほしい。再審決定は間違いないと思っているが楽観してはならない。元気のうちに無罪を勝ちとりたい」と決意を語った。

青年時代の差別
の経験を紹介
連れ合いの早智子さんは参院選の選挙はがきを示しながら、仮釈放の身の石川には選挙はがきが届かないことを明らかにし、権利が奪われていることを示し、苦しく切ないと訴えた。
さらに、石川さんの青年時代のエピソードを披露した。「部落差別の結果貧しかったので、小学五年生から外に働きに出た。教育を受けていなかったが一生懸命働いていっぱい残業もした。その結果、職場の責任者にされて恋人もできた。責任者になったので日報を出さなければならなかった。石川は砂糖や塩の漢字が読めなかったので同僚に頼み、その人に代わりに書いてもらっていた。たまたまその人が休み、困った石川は前日の数字を書いて出した。それが発覚し、職場のみんなのいる前で上司から批判され、字が読めないことが分かってしまった。結局その職場に居ずらくなり、職場をやめた。こうしたことは部落差別から出たもので、狭山事件で石川が捕まる大きな原因の一つだった」。
早智子さんは「五月二三日に、朝日新聞に狭山意見広告を出したがこれが意見広告賞を受賞することになった。四月一五日に共同通信が狭山事件について、長い文章を配信した。この結果、徳島、高知、愛媛、山形、京都、佐賀県など全国の新聞が取り上げ大きく報道した。今後日刊ゲンダイでも二日間にわたり、狭山の記事を掲載することになっている。運動は確実に広がっている。裁判所に与える影響があるという東京高裁前のアピールも一〇年続けている。ぜひとも再審の実現のために支援をお願いしたい」と述べた。
次に地域の仲間からのアピール、歌手の大崎やすしさんが「無実という自由」というオリジナル曲を披露した。集会決議の後、飯塚康浩さん(共闘会議幹事・部落解放同盟江東支部)が「狭山は決戦局面にある。多くの人に知ってもらい、大きな世論を作りだそう。狭山事件は部落差別に基づく権力犯罪だが、現実の部落差別事件も依然と続いている。部落差別を拡散しない闘いも重要だ」と指摘し閉会のあいさつとした。最後に団結ガンバローをし運動の前進を誓った。狭山再審、無罪を勝ち取るために奮闘しよう。    (M)

山本志都弁護士の講演から

必ず再審の決定を!

崩された差別判決

 九月九日に三者協議がある。ヤマ場に入ってきている。決意を持って踏み切る。後藤裁判長が再審の決定が出せるか。後藤さんは来年の八月に退官する。事実調べをやった裁判官がすべて再審決定を出している。証人尋問を実現するために最大限の努力をする。
狭山事件の特徴は、DNAの一つによって犯人かどうかを決めるような決定的な証拠がないことだ。寺尾確定判決はそのために、@自白を離れて客観的に存在する七つの証拠A自白に基づいて捜査した結果発見された証拠B死体及びそれと前後して発見された証拠として、さまざまな証拠を積み上げて有罪とした。だから、再審裁判は長期化し複雑化している。弁護団はこれを崩すために一つ一つ反論・証拠を積み上げている。
再審は検察官の隠している証拠を開示させ、事実調べでこじ開ける。狭山第三次再審の証拠開示によって得られたもの。@犯罪の裏付けがないことが明らかに。自転車、カバン、脅迫状、スコップ―すべて指紋がない。A筆跡関係書類。石川さんは脅迫状を作成できなかった。一九六三年五月二三日上申書。B捜査経過における警察官の作為が明らかに。手ぬぐいの数に関する改ざん(石川さんが二本持っていた)。「自動車」の駐車時刻に関する改ざん(犯人が脅迫状を届けた時間帯に停まっていた)。C多数の新証拠。
村木元厚生事務次官を犯人にでっち上げた証拠を偽造した前田大阪地検特捜元検事の二〇一四年に講演した内容。捜査報告書に被疑者に有利な事実が書かれている場合は、検察が警察に書きかえさせて、元の捜査報告書はなかったことにする「差し替え」。検察に不利な事実が供述されても調書に残さない「つまみ食い」が横行している。
証拠開示の義務とセットで把握した結果をすべて証拠として残すことが重要。再審に関する法規制が必要(証拠開示・検察の上訴の禁止・検証機関をつくるなど)。
有力な科学的証拠。下山第二鑑定の提出(二〇一八年八月)。「蛍光X線分析」。証拠品として押収されている万年筆(確定判決で石川さんが被害者から奪ったと認定されている万年筆)は被害者のものではない。
実験結果。被害者の自宅から提出されたインク瓶の中のインク(ジェットブルー)からは「クロム元素」が検出。被害者が事件当日に書いたペン習字浄書からは「クロム元素」が検出された。押収された万年筆により事件後記載された数字からは「クロム元素」は検出されず、「鉄元素」(ブルーブラック)が検出された。インクの色の違いに困った裁判所は「郵便局でインクを補充した可能性もある」と判決した。しかし、二種のインクが混合すれば痕跡が「ペーパークロマトグラフィー」に出るが検出されなかった。
寺尾確定判決では「当裁判所は、いやしくも捜査官において所論のうち重要な証拠収集過程においてその一つについてでも、弁護人が主張するような作為ないし証拠の偽造が行われたことが確証されるならば、それだけでこの事件は極めて疑わしくなってくると考え検討したが、弁護人の主張は一つとして成功しなかったと認めざるを得ない」としている。しかし、科学的鑑定によって完全に寺尾判決が崩された。

世論喚起の
支援行動を
今後、検察官による弁護団鑑定に対する反対鑑定を提出するとしている。検察の反論にきちんとやっていく。ヤマ場は来ている。狭山再審は市民が支えている。裁判所前行動などが重要だ。不正義は許してはならない。(発言要旨、文責編集部)


もどる

Back