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    かけはし2019年7月1日号

労働者・市民の闘いを広げ
東アジアの平和と人権を作り出そう



安倍自公政権を打倒しよう

9条改憲阻止・戦争国家NO

辺野古新基地建設を今すぐやめろ

 ここに示した参院選に向けた政策提案(2〜4面)は、日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者協議会全国協(NCIW)の同志たちが選挙において問われる対決点について討論を深めていくために個人の責任で、分担して提起したものである。ぜひ読者の皆さんも、積極的に意見を述べて、共にオルタナティブな指針を具体化する提案をしていただきたい。(「かけはし」編集部)

日米安保反対・戦争法廃止

グローバル派兵国家を許すな

人権侵害・差別許さない社会を

 自民党の二〇一九参院選公約の一つとして憲法改正を掲げ、@自衛隊の明記A緊急事態対応などの実現を主張している。この目的はグローバル派兵国家建設の一環として戦争法制下、米軍と自衛隊の共同実戦態勢のレベルアップにある。「抑止力」と称して核と武力を背景とし、米日同盟のための外交展開を有利に推し進めることがねらいだ。すなわちトランプ米大統領と安倍晋三首相の「親密」の本質は、帝国主義大国の横暴さに貫かれた手前勝手な資本主義の防衛と延命でしかない。グローバル派兵国家建設とは、対外的には軍拡であり、国内的には治安弾圧の強化だ。非核平和な世界の実現を求める民衆の流れに逆行するものだ。
 安倍晋三首相は、「二〇二
〇年を新しい憲法が施行される年にしたい」(一九年五月三日)などと宣言し、「憲法審査会で議論するのは国会議員の仕事だ。しっかり参院選で問いたい」(五月一六日)と強調した。また、天皇「代替わり」賛美状況や二〇二〇東京五輪を利用しながら一九参院選で憲法改正に必要な三分の二の議席を自民党など改憲勢力で維持することを目標にしている。
 公明党山口那津男代表(五月二日)は、「新しい規定を加える形で憲法改正を行うやり方を公明党は訴えてきた」と発言した。だが改憲に「慎重」な党内と創価学会事情に配慮しながらも政権の利権防衛優先から自民党にすり寄っていくことは、過去の悪法に加担してきた手法をみれば明らかだ。公明党の改憲加担を許さない包囲陣形も同時に作り出していこう。
 改憲勢力の当面の改憲スケジュールは、憲法審でCM規制を取り除いた国民投票法改正案(期日前投票時間、商業施設への共通投票所設置)を採決し、カネで大量の改憲CMを流すことができる国民投票法改正の制定だ。現状ではこのような動きがスムーズに進んではいないが、あくまでも改憲の突破口として国民投票法改定の成立に目的を絞っている。九条改憲阻止に向けて国民投票法改定を廃案に追いこんでいこう。
 米国と日本政府は、日米安保共同宣言(一九九六年)、日米防衛協力のための指針改定(一九九七年)、新ガイドライン(二〇一五年四月)を結ぶことによって日米共同実戦態勢を強化してきた。とりわけ対中国・北朝鮮シフトを射程にした日米実戦演習の頻度を高めてきた。直近でも南シナ海で海上自衛隊の護衛艦「いずも」と米原子力空母「ロナルド・レーガン」の実戦演習(六月一〇日)を強行しているが、対中国圧力はもちろんのこと、イランと米国の軍事的緊迫と連動した軍事作戦であることは言うまでもない。
 米国との共同実戦の拡大は二〇一九年度予算の軍拡予算にも現れている。新「防衛大綱」・「中期防衛計画」に基づいて、またトランプの押し売りを受入れ、高額な武器を次々と購入している。七年連続で五兆二五七四億円(前年比六六三億円増)の増額させ、後年度負担(兵器ローン返済)など三九九八億円(一八年第二次補正予算案)を加えると五兆六〇〇〇億円を超えている。
 すでにグローバル日米安保体制下、在日米軍駐留経費負担(一九六八億円/前年度当初予算比二二億円増)、沖縄の辺野古新基地建設費など米軍再編経費(二一六一億円/同一五〇億円増)とSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費(五一億円/同二三億円増)が合計四一八〇億円と過去最大に達している。
 米軍とともにグローバル戦争への参戦を前提にした軍事費を削減させ、民衆生活予算へと配分させなければならない。その水路を作り出す闘いの一つが沖縄辺野古新基地反対と普天間基地撤去の実現だ。沖縄県民投票(一九年二月二四日)は、辺野古埋め立て中止を沖縄県民の自己決定権を表現した。だが安倍政権は民意を無視し、辺野古への土砂搬入を強行し続けている。身体を張った粘り強い辺野古の闘いに連帯していこう。
 さらに米軍Xバンドレーダー基地撤去!京丹後の闘い、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備(秋田、山口)反対、米軍のオスプレイ配備と自衛隊のオスプレイ配備計画反対、自衛隊の南西諸島配備反対など各地の反戦反基地の闘いに連帯していこう。
 戦争法(二〇一五年七月)制定による戦争体制構築とともに押し進めてきたのが治安弾圧体制の強化だ。特定秘密保護法(二〇一三年)、マイナンバー(共通番号/一三年)、刑訴法改悪(一六年)、共謀罪(一七年)を制定してきた。民衆監視と人権侵害、民衆運動破壊のための治安弾圧法の廃止を勝ち取ろう。 (遠山裕樹)

在日外国人の権利を守れ

差別を許さない社会を共に

不正を許さず平等の実現を

移民保護法の制定を!

 今年の四月からこれまでの技能実習制度に変わる特定技能制度が実施されて、単純労働を含む外国からの移住労働者の受け入れが始まった。特定技能二号は専門的・熟練技能者を対象としていて、滞在の更新も家族の同伴も可能である。しかし単純労働を対象者とする特定技能一号は、滞在が最長五年で家族の同伴も許されない。
 特定技能一号で指定されている業種は、介護・外食・建設・ビル清掃・農業・飲食品製造・宿泊・素形材産業・造船関連・漁業・自動車整備・産業機械製造・電気情報関連・航空の一四分野である。しかもそれぞれの分野ごとに、五年間の受け入れ人数の上限が設定されている。しかもこの中で特定技能二号に移行できるチャンスがあるのは、現時点では介護・建設・造船関連だけだ。労働力不足の穴埋めをさせて、短期で使い捨てようとしていることは明らかだ。
 法務省の発表によると、一八年末の在留外国人は約二七三万人(前年比六・六%増)で、それは日本の全人口比の約二・二%にあたる。フランスのそれが約六%であることを考えると、日本政府が「移民政策はとらない」としているが、現実の日本はすでに移民社会になっているということがわかる。在留資格別では永住・定住者などが五三・七%で、留学生が一二・三%、技能実習生が一二%などとなっている。
 厚労省の発表によると、一八年一〇月現在で日本で就労する外国人労働者は約一四六万人(前年比一四・二%増)で、その数はこの一〇年間で三倍になった。資格別では技能実習生が前年比で一九・七%増え、留学生アルバイトが同一五%増えている。地域別では東京四四万人、愛知一五万人、大阪九万人で、増加率が高いのは熊本(前年比三一・二%)・鹿児島(二三・八%)などの農業・畜産県だ。
 しかし技能実習生に対する事業所側の不正行為も蔓延している。最低賃金違反・契約賃金違反・賃金からの過大控除・割増賃金不払い・不正残業などだ。大企業である三菱自動車やパナソニックも、契約していた溶接ではなく部品・車体の組み立てをやらせていたり、電子機器の組み立てを長時間残業させたとして摘発されている。移住労働者の人権を保障するためにも、移民を前提とした法整備が急務である。
 そもそも国連の移民定義は、外国で「一年間以上暮らした」ことになっている。それが日本では移民だと認定もされずに、五年間で追い出されなければならないのか。それは国籍法の「日本国籍取得条件」に関連する第四条一項で「引き続き五年以上日本に住所を有すること」となっているからだ。移民と認定されなくても日本人になる権利が発生するのである。ただし「政府を暴力で破壊しようとする政党・団体に加入したことがない」という不当な条件付きなのだが。
 移住労働者はひとりの人間として尊重されて、安心して社会生活を営む権利が保障されなければならない。それは日本人にとっても同様のことであり、家族と暮らす権利・子供を就学させて日本語を学ばせる保障・失業や病気、出産育児、医療など十分な社会保障と福祉を受けられる権利が保障されなければならない。また地域で暮らす住民として、最高裁もすでに認めている地方参政権も早期に実現されなければならない。
 文科省の発表によると、一六年時点で三万人を超える外国籍児童・生徒が日本語の教育指導が必要だとしている。また今年一月には義務教育不就学の外国籍の子供が一万六〇〇〇人以上いることが判明したと報告している。これは外国籍移住者の就労も生活も教育も地方自治体に丸投げしてきた結果の一端が明らかになったのにすぎない。難民認定基準の見直しや、外国人の長期収容を可能としている入管法の抜本的な見直しは、日本国内の劣悪な人権状況を改善していくことと一体だ。
 すでに「移民社会」となっている日本の現実を直視して、「移民保護法」が制定されなければならない。国連の発表によると、世界の移民数は〇〇年の一億七三〇〇万人から、一七年には二億五八〇〇万人となり約五〇%増加している。不平等社会の蔓延による貧困の拡大、気象変動や自然災害・戦争や内戦などによって難民と移民は増大している。また日本では長期にわたる人口減少、特に就労人口の不足がすでに深刻化している。「移民保護法」制定に向けた運動の強化が求められている。

朝鮮学校の高校授業料
の無償化と補償実現を

 高校授業料の無償化は一〇年に当時の民主党政権によって導入された。しかし一三年になってから安倍自民党政権は、朝鮮総連との関係が問題だとして朝鮮学校を無償化の対象からはずした。国連の人種差別撤回委員会は、こうした措置は「差別だ」として無償化の継続を求めているが、安倍政権は勧告を無視して差別政策を続けている。
核・ミサイル、日本人拉致問題、植民地支配への補償問題など日朝間の政治的な課題は山積みにされてきた。これらの課題をひとつひとつ解決するためには、互いの敵視政策を見直して、国交正常化に向けた道筋を整えなければならないだろう。「金委員長と無条件で会う」と安倍首相は豪語しているが、そのためにはまず朝鮮学校への高校授業料の無償化再開と補償を実施しなければならない。また人道的立場から、深刻な食糧不足にある朝鮮への大規模な食糧支援を早期に実施すべきだ。
(高松竜二)

気候変動を止めよう

CO2排出ゼロ社会を

原発全廃を実現しよう

 七月の参院選において、マスメディアではほとんど取り上げられていないが、決定的に重要な課題が存在している。それは、気候変動を食い止め、クライメート・ジャスティス(気候正義)を実現するという課題である。
 ヨーロッパなどでは、高校生らを中心にした「未来のための金曜日」運動が展開され、三月一五日と五月二四日におこなわれた学校ストライキと街頭行動には世界中で一〇〇万人以上が参加した。この運動は、ヨーロッパ議会選挙での緑の党の躍進をもたらした大きな要因として分析されているほどの影響力を持ち始めている。
 この運動を始めたスウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんは、「気候危機は危機として扱わなければならない!気候問題は選挙の最大の争点である!」と主張して、毎週金曜日に学校を休み、スウェーデン国会前で、政治家がもっと気候変動を食い止める政策を実行するように求めた。運動に参加している高校生ら若い世代の思いは、「大人たちは『未来のために勉強しなさい』と言う。でも、今のまま気候変動が進めば、まともな未来なんてないかもしれない。たくさん勉強して気候変動の危機を訴えても、政府はまったく声に耳を貸さないのなら、どうして一生懸命勉強していられるのか?」というものだ。この危機感は、世代を問わず共有されるものでなければならない。
 実際に、温室効果ガス排出による地球システムの危機は、いまや人間文明の存続にかかわる問題をはらみながら、世界中で「異常気象の日常化」ともいうべき現象を激発させている。日本では、昨年は冬の厳しい寒波に始まり、夏には記録的な猛暑・豪雨、そして巨大台風二一号の上陸と立て続けに異常気象に見舞われた。この背景には、地球温暖化に伴う気温の上昇、日本周辺での海水温上昇による水蒸気量の増加があることは明らかだ。また、世界的に見ても、北半球が記録的な高温となり、北極圏でも三〇℃を超えるかつてない高温を記録した。そして、各国で高温・乾燥による山火事が多発している。こうした「異常気象の日常化」は、地球温暖化による気候変動の一部であり、まさに地球のエコシステム(生態系)自体に亀裂が生じている結果と言わなければならない。
 COP24を前に公表されたIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)特別報告書は、パリ協定で目標とされた一・五℃の気温上昇にとどめるには、世界のCO2排出量を二〇三〇年までに四五%削減(二〇一〇年比)し、二〇五〇年ごろまでに実質ゼロにする必要があると強調した。そのことを実現するためには、ほとんどすべての化石燃料を地中に留めておかなければならない。
 その一方で、地球温暖化対策の一つとして原発を活用するという議論が、日本政府や財界から出されている。そして、福島第一原発事故が、五輪誘致時に安倍首相が公言した「アンダー・コントロール」どころか、収束するめども立っていない状況であるにもかかわらず、現に原発の再稼働が進められているのである。しかし、原発再稼働が気候変動対策にはならないことは明らかだ。それは、長期にわたる原発廃炉作業の際に大量のCO2を排出するという意味で、問題を先送りしているということだけではなく、核廃棄物の安全な処理・保存の方法がなく、重大な原発事故の可能性があるという二重の意味で地球環境に取り返しのつかないダメージを与えることになるからである。
 したがって、気候変動を食い止め、未来の世代に地球環境の生態系を残すためには、二酸化炭素ガスの排出ゼロ、原発全廃は、ともに絶対に実現されなければならない課題なのである。
 しかしながら、二〇一八年七月三日に閣議決定された「第五次エネルギー基本計画」では、二〇三〇年における電源構成の中での原発の比率を二〇?二二%とする一方、化石燃料の比率を五六%にするという目標が掲げられている。この数字は、日本政府と財界には、脱化石燃料にも、脱原発にも真剣にとりくむつもりがないということを意味する。
 一方で、政府は、福島第一原発周辺地域で、次々と避難指示解除準備区域や住居制限区域を解除するとともに補償の打ち切りを進め、原発事故などなかったかのように事故の不可視化を進めている。原発事故被災者への十分な補償の継続と生活保障、除染・廃炉労働者の賃金・権利・労働条件・労災補償などの確保は、東電のみならず政府の責任でおこなわなければならない。
 グレタさんが言うように、いまや「気候問題は選挙の最大の争点」である。この問題を真剣に取り上げ、二酸化炭素ガスの排出ゼロと原発全廃を正面から掲げる候補を当選させよう。 (大森敏三)

私たちは「令和」を祝わない

天皇制を廃止しよう!


 この四月、「令和」への代替わりによる「新しい時代」というキャンペーンがかきたてられた。二〇一六年八月の前明仁天皇の「代替わり」宣言を受けて、政府と議会の全政党が明仁天皇自身の意向による「退位」と新天皇の「即位」を合法化・正当化する法律を、翌二〇一七年に成立させたことをあらためて思い起こそう。
 日本国憲法の下で「この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」とされたはずの天皇が、天皇自身の意思を公共放送で流し、それを口火に世論を喚起し、政府を動かして「生前退位」を法律にまでしたてあげる、というこの行為は、明らかに憲法違反の政治行動だった。共産党をふくむ全政党が賛成したのは、「象徴天皇」の個人的意思を何よりも優先して立法化まで行う、という点で、およそ「立憲主義」の原則そのものと対立するものだ。「人民の意思」を「王の恣意」に対立させ、優先させることこそ民主主義の出発点だったはずだ。
 私たちがこの問題を取り上げるのは、明治憲法の下で「神聖にして侵すべからず」と規定づけられ、「国の元首にして統治権を総攬」するとされ、さらには侵略戦争と植民地支配、民主主義的諸権利の剥奪の張本人だった天皇が、戦後の「日本国憲法」の下で「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」になったことにより、民主主義に反する大きなひずみ、ゆがみをもたらす結果となったと考えているからだ。
 国体、植樹祭など毎年行われる天皇・皇后が参加する式典、行事などに、参加者が「日の丸」を振り、「君が代」を歌って出迎えるという「戦後巡幸」から始まった慣行は、戦犯のはずだった「昭和天皇」から「平成」の時代にも違った形で引き継がれた。このありかたは「平成」以後にも継承されようとしている。それは昭和天皇の訪欧・訪米を出発点とした違憲の「天皇外交」に引き継がれ、「平成」の時代にかつての「戦場」だったアジアをはじめとして大きく拡大した。
それは、日本の侵略・植民地支配の責任をあいまいにしたまま、新たな勢力圏の拡大に向かった資本と、自民党政府の意向に沿ったものだった。
 しかしアジア太平洋戦争の末期、天皇制を維持するために犠牲として差し出された沖縄への、裕仁天皇の訪問の計画に対しては、知花昌一さんの「日の丸・焼き捨て」決起が多くの共感を引き起こした。「平成」の時代に積みあげられた天皇・皇后の沖縄訪問は、この天皇の戦争責任と米日合作の植民地支配の責任に対する沖縄の人びとの怒りを「慰撫」しようとするものだった。
 天皇制の諸問題は、「侵略」と「植民地支配」だけではない。天皇制は、「貴と賤」をはじめとする「身分差別」、「健常者」と「障がい者」の差別、そして男女差別や外国人差別といった、社会の中の分断・差別の構造とも深く結びついている。天皇に「近い」ものを頂点に据え、そこから広大な「底辺」を形成するピラミッド構造は、何よりも、民主主義を実質的なものとするためにこそ掘り崩していかなければならない。
 「平成」から「令和」へ、と言うスローガンが、あたかも時代を画するスローガンのようにして叫ばれている。しかしそもそも「元号」とは、天皇(皇帝)、あるいは最高権力者による「時間の支配」を主張する中国伝来の思想の産物だった。明治以後の「一世一元」制度は、天皇の時間によって時代を区切る意識を人々に植え付けるものだった。
 「令和初の」とかの言葉が乱発される、この風潮に私たちは異議を唱えたい。私たちは何よりも「私たちの時間」を取り戻そう。「元号なんていらない」――私たち「支配者の時間」に異を唱えるために「元号制度」の廃止を呼びかける。共産党が現憲法の下での天皇制を完全に擁護する、という惨状だからこそ、私たちは元号・天皇制に反対の意思をハッキリと示そう。
       (平井純一)

オリンピック・パラリンピック反対

スポーツを国家と資本
から解放するために!

 「スポーツは、最も気高い情熱のみならず、もっとも卑しい情熱をも目覚めさせてしまうのである。無私の精神、名誉の理念をも育みもすれば、私利を刺激する可能性もある」。
 この言葉は、スポーツに内包される家父長制を彷彿とさせる「近代オリンピックの父」と呼称されるピエール・ド・クーベルタン男爵の言葉だ。近代スポーツはイギリス帝国主義の拡張とともに発展した。
 オリンピックはアマチュアリズムという支配階級のエリートスポーツからスタートしたが、資本主義の発展とともに変化を遂げ、「勝者を支えることが役割」とされた女性の参加を拡大する一方、アスリートの肉体を徹底して酷使し、薬漬けにする死に至る搾取をつうじて価値を実現することが前提となっている二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックでは「私利の刺激」が極端にまで花開いた「もっとも卑しい情熱」に包まれている。
 二〇一三年の招致時点で七三四〇億円だった大会開催の予算総額は、二〇一八年末で一兆三五〇〇億円にふくれあがっている。これは「大会に直接必要なもの」の予算であり、さらに都は関連予算八一〇〇億円を計上している。国も関連費一一二七億円を計上しているが、ここには当然含まれなければならない新国立競技場の通信映像機器27億円やハンドボールや車いすラグビーの会場となる国立代々木競技場の改修整備費八〇億円が含まれておらず、最終的に三兆円を超すと言われている。このほとんどが税金によってまかなわれる。一九八四年ロス以降、商業化が急速に進んだオリンピックは、東京大会で空前の企業マネーによって支えられる。数十億から数百億円ともいわれるスポンサー料を払ってでも、宣伝効果だけにとどまらず、実質的な利益が税金から還元される仕組みになっている。
 オリンピックを批判する元オリンピアンで政治学者のジュルーズ・ボイコフは、ナオミ・クラインの災害資本主義から敷衍した「祝賀資本主義」という概念で、現代資本主義における不可欠の要素としてオリンピックを位置づけている。「祝賀資本主義というのは、民間企業に利益をもたらす一方で納税者にリスクを負わせる、偏った官民連携に特徴づけられる政治経済的構造」(『オリンピック秘史』)。このような特徴は公共サービスの民営化でも見られるが、オリンピックに特徴的なのは、それが「祝賀イベント」による国民動員が「国旗と国歌」というナショナル・シンボルによって煽動されることである。
 さらに東京大会に特徴的なことは、新天皇徳仁が世界にその即位を知らしめる国際イベントとなることである。差別の象徴の金メダリストである天皇がオリンピックだけでなくパラリンピックでも開会宣言をする初めての事態は、二〇二〇組織委員会が言う「五輪とパラリンピックの平等」や障がい者にとって平等な社会を実現する一歩ではなく、強化された差別と搾取のオリンピックに選ばれたごくごく一部の障がい者を包摂することが目的であり、それは障がい者の間にも分断をもたらすだろう。
 突貫工事で進む五輪施設の建設や関連開発では労災死や野宿者の排除が伴っている。整備費一五〇〇億円とも言われる新国立競技場(渋谷区)は、大会開催後も毎年二四億円の維持費がかかる。東京都が新設する五つの競技施設でも水泳競技がおこなわれるアクアティクスセンター(江東区)の六億三八〇〇万円の赤字を筆頭に年一〇億円の赤字がでるといわれている。税金で補填される赤字分が、障がい者スポーツや貧困者の人的・物的支援にまわせたはずだと考えれば、オリ・パラへの資源の分配が差別や分断を助長すると言える。
 唯一、三億五六〇〇万円の黒字が予想されるバレーボール会場となる有明アリーナ(江東区)は、大会後には電通が代表となる民間グループ会社に九四億円で二五年間の運営権を売却するコンセッション方式が適用される。有明アリーナの建設費は三七〇億円。いうまでもなく電通は東京大会のスポンサー企業と組織委員会をつなぐ代理業務で莫大な利益を上げているとされており、まさに「祝賀資本主義」の典型だ。
 だがそれ以上に東京五輪を象徴する犯罪的な「祝賀資本主義」のケースは、五輪開催後に高級マンション群となる晴海の選手村(中央区)である。この都有地を三井不動産、住友不動産、三菱地所レジデンス、東急不動産、野村不動産など一〇社に近隣基準価格の一〇分の一以下の一二九億六〇〇〇万円で売却する契約を結んでいる。すでに富裕層向けにモデルルームでの紹介が始まっているが、僅か二キロ余り先にある公務員宿舎「東雲住宅」(江東区)では福島から避難した人たちが、この四月から退去を求められており、退去しない場合は二倍の損害金が国から請求されるという。このように国の公務員に入居している避難者は東京、茨城、埼玉、神奈川に六〇世帯あるが、そのうち五三世帯は高額の民間転居先に移れずにいる。
 桁外れの五輪開催費用や福島原発事故対策費に比べると、これら避難者の家賃などは微々たるものであるが、「復興五輪」を掲げる安倍政権は、そんなことには無関心だ。招致時の「アンダーコントロール」に始まった福島原発事故被害の隠ぺいや政治利用は、Jビレッジからの聖火リレー出発という醜悪な政治イベントによってさらにその醜悪さが際立つ事態になっている。いまだ誰一人として事故の責任を取っていない。そして、いまだ日本は「原子力緊急事態宣言」下にある。これが東京オリンピックの真の姿である。これが東京パラリンピックの真の姿である。
 「祝賀」と「復興」を強制される福島の人々の地の底からの怒りの炎を、全国にリレーでつなげよう。オリンピック・パラリンピックを中止し、それにかかる費用すべてを原発事故対策および被害者の補償につかえ。選手村はじめ五輪関連施設をすべての被災者に開放せよ。分断と差別を助長するオリンピック・パラリンピックを廃止し、障がいのあるなし、性別、年齢、階級に関係なく地域で参加できるスポーツ政策に資源(ヒト・カネ・モノ)を回せ。商業化されたスポーツ産業やメガ・イベントではなく、長時間労働や不安定労働をなくすことで誰もが好きなときにスポーツができる社会を目指さなければならない。スポーツを資本の搾取と国家主義の強制から解放しよう。   (早野 一)                 

格差社会との闘い

搾取と貧困をなくすために

 七五〇億円以上。ZOZOTOWN社長の前澤が計画する月旅行の費用である。富は人間が働くことによってしか生み出されない。したがって前澤が七五〇億円もの富を独占できるのは多数の人間の労働の成果をかすめ取っているからに他ならない。その証拠にZOZOTOWNは「非正社員比率は約六七%と極めて高い。派遣労働、非正規雇用に依存している経営といえる。『(株)ZOZO有価証券報告書2018』ZOZOは労働者三人のうち二人は派遣を含む非正社員で成り立っている」(1)と指摘されている。
 同一労働同一賃金ではなく、派遣・非正規といった雇用身分で労働者を差別し正当な賃金を払わない。これが現代格差社会の本質である。「社畜」とも言われる企業にすべてを差し出す奴隷的労働に対比させ、「自由な働き方」などといって派遣・非正規の働き方を持ち上げ拡大してきた。85年に労働者派遣法が成立して以降、働いても生活できない非正規労働者が増え続け、一方正規労働者では過労死が増え続けた。労働者派遣法の成立によって雇用の底が抜けたのである。この雇用身分社会で最も差別されているのが女性である。現に働く女性の五割以上が非正規に押し込められている。その結果シングルマザーの世帯では八一%が就労しているにも関わらず相対的貧困率は五五%にも達している。児童虐待による痛ましい死亡事件が後を絶たないが、背景にはこのようなシングルマザーの貧困がある。
 富裕層が富裕層になるためには、雇用身分社会を利用した他人の労働の成果を合法的にかすめ取ること。そしてもう一つ重要なことがある。それは合法的な脱税である。タックスヘイブンを利用するまでもなく富裕層は税制で優遇されている。コンビニのおにぎり一〇七円。八%の消費税は八円。前澤にとってはまさにはした金でしかないだろうけれど、その八円がなくておにぎりを買うことができない人たちがいる。
 消費税は低所得者にとって限りなく重い。「年収に占める消費税負担割合は、二〇〇万円未満は七・二%に対して、一五〇〇万円以上は一・六%です。前澤社長と田端氏よりも二〇〇万円未満の貧困層が四・五倍も消費税を収めているのが客観的事実です」(2)。
 これだけではない。税制の改悪により富裕層ほど税負担が軽減され低所得者ほど税負担が増えている。富裕層の所得の八割は株式譲渡所得。これに対する課税が優遇されているため年間一兆円が富裕層のポケットに入ってしまっている。社会保障費負担も年収一〇〇億円をこえると一〇〇万円より負担率は軽くなる。
 老後を支える「一〇〇年安心」のはずの年金が全く不十分でしかないことが明らかになった。厚生年金で暮らす夫婦で月五万円、生涯で二〇〇〇万円足りないという。六万五〇〇〇円でしかない国民年金受給者は一体いくら足りないのだろうか。二〇〇〇万円どころではないはずである。一七年の国民生活基礎調査では約四〇%の世帯が年収四〇〇万円以下である。六五歳までに二〇〇〇万円ためることなど不可能だ。年金問題は高齢者だけの問題ではない。低年金による老親の生活の破たんは子、孫の世代へ影響を与える。大企業と高額所得者への課税の徹底で一〇〇年安心の年金制度確立に今すぐ踏み出さなければならない。
 以上により参議院選では、この格差社会を変革するために以下のような政策必要である。
1、全国一律最低賃金一五〇〇円の実施
2、労働者派遣法の廃止と直接雇用への変換
3、有期雇用の原則禁止
4、消費税廃止
5、累進課税の強化(13階層最高税率70%への回復)
6、法人税増税
7、年金マクロスライドの廃止・生活保障年金の実現
(1)藤田 孝則 
https://blogos.com/article/352302/
(2)井上 伸 
https://blogos.com/article/330419/
(矢野 薫)

LGBTQIA+
の権利保障実現を


 LGBTQIA+は参院選挙の争点でなければならない。なぜなら、多くのLGBTQIA+の人々がこの社会の中で安心できる居場所を見つけることができていないからである。LGBTQIA+の人々は、この社会の中で生きる見えない難民である。
 このマニフェストを、きわめて不十分なものだということをわれわれは自覚している、読んでくれているあなたは当事者かもしれないし、アイラ(LGBTQIA+ではないが、LGBTQIA+の理解者)かもしれない、あるいは全くこの問題に関係なく、かけはしのマニフェストを読んできたのかもしれない。
 まず確認しておきたいのは、性的アイデンティティは女性・男性だけではないということである。今までは左端に女性を置いて右端に男性を置いて、性的アイデンティティは女性か男性ではなくスペクトラムのようなものだと言われていた。しかしそのような線形スペクトラムでは当てはまらない「男性」でも「女性」でもない人の人たちが確かにいる。そのような人たちは、女性と男性の間に位置付けられることはできない。性的アイデンティティは女性と男性だけではなく多様な広がりがある。まずこの大前提が共通認識とされなければ立憲野党が政権を取ったとしても、LGBTQIA+の人々にとって生きにくさは変わらない。
 生きにくさは命の問題である。公的教育の中でLGBTQIA+について知らされないため、少なくない青少年が絶望から自殺に至っている。性的アイデンティティが多様であることを教育の場に導入することが急務である。
 国が同性婚を認めない中一部の自治体がパートナーシップ制度を導入するなどLGBTQIA+の当事者にとっては半歩前進的な事例も見られた。しかし、これに対するバックラッシュとして杉田水脈の「生産性がない」発言が見られた。幸いにして大衆的な反撃により掲載誌は廃刊に追い込まれた。しかし杉田は依然として国会議員のままだ。われわれは、今回の参議院選挙がLGBTQIA+の人々の制度的権利を拡張する絶好の機会として活かすことを提案する。
 1.LGBTQIA+の啓発活動を行うこと。性的アイデンティティは多様であることを実感できる公教育を実践すること。
 2.同性婚を認めること。
 3.学校・企業等すべての公共スペースでLGBTQIA+の権利を保障すること。    (矢野 薫)


平等社会の実現のために

女性の権利拡張と
クォータ制実現へ

 講談社が発行する女性向けファッション誌「ViVi」が、「#自民党2019」「#メッセージTシャツプレゼント」の二つのハッシュタグをつけて自分の気持ちをつけて投稿するキャンペーンを発表した。投稿者の中から計一三人に、同誌の女性モデルの政治的メッセージを描かれたTシャツがプレゼントされる。そのメッセージは「Diversity いろんな文化が共生できる社会に」、「Express Yourself 自分らしくいられる世界にしたい」、「Happy & Smile みんなが幸せで笑顔あふれる素敵な国に?」。多文化共生で誰もが自分らしく暮らせる素敵な国。
 残念ながら自民党が目指そうとしているのは真逆のディストピアだ。「女性が輝く社会の実現」を掲げる自民党の本音は、「結婚しなくていいという女の人が増えている。お子さんお孫さんには子どもを最低三人くらい産むようにお願いしてもらいたい」という桜田元大臣の発言、業務上パンプスを強制されるのは嫌だという「#kutoo」に対する根本厚労大臣の「社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲かと思います」に明らかだ。
 女性は結婚したら戸籍を入れて、子どもは三人以上生んで、女性らしくパンプスを履いても男並みに働き、かつ家事・育児も担う。安価な労働力として活用させてもらいます、でも子どもは自己責任で産んで育ててください。これが自民党の「女性が輝く社会」の実態だ。
 昨年以来、全世界で「#MeToo」運動が広がった。そして六月には、性暴力の加害者に責任はないという不当判決に対して「#フラワーデモ」の運動が広まった。このように被害を受けた女性に寄り添い闘おうとする運動が広がっている。これは既存の男性中心の組織が、労組や革新政党も含めて被害を受けた女性をケアしともに闘うことができなかったことの表れでもある。
 したがって来る参議院選挙では、女性の権利を拡張する制度的改善がなにより目指されなければならない。
 1、男女同一賃金、同一労働同一賃金の実現
 2、クォータ制の義務づけ。
(矢野 薫)


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