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    かけはし2017.年4月3日号

ともに基地のない沖縄を


3.16

辺野古・高江の今、お話を聞く会

現地住民の生の声受け止め

カヌーチームと「住民の会」

 三月一六日午後六時半から、東京・文京区民センターで「辺野古・高江の今、お話を聞く会」が主催:辺野古・高江を守ろう!NGOネットワークで開かれた。
関本幸さん(グリーンピース・ジャパン)が辺野古・高江の現地で闘っている人の生の声を聞くことの重要性と新基地建設に反対する環境NGOを中心とする団体による共同声明を出したとする開会あいさつをした。続いて、高江で闘っている「ヘリパッドいらない住民の会」の伊佐育子さんと安次嶺雪音さんがそれぞれ報告をした。
 伊佐さんの報告。
 「京都出身だが高江に来て三〇年になる。一九九六年のSACO合意によって六つのヘリパッドを作ることになっていた。東村の二度の反対決議により工事はできなかったが村長が賛成にまわり、二〇〇七年に工事が着工された。高江は七、八世帯だが、子どもと生活を守り、戦争へ加担したくないので反対し、座り込みを始めた。はじめはふるえた。二〇一二年、オスプレイが普天間に配備され、二〇一四年二つのヘリパッドが完成した。二〇一六年、オスプレイが飛び回り、夜間騒音は二四倍にもなっている」。
 「ゲート前にテントと車を置き、工事を阻止していた。ところが昨年七月二二日、機動隊一〇〇〇人が全国から動員され、法的根拠なしに力でテントと車を排除した。機動隊が阻止線を張り、入れなくしたので水や食料の補給が断たれた。仲間たちは歩いて阻止線を潜り抜け、水とおにぎりを届けてくれた。翌日からダンプが入ってきた。一二月までに完成させるとして、一日一二〇台もダンプが入った。ヘリで重機を運んだり、森を重機で切り裂いた。一二月二二日、北部訓練場の返還式をやったが二月末まで工事をやっていた。まだ米軍には提供していない。補修工事が残っている。私たちはあきらめず座り込みをしている。六億円の予算に六〇億円が使われた。政府に怒りを感じる。オスプレイが本格的に運用されれば住めなくなる。本当の平和をめざしたい」。

森の中で暮ら
そうとの思い
安次嶺さんの報告。
「森の中で暮らしたいと三年探して二〇〇三年から東村に家族で移住した。二〇〇四年からカフェを経営した。二〇〇六年に報道でヘリパッドのことを知り、ここに住めなくなるかもしれないと、基地を作らないでくれと、声をあげ続けた。オスプレイのことは何も知らないと防衛局は言っていたのに、二〇一六年六月、オスプレイ三機が毎日低空で夜一一時過ぎまで飛んだ。暗闇、低周波騒音、いつ墜ちるか分からないと不安になった。気分が悪くなり、子どもも学校に行けないと役場や教育委員会に訴えた。役所から米軍に申し入れをしたが米軍からは何の返事も返ってこない。抗議しても何も反映されず、オスプレイは飛んでいた。七月に工事が強行された。立ち直れないくらい叩きのめされた。機動隊に話しかけても無視された。工事車両を通し、生活を壊した。警察は生活を守らないことを突き付けられた」。
「弁護団と相談し、工事差し止めの仮処分を行った。負ける要素がなかったが、裁判所は暮らせなくなるような騒音ではないとして訴えを却下した。子どもたちを守るために、宿泊施設は残し、家族は来月から隣村に移住することにした。被害を実感してほしい。高江に住んで苦しくたいへんだが一人じゃないと分かるとちょっと元気になる。いっしょにがんばろう」。

世界の人々と
つながりながら
次に、「カヌーチーム辺野古ぶるー」のプリティさんが報告した。
「一九五五年、五歳の女の子をレイプ・殺害、一九九五年、一二歳の少女をレイプ、二〇一六年、二〇歳の女性をレイプ・殺害。子どもたちは宝だから守りたい。渡嘉敷での集団自決事件、私の父母も軍隊に動員された。軍隊は住民を守らない。パレスチナやシリアの子どもたちの命を奪うことも許されない」。 「カヌー隊には泳げない人もいるが自然を守りたいという気持ちで闘っている。海上保安庁によって沖にやられ、置いてきぼりにされたこともある。弾圧は抵抗を呼ぶ。釜山・ハワイの先住民、世界の兄弟とつながっている。山城博治さんらを即時釈放しろ。沖縄からすべての基地を撤去させたい」。
プリティさんは最後に、「ジュゴンの涙」をみんなで歌い、さまざまな例をあげながら、豊かな報告を締めくくった。
質疑応答の後、MXテレビへの抗議の報告、神奈川・千葉で沖縄から県警機動隊を返す住民監査請求をしている仲間からの報告があり、「辺野古・高江における米軍基地建設に反対し、工事中止と計画撤回を求める共同声明の趣旨が紹介された。花輪伸一さん(沖縄環境ネットワーク)が閉会のあいさつを行った。(M)

3.13

沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック

首相官邸前で抗議行動

山城博治さんの釈放求め

 三月一三日午後七時から、「埋め立て工事を強行するな!山城博治さんらの即時釈放を求める3・13官邸前抗議行動」が沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で行われ、二五〇人が参加した。
 最初に、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの仲間が主催者あいさつをした。
 「山城博治さんはようやく、奥さんとの二〇分の面会が実現した。アムネスティインターナショナルは釈放の国際キャンペーンを行っているが、良心の囚人に認定しようとしている。それほど山城さんらの長期勾留は政治的弾圧だ。今、共謀罪を成立させようとしているが、これが先取り的に行われているのが沖縄だ。何としても釈放を勝ち取ろう」。
 「米国はベトナム侵略戦争の時、沖縄を拠点にしてベトナムへ爆撃を行った。沖縄は戦争に加担させられた。沖縄の人の基地反対は加害者になりたくないという意識も強い。辺野古に新基地を作らせない」。

伊波洋一議員が
連帯のあいさつ
次に、伊波洋一さん(参議院議員、沖縄の風)と福島みずほさん(参議院議員、社民党)が連帯のあいさつを行った。伊波さんは「三月一〇日、国連人権委員会で、山城さんらの長期勾留が人権侵害だと指摘された。山城さんらの即時釈放を勝ち取ろう。三月四日、辺野古ゲート前で議員行動を八〇人の参加で行った。全国と連帯しながら思いを一つにして取り組みたい。勝つまであきらめない」。
警視庁機動隊の沖縄派遣を止めさせる住民訴訟の第一公判(三月八日)の報告があった。都は「機動隊に対して、どこにいてもカネは払うのだから違法ではない」という答弁書を出してきた。沖縄問題をまったく無視するもので許せないと話した。
MXニュース批判行動の仲間たちは週一回木曜抗議行動を続けているが三月一九日午後六時から文京区民センターで集会を持ち、今後は各週で持続的に抗議していくと発言した。沖縄の闘いと連帯する東京東部実行委の活動報告、日本山妙法寺は二月一六日に山城さんら釈放のために宗教者共同声明を出したこと報告した。

思いを一つに
本格工事阻止
沖縄の大城悟さん(沖縄平和センター)が「辺野古ではダンプを止める行動をしているがそれを完全には実現できない厳しい状況が続いている。それでも思いをひとつにして、揺るぎない闘いをつくっていく。埋め立てを止めるため、子どもたちに基地を残さないたに」とメッセージを寄せた。
その後、全国土砂搬入反対連絡会、戦争・治安・改憲NO!霞が関デモの仲間たちが発言し、練馬の公園で「土人・シナ人差別などをもじった差別落書き」が相次いでいることについての抗議声明を読み上げた。最後に辺野古実が今後の3・17新宿デモ、4・8首都圏集会への参加を訴え、五月から本格的工事が開始されるという情報も伝えられる中で、さらに闘いを進めようと訴えた。 (M)

3.17

STOP辺野古工事

新宿デモに200人

オール沖縄はあきらめない

 三月一七日午後六時半から、東京・新宿駅東口アルタ前に集まり、「山城博治さんらを返せ 辺野古工事を止めろ3・17新宿デモ」が辺野古への基地建設を許さない実行委の呼びかけによって行われ、二〇〇人が参加した。
 実行委の青木さんが「山城さんが逮捕されてからちょうど五カ月目の今日、第一回の公判が那覇地裁で開かれた。裁判所は運動しないようなら保釈を認めると発言した。とんでもないことだ。不当弾圧を許すな」と主催者あいさつを行った。続いて、弁護士の内田雅敏さんが二月二三日に山城さんと面会した時の様子を語った。「韓国で、大統領弾劾が盛り上がっていることが話題になり、一九一九年三・一独立運動、一九六〇年四・一九李承晩打倒革命の抵抗の精神が憲法の前文に書かれている。そうした歴史を引き継いでいること。山城の不在が運動の結びつきを強めているというなど運動の話をしながら元気づけた。保釈の条件に運動をしないことなどとんでもない。保釈は権利だ」。
 沖縄から安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が電話でアピールした。
 「山城さんら三人の第一回公判が午前一〇時からあり傍聴した。三つの罪名で起訴された。三人は運動の壊滅をねらったものだと批判し無罪を主張した。検察のビデオ検証が行われた。完全な不当勾留であり、釈放を求めていく。リーダーが現場にいなくとも私たちの手で闘いをつくっていく」。
 「三月末で岩礁破砕許可が切れる。政府は県の許可なしに工事を強行しようとしている。これに対して、県は新たに埋立撤回の訴訟を起こす用意をしている。三月二五日、ゲート前三〇〇〇人の集会を予定している。許可なしに工事をすることに現場で徹底的に闘う。名護市教育委員会は辺野古岬の埋蔵文化財の調査をする。政府が思うようには工事は進まない。来年一月の名護市長選、来年一一月の県知事選の勝利に向けて奮闘しなければならない。うるま市長選(四月二三日投票)で、山内末子さん(オール沖縄、県議)の勝利に向けて声掛けを。絶対にあきらめない。不屈の精神で自己決定権・平和生存権を実現する。新しい基地を作らせない。普天間基地を即時閉鎖せよ」。
 日韓ネット、オスプレイの横田基地配備反対運動、警視庁機動隊の沖縄派遣をさせない住民訴訟、MXテレビ批判行動がそれぞれアピールした。シュプレヒコールを行い、新宿駅南口に向けてデモを行った。(M)

コラム

新法の成立と夜間中学の開設

 公立の夜間中学は八都府県二五市区に三一校あり、一八四九人の生徒がいる。今まで、夜間中学の設置の法的根拠はあいまいのままであったが超党派の議連が作られ、昨年一二月七日、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」が成立し、今年二月一四日に施行された。
 この法律は次のようになっている。
 「(基本理念) 四 教育機会の確保等 不登校児童生徒に対する教育の機会の確保、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保及び当該教育を十分に受けていない者に対する支援をいう」。
 「四 義務教育の段階における普通教育に相当する教育を十分に受けていない者の意思を十分に尊重しつつ、その年齢又は国籍その他の置かれている事情にかかわりなく、その能力に応じた教育を受ける機会が確保されるようにするとともに、その者が、その教育を通じて、社会において自立的に生きる基礎を培い、豊かな人生を送ることができるよう、その教育水準の維持向上が図られるようにすること」。
 「五 国、地方公共団体、教育機会の確保等に関する活動を行う民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携の下に行われるようにすること」。
 文科省は今まで、夜間中学は義務教育未修了者のための学校とされ、学齢時(中学在籍)や形式卒業者は受け入れないとしてきた。そのため、通えない生徒がたくさんいた。国勢調査などによると義務教育未修了者は一〇〇万人以上いると言われる。また小中学校の不登校生が一二万人以上いて、毎年増えている。自主夜間中学がこうした生徒たちを受け入れ、教育の場を提供してきた。文科省は上記の入学制限を撤廃した。
 二月二二日、千葉県松戸市教育委員会は、市立中学校に夜間学級(夜間中学校)一校を二〇一九年四月開設することを表明した。そして、二月一五日、札幌市・秋元市長が自主夜間中学「札幌遠友塾」を訪れ、「地方公共団体として夜間中学校のあり方を具体的に検討していく時期に入っている。多くの人に学習の機会が提供できればと思っている」と述べ、夜間中学の開設に前向きな発言をした。三月八日には、埼玉県川口・奥ノ木市長は早ければ二〇一八年度中の夜間中学の開校を目指す意向を表明。埼玉県初の公立夜間中学となる。市長は「市内に住む外国人は県内で最も多く、市がニーズに応えるべきだと判断した」と述べた。
各地で自主夜間中学が行われ、公立夜間中学の開設を求める運動が三〇年以上にわたって続けられた結果である。文科省は少なくとも都道府県に一校の夜間中学の設置をめざしている。 (滝)



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