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    かけはし2017.年3月13日号

再び、現実を乗り越えて進もう


大統領選挙で労働者民衆は何をすべきか

抗争は大統領選挙を貫通して続けなければならない!

ベク・ジョンソン(社会変革労働者党政策宣伝委員長)


 2017年民衆競選、2018年の地方選挙前の選挙連合政党推進を中核とする民主労総政治戦略案をめぐる予告された激突のために、民主労総代議員大会(代大)は、最初から緊張感が満ちていた。その激突は会議の進行順序の審議から始まった。進歩統合勢力の主張が強く反映された会議の進行順序の原案は政治戦略審議の後に2017年の事業計画審議を配置する異例なものであり、これは事業計画の議決中止を人質にしてでも「進歩統合」を貫徹するという民主労総主導の進歩統合政党建設勢力の我執をそのままあらわにするものであった。広場の抗争(街頭での大統領退陣要求行動)を職場に拡張しなければならない、この重要な情勢をめぐって行われる会議で、そのすべての闘争計画についての議論は、ひきのばされてしまった。
 このように異例な進行順序を「事業計画審議→大統領選挙の計画→政治戦略」の審議に正すための異例な進行順序変更案は、在席代議員740人のうち賛成358人(48・4%)というわずかな差で否決された。代大が「政治戦略→大統領選挙計画→事業計画議決」という異例な進行順序を維持することによって、進歩統合政党建設に反対するすべての勢力が不利な地形の上に立つようになったのはもちろん、代大自体が混乱に向かって駆け上がった。
 すなわち、朴槿恵退陣の民衆抗争を階級的に発展させるための、そのいくつかの闘争計画も建設的に議論しないまま、序盤から「民主労総主導の党建設をするかどうか」が代議員大会全体を支配する議論の軸として浮上した。

民主労総代議員大会の失敗


しかし、これは単に何を先にやるのか後にやるかの問題ではなかった。2017年の民主労総定期代大に労働組合主導で政治勢力を統合するという政治戦略が想定されたこと、それ自体が根本的な問題であった。これは、すでに、昨年8月、民主労総政策代大で、その正当性はもちろん、現実の可能性すらないことが確認された労働組合主導の政治勢力統合論が再び公式会議の席上に上がってきたことを意味した。
「統合政党建設」を中核基調とする政治戦略の想定は2016年8月、そのいくつかの政治戦略も決定していないまま流会になった民主労総政策代大の教訓の覇権的無視だったし、ごうまんさであった。5つの項からなる政治戦略案について修正案が実に5つも提出され、その修正案が全部否決されたのに続いて、原案もわずか賛成211票(在席代議員601人の35・1%)で否決された。修正案の面々は多様だった。政治戦略2項(民衆競選)の削除を中心とした保守野党支持・政権交代論、野党圏連帯反対・労働者の独自政治勢力化論、さらに早急統合政党建設論まで、その面々は多様だったが、どのような主張も多数を占めてはいない。
これは当然の結果であった。代大が想定した政治戦略案自体に「大統領選挙」という短期的情勢の戦術と、「進歩統合政党建設」という(もちろん誤った)長期的な戦略が入り混じっていたからである。時点上、長期と短期の対応を先を争って、労働組合という大衆組織と政党という政治組織をごちゃ混ぜにする瞬間、無数の修正案発議は当然だし、その修正案の否決も当然だった。それをどの政派も覇権的に解決することはできない。労働組合内の政治的傾向は、すでに多様に分化している。特定の政派が、これを強制的に統合しようとするいかなる試みも大衆運動を後退させるだけだ。
つまり政治戦略案の破産は、労働組合主導の進歩統合論の破産を如実に現す。民主労働党時代にも排他的支持方針は、誤りであった。いくら「統合党内の合意秩序尊重」を掲げたと言っても、労働組合主導の政治勢力強制統合は、その誤りの繰り返しの延長でしかない。大衆組織主導の政治組織統合は、その意図とは正反対に大衆組織の分裂を生じさせるだけである。

古いものと決別し新しい闘いを


大統領選挙が目前に迫った今、民主労総は、政治戦略案の否決が生んだ代大流会にこれといった対応方針さえ決められないまま深刻な弛緩状態にたたき込まれた。このような状況の受益者は、保守の与野党とその追従勢力だけだ。これは決して労働運動が「空っぽの大きな団結」を決断できないからではない。これは、議会主義、保守野党との連携、連立政府建設、社会主義綱領削除、組合員を道具化する代行主義という誤りと全く決別できないまま、民主労総内の覇権を動員した政治勢力化を繰り返そうとしたからである。
振り返ってもみよう。民主労働党が野党圏連帯(民主大連合)に出た2009年以来、労働運動をめぐる政治状況は、現在、民主労総自体が「民主党の大衆組織」に転落することもあることを警告している。誤った政治運動が大衆運動そのものの崩壊を結果することになりかねないということを赤裸々に表している。
大統領選挙を控え、労働運動の主要な幹部が保守野党に次々と投降する前に、「乙支路委員会」を軸とした保守野党の仲裁政治が民主労組運動に徐々に浸透していた。そして、保守野党が民主労組運動の土台を一つ二つと蚕食するまで、進歩政党と保守野党の露骨な選挙連帯があった。
今、その風景はさらに悪化したまま、私たちを襲っている。これを主導した勢力が、労働者の政治運動を崩壊に追い込んだ勢力が、その過去を大衆の前に真剣に評価したことがあるのか。今、特定の文書を言っているのではない。大衆的な評価の議論と真剣な模索を、それに基づいた対案的政治実践の形成をいうのである。
私たちは、これまでのゼネスト・総決起運動の要求を、また、その運動の形成過程が一つのきっかけをなすと主張してきた。必要なのは強制的統合ではなく、全体の労働者階級の要求に基づいた大衆的政治闘争であり、その形成過程での協力と議論である。

共同の対応方針が急がれる


2017年の大統領選挙闘争と政治ゼネストの闘争決意の起点となるべき民主労総代議員大会が流会になった。代大の混乱は、労働者が政治勢力になるために、私たちの前に置かれた長さがどれくらい厳しいかをさらけ出す。しかし、今、私たちは座視していることはできない。
社会変革労働者党は民衆競選という諸勢力の戦術共同対応で、労働者の独自的政治勢力化の旗を再び掲げ、その中で社会主義政治の大衆化を図ろうとした。すべての信号が明らかにそろう2017年の経済は、前の年に比べてさらに悪化するだろうし、これは大統領選挙を貫通した抗争の継続を要求するからである。まさにそのため私たちは、大統領選挙という政治的契機において戦術的共同対応を促した、これは今も同じだ。社会変革労働者党は、民主労総運動内のすべての勢力に促す。早急に代議員大会を再開し、抗争の階級的発展のための政治ゼネスト闘争を、最小限の大統領選挙共同対応方針を決議しよう。時間は迫っている。
2017年2月13日
社会変革労働者党 39号

労働者民衆にとって進歩連合正当論は害悪

政派の利害追求は大衆組織の分裂もたらす

キム・テヨン(社会変革労働者党組織委員長)


進歩連合政党
建設失敗とは
 2月7日、民主労総代議員大会は、政治方針と大統領選挙方針をめぐる激論の末、何も決定できずじまいだった。進歩連合政党建設、野党圏連帯、民衆競選などの3つの争点が複雑に入り組んだ議論の結果だ。
 尖鋭な争点の一つである「民主労総が主導する進歩連合政党建設」は、民主労働党の分裂以来、何度も試みられたが失敗した案なのに、今回再び提起された。進歩連合政党案が35%支持レベルで否決された原因を探ってみる必要がある。「四分五裂した進歩陣営が団結しなければならない」というのは大衆的名分があるように見えるが進歩連合政党建設案が再び失敗した理由はなぜだろう?

今こそ路線と
実践の統一を
第1は、進歩陣営の政治的団結を名分にしているものの、本当に政治的団結のための方策ではないからである。進歩統合政党を強力に主張した勢力は、民衆連合党、民衆の夢など旧統進党(解散させられた旧統合進歩党)勢力である。「民主労働党分裂→国参党発足→国参党分裂→統進党発足→統進党強制解散」を経て、民衆連合党と民衆の夢は政治的危機に直面している。民主労総、全農など大衆組織の決議による大衆政党によって彼らの危機を解決しようとした。そのために進歩統合を主張しているが、分裂の一方の軸である正義党や労働党が一緒にやる進歩統合政党を前提としているわけではない。変革党や緑の党が共に行動するともみていない。
各政党が一緒にする進歩統合を実質的目標とするなら政党間の議論を通じて問題を解決しようとする努力をしなければならない。各政党の綱領や実践方案の違いを論じ、その違いを統一させていくことができる真剣な議論が前提にならなければならないだろう。その違いを短期間に解決できない場合、各政党間の違いを認めながら、共同実践方案を見つける努力をしなければならない。しかし、このような努力ではなく、唯一の大衆組織による強制方式にしがみついた。
すなわち、大衆組織の決議に支えられ、民衆連合党と民衆の夢勢力だけで政党立ち上げをしても、これらの勢力の政治的再起という目標を達成することである。このような背景のために進歩連合政党建設案はまた失敗するしかなかった。
第2には、労働者民衆の政治勢力化の必然的かつ、合法則的な発展過程の無理解がその原因だ。このような立場は、大衆組織内の大同団結主義に表現された。四分五裂した進歩陣営が団結したら、という願いと、その動機の純粋性を疑う必要はないだろう。しかし、労働者民衆の政治的団結がどのような原則によってなされていかなければならないのか、労働組合と政治組織との関係がどのような原則によって確立されることができるかについての洞察が不足している。
労働者民衆の政治的団結が大同団結主義によってなされうるなら世の中はどれくらい簡単か? 各政党は、社会主義、社民主義の、緑エコロジー、民族主義など、互いに異なる路線によって確立されている。革命的な方法で世界を変えようとする政党があるかと思えば選挙で世界を変えようとする政党もある。このような状況は、世界的に見たときに、例外的なものではなく、労働者民衆の政治発展の過程で経なければならない必然であり、合法則的なプロセスである。
1998年、進歩政党運動が再び始まったときは韓国資本主義体制をどのように変えていくかについて、抽象的なレベルであった。その後、約20年の歳月が過ぎて韓国資本主義体制の搾取と収奪が深刻になり、韓国の労働者民衆の政治運動は、資本主義体制をどのように変えるのかについて、より具体的に進展しているのである。このような過程にあるため、表面的な姿は、分裂として表れる。
この変化を見抜くことができず、ただ分裂の姿のみ嘆いている大同団結主義は、再び20年前の水準に戻ろうということにほかならない。進歩連合政党の案が「旧態依然の民主労働党」と非難されているのは、まさにこのためだ。大衆組織である労働組合の権威をもってしても、これらの合法則的な発展経路を逆に回すことはできない。

政治的団結を実現
する大衆運動を
欲深さと無知が、今回の民主労総代議員大会において何も決定できないようにした。資本と政権に対抗した巨大な抗争局面で既存の政治勢力に対抗し、労働者民衆の政治に赤信号が灯った。諸政党が分裂している状況で、今の時期の団結の核心は、既存の政治勢力に対抗する労働者民衆の独自的政治勢力化に連帯することである。民衆競選は諸政党が存在する条件にあって、労働者民衆の団結を成し遂げ、労働者民衆の政治を発展させるための最も現実的かつ正しい方法であった。
そのために民主労総代議員大会で形成され行うべき戦線は、野党圏連帯なのか、労働者民衆の独自の政治勢力化であった。ところが、民衆競選と進歩連合政党建設を連動することで、この戦線を台無しにしてしまった。さらに進歩連合政党論者たちは、定期代議員大会で最優先的に決定されるべき2017年の事業計画案まで人質にすることによって、何も決定することができないようにした。
民主労働党の分裂以来、繰り返し提起されてきた、ついには政派的利害を貫徹するために大衆組織さえ分裂させる進歩政党統合論は今や、歴史のくずかごに消えなければならない。今こそ路線と実践の統一に基づいて、労働者民衆の政治の真の統一団結を実現するために努力しなければならない。
2017年2月月13日
社会変革労働者党 39号


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