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    かけはし2017.年2月13日号

差別・弾圧の安倍政権倒せ!


沖縄の島ぐるみ行動に呼応しよう

全国から支援の闘いを作り出そう

1.12

山城博治さんらの釈放を
求め院内集会に350人

 一月一二日、参議院議員会館講堂で「山城博治さんらの釈放を求める集会」が開催され、同講堂をいっぱいにする三五〇人が参加した。集会の前には、同じ参院議員会館内で記者会見も行われた。
 沖縄平和運動センター議長の山城博治さんは大病を患いながら、辺野古・高江の闘争現場でつねに体を張って闘いの戦闘に立ってきた。山城さんは昨年一〇月一七日、高江ヘリパッド基地建設予定地の森に置かれた有刺鉄線を切ったとして器物損壊で逮捕された。那覇簡裁は一〇月二〇日にいったん勾留請求を却下した。
 しかし、警察は九月二五日に警察官に対して公務執行妨害を行ったとの理由で同じ一〇月二〇日に山城さんを再逮捕した。この件で、山城さんは一一月一一日に「公務執行妨害」と「傷害」の罪名で起訴された。山城さんは、警察の挑発に乗らないよう行動の参加者に繰り返し呼びかけていたにもかかわらず、である。さらに山城さんは、勾留中の一一月二九日に「威力業務妨害」で再々逮捕された。それは一〇カ月も前の昨年一月二八日から三〇日にかけて、辺野古のゲート前にブロックを積み、工事車両の通行を妨害したという理由だ。当時、警察はこの阻止行動に何の「警告」も行わず、黙って見ていただけなのに、この件で山城さんは追起訴されたのである。
 山城さんとともに闘った仲間たちにも逮捕・勾留・起訴が続いている。山城さんには不当な接見禁止がつけられている。沖縄の反基地行動に対する未曾有の大弾圧を絶対に許すことなく、山城さんたちの即時釈放を求めよう。

国家は何を守
っているのか
鎌田慧さん、澤地久枝さん、佐高信さん、落合恵子さん、小山内美恵子さんの五人が呼びかけている山城さんたちの即時保釈、接見禁止措置解除などを求める署名は、すでに年末・年始の短期間のうちに一万六四八八筆、六六カ国から寄せられている。
FoEジャパンの仲間が司会したこの日の集会は、最初に署名呼びかけ人の落合恵子さんがあいさつ。国会議員からは共産党の仁比聡平参院議員、民進党の近藤昭一衆院議員(幹事長代行)、社民党副党首の福島みずほ参院議員が発言した。仁比さんは「高江・辺野古の問題は民主主義の問題。安倍政権の国家的暴力こそが問われるべき」、近藤さんは「長期勾留は何か罪を犯したと印象づけるためだ。これは沖縄への差別・弾圧に他ならない」と語った。福島さんは「今回の弾圧は、共謀罪・非常事態の先取りだ」と警告を発した。
鎌田慧さんが「本土のメディアの無関心」を批判した後、前田朗さん(東京造形大教授)は、一二月二八日に刑事法研究者の共同声明を出したことを紹介し、国連総会で採択された「平和への権利」宣言、核兵器禁止条約のための交渉開始決議に、日本がいずれも反対したことを厳しく批判した。佐高信さんは「国家にとっては守るべき人びとと、守らない人びとがいる」と指摘し、沖縄の人びとは差別によって守られていないと批判した。
沖縄からは「山城博治さんたちの早期釈放を求める会」共同代表の伊波義安さんが電話でアピール。さらに日弁連元事務総長の寺井一弘弁護士、平和フォーラムの藤本泰成共同代表、山城さんへの面会・差し入れを行った大木晴子さんからのあいさつを受けて、山城さんたちの即時釈放に全力をつくそうという意思を参加者全員で打ち固めた。(K)

1.14

琉球弧自衛隊配備反対アクション

南西諸島の軍事拠点化NO!

軍隊は住民を守らない

一月一四日、「琉球弧自衛隊配備反対アクション」が永田町・首相官邸前で行われた。二〇一六年から通算五回目の行動となる。
 南西諸島における自衛隊配備は、辺野古・高江における米軍基地建設の策動のさらに陰に隠れるようにして、政府によって推し進められている。
 一六年一二月には、石垣島の中山市長が自衛隊配備・基地建設の詳細も政府からあきらかにされていないにもかかわらず、「容認」を表明するという暴挙に出た。しかも、「予定地」にされている四地区の住民と話し合いの場を持つという約束を反故にしての「容認」表明だ。
 この中山市長の態度には、四地区の住民はおろか、石垣島全体から怒りの声が上がっている。一二月二七日には市役所前で抗議行動が打たれ、一月二九日には「ミサイル基地反対大集会」が開催される。
 情報開示がないままに市長が自衛隊新基地建設を受け入れているのは、宮古島も同様だ。当初有力だった「大福牧場案」は水源地の真上になるという問題が指摘されて、計画は政府から明確には示されていないにもかかわらず、昨年六月に下地敏彦市長が「新基地容認」を表明する、という暴挙に出た。一〇月には「候補地」の千代田カントリークラブのある野原地区で防衛省が説明会を開催したが、住民たちは会場に「自衛隊基地反対」と書かれた大垂れ幕と大横断幕で飾り、説明会はさながら防衛省を糾弾する集会となった。
 このような動きの中で、宮古島での市長選挙と市議補選をほぼ一週間後に控えた一四日のこの日に「配備反対アクション」は開催された。参加者は二〇人。

「中国脅威」論
のウソを暴け
時折雪がちらつく寒風の中、最初にシュプレヒコールをあげ、主催の栗原学さんから趣旨説明。
「いま小学館のコミック雑誌で連載されている『空母いぶき』のような『中国による南西諸島侵攻』を描く荒唐無稽な作品が、『リアリティがある』などと持ち上げられて、中国脅威論が娯楽と一体になって浸透している。作中ではすでに与那国島が戦場になっているが、このような政府の国策を後押しし、地域の住民の恐怖を煽る作品は許されない。日中の経済協力が進んでいるなかで、中国脅威論などまさにマンガだ。私たちは、どんなに荒唐無稽であっても、軍備増強を正当化しようとする脅威論に反論していく必要がある」
「一二月にオスプレイが沖縄で墜落したが、一週間もしないうちに飛行が再開された。陸自がオスプレイを購入すると伝えられているが、いまの新配備計画が全部まかり通れば、北は馬毛島から宮古・石垣まで米軍と自衛隊のオスプレイが南西諸島を覆い尽くすことになる。先日、自衛隊習志野基地で米軍が訓練を行ったが、米軍―自衛隊一体化の中に辺野古の基地建設と自衛隊新基地計画が位置づけられている。それは日本が『アジアの軍事的盟主』の足がかりとして、南西諸島を支配しようとするということだ。絶対に許すわけにはいかない」。

宮古島出身の
若者がアピール
宮古島出身の二〇代の若い人からアピールもあった。
「市長選は四人の候補のうち、自衛隊基地絶対反対は奥平一夫候補一人だ。社民党と社大党が、党利党略で基地反対を明言しない候補を推す形になってやきもきしていたが、翁長知事が批判を振り切って奥平さんを推す形になってよかった。『オール沖縄が割れる』なんて批判もあるようだが、軍事基地に反対しないなら『オール沖縄』に何の意味があるのか。しかし、ヤマトの基地押しつけが、どこでも住民を引き裂いている。ヤマトで闘って、ヤマトで計画を止めていきたい」と訴えた。
アピールでは、宮古島に戦時中に一七カ所もの「慰安所」があり、このことを記憶にとどめる「祈念碑」が現在の空自レーダー基地と「候補地」の千代田カントリークラブのほぼ中間にあることが紹介され、「自衛隊配備の問題は、七二年前の侵略の責任の清算と直結しているということを祈念碑は訴えているかのようだ。『領土』や『防衛』なんて考え方が、平和という概念と対立している。必要なのは、隣国との緊張を高める軍備などではなく、軍備放棄という憲法九条の精神の完全実現なのではないか。アジアの平和を展望しながら、自衛隊配備を阻止していこう」ということも語られた。
最後に「南西諸島に自衛隊基地を作るな」、「軍事による自然破壊をやめろ」、「ミサイル基地はいらない」、「軍隊は住民を守らない」、「軍備より平和外交を」などとシュプレヒコールをあげて、この日の行動を終えた。     (F)

 



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