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    かけはし2017.年1月16日号

安倍の「真珠湾演説」の意味


「寛容と和解」で飾り立て
戦争国家への道を掃き清める


改めて日米同盟
軍事的強化策す
 安倍首相は昨年一二月二七日(日本時間二八日)、オバマ米大統領と共にハワイ・オアフ島の真珠湾を訪問し、一九四一年一二月八日(米国時間七日)の日本軍による真珠湾奇襲攻撃の死者を「慰霊・追悼」し、演説を行った。昨年五月、G7サミット終了後、米大統領として初めて広島を訪問し、米軍の原爆投下による死者を「追悼」したオバマ大統領への返礼として行われたこの日の演説では、日本によるアジア・太平洋戦争への「反省・謝罪」の言葉は一言もなかった。その意味で、オバマの広島演説と対応するものだった。
 安倍は「戦後七〇年間に及ぶ平和国家としての歩み」を今後も貫く、と語りながら、「寛容の心と和解の力を世界に向かって訴え続けていく」ことを強調した。これに対して退任を目前にしたオバマは米国と日本の「友情と平和」「共通の価値観」を強調し、強固な日米同盟の意義を称揚する演説で、安倍に応えたのである。
 安倍首相の真珠湾演説が、「寛容と和解」を強調し、今日の「日米同盟」を称揚するだけで、侵略戦争への歴史的認識と総括・謝罪などに一切踏み込まなかったことは、「平和国家」という宣伝文句の虚偽を浮かび上がらせている。それは「グローバルな戦争同盟」としての日米安保の意義を「寛容と和解」の言葉で飾りたてる意図に貫かれている。
 多くの人びとが語るように、日本の真珠湾奇襲攻撃とともに始まった日米戦争を、天皇制日本帝国主義によるアジア太平洋侵略の一五年戦争から切り取ることは根本的な誤りである。そして二〇一五年の安倍首相の「戦後七〇年」談話で「侵略戦争」という歴史認識や、「謝罪」の言葉をかたくなに拒否したのと同様の政治的思惑が、真珠湾演説の中にくっきりと浮かびがっている。

「少女像」撤去
めぐる強硬路線
他方、「寛容と和解」の姿勢とはほど遠いのが、韓国・釜山の日本総領事館前に日本軍の性的奴隷とされた軍隊「慰安婦」を記憶する「少女像」が新たに設置されたことに対しとった姿勢だ。安倍政権は一月六日、報復措置として「長峰駐韓大使と森本釜山総領事の一時帰国」「日韓通貨スワップ協定の協議中断」「日韓次官級経済協議の延期」「釜山総領事館職員による釜山市関連行事への参加見合わせ」の四項目を公表し、一月七日、長峰大使と森本総領事は帰国した。まさに「国交断絶」へのステップとも言うべき強行措置である。
二〇一五年一二月二八日に「慰安婦問題」に関する日韓合意で、安倍首相の「おわびと反省の気持ち」「慰安婦支援財団に政府が一〇億円を支出」「日本大使館近くの少女像」の「適切な解決」による「慰安婦問題」の「最終的かつ不可逆的解決」が確認され、日本側は合意を履行したのに、韓国側はそれを反故にしたというのが安倍政権の理由だ。
「真珠湾演説」と「少女像」問題についての安倍政権の対応が、まさに表裏一体のものであることをつかみ取り、改憲・戦争国家への道を断ち切ろう。   (K)

12.6

秘密保護法廃止へ実行委

共謀罪の国会提出許すな

改憲と連動した治安弾圧



通常国会への
提出許さない
 一二月六日、「秘密保護法」廃止へ!実行委員会は、文京区民センターで「秘密保護法 強行採決から三年『一二・六を忘れない六日行動』 話し合うことが罪になる共謀罪の国会提出を許さない!市民の集い」が行われ、七〇人が参加した。
 実行委は、新聞労連、平和フォーラム、五・三憲法集会実行委員会、秘密法に反対する学者・研究者連絡会、秘密法反対ネット、日本国民救援会で構成され、秘密保護法廃止をめざして定期的に国会行動を取り組んでいる。 秘密保護法が強行制定されてから三年。安倍政権は、グローバル派兵国家建設の一環として秘密保護法と戦争法を一体のものとして打ち固め、南スーダンPKOの自衛隊派遣部隊を派兵した。現地は内戦状態にあり、戦争の拡大連鎖の危険性の中で民衆を殺し、自衛隊員が殺される戦場に送り込んだ。すでに国内外の戦時態勢のレベルを上げており、国内治安弾圧体制の強化を加速しつつある。
 五月に刑事訴訟法改悪(一部可視化、司法取引、盗聴対象拡大)を強行した。その延長において八月時点で菅義偉官房長官は、三度も廃案になった共謀罪の名称だけを変えた「テロ等組織犯罪準備罪」法案(=新共謀罪―犯罪を行ったら処罰するのが近代法の原則だが、それを否定し、法律に違反する行為を話し合い、合意しただけで処罰可能にする)を臨時国会に向けて提出するキャンペーンを「国際犯罪防止条約の締結に伴う法整備」から「対テロ対策のために必要な法律」へと比重をかけて開始した。
 なんら治安弾圧と人権侵害の性格が変わっていない法案に対して野党、日弁連、市民などの抗議に直面し、表向きTPP法案などの成立を優先すると称して先送りにした。つまり、一二月の盗聴法の施行強行のうえで、次の通常国会に新共謀罪法案を提出するということだ。実行委は、戦争法廃止とともに新共謀罪制定に反対していく新たな運動の取り組みに向けて集会を行った。

「監視社会」は
絶対ゴメンだ
集会は、実行委の中森圭子さんから開催あいさつが行われ、「この六日で秘密保護法強行採決から三年だ。この日を忘れずに六日に国会抗議行動を取り組んできた。安倍政権は、秘密保護法とセットである新共謀罪を通常国会提出に向けて準備を進めている。現代版治安維持法の危険性を社会的に訴えていこう。当面、国会提出を許さない取り組みをポイントにしながら戦争法反対運動とも連携しながら強化していこう」と訴えた。
平岡秀夫さん(元民主党法務大臣、弁護士)は、「共謀罪と監視社会について考える―国連越境組織犯罪条約は共謀罪をつくらなくても批准できる」というテーマで以下のように講演した。
「二〇〇〇年の国連総会で採択された『国際的な組織犯罪の防止に関する条約』(TOC条約)に日本政府が一二月に署名し、○三年五月、国会で批准を承認したことにより、国内法整備のためとして組織犯罪処罰法の中に共謀罪新設を打ち出した。しかし共謀罪法案は、三度も廃案に追い込まれた。政府は、国際犯罪防止条約の締結に伴う法整備のために共謀罪が必要だと言ってきた。しかし、TOC条約の立法ガイドには、『自国の国内法の基本原則に従って必要な措置をとる』と求めているにすぎない。現行法ですでに予備罪、準備罪、ほう助犯、共謀共同正犯などの形で共謀を犯罪とする措置がとられている。共謀罪を導入せずともTOC条約を批准することは可能だ」。
「法務相だった二〇一一年九月に法務官僚に対して『TOC条約の目的・趣旨に基づいて防止すべき罪に対して、すでに当該罪について陰謀罪・共謀罪・予備罪・準備罪があるものを除き、予備罪・準備罪を創設することには、どのような問題があるか』と検討指示し、共謀罪を設けずに批准する道を探った。だが、『時間がかる』と言って慎重対応だった。法務相辞任後、自民党と警察官僚、財務官僚は、共謀罪制定に向けて一気に動き出した。TOC条約の立法ガイドを後景にしながら『テロ対策のために共謀罪は必要』という主張に対して反論していく必要がある。三度の廃案に追い込んだ国会審議を整理した。新国会議員は、共謀罪の存在と危険性をまったく知らない。国会議員の勉強会も含めて取り組んでいきたい。監視社会の野望を止めていこう」と強調した。

法案を再び
葬り去ろう
講演後、平岡さんと海渡雄一さん(秘密保護法対策弁護団)が「共謀罪、秘密保護法、盗聴法で進む日本の監視社会」をテーマに対談を行い、秘密保護法反対運動の一定の総括を行い、今後の新共謀罪反対運動の課題を浮き彫りにした。
後半は、米倉洋子さん(日本民主法律家協会)、高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)、木村広さん(出版労連・書記長)、宮崎俊郎さん(共通番号いらないネット)、鈴木猛さん(日本国民救援会)から新共謀罪反対運動の決意が表明された。
最後に前田能成さん(実行委、出版労連)が閉会あいさつを行った。 (Y)

12.10

沖縄に基地はいらない


おおさか総がかり集会に4000人

維新府政との対決も確認


 【大阪】大阪市の扇町公園で一二月一〇日、おおさか総がかり集会が開かれ、四〇〇〇人の市民が参加した。
 司会の開会あいさつに続いて、伊波洋一さん(参議院議員・沖縄の風幹事長)が連帯のあいさつをした。
 「いま東京の日比谷でも沖縄の高江でも同時に集会している。辺野古の大浦湾には五〇〇〇種の海洋生物種が、ヤンバルの森には四〇〇〇種の生物種が生息している。政府は、米軍のためだけにこの大自然を破壊している。宜野座の中部訓練場の上空を荷をつり下げたオスプレが夜間訓練、旋回訓練を繰り返している」。
 「七一年前沖縄戦のさなか米軍は住民を収容所に入れておいて、集落をつぶして普天間飛行場をつくった。国際法上も許せないことだ。日本政府は、そのことに口をつぐんで基地を提供している。特別天然記念物のノグチゲラが巣を作っていることを知りながら、防衛省も環境省も文化庁も黙っている。戦争が続くことを許してはならない。高江には、毎日二、三〇〇人の市民が集まっている。安倍に大きな反省を促していこう」。
 
大阪府警の「土
人」発言糾弾! 
 次に、三団体が発言をした。大城さん(オール沖縄と連帯するシマンチュの会、兵庫沖縄県人会)は、「大阪府警機動隊の土人発言を、政府も沖縄担当大臣も差別ではないという。こんなことはとおらない。いまだに沖縄戦の時に米軍が落とした不発弾が二一〇〇トンもあり、毎年三〇トンを処理するのが限界だ。このテンポでやれば後七〇年もかかる。沖縄戦では、ベトナム戦争と同じ五〇万人の米兵が投入された。どれほど地獄だったかが分かる」。
 平石さん(ストップ辺野古新基地建設・大阪アクション)は、「私の友だちは、高江ヘリパッド建設の資材を運ぶトラックの前に飛び込んでとめようとしている。少しでも工事を遅らせば、その間に気付いてくれる人がいる、といっている。私は、沖縄で民主主義を学んだ。今それが壊されようとしている。今闘わなければ、と思う」。山根さん(安保関連法に反対するママの会@吹摂)は、「テレビでは分からないことをどう伝え、広げるか。『標的の村』の上映会をお寺の座敷を借りてやったら、一七〇人も見に来てくれた。政治とくらし、沖縄と大阪、憲法と自分たち、政党や思想の違いをこえて、同じ方向を向いている人とつながっていきたい」。
 
沖縄と共に民主
主義の実現を 
 最後に、野党共闘の四野党である自由党(渡辺義彦元衆議院議員、大阪府連幹事長)・社民党(服部良一元衆議院議員、社民党大阪府連代表)・日本共産党(辰巳孝太郎参議院議員)・民進党(辻元清美衆議院議員)があいさつをした。
 渡辺さん、「七一年経っても沖縄には戦後は訪れていない。伊波さんは、土人発言の大阪にお灸を据えるためにきた。大阪府民として面目ない。政府のやり方は、地方自治ではなくトップダウンだ。自由党は自立と共生をモットーに民意を大切にした政治をつくりあげていく。野党統一候補を勝たせてほしい」。
 服部さん、「土人発言は、明確な差別だ。一九〇三年大阪勧業博での人類館を忘れない。そこでは、沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮の生身の人間を展示した。差別社会ではなく、お互いが尊敬できる社会をつくろう」。
 辰巳さん、「基地があるがゆえに米軍犯罪が起きる。米兵は日米地位協定で守られている。だったら、基地をなくしていこう。北部訓練場を返還するというが、もともと使っていないのだから、返還は無条件のはず。いま、民主主義が問われている。維新は地方自治を進めていくといいつつ、地方自治をずたずたにした。安倍政権は強いわけではない。争点がはっきりしたところ、TPPが争点の東北五県、原発再稼働の新潟、基地問題の沖縄、すべて野党が勝利した。だから、安倍政権は強行採決ばかりする。衆議院選のすべての選挙区で、統一候補をつくりあげよう」。
 辻元さん、「沖縄のたたかいは、民主主義を守り言論を守るたたかいだ。超党派の国会議員で沖縄と基地問題を考える議員懇談会をつくった。国会のみならず、米国への働きも強めたい。トランプ現象は、米国より先に、安倍政権・大阪維新で起きていた。トランプになる節目に、米国政府とも交渉していくべきだ。国会内外にそのための輪を広げていく。今日の新聞に、一月解散総選挙のことが載っていたが、与党が衆議院で三分二を割れば、大きな成果があったといえる」。
集会宣言を全員で採択。沖縄米軍基地の押しつけ反対、辺野古新基地建設止めろ、高江のヘリパッドいらない、大阪府警機動隊はすぐ戻れ、普天間基地即時閉鎖、日米地位協定の抜本的改定、安倍政権は沖縄に犠牲を強いるな、南スーダン派遣を止めろ、などを訴え二コースに分かれてピースパレードを行った。(T・T)


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