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    かけはし2017.年1月16日号

オスプレイを撤去せよ


沖縄報告 2017年1月5日

全国から駆けつけよう

辺野古に新基地を絶対作らせない

沖縄 K・S


12.22

オスプレイ配備撤回・飛行停止

4200人が抗議集会

悪質きわまる情報操作

 北部訓練場でのヘリパッド建設が強行されるさ中の一二月一三日、二機一組の夜間訓練で、オスプレイ一機が名護市東海岸に墜落し、もう一機も普天間飛行場に胴体着陸した。一晩に二機のオスプレイの重大事故が発生した。米軍および日本政府は「不時着」と発表し、「軽微な事故」を装った。真相は、嘉手納基地所属の空中給油機から給油を受ける訓練の最中、給油パイプがオスプレイのプロペラにあたって飛行不能となり、飛行モードのまま名護市安部集落近くのサンゴ礁の海岸に激突・大破し、三人の乗員はパラシュートで脱出したが二人は機内にいたまま激突の衝撃で大けがを負った、というものだ。
オスプレイは欠陥機だ。開発段階から実戦配備の今日まで繰り返される重大事故はオスプレイの機体の構造上避けられない宿命だ。しかし、開発に要した巨額、全米二〇〇〇社からなる部品工場と多数の従業員、軍産政の癒着、日本政府の米国追随がオスプレイ配備の強行の背景にある。
墜落の衝撃がどれほど大きかったか。原形をとどめず四つに切断された機体、無残にもグラスファイバーの骨組みだけが残されたプロペラや尾翼、粉々に砕け散った金属類の部品や電気コードが墜落の衝撃の大きさを物語る。米軍はいったん残骸の回収を終えたと発表したが、現場には依然としてたくさんの残骸が残されていて危険だったため、住民がダイバーを中心に自主的に回収したところバケツ約一〇杯分の残骸が集まった。事故を起こし危険な残骸を放置する無責任さを追及する住民の声に押されて、米軍が一二月末に追加的に回収作業を行い、トラック一台分の残骸を収集した。それでも現場にはまだ残骸が残っており危険な状態だという。墜落・大破の深刻さがよく分かる。その結果、魚や貝を取る人、釣り人がよく訪れていた浜には人影が消えた。
米軍、日本政府は今なお「不時着」と言い張っており、大手マスコミも追随している。破廉恥極まりない。本当にまるで戦前の大本営発表のようだ。真実を隠し偽りの情報で国民を操作しようという悪質な日本の政治。一刻も早くこんな政治を終わりにしなければならない。墜落事故から六日目にオスプレイの訓練を再開した米軍は、年明けの一月五日、給油訓練を再開し、日本政府も追随した。
墜落の危険を常に伴う欠陥機オスプレイはまた、騒音も普通ではない。沖縄各地の六九カ所のオスプレイ離着陸帯で繰り返される飛行訓練で、電車通過時のガード下の騒音と同レベルとされる一〇〇デシベルの騒音をたびたび出している。人はオスプレイと共存できない。宜野座村の畜産農家では昨年七月、生後一カ月の子牛がオスプレイの騒音が原因で死んだという。解剖した獣医師によるとストレスのため胃に三〜四センチの穴が開いていたという。養鶏場でも鶏が卵を産まなくなったということが報告されている。

熱気あふれる
緊急集会実現
一二月二二日夕方、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議主催による「欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会」が、名護市21世紀の森公園屋内運動場で開かれ、四二〇〇人が参加した。集会には翁長知事、稲嶺名護市長、沖縄選挙区選出の六人の衆参両院議員(赤嶺政賢、照屋寛徳、玉城デニー、仲里利信、糸数慶子、伊波洋一)、高江ヘリパッドいらない住民の会をはじめ県内各地の島ぐるみ団体や基地の県内移設に反対する県民会議(平和運動センター、統一連、平和市民連絡会)、全国各地からの参加者が結集した。会場は超満員。入りきれない参加者が窓の外の周りに集まるなど、集会は日米両政府に対する抗議と怒りの熱気があふれた。
オール沖縄会議共同代表の高里鈴代さん「沖縄は何度オスプレイの配備撤回を求めてきたか。この事故は日本政府によって起こされたと言っていい」。
同じく共同代表の玉城愛さん「日本は米国の属国ではないかという印象を受けた。翁長知事をみんなで支えオスプレイ全面撤去を求めて行こう」。
稲嶺進名護市長「オスプレイが墜落したのは名護市の庭先。住民にとって生活を支える命の海だ。沖縄防衛局は当事者能力ゼロだ。一番沖縄の現状を知っているのは彼らではないのか。なのに県民の声を聞かず、耳も顔も米軍に向いている。いない方がいい」。
島ぐるみ会議宜野湾の桃原功さん「宜野湾市議会で、不時着水というのではなく墜落大破という表現で、全会一致で抗議決議を可決した。保守も革新も一体となり辺野古新基地を止め、オスプレイの飛行を止めよう」。
翁長知事が登壇すると、会場全体からひときわ大きな拍手と手拍子、指笛が鳴り響いた。翁長知事は「日本政府は県民を日本国民と見ていない。米軍統治下の時代、苛烈を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強く闘ってきた県民は、日米両政府が新基地建設を断念するまで闘い抜くと信じている。チムティーチナチ、クワァーウマガヌタメニ、チャーシンマキテーナイビラン(心を一つにして子や孫のためにどうしても負けてはいけない)」と力強く訴えた。
この日の集会は、新基地NO! の民意をバックに沖縄県・名護市の行政と大衆運動が手を携えて日米両政府に対して闘い抜く島ぐるみ抵抗闘争の新たな出発点を記した。

12.22

ヘリパッド建設止めて

北部訓練場全面返還を

まやかしの返還式典に抗議


一二月二二日、日米両政府は米海兵隊北部訓練場の返還式を行った。米軍が「不要」だといっている約四〇〇〇ヘクタールに及ぶ広大な面積の返還が「沖縄の負担軽減」であり県民が「歓迎」「感謝」しているとの図式を演出しようとしたが、日米両政府の目論見は完全に失敗した。地元の名護市長、翁長知事、六人の選挙区選出衆参両院議員、新里米吉議長をはじめ県議会与党会派の多数が参加を拒否し、県民が歓迎も感謝もしていないことを明確にした。返還式は会場の空席が目立つ、関係者だけの内輪の式典となった。式典後の記者会見で、菅は苦虫をかみつぶしたような顔をして翁長知事の不参加に不満の心情を吐露した。「沖縄の負担軽減」を口実に厚かましく新基地建設を強行する日米両政府と県民ぐるみで反対する沖縄というふたつの姿がはっきり浮かび上がったのだった。
返還式会場の万国津梁館に入る国道58号線の交差点では、昼過ぎから返還式に抗議する人々が集まりはじめ、午後四時からの式典に向けて、道路沿いに広がってプラカードを掲げ、マイクで高江ヘリパッド建設反対を訴えた。天候が急に崩れ大雨が続く中でも、参加者は約三五〇人に膨れ上がった。菅をはじめ日本政府・沖縄防衛局の一行を乗せた黒塗りの乗用車の行列は式典開始一〇分前くらいになって、抗議の怒声を浴びながら、衝突しそうになり猛スピードで会場に入っていった。
抗議行動の参加者は、雨に濡れた体を休めた後、名護市での欠陥機オスプレイ撤去を求める緊急抗議集会へと向かった。

12.24

高江現地行動

われわれはくじけない

150人が抗議の声


二〇一六年最後の土曜集中行動が一二月二四日北部訓練場メインゲート前で行われた。県民会議の構成団体のひとつ・統一連の中村代表幹事は「二二日の返還式典と大抗議集会を見れば明らかに県民の勝ちだ。日米両政府は大誤算だろう。最高裁判決は日本の恥をさらしたものだ。裁判長の鬼丸は寝つきが悪かっただろう。一生負い目を負って生きていくことになる。われわれはくじけない。不当な判決をはね返して行く」とアピールした。
社民・社大・結連合に属する、狩俣信子、比嘉京子、崎山嗣幸、仲村未央、宮城一郎の五人の県議、各市町村議、各地の島ぐるみ、さらに大阪、神奈川、愛知・岐阜、千葉などから約一五〇人が結集し、ヘリパッド建設とオスプレイ飛行に対する抗議の声をあげた。
【ドキュメンタリー映画「いのちの森・高江」のDVD一枚一五〇〇円。申し込みは、新基地建設反対名護共同センター。電話0980-54-8555。メールnago.kyodoc@bird.ocn.ne.jp】

山城博治平和運動セン
ター議長の即時釈放を


山城博治さんは昨年一〇月一七日、北部訓練場の砕石集積場周辺の有刺鉄線を切ったという「器物損壊」容疑で逮捕されて以来、八月二五日のN1裏地区での「傷害」「公務執行妨害」容疑と一月下旬のキャンプ・シュワブゲート前でのブロック積み上げによる「威力業務妨害」容疑で起訴され、現在まで八〇日以上に及ぶ不当拘留を強いられている。ほかに二人も起訴され拘留されている。「証拠隠滅」「逃亡の恐れ」など全くない不当不法な拘留だ。一月一七日の保釈請求に向けて現在釈放を求める署名活動を進めている。安倍官邸は破廉恥な真似を止めて、三人を直ちに釈放せよ!


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