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    かけはし2016.年2月15日号

海底へのブロック投入阻止!


沖縄報告

埋め立て阻止の正念場を迎えた

沖縄 K・S

ゲート前のブロック押収される


 資材搬入ゲート前の座り込み部隊によるブロック積みは日に日に数が増え、工事車両の基地内進入を阻止する大きな役割を果たしてきた。ところが、警察機動隊は一月三〇日朝、ゲート前からブロックを撤去したのち、威力業務妨害容疑で一四〇〇個のブロックを押収、三台のトラックで名護署に搬送した。
 そして、一〇日近くにわたって辺野古NO!を強くアピールしてきたブロックが置かれていたゲート前に、再びブロックが置かれるのを防ぐために警察はボンゴ型の警察車両を二四時間配置するようになった。正面から見ると、三台の警察車両がゲートを完全にふさいでいるようだ。警察は、工事車両が通過する時、ボンゴ型の警察車両を移動させる。われわれは、警察車両の前、横、後に座り込み、工事車両の基地内進入を阻止しようとする。こうしてゲート前では、体を張ったきびしい抵抗闘争が継続している。
 実際のところ、この間工事は進んでいない。一〇〇人の機動隊を動員してダンプ一台通すだけという事態が多い。われわれは一台の工事車両も一人の作業員も基地の中に入れない闘いをいっそう大きくダイナミックに作り上げていく。
 先日の共同通信の世論調査によると、内閣支持五三・七%、不支持三五・三%、辺野古移設政府方針支持四七・八%、不支持四三・〇%とのことだった。われわれは世論調査の結果に一喜一憂しない。世論は変わるし、変えることができる。現場での不屈の闘いを貫き通し、連帯の輪を力強く広げて行くこと、このことのみが大衆的支持を獲得する唯一の方法である。

裁判所が和解案を提起する


 一月二九日の代執行裁判第三回口頭弁論の閉廷直前、福岡高裁那覇支部の多見谷裁判長は二つの和解案を提案した。内容は裁判所の意向で公開されていないが、一つは、沖縄県が埋め立て承認取り消しを撤回し、国は建設した新基地を三〇年以内の返還ないし軍民共用化についてアメリカと交渉する「根本的解決案」、二つ目は、国が代執行訴訟を取り下げて工事を中止し、県と再協議する「暫定的解決案」とのことである。
 内容を伝え聞いた人びとは、「根本的解決案」なるものに「論外だ」と憤激している。新基地建設を前提とした和解はない。県が承認取り消しを撤回することもない。唯一の解決策は、辺野古基地計画を撤回することだ。
 二月四日には、日本環境法律家連盟が翁長知事の埋め立て承認取り消しを強く支持し、「住民や民意を反映した地方公共団体の意思を無視し、国が大規模な環境破壊を行なうことは許されない」と訴えた。辺野古NO!の声は広がっている。オール沖縄会議の人々だけでなく、辺野古商工会の許田会長も「裁判官が出した和解案でこの問題は解決しない。できることなら翁長知事には主張を貫き通してほしい。今回の裁判は沖縄の名誉や威信がかかっている」と述べた。
 県は裁判所に和解案の内容を公表することを求めている。当然だ。密室の話し合いは敵を利するのみだ。和解案を公表し公然と全県民が自由に意見交換をできるようにしなければならない。
 同時にこの日の法廷で、県が申請していた九人の証人のうち、稲嶺名護市長を除き、すべて却下された。却下されたのは、土屋誠琉球大名誉教授(生態系機能学)、宮城邦治沖国大名誉教授(動物生態学)、粕谷俊雄元帝京科学大教授(海洋生物学)、渡嘉敷健琉球大准教授(環境音響工学)、伊波洋一元宜野湾市長など、基地問題の歴史や環境分野に関する専門家である。裁判所の訴訟指揮は明らかにおかしい。
 二月一五日の第四回公判に翁長知事の本人尋問、二月二九日の第五回公判に稲嶺名護市長の証人尋問を行ない、結審となる。裁判長は四月一三日の判決期日を示したという。県民の意思に反した判決を出すことができないよう、残る三回の裁判を、一〇〇〇人が集まった一・二九事前集会を上回る県民の大結集で闘いぬかなければならない。

2・6海上抗議総行動を行う

 二月六日午前一〇時から、大浦湾の一角を占める瀬嵩の浜で、海上抗議総行動が行なわれた。冷たい北風が強く吹きつける中、海上には「平和丸」「ブルーの船」「さと号」「不屈」など抗議船六隻、「辺野古ブルー」のカヌー三〇隻余が総結集し、ゲート前から駆けつけた市民一〇〇人が集まる瀬嵩の浜に上陸・合流し決起集会を開き、辺野古新基地建設の白紙撤回まで共に闘いぬくことを誓った。
フロートの中では、防衛局が雇っているマリン・セキュリティの船と海保の船がひしめき、海底投下のためのコンクリートブロックを載せた台船が停泊し、長島付近では別のスパット台船が最後のボーリング調査をしている。いよいよボーリング調査の次の段階、汚濁防止膜を固定する膨大な量のコンクリートブロックの投下を阻止する課題が目前に迫ってきた。
三一人のカヌー隊は年齢も性別も多様、アメリカ人もいる。宜野湾市民も何人か参加している。抗議船・カヌー隊から次のような海上行動緊急アピールが発せられた。続いて、海上の抗議船からのマイクでの提唱によるシュプレヒコールが行なわれ、「基地をつくるな」「海を殺すな」「サンゴを殺すな」「海保は帰れ」「戦争するな」などの声が大浦湾に響きわたった。
辺野古海上行動チームの呼びかけにこたえ、全国津々浦々から沖縄へと駆けつける津波のような流れを作り出して行こう!

海上行動緊急アピール

2016・2・6

 沖縄も最も寒い季節を迎え、海上も荒天が続いていますが、私たち海上行動チームは、海上保安庁の違法な拘束に抗い、可能な限り作業台船に近づきボーリング調査を監視し、抗議・阻止しています。
このような行動を続けている私たちから皆様に至急訴えたいことがあります。
1 宜野湾市長選は、あくまでも普天間の閉鎖を現職の市長が公約したことによるもので、決して宜野湾市民が辺野古新基地建設を容認した結果ではありません。オール沖縄はこの点からも決して揺らぐものではないことを確認します。佐喜真市長は、公約どおり一日でも早く普天間の無条件閉鎖を実現するよう強く求めます。
2 ボーリング調査のために敷設したはずのフロート及びオイルフェンスが、調査が終わろうとしている現在もそのままになっています。ただちに撤去するよう要求します。
3 昨年11月22日から停泊している台船では、すぐにでもコンクリートブロックを投入できるよう準備が進められています。また、すでに工事が進んでいる陸上部の付け替え道路からは、大量の採石が海へ投入されることになっており、これを許せば、埋め立て本体工事が始まってしまいます。沖縄県知事を始めとする沖縄県民が要求しているとおり、辺野古新基地建設工事をただちに中止するよう強く要求します。
4 現在、代執行裁判で和解協議が行なわれようとしていますが、国は、沖縄県の意見に誠実に向き合い、辺野古新基地計画そのものを白紙撤回するよう訴えます。
以上のことを是非多くの人に知っていただくように、本日お集まりの皆様からご友人・関係者の方に広めていただけることをお願いします。そして、多くの皆さんが、陸上・海上での抗議行動に、これまで以上のご参加を呼びかけます。本日はお寒い中、総行動に集まっていただきありがとうございました。

ヘリ基地反対協議会 
辺野古海上行動メンバー一同


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