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    かけはし2016.年2月8日号

STOP!再稼働ラッシュ


1.24

全国集会に600人参加


ゲート前集会と高浜現地デモ

若狭の海を放射能で汚すな



12・24不当判決
から僅か一カ月
 昨年四月一四日、福井県高浜町の関西電力高浜原発3、4号機運転差止め仮処分決定が福井地裁(樋口英明裁判長)で下された。この判決は原発について「ひとたび深刻な事故が起これば、多くの人の生命、身体や生活基盤に深刻な重大な被害を及ぼす」と述べ、原発事故は「人格権」を侵害するものであると断じて、運転差止の請求を認める画期的なものだった。
 しかし同年一二月二四日、同じ福井地裁(林潤裁判長)はこの仮処分決定を覆し、高浜原発3、4号機の再稼働にゴーサインを出した。そこには関西電力、関西財界、そして原発推進にひた走る安倍政権の意思が露骨に透けて見える。関西電力は判決の翌日の一二月二五日には原子炉に燃料を装荷し、それからわずか一カ月後の一月末にも再稼働を強行しようというのだ。
 高浜原発は、危険度が高い加圧水型・MOX燃料炉で、三〇年を超えた老朽原発だ。かりに事故が起きた場合、住民の避難もままならず、若狭地方だけではなく、六〇キロしか離れていない京都市など関西圏の大都市が放射能汚染地域になる可能性がある。

デモに手を振
る住民の姿も
こうした緊張した状況の中で一月二四日、高浜町で「高浜原発再稼働を許すな!全国集会」が開催され、青森県の大間原発反対運動、福島の女たち、首都圏や関西圏、伊方原発反対運動など、全国から反原発運動を担う仲間たちが参加した。集会実行委員会は若狭の原発を考える会が呼びかけ、原子力発電に反対する福井県民会議が協賛した。
一二時から高浜原発ゲート前で抗議集会が行われ、抗議文が関西電力高浜原発に提出された後、午後二時から高浜町文化会館大ホールで六〇〇人が参加して全国集会。
最初に主催者を代表して、若狭の原発を考える会の木原壮林さんがあいさつ。「原発は人類の手に負えるものではない。安全とはほど遠い原発に『安全』の保障などありえない」と強調し、差し迫る再稼働に強く抗議した。つづいて小浜市明通寺住職の中嶌哲演さんが、「若狭の原発は若狭の人びとのためではなく、関西広域圏の財界のためにある。その一方、若狭の海は関西の海水浴のメッカだ。その海が放射能で汚されることなど許せるものではない」と訴えた。
関西地方の参加者からの発言につづき、福島から大熊町の明日を考える女たちの会・大熊町議の木幡ますみさんが発言。木幡さんは、原発事故から五年経った今も線量が高く、帰還のメドもたたないまま仮設・復興住宅で亡くなる人が増えている被災地の現実を訴えた。
愛媛県伊方原発反対運動からは堀内美鈴さんが発言。有権者の三分の一に迫る一万人近い署名を集めて住民投票を実現し、再稼働を阻止する決意を語った。
さらに関西からは釜が崎日雇労組や、学生アルバイトユニオンの仲間が発言。「誰が原発を動かしているのか。誰が儲けているのか。基地も原発もない未来を」と力強く訴えた。
集会後、高浜の町内をデモした。人通りの少ない場所のデモだったが、それでも目立たないように手を振る住民たちの姿もあった。
デモの後、再稼働阻止ネットの全国交流会が行われ、一月二七日に大阪と東京で行われる関西電力本社・東京支社への3号機再稼働反対行動や、二月下旬に予定されている4号機再稼働を阻止する取り組み、老朽原発の六〇年運転の危険性を訴える声を上げていく必要性、さらに電力自由化の中で「原発電気」を拒否する取りくみなどの課題が提起された。   (K)

1.27

高浜再稼働を許さない

関電本社包囲する闘い

事故の責任を誰が取るのか

 【大阪】一月二四日高浜での原発再稼働反対現地行動に続いて、二七日関電本店前での行動が取り組まれた。関西二府四県の広域都市圏は、若狭の原発で発電される電力の八割以上を消費している(関電は、若狭の原発から送電された電力で、広域都市圏の消費電力の五五%をまかなっているというが、本当か?)。この関西広域都市圏での闘いが重要であるという原子力発電に反対する福井県民会議の呼びかけで、高浜原発再稼働を許さない!関電包囲全国行動実行委員会(二七団体、三個人)が主催した。

関西圏全域に
被害が広がる
地図を見るとよくわかるが、高浜原発(福井県高浜町)から直線距離で二・五キロメートル西は舞鶴市になる。六〇キロメートル圏内には関西の水瓶・琵琶湖がある。原発から三〇キロメートル圏内には二五万人以上が生活していて、その五一%が京都北部、二三%が滋賀県の住民だ。八〇キロメートル圏内には、兵庫県北東部の多くの都市や、大阪府高槻市、茨木市、吹田市、などが含まれる。実施可能な避難計画はない。
関西電力は、昨年一二月の福井地裁の判決が再稼働を認めることを予測して、着々と再稼働の準備をしてきた。福井地裁の一二月二四日判決(林裁判長)は、樋口裁判長の再稼働差し止めの仮処分決定を覆す反動的な判決で、関電はその翌日二五日に原子炉に燃料を装荷した。関西広域連合は「国が責任をとると言っている」からと、再稼働に反対していないが、そもそも国が責任など取れるはずがない。
兵庫県内の自治体の議員一三五名は、再稼働反対の声明を出した。若狭の原発事故が起きた場合、原発立地住民の避難先の地域が汚染地域になる可能性が大きい。福井・京都の避難先である兵庫県の避難所の三割(一八四カ所)は、土砂災害の危険区域でもある。要援護者の避難計画はずさんで、「三日間の籠城」や屋内退避である。規制委員会は、審査に合格しても一〇〇%の安全はない、といいながら避難計画の審査はしない。高浜原発は、危険度が高い加圧水型でMOX燃料原子炉であり、三〇年をこえる老朽原発である。

被ばくした
労働者も参加
関電本店前の集会は午後四時から八時まで開かれ、主催者を代表し木原荘林さん(若狭の原発を考える会)のあいさつで始まった。福島・東京・福井・伊方・鹿児島川内からも参加があった。また福島原発で働いているとき被曝で労災認定を受けた労働者(全国で一四人)の参加があった。
「子ども被曝裁判」を支える会からの支援のアピール、高浜三・四号機運転差し止め裁判の提訴に向けた原告募集の訴えがあった。四月からの電力自由化に合わせ、電力会社との契約を少なくとも関電から変更しようとの呼びかけがあった。    (T・T)

1.27

関電東京支社抗議行動

不誠実きわまる関電の対応

高浜止めろ本社包囲と連携


現地・大阪と
共に怒りの声
 一月二七日、再稼働阻止全国ネットワークは、高浜原発再稼働を許さない!関西電力東京支社抗議行動(内幸町)を行い、一〇〇人以上が参加した。
 関西電力は、福井地裁が高浜原発3、4号機の再稼働について「安全性に欠けるとはいえない」と判断し、再稼働を即時差し止めた仮処分決定(二〇一五・四)を取り消した不当判決(一二・二四)後、燃料棒を注入した。3号機を二九日、4号機は二月下旬の予定で再稼働を強行する。このような関西電力の暴挙に対して若狭の原発を考える会の呼びかけで一月二四日、高浜原発ゲート前集会、「高浜原発再稼働を許さない一・二四全国集会」とデモが行われた。さらに二七日には、関西電力本店(大阪)で「高浜原発再稼働を許さない!関電包囲全国行動」が取り組まれ、連帯して関電東京支社抗議行動を行った。

2月4号機
再稼働阻止
抗議行動は、関電東京支社に向けて「高浜原発再稼働反対!関電はすべての原発を廃炉にせよ!琵琶湖の湖を汚すな!周辺住民の命を危険にさらすな!」のシュプレヒコールで始まった。
阻止ネットは、高浜原発再稼働を許さない一・二四全国集会で決議された「高浜原発3、4号機再稼働に対する抗議申し入れ書」を読み上げ、「私たちは地元の思いにこたえて関西電力に抗議していこう」と呼びかけた。
反原発自治体議員・市民連盟は、「一月六日に関電に対して高浜原発再稼働についての質問書を出した。本社は、回答しないと答えてきた。さらに高浜原発周辺住民への説明会を開催してほしいと要望書を提出した。原発事故が起きないという『安全神話』は、福島原発事故によって崩壊した。関西電力は再稼働について住民に対してどのように説明するのか。できないから不誠実な対応を繰り返している」と批判した。
一・二四高浜現地集会に参加した仲間は、「高浜原発ゲート前抗議の後、高浜文化会館で現地全国集会が行われ、六〇〇人が参加した。原子力発電に反対する福井県民会議、市民団体、関西、鹿児島、伊方、福島、大間の人々も参加した。みんなで高浜再稼働反対をアピールした。集会後、若狭駅に向けてデモを行った。現地の仲間によれば、手を振ってくれる人もいて、以前と比べて反対の意志を示しやすくなってきている。現地の人々と手を結んで再稼働反対をともに広げていこう」と発言した。
柳田真さん(たんぽぽ舎)は、「再稼働阻止ネットの抗議行動は、一九回目になる。関西電力本社前で多くの仲間たちによって包囲している。この行動に連帯して抗議行動を取り組んでいる。この三年あまりで、やっと実現した。二〇一二年夏、大飯原発反対の取り組みは、市民だけだった。今回は、市民だけではなく福井県民会議、労働組合が参加した実行委員会を作り、抗議行動を行っている。関西全域まで広がった。若狭の原発を考える会の粘り強い活動によって高浜町の人々が反対運動に好意的になってきている。これらの成果を確認し、二月も引き続いて四号機再稼働に反対していこう」とアピールした。
当日の関電本店前の抗議行動に参加している仲間から電話報告が行われ、「関電本店前では午後四時から集会が始まり、リレートークが続いている。各地、東京支社の抗議行動も報告されている。激烈な抗議をたたきつけた。人々が駆けつけ本店を包囲している。東京の皆さん、ともに頑張ろう」と訴えた。
さらに富国生命ビル九階にある東京支社にむけてシュプレヒコール、抗議アピールが次々と行われた。(Y)

 


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