もどる

    かけはし2016.年1月18日号

2000万署名を実現しよう


1.4国会開会日総がかり行動に3800人

戦争法廃止・改憲阻止の巨大なうねりを


安倍政権を即刻
退陣させよう!
 一月四日、許すな!戦争法 戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会は、衆院第二議員会館前で「戦争法廃止!安倍内閣退陣!1・4国会開会日総がかり行動」を行い、三八〇〇人が参加した。
 安倍政権は、安全保障関連法の三月施行によって南スーダンで自衛隊国連平和維持活動(PKO)を行っている任務に五月の部隊交代にともなって「駆け付け警護」を追加しようとしていた。しかし、「参院選前に安保法が再び議論になることは避けたい」(自民党国防関係議員)、「参院選前に無理する必要はない」(政府関係者)などと述べ、七月の参院選挙前での政治争点化を恐れ、先送りにした。また、米軍支援拡大のための「日米物品役務相互提供協定(ACSA)」改定案も通常国会には提出しないことにした。
 中谷元・防衛相や防衛省は、「拙速を避け慎重に進める」「武器の使用など複雑な状況に直面する隊員に対し、十分な訓練をする必要がある」などと発言しているが、本音は戦争法制廃止運動の高揚の直撃とその再現を避けることを優先したにすぎない。しかも安倍晋三首相の外交日程を理由に臨時国会を召集せず、民衆や野党の批判から逃げ切ってしまった。総がかり行動は、このような手法こそが違憲の戦争法制であることを自ら認めたのだと糾弾し、戦争法制廃止・発動阻止にむけて国会前行動を行った。

野党の選挙協力
求めるアピール
集会は、国会にむけた「戦争法は絶対廃止!戦争法の発動を止めよう!駆け付け警護は絶対反対!辺野古埋め立て絶対反対!安倍政権はただちに退陣!」のシュプレヒコールから始まった。
参加した国会議員(日本共産党一六人、民主党三人、維新の党一人、社民党一人)から次々と安保法制廃止にむけた決意表明が行われた。
山下芳生参議院議員(共産党書記局長)は、「安倍政権は国家の暴走で個人の尊厳を踏みつぶす政治だ。戦争、沖縄、原発、TPP、雇用、消費税しかりだ。熊本では、いきさつを乗り越え、市民とすべての野党が力をあわせて、統一候補を決めた。この流れを全国に広げよう」と発言。
福島みずほ参議院議員(社民党副党首)は、「六月一日まで通常国会がある。戦争法廃止のための国会にしていこう。戦争法は違憲であり、クーデターが起きた。早く元に戻そう。戦争法廃止法案を国会に提出し、世論の力で実現していこう。戦争法の発動を絶対に止めよう。辺野古の闘いと結び闘っていこう」とアピールした。
福山哲郎参院議員(民主党)は、「参議院選挙の一人区が三二ある。安保法制廃止にむけた仲間たちの立候補が増えてきている。この人たちを勝たすことが、安倍政権を倒すことにつながる。市民の皆さんと野党が結集し、一人区で勝負し、そのスタートが今日の集会だ」と強調した。
主催団体から清水雅彦さん(戦争をさせない一〇〇〇人委員会/日本体育大学教授) 、小田川義和さん(憲法共同センター)、高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会)が発言した。
連帯あいさつが野平晋作さん(止めよう!辺野古埋め立て 国会包囲行動)から行われ、「辺野古新基地反対の闘いと戦争法廃止は一体のものだ。キャンプシュワブでは東京の警視庁の機動隊まで派遣している。安倍政権は事実上の独裁政権だと言える。二月二一日に総がかり行動と共催で国会大包囲行動をやる。共に闘っていこう」と呼びかけた。
続いて山岸良太さん(日本弁護士連合会)、海渡雄一さん(秘密保護法廃止実行委員会)、内田雅敏さん(安保法制違憲訴訟の会)から発言があった。
最後に主催者から@二〇〇〇万人署名A市民連合=「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」による一・五街頭宣伝B一月一九日国会行動C一月二三日、市民連合シンポジウム(「二〇一六年をどう闘い抜くか」(午後二時/北とぴあホール)の取り組みを報告。
最後に再び国会に向けてシュプレヒコールを行った。        (Y)

12.19

自衛隊を戦場に送るな!総がかり講演集会

隊員を殺させるなの声を今こそ

元レンジャー隊員・井筒さんが訴える


安倍打倒へ野党
共闘の布陣を!
一二月一九日、東京北区北トピア・さくらホールで「自衛隊を戦場に送るな!総がかり講演集会」が主催:戦争させない・9条を壊すな!総がかり行動実行委員会で行われた、第二会場にも人が入りきれず、約三〇〇人がホールで音声のみ聞くという大盛況で二二〇〇人が集まった。
開会の前に、オオタ・スセリさん(芸人9条の会)のコントがあった。主催者あいさつと行動提起を高田健さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委)が行った。高田さんは、全国で戦争法廃止の運動が続けられていることを報告し、「二〇〇〇万人署名の実現と来年参院選で野党共闘の実現で怒りの審判を、そして南スーダンでのPKO駆けつけ警護発動を許さない。来年の一月四日国会開会日に正午から衆院第二議員会館前で抗議行動、一月五日正午から新宿で統一情宣、一月一九日衆院第二議員会館前行動、一月二三日市民連合シンポジウム、五月三日憲法記念日、お台場の行動に参加しよう」と訴えた。
中野晃一さん(上智大教授、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が「明日、市民連合を発足する。総がかり行動で作り上げた流れを受け継ぎ、大同団結することをめざし、野党共闘を後押しする」と連帯のあいさつをした。小川敏夫さん(民主党、参院議員)、山下芳生さん(共産党、参院議員)、吉田忠智さん(社民党、参院議員)、渡辺浩一郎(生活の党、元衆院議員)がそれぞれ戦争法に反対し野党共闘で闘うとあいさつした。

本音は「戦場に
行きたくない」
井筒高雄さん(元自衛官)が「戦争法と自衛隊」、高木太郎さん(労働弁護団前幹事長・弁護士)が「自衛官の家族相談から」と題して講演を行った(別掲)。高木さんは九月一二日、一五日に自衛隊家族電話相談を行ったことから報告した。
自衛隊員家族からは不安の声が寄せられた。「新しい法律が通ったら、自分の墓の場所を調べておけ」と上官から言われた。元隊員は、「イラク派兵で精神疾患になり自殺した隊員がいた。誰に向かって撃つか分からない。不安だ」と述べる。
自衛官は意見を言えない。政治的な発言は不穏分子だと言われかねない。声が出せない。「監視されていて不安である。国益だからと思うしかない。経済的に苦しいから行くしかない。住宅ローン・子育てなどありやめられない」。一番階級が低い「士」は二〜三年で退職となる。
本音は法案に反対だ。「訴訟を起こしてほしい。自衛隊員の安全について論議がされていない。論議を作ってほしい」という声も寄せられた。
労働弁護団は「君、死にたもうなかれ」というアピールを出した。自衛隊の外国への出動に法律的に従う義務はない。個々の隊員の承認なしに安保法による出動すべきでない。拒否しても解職できない。もしそうなれば大きな法廷闘争になる。「自衛官の俺たちは行かない」、そこに光がある。「出動命令を拒否しよう」、全力で支援する。
山本圭介さん(戦争をさせない1000人委員会)は「一一月八日に新聞広告を出したら、山のように署名が届いている。署名を集めよう」と話した。菱山南帆子さん(解釈で憲法9条を壊すな!実行委)は街頭宣伝で紙芝居などをやり、「対立を恐れず連帯を求めて、素通りを共感に変える」と訴えた。米山淳子さん(戦争する国づくりストップ!憲法を守りいかす共同センター)は二月までに五〇〇万筆を集めるとし、高校前で対話、保育園・病院で、そして地域に署名収集ポストを作り、そのポストが署名の四割を集めていることを紹介した。最後に鎌田慧さんが「シベリア出兵反対運動のように、派兵反対運動を大規模につくろう。自衛隊の中に派兵拒否などいろんな運動をつくっていく」と閉会のあいさつを行った。     (M)

追記:アジア連帯講座は一一月に続き、一二月一九日午前一一時から一時間半、新宿駅西口で、戦争法廃止の二〇〇〇万人署名を行った。救世軍が恒例の年越し鍋のカンパ運動を行うなど年末を控えたあわただしい中で署名活動を行った。若者から年寄りまで老若男女が署名に応じてくれた。自分から駆け寄り「がんばって下さい」と声をかけてくれたり、戦争反対のバッジをつけた男女なども署名をしてくれた。署名活動参加者は六人であった。毎月一度を予定しているので、みなさんの参加を呼びかけます。次回はホームページでお知らせします。

井筒高雄さんの講演から

PKO「駆けつけ警護」は
いったい何のためか?


井筒さんは陸上自衛隊・埼玉朝霞駐屯地所属の普通科連隊レンジャー隊員だった。井筒さんは自らの経験の中から、戦争法が成立した現代、自衛隊員はどのような問題に直面させられているのかをパワーポイントを使いながら詳しくかつ具体的に説明した。
自衛隊は六一年間、専守防衛だった。しかし、九月一九日「安保法」の成立によって、「海外」で戦争する任務が付与された。PKO法の参加五原則が作られた時と今とでは状況が全然違っていて、政権が崩壊していて中立的立場の厳守などない。
南スーダンPKOについて。二〇一一年、自衛隊がPKO派遣した。二〇一三年に内戦状態になった。本来なら撤退しなければいけない事態だ。二〇一五年六月、モンゴルでPKO国際訓練が行われた。そこに自衛隊と中国軍が共同で参加した。その中国は内戦状態で敵同士の南スーダンにもスーダンにも武器を送っている。南スーダンの石油利権に対して中国企業一二〇社が入っている。交戦している所にPKO部隊が行って、一方を蹴散らしていく。自衛隊は南スーダンの首都ジュバにいるが、来年一一月に出動させる予定にしている。
ロシア、中国、アメリカが武器輸出三大国だが日本もこれに加わろうとしている。国際紛争を招く最大の問題でこの日本政府の姿勢を許してはならない。
自衛隊は殺し、殺されることになる。家族に対して、病死と事故死しか言わない。戦死はない。戦争法成立後、戦死の補償額は決まっていない。自衛隊員が入る生命保険には戦争、紛争死は除外されている。
PTSDも増える。米国はイラン・アフガン戦争で一一万八八二九人がPTSDになった。日米共同作戦で自衛隊は補給部門を受け持たされるが実はここが一番狙われ、死者が多く出ている。米軍は七〇兆円の軍事予算を使っているが費用が掛かりすぎるので、民間委託して軍事行動を行っている。この部分を自衛隊にまかせようとしている。
自衛隊は一〇〜二〇代が減っていて、命令する人が増えている。そこで二〇〇〇万円かけて、高校三年生に自衛隊員募集の手紙を送った。
政府は緊急事態条項を作ろうとしている。これは内閣がすべての権限を持つことになる。徴兵制も可能だ。今後の闘いで、戦争法廃止と緊急事態条項の阻止を掲げて闘うべきだ。(発言要旨、文責編集部)


もどる

Back