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    かけはし2015.年4月27日号

EU内反緊縮派の連帯が重要


スペイン

ポデモスは社会民主主義と統一左翼の間にいる

バーチャルな存在から実体的なものに

次の展望はマドリードなどの地方選次第

ハイメ・パストール
(聞き手:アロナ・リアシェヴァ)


 以下は、統一左翼に属しながらポデモスに参加している活動家によるポデモス評価だ。多くから注目されつつも、その独自の活動スタイルや中心指導者の単純にすぎる主張(例えば1%vs %)を含め政治性格に不明瞭さの残るポデモスを理解する一助として、先週の旧FIスペイン支部同志による報告と合わせて活用していただきたい。(「かけはし」編集部)
 五月二四日の地方選でスペインの有権者が投じるであろう投票箱は、問題の党がSYRIZAが行ったように政府の最高位に達するかどうか、その潜在能力に対するリトマス試験紙となるだろう。一方でウェブサイトと社会的ネットワークのページは、「われわれはマドリードで勝利できる」「われわれはアンダルシアを取ることができる」というようなスローガンで満ちている。支持率三〇%、そしてポデモスがそのデモに集めている何千人という人びとをもって、このことはありそうもないとはとても言えない。
 いくつかの要素があり、それがポデモスを見込みのある一つの政治勢力にしている。第一に、この党は「政治を行う新たな方法」という形で参加させる特筆した議論を活用している。第二に、それは緊縮を批判している。第三に、それは15M(五月一五日運動)から現れ、そしてこの運動はこの国の経済危機への反応として民衆を決起させた。加えて決定的なことは、主流メディア――TVとラジオ――に登場する党の指導者たちとオルガナイザーの能力だった。党は自らを左翼と称してはいないが、そのメンバーの圧倒的な部分は左翼運動内部での長い経験をもっている。
 多くのスペインの人びとにとって、また同じくポデモスを今追いかけているスペイン外の活動家多数にとって、主要な情報源は主流メディアであり、それは党の現指導部だけを取り上げている。党の日常生活を理解し、党が直面する諸問題と諸矛盾を知るために、「レフトイースト」(ウェブサイト情報誌)のアロナ・リアシェヴァがポデモスのメンバーであり、左翼学術誌の「ビエント・スル」誌編集者であるハイメ・パストールに話を聞いた。

ギリシャ民衆の
闘いに連帯を

――あなたは「ギリシャの変革のために」キャンペーンの主な組織者の一人だ。それは、先頃の議会選期間中ギリシャの同志たちを支援するキャンペーンだった。この働きかけに関しもっと多くを話せますか? また二つの党の間の協力をあなたはどう見ているかも説明できますか?

 そのようなキャンペーンの創出や宣言「ギリシャ民衆と共に、欧州の変革のために」の起草という考えは、ポデモスの未来はSYRIZAの未来と非常に多く結びついている、ということの理解からきている。EU内とユーロ圏内の相互依存関係は非常に強力であり、欧州内情勢を変えるただ一つのチャンスは緊縮に反対する闘争を広げることだ。この国々にとって緊縮は、それを軸に左翼が民衆を統一できると思われる話題となった。緊縮との闘いにおけるSYRIZAの成功はある意味で、他の諸国の政治情勢並びにそれらの諸国から来る連帯に大きくかかっている。
それゆえわれわれが作成した先の宣言はSYRIZA支援の宣言ではなく、ギリシャの民衆に対し支援を示すためのものだ。そしてギリシャの民衆もまた欧州を変革するつもりでいる。先の働きかけは、トロイカに反対する、ドイツ政府に反対する新たな国際主義を再建する試みだ。

――この国際主義的運動に合流できると思われる他の諸国や政治勢力に関しては、何がありますか?

 われわれは過去にはいつも、フランスが示す方向を見ていた。しかし今われわれは、フランスの左翼が以前より弱体であり、右翼諸政党が台頭中であることを見ることができる。ポルトガルやイタリアのような諸国には大きな潜在力があり、ドイツの労働組合もそうだ、と言えるかもしれない。それを別としてわれわれは、現在の背景においてはあまりに楽観的になることはできない。
しかし、スペインにおける左翼の一つの勝利は前向きな大きな一歩となり得る、ということを考慮することは重要だ。それはギリシャよりも大きい。スペインで権力に到達する反緊縮政権が現れる場合に、情勢が変えられるということはよりありそうに思える。加えてわれわれは、反緊縮以外の目標に基づく、たとえば反TTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ:訳者)キャンペーンに強調点を置くことに基づく、欧州規模の運動再建を思案中だ。その目的は、東西欧州諸国の民衆を統一することになるだろう。

ポデモスは綱領
を求めて進行中


――私はマドリードで、ポデモスが町の都市空間における政治運動として存在していることを見ていない。少なくともそれは、アナーキスト運動よりもはるかに見えていない。例えば、街頭に派手なポスターを見ることはまれだ。しかし同時にポデモスは、フェイスブックやユーチューブチャンネルを通して、あっという間に私のバーチャルリアリティに入り込んできた。それは私だけの経験ですか、それとも党の活動方法ですか?

 まったくあなたの言うことが正しい。ポデモスは、一つの選挙政党に何とかなることができたバーチャル政党、と呼ぶこともできるかもしれない。それはシルクロス(サークルを表すスペイン語)を基礎としているがゆえにバーチャルだ。それは、一つの同じ地域内部のバーチャル共同体として形成された活動家の共同体なのだ。彼らは、地方選挙で彼らを代表する一人の候補者を選択するような諸決定を行う上で、オンライン討論を利用している。誰もが、スペインのパスポートがない人びとであっても、シルクロスに加わることができる。
しかし私の意見では、それらは前向きな種類の一器具であるとはいえ、現在の情勢ではバーチャルな器具には諸々の限界がある。われわれの経験は、バーチャルな器具は民主的な論争を作り出し参加を促進する上では不十分、ということを示している。シルクロスをバーチャルだけではなく実体にもすることが重要だ。15Mの経験から知ることができるように、われわれは、実体とバーチャルのいわば混合を必要としている。交流はインターネットの上と同時に、例えば諸々の総会のように広場でも起こり得る。

――ポデモスの指導部についてもっと語ることができますか? 指導部と普通のメンバーの間の関係とはどのようなものですか?

 隠すべきことは何もない。ポデモスは強力な指導部を備えた政党だ。それらの人びとが党を形作った。彼らは、統一左翼(IA、スペイン共産党を軸とする左翼選挙連合:訳者)、反グローバリゼーション運動、さらに反資本主義左翼(解散前の第四インターナショナルスペイン支部)や他のマルクス主義諸組織のような組織からきている。指導部の主な問題は、彼らが可能な限り多くの票を獲得するためにより単純な主張を維持したいと思っていることだ。しかしこれは不十分だ。彼らはこのあいまいな主張を基に選挙で勝つ可能性があるとしても、しかしその後に何がくるだろうか?
われわれは、ポデモスの発展が今もなお進行中であり、うまくいけばそれがより多元的な組織の方向に進もうとしている、ということを考慮に入れなければならない。一つの開かれた論争が進行中だ。ポデモスの多くのメンバーは今、変革に向けた綱領、新たなスペイン憲法、カタルーニャとの新たな関係、そして債務問題を解決する戦略、こうしたもののための綱領を発展させようと挑戦中だ。
私が見るところ、ポデモスの未来にとっての決定的な問題は今、活動性を備えることに取り組むこと、それによって15Mの精神を備えたもっと多くの人々が参加できるようになることだ。これは、指導部を基礎とした党モデルを離れ、国民的なレベルだけではなく国際的なレベルにおいて強力な社会民主主義的諸要求に基づく多元的な指導部を備えた、いわば活動家の党を発展させることに機会を与えるだろう。私は社会民主主義者ではないが、しかしそれが、当面われわれが要求できるものだ。

運動の中心は
マドリード


――地理的にはどの地域がポデモスを支持していますか?

 マドリードが運動の中心であり、そこには特に15M運動を背景にもつ多くの活動家がいる。それが、マドリードの選挙が今熱い話題になっている理由だ。それとは別に、この国の最大の地域であるアンダルシアがポデモスを支えている。カタルーニャとバスク国の情勢は、そこでは右翼勢力がより強力であるがゆえに特殊だ。そして私が言っている右翼勢力とはポデモス内部のものだ。あらゆる地域で人びとは極めて異質だ。しかしマドリードでのポデモスメンバーはほとんどが左翼だ。

――年齢、階級、また政治的背景という要素で見たポデモス支持者とはどういうものですか?

 いくつかの研究があり、それは、自身を中産階級と識別する人びとが多数であることを示している。しかし問題は、このように深刻な危機にある国で中産階級が何を意味しているのか、だ。彼らはむしろ、しばしば二五〜五〇才の、またほとんどが都市を背景に暮らしている高い文化的資本をもった人びとだ。それゆえ何も驚くようなことはなく、ポデモスを支持する人びとは政治的に、ほとんどが社会民主主義と統一左翼の間にいる。もちろん、国民党やUPyD(連合・進歩・民主主義、党の創立時点では中道左派だが、現時点では中道右派と見られている:訳者)から離れた人びともいる。

――われわれは先月、ポデモスが少しばかり支持を失ったことを見た。その理由は新党のシウダダノス(市民党)ですか?

 シウダダノスは国民党と主に競合する政治主体、中道右派政党となろうとしている。そのようなものとしてそれを支持する人びとは、国民党に背を向けた人びとだ。同時にシウダダノスは、ポデモス支持者の多数ではない中道右派の有権者に対して、ポデモスと競いつつある。

――ポデモスの未来に対しあなたはどのような見通しを立てていますか?

 この運動の将来は依然としてまったくはっきりしていない。現在われわれは矛盾した状況の中にある。それは、諸々の社会運動が選挙の見通しに焦点を合わせている、彼らは次の選挙結果を待機中、ということを見ることができるからだ。そして私はそれを一つの大問題だと見ている。なぜならば、われわれが現にギリシャの例に見ることができるように、選挙の成功という結果はまったく限定されたものだからだ。
しかし同時に、私が今語っている話の将来は、大きな程度で急速に接近中の地方選次第となるだろう。マドリードとバルセロナで議席を獲得する候補者たちが、われわれの元に今あるものから、強力な指導部を備えたバーチャルな党へ、あるいはそれに代わるものとしてより多元的な指導部モデルと活動家タイプの党へと、ポデモスを動かす可能性をもっている。

▼ハイメ・パストールは、スペイン統一左翼指導部メンバーであり、エスパシオ・アルテルナティボ(その内部で第四インターナショナルメンバーが活動している潮流)の主要指導者の一人。▼アロナ・リアシェヴァは、「レフトイースト」で教育実習中の、移民と空間的隔離に焦点を当てた都市研究修士課程大学院生。社会批判誌「コモンズ」の副編集者でもある。(「インターナショナルビューポイント」二〇一五年四月号) 




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