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    かけはし2015.年4月20日号

政府は露骨なデマ宣伝やめろ


マイナンバー制度反対

個人情報の大量漏洩は必至

行政による住民の一元的管理強化にNO


危険性を隠す
政府の大宣伝

 安倍政権は、この間、政府広報で「一人にひとつ。マイナンバー」「マイナンバーとは?」「国民の利便性の向上 1面倒な手続きが簡単に」「行政の効率化 2手続きが正確で早くなる」「公平・公正な社会の実現 3給付金などの不正受給の防止」のメリットがあるなどと繰り返しメディアでデマ宣伝を繰り返している。
マイナンバー制度(一二桁の個人番号)の狙いは、当面、年金、医療、介護保険、生活保護、労働保険、税務の六分野で活用するが、最終的にはIC(登録証)カード(氏名、生年月日、性別、住所を記載し、ICチップに番号を記録する)を常時所持させ、住民登録・戸籍・収入・税・健康保険・医療・福祉給付・介護保険・年金・免許・旅券・犯歴などの個人情報を一元的に管理・監視していくことだ。つまり、マイナンバーを使えば個人情報が分野を超えて名寄せ・データマッチング(突合)が可能となり、このプロセスを積み上げながら国家権力の統治力を強化していく装置として構築していくことにあるから、なにがなんでもマイナンバーシステムを完成させ、定着のために圧力をかけなければならないのである。
だからマイナンバーデマ宣伝はとんでもない悪質な内容になっている。とりわけ個人情報漏洩事件、秘密データ漏洩事件、犯罪歴・病歴漏洩事件、ハッカーによる不正アクセスやサイバー犯罪が減少するどころか次々と多発し、人災も含めたセキュリティーの脆弱性が明白な状態にもかかわらず、その危険性を覆い隠し丁寧に伝えようとしないことだ。

警察でも行政・
民間でも多発


なかでも人災による個人情報漏洩事件は深刻だ。警察の漏洩事件では警視庁公安部外事三課のテロ情報流出事件(二〇一〇年一〇月二八日)が最高ランクとして挙げることができる。ある公安警察官(特定できず放置状態)がなんらかの理由でイスラム教徒をテロ犯予備軍として捜査、訊問を繰り返し、国籍、氏名、電話番号、旅券番号、職業、家族構成、交友関係などを一人一人調べ上げ、人権侵害、差別・排外主義に貫かれた報告書データをネット上にばらまいた。一一カ国からもアクセスがあり、国内外に拡散し続けた。東京地裁は、公安テロ情報流出被害国家賠償請求事件について公安の違法捜査を容認しつつも「警察が作成し、警視庁公安部外事三課が保有していたデータを警察職員が持ち出した。警視庁は情報管理を怠った」と認定している(一四年一月一五日)。
民間の大規模な個人情報流出事件ではベネッセコーポレーション事件(一四年七月/二〇七〇万件の顧客情報流出)が社会的に大きな衝撃を与えた。顧客情報データベースの運用を委託した企業のシステムエンジニアによるデータコピー持ち出しの犯行だった。
行政での漏洩事件も多発している。漏洩規模が大規模なだけでも埼玉の日高市役所介護福祉課主任による国民年金被保険者二万人以上の個人情報が記録された外付けハードディスクの窃盗が発覚している(一四年一月)。
最近でも北海道障がい者保健福祉課の業務用パソコンの外付けハードディスク紛失事件(一五年三月九日)が発生している。HDには一万二五九人分(障害者や外部有識者の氏名や住所、障害者からの相談内容、一部有識者の口座番号)の個人情報が記録されていたが、それを紛失、窃盗?されてしまった。ところが道のセキュリティー内規ではHDを鍵付きのロッカーに保管したり、パスワードを設定することになっていたがすべてサボっていたことも判明している。まさに道が言うように「これまでで最大の個人情報紛失」事件を自ら強行してしまった。
このように警察、民間、行政による個人情報漏洩事件をピックアップすると限りなく続いてしまうのだ。人災漏洩事件をチェックするだけで事故を阻止することができないことを証明している。マイナンバー導入によって、個人情報データは大規模となり漏洩の危険性はいっそう強まっていかざるをえない。

「厳正な本人
確認」は本当か


マイナンバーデマ宣伝は、きわめて犯罪的だ。内閣官房のマイナンバーHPの「よくある質問」に不誠実な姿勢が集中的に現れている。
「(1)総論」では、マイナンバーによって(A1―1)「国の行政機関や地方公共団体などでは、社会保障、税、災害対策の分野で保有する個人情報とマイナンバーとを紐づけて効率的に情報の管理を行い、さらにマイナンバーを活用して、同一の者に関する個人情報を他の機関との間で迅速かつ確実にやり取り(情報連携)することができるようになります」と言っているが、要するに国家として個人情報追跡を行っていくことの宣言だ。ここにはプライバシーの侵害や個人情報コントロール権などを無視した居直りに貫かれている。
ところが(同)「他人のマイナンバーを利用した成りすましを防止するための厳正な本人確認の仕組み、マイナンバーを保有する機関の情報管理や情報連携における個人情報保護の措置も取り入れています」と言っているが、「厳正な本人確認」のシステムとはどんなレベルなのか。
内閣官房は、マイナンバー通知のうえでその番号が正しい持ち主であることの確認(身元確認)方法として@個人番号カード(番号確認と身元確認) A通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認) B個人番号の記載された住民票の写しなど(番号確認)と運転免許証など(身元確認) のいずれかの方法で確認するとしている。「身元(実存)確認」の手段としては、「A運転免許証、運転経歴証明書、旅券、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、在留カード、特別永住者証明書 」、「官公署から発行・発給された書類その他これに類する書類であって、写真の表示等の措置が施され、個人番号利用事務実施者が適当と認めるもの」としている。
「(5)個人情報の保護に関する質問」で「Q5―3」では「アメリカや韓国のように、成りすましが多発することはないのですか?」に対して「A5―3 海外の成りすましの事案は、番号のみでの本人確認や、番号に利用制限がなかったこと等が影響したと考えられるため、日本の番号制度では、厳格な本人確認の義務付けや、利用範囲の法律での限定などの措置を講じています」から安全だと言っている。
しかしマイナンバーカードのICチップに内蔵されている顔写真画像までチェックする本人確認を行うシステムは構築されていない。だから煩雑な事務作業になっていけば偽造の顔写真付きマイナンバーカード提出と顔確認、マイナンバー照合だけでパスしようというのがみえみえだ。

矛盾に満ちた
政府の言い訳


運転免許証による身元確認だから大丈夫だとしているが、すでに新潟・会社員運転免許偽造事件(有印公文書偽造・同行使/一四年一〇月)が発生しているのだから、その根拠はいいかげんだ。会社員は、免停中だったが、自分で免許証を偽造し、運転していた。事故を起こし、警察官に免許証を提示したが、偽造であることに気づかなかった。その後の捜査で会社員が免停中であると発覚し、偽造免許を提示したことが判明したということだ。この事件は偽造運転免許証と偽造マイナンバーカード作製が可能であり、カードを所持し、提示するだけでなりすましが可能とであることを示している。
しかも(A1―4)「国民の皆様には、年金・雇用保険・医療保険の手続、生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等にマイナンバーの記載を求め」、さらに「税や社会保険の手続きにおいては、事業主や証券会社、保険会社などが個人に代わって手続きを行うこととされている場合もあります。このため、勤務先や証券会社、保険会社などの金融機関にもマイナンバーの提出を求められる場合があります」というマイナンバーバラマキシステムのため、マイナンバーが自動的に一人歩きし広がっていかざるをえない。つまり、事務書類作成が複雑になればなるほど「厳正な本人確認」などパスしてしまうだろう。
マイナンバーバラマキを奨励しているくせに、なんと「Q5―6 自分のマイナンバー(個人番号)を取り扱う際に気を付けることは何ですか?」という質問に対して「A5―6 マイナンバーを法律や条例で決められている社会保障、税、災害対策の手続きで行政機関や勤務先などに提示する以外は、むやみにマイナンバーを他人に教えないようにしてください。他の手続きのパスワードなどにマイナンバーを使うことも避けてください」と矛盾したことを平気で言うレベルなのだ。
だから「(2)個人番号に関する質問」で(A2―4)「マイナンバーが漏えいして不正に用いられるおそれがあると認められる場合に限り、本人の申請又は市町村長の職権により変更することができます」と言わざるをえない。システム自体が漏洩必至を前提にしているのだから、マイナンバー抗議闘争の一環として漏洩が恒常的に「おそれ」があるためマイナンバーの変更を繰り返す取り組みも必要だ。

導入中止への
訴え広げよう


デマの最たるものが、これだ。「Q5―2 よく個人情報を一元管理すると言われますが、本当ですか?」という質問に対して「情報の管理にあたっては、今まで各機関で管理していた個人情報は引き続き当該機関で管理してもらい、必要な情報を必要な時だけやりとりする『分散管理』の仕組みを採用しています。マイナンバー(個人番号)をもとに特定の機関に共通のデータベースを構築することはなく、そこから個人情報がまとめて漏れるようなこともありません」と答えている。
マイナンバー制度では中間サーバー(自治体などが保有する個人情報と国などが持つ情報と連携させる)の拠点を東日本・西日本の全国二カ所に集約・設置する。明らかに自治体の外に個人情報を集約するシステムだ。これは明白に分散型ではなく中央集約的システム、個人情報の一元的管理だ。ここにサイバー攻撃が行われたら改ざんされたデータが増幅することになる。不正アクセスによって情報漏洩があふれ出すことも必至だ。分散管理はまったくのウソである。マイナンバーシステムの最悪の欠陥システムの一つだ。
政府は、マイナンバー法には漏洩関連の罰則があるから「大丈夫だ」と居直っているが、紹介した漏洩事件だけでも求められるセキュリティー内規、守秘義務違反の罰則があっても漏洩が防げていない。厳罰主義では漏洩をシャットアウトすることができないのである。大規模な個人情報漏洩事件が必至な、マイナンバー制度導入中止こそが、最大の安全対策なのだ。政府が繰り返すマイナンバーデマ宣伝のウソを暴露し、導入中止にむけて取り組みを強化していこう。
(遠山裕樹)

緊急声明

「辺野古米軍基地建設に向けた埋立工事の即時中止を要請する!」

 【大阪】エルおおさかで三月二九日、とめよう改憲!おおさかネットワークの総会が開かれ、昨年度の活動報告と、これから一年間の運動の柱について提起があった。
 続いて、戦後七〇年を問う日本国憲法というテーマで講演会がもたれた。アーサー・ビナードさんが「本当の『日本らしさ』とは?」と題して講演をした。アーサー・ビナードさんは、米国ニューヨーク州コルゲート大学で英米文学を学び、卒業と同時に来日。日本語で詩作を始めた。その後中原中也賞、テレビ番組の国内最高の栄誉であるギャラクシー賞を受賞。日本人以上に日本語と日本をよく知っている人。(講演要旨別掲)
講演の後、大阪市役所横の女性像前までデモをした。 (T・T)

ビナードさんの講演から

世界の叡智結集した
日本国憲法の意味

大学の日本語センターにあったビデオを見て、「おてんとうさま」という日本語だけしか聞き取れない状態で日本にきた。日本語は魅力的だが、民族や日本文化については何も知らなかった。日本にきてから、いろいろな人から日本について聞いた。日本の特徴は四季があることだとみんな言う。四季があるのは日本だけじゃない。四季がはっきりしていると言うべきだ。
 四季の移ろいを細やかに表現している日本語のすばらしさは、青森に通うようになってからわかった。『どじょっこふなっこ』という歌は、人間ではなく他の生き物の身になって歌っているのがすばらしい。夏になると、わらし子泳ぎ、鬼っ子きたなと思うべな・・・悲しく、時に残酷に、四季を捉える。こんなところに本当の日本らしさがある。

日本語は本当に
あいまいなのか

 日本語の世界に深く分け入ると、あいまいだって本当かなと思う。英語よりむしろ日本語の方がはっきりしている。日本語のあいまいさの例としてあげられるものに、「安らかに眠ってください。過ちは繰り返しませぬから」がある。主語がはっきりしないと。眠るのは、原爆被害者だろう。繰り返さぬと約束するのは誰か。あいまいと言えばいえるし、ごまかすこともできるが、そう単純ではない。市民の共通の意識として、繰り返さないという意識があれば、約束するのは多くの市民ということになる。むしろこの約束の言葉の本質は、過ちが何を意味しているかだ。おそらく、原爆の爆発のことだろう。戦後一〇年たって広島で原子力平和利用展が開かれたが、市民が被曝と向き合わずにきたことが問題だ。
 過ちは、戦争のことかもしれない。東京大空襲のような過ちをもさすかもしれない。市民が見抜く力を持っていたら、わかったはず。橋下市長は、日本は平和ぼけしているという。それは博報堂(政府の宣伝手法)にだまされ、そう思わされているだけで、日本は戦後七〇年間、米国の戦争のお手伝いをしてきた。問題は、日本語があいまいなのではなく、日本人の意識が問題だということだ。

オバマは何を
やってきたのか
 むしろ、英語はあいまいだ。オバマが初めて大統領になったときに使われたキャッチコピーを知っているね。ブッシュとオバマの政策は九九%は同じだ。今オバマはTPPに日本を取り込み、食い荒らそうとしている。オバマは、何か変えてくれるだろうと市民は期待したが、何も変わっていない。イエス・アイキャンではないから、オバマには責任もない。金融機関が喜ぶことをやり、貧富の格差を広げただけだ。
 当選したときは、多国籍軍の暴力を止めることも、ウオール街に金を出させることもできたが、しなかった。医療保健制度改革は二年もたって、お粗末な内容のことしかしなかった。議会での民主党の議席を減らした。しかしこれは、市民の草の根とつながっている民主党議員を落選させただけだ。この議員たちはオバマにとっては邪魔だった。米国の共和党と民主党は、日本の自民党と維新の党の関係とよく似ている。

「切れ目」がある
ことの意味合い
日本人は、線を引くことが好きだ。土足厳禁で屋外と屋内を区別する。部屋では下足を脱いでスリッパを履く。トイレに行くときは、別のスリッパに履き替える。夜行バスに乗るときは、下足を脱ぎ袋に入れる。日本の正月は、元旦、三箇日、松の内などに分けられる。新年という言葉だけではダメ。干支や年男もある。年末は忘年会があり、あと一週間もすればまた仕事で会うのに、よいお年を!という。空間や時間を区切るのが日本の文化。これはおそらく、日常感覚をリセットするために必要なのだろう。英語でコールドという言葉には、寒い・冷たいの区別がない。日本語は、細やかな区別をし振り分ける。日本らしさを持続するには、TPPでは(加入したら)ダメだ。
切れ目のない安保同盟、日米政府の切れ目のない関係。日本らしさには切れ目がある。切れ目のない日米なら、強い米国が日本予算に土足で上がってくる。戸籍ならできないけど、マイナンバーなら米国でも日本のデータを管理できる。マイナンバーは日本にメリットがない。米国に日本は食われてしまう。切れ目がないと米国がやることに歯止めがかけられなくなる。鳩山さんは米国につぶされた。安倍は米国の奴隷になっていく。どちらが日本らしいか。

「自主憲法」論
はデタラメだ
ここに憲法の本がある。初めに日本国憲法が載っており、後の方に大日本帝国憲法が載っている。安倍や石原・橋下は大日本帝国憲法と言わずに明治憲法という言い方をする。なぜなら、さすがに大日本帝国憲法とは恥ずかしくていえないからだ。憲法とは国家権力(王権)に歯止めをかけるもの。その初めのものが英国のマグナカルタだが、これは正確には明文憲法ではない。ラテン語で書かれている。米国の憲法は英国と原住民の知恵を借りたものであり、独自のものではない。フランス憲法は米国憲法をまねた。
安倍は自主憲法をつくるというが、自主憲法なんて一つもない。明治憲法は憲法じゃなく、くずだ。カニカマボコみたいなものだ。憲法とは、独裁に歯止めをかけ民主制を継続させるもの。日本国憲法は、世界の叡智を集めた憲法で、日本らしい。今、永田町で独立国家をめざしている政治家は一握りもいないだろう。辺野古を見たらわかる。安倍のめざしている美しい国、実は中国語では米国のことを美国という。(講演要旨,文責編集部)


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