東日本大震災・福島第1原発事故から4年
再稼働阻止へ現地と結ぶ闘いを
3.8NO NUKES DAY
安倍政権・東電は責任を取れ
福島の被災者への完全補償を
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請願デモ・国会
包囲と大集会
三月八日、東日本大震災と福島原発事故から四年目を前にして、東京の日比谷野外音楽堂と国会周辺で「3・8 NO NUKES DAY 反原発★統一行動」が行われた。第一部の「大集会・巨大請願デモ/国会大包囲」の主催は、首都圏反原発連合、さようなら原発一〇〇〇万人アクション、原発をなくす全国連絡会の三者。
雨まじりの寒い日だったが開会の午後一時には雨も上がり、日比谷野外音楽堂は満員となり、公園内で多くの人が野外音楽堂から外に流れる発言や音楽に耳を傾けた。
主催者を代表して首都圏反原連のミサオ・レッドウルフさん、さようなら原発一〇〇〇万人アクションの藤本泰成さんが、福島の事故の収束もままならない現状で原発再稼働に乗り出す安倍政権と電力会社を鋭く批判した。
スピーチでは福島から国と東電に対し、被害の補償を求めて訴えている「なりわい裁判」原告団長の中島孝さん、いわき市議の渡辺博之さん(共産党)、原発いらない福島の女たちの勝又美佐子さんが発言。被災者の苦境、終わることのない放射能汚染、被ばく労働、東電と国への怒りが痛切に語られた。
ゲストスピーチを行った元宇宙飛行士の秋山豊寛さんは、安倍政権が原発推進と戦争への道をひた走っていることを厳しく糾弾した。さらに原発現地から鹿児島の井上真紀さん(ストップ再稼働3・11鹿児島集会実行委)、福井の宮下正一さん(原発反対福井県民会議事務局長)、静岡の藤原玲子さん(11・23浜岡原発再稼働を許さない!ひまわり集会実行委)が再稼働阻止への闘いを呼びかけた。
エネルギー政策
の全面転換へ
午後二時からは、請願デモと歩道を歩いて国会に向かう「国会包囲」行動を同時に実施。さらに午後三時半からは国会議事堂正門前で、首都圏反原連が主催する国会前大集会が午後五時過ぎまで行われた。
ジンタらムータ+リクルマイ&TheKの「不屈の民」などの演奏でスタートした集会では、国会議員から社民党の吉田忠智党首(参院議員)と福島みずほ副党首(参院議員)、三宅雪子元衆院議員(生活の党)、共産党からは志位和夫委員長(衆院議員)、池内沙織衆院議員、藤野保史衆院議員、吉良よし子参院議員、さらに菅直人元首相(民主党衆院議員)が発言し、参加した人びとを激励した。
発言はさらに鎌仲ひとみさん(映画監督)、松本春野さん(絵本作家)、柳田真さん(再稼働阻止全国ネット)、雨宮処凛さん(作家)、ドイツのグリーンピースの代表と高田久代さん(グリーンピース・ジャパン)、小熊英二さん(社会学者)、竹村英明さん(市民電力連絡会会長)、香山リカさん(精神科医)、神原元さん(弁護士)と続き、脱原発実現のためのさまざまな角度から訴えられた。
参加者は延べで二万三〇
〇〇人と発表された。 (K)
3.8]さよなら原発関西アクション
高浜・大飯原発も廃炉へ
放射線被ばくの危険性認識を
【大阪】大阪市立扇町公園で三月八日、さよなら原発関西アクションが実行委員会の主催で開かれ、三五〇〇人の市民が参加した。主催者を代表し、池島芙紀子さん(ストップ・ザ・もんじゅ代表)があいさつをした。
午前中は北区民センターで、特別企画として「チェルノブイリ28年目の子どもたち」のDVDが上映され、西尾正道さん(北海道がんセンター名誉院長)が「原発事故による放射線被ばく」と題して講演した。
被害を隠ぺい
するIAEA
DVDでは、チェルノブイリ法により年一回の診断と手厚い治療、学校の体育の授業は症状によって三つのグループに分かれて行われているなどの実態が報告された。三〇キロ圏のコロステン市で、現在人の住むところで年間一ミリシーベルトをこえる地域はゼロになっている。それでも、甲状腺がんは、ずっと増加している。
放射線被ばくも大きな原因の一つであると思われるさまざまな症状や障害(甲状腺がん、免疫疾患、呼吸器疾患、造血器官の疾患、心臓や肝臓の疾患、貧血や内分泌系の疾患)が生じていることが報告されたが、IAEA(国際原子力機関)などはそのことを認めようとせず、原発の放射線の影響としては、甲状腺がんのことにしか言及しないという。この点については、西尾さんの講演で詳しい説明があった。(講演要旨別掲)
午後は、ステージでライブパフォーマンスが催された。テントブースが並んだ会場の扇町公園で本集会が開かれ、華蓮さん、うのさえこさん、中嶌哲演さん、西尾正道さんがゲストアピールをした。
大阪市内デモ
でアピール
華蓮さん(台湾平和草根連盟事務局長):二〇一四年は台湾にとって波瀾万丈の一年だった。学生だけでなくさまざまな市民活動家が満天の星のように新世代を飾った。立法院を占拠したひまわり運動だ。これは市民的不服従の運動で、民主主義を守るためのものだ。
フェイスブックで、状況を世界に発信できた。学生たちは原発にも関心を寄せた。ひまわり運動と原発運動が結びつき成功した。ひまわり運動の時五万人の署名を集め、昨年七月一〇万人の原発反対署名を行政院に提出した。政府はこれを突き返してきたが、反核反原発運動を第二の段階に進めた。台湾電力は、第一原発の寿命延長を申請した。わたしたちはそれに反対し、古い原発を使わないよう要求している。
うのさえこさん(避難している福島県民):子どもたちにどれだけの重荷を背負わせようとしているのか、胸が痛い。福島原発の電源車が間に合わないとわかったとき、関西に避難した。原発事故は今も収束していない。
毎日七〇〇〇人もの人が高度の被ばくにさらされながら低賃金で働いている。避難させられる理不尽・帰還させられる理不尽。被災者の人権は蹂躙させられている。一〇〇人を超える子どもたちが甲状腺癌と診断され手術を受けた。うつになり、死を選ぶ人も後を絶たない。
わたしたちが求めるものは、人々の健康と環境の保全のための政策であり、今も続く被害の最小化、次の危機への最大限の準備の取り組みだ。東京電力と国はあらゆる必要な政策をサボタージュしている。再稼働や原発輸出は、福島の被災者を踏みにじるものだ。改憲と軍国主義・原発推進・被ばく受忍の強要は三位一体だ。これら全部に反対する。
中嶌哲演さん:震災前関西電力は、関西圏の使用電力の五五%を一一の原発でまかなっていると豪語していた。一五〇〇万人の関西圏の逆ピラミッドの先端がわずか一五万人の狭い若狭地域に突き刺さっていることを想像して欲しい。
市長や町長は、社会貢献を続けてきた高浜町民の志を重く受け止めてと、一日も早い再稼働を要望している。高浜原発一年間の稼働で広島原爆二〇〇〇発分の死の灰をあらたにつくる。この一点でも、再稼働は許されない。万が一の過酷事故は二度と許されないから、再稼働も許されない。大飯・高浜原発再稼働ストップを実現できる仮処分決定を支援しよう。
関西圏のひとも福井県知事への再稼働反対の署名を集中しよう。若狭と関西が共存できる原発ゼロ社会を実現するための中長期ビジョンに全力を傾けよう。
集会アピールの後、二手に分かれて(原発ゼロの会・大阪、市民団体・個人、大阪平和人権センター、大阪全労協、ユニオンネットおおさかなど)デモに出発した。 (T・T)
西尾正道さんの講演から
国際原子力ムラの犯罪
ICRPにだまされるな
日本は放射線機器の性能は世界一だが、それを活かす姿勢は先進国でも最低だ。放射線障害を科学ではなく物語としてしか語らないICRP(国際放射線防護委員会)の魔術から脱出しなければいけない。
ICRPというのは公的機関ではなく、民間のNPO団体だ。これは、一九五二年にロス・アラモスの関係の学者によって乗っ取られた。ICRPは原発事業を保持することを重要の目的としている。いわゆる原子力ムラの一員だ。
内部被ばくの
深刻な実態
放射線の裏の世界は、隠蔽とウソだらけだと西尾さんは言った。 ベクレルは明確な単位だが、シーベルトという線量の単位は、仮想の係数で計算され、科学的なものではなく、生物への影響を示す尺度としては非科学的だ。
ICRPは、チェルノブイリ事故以後単位変更を行った。最低限度、被ばく線量は被曝点の吸収線量で示すべきだ。体全体が受ける線量だけでは意味がない。ICRPのリスクモデルは、アルファー・ベータ線の局所集中的な線量分布が考慮されていない。放射性セシウムがひきおこすカリウムチャンネルの破壊など生物化学的な特異的影響は考慮されていない。
放射線に対する感受性(受精卵・胎児は最高)によっても大きく違うし、ガンマー線のみを測定しているのもおかしい。ナノサイズの放射線は体内に入ったら、体外に出ることなく血液中に入り体内を回り放射線を出し続け、それに当たった細胞はがん化する可能性が高い。その意味で、外部被ばくより内部被ばくが重要だ。これの深刻な実態は隠されている。
ICRPですら線量限度は、一般公衆の場合は年間一ミリシーベルトだが、日本では福島原発事故後、年間二〇ミリシーベルトまで上げられている。放射線管理区域の限度は一時間当たり〇・六マイクロシーベルトだが、この基準によれば福島のほとんどは避難しなければいけない。メンタルケアーのためには、まず正しい情報を提供すべきだ。今の行政は静かで緩慢な殺人行政だと言いたい。
チェルノブイリ
の経験生かせ
一九五二年に、イギリスの医師が子どもの白血病が増えたのは妊婦のレントゲン検査が原因だということを突き止めた。それが契機となって、大気中の核実験は中止され、実験は地下ですることになった。意見の違いをぶつけても先には進まない。
いま、福島のモニタリングポストでは、スペクトルメータのついていない測定器で、示される線量の値は実際の四割から五割減った数値で、それが公表値になっている。これでは、一〇年、二〇年後に発病したとき、線量との相関の分析もできない。これが日本の現状だ。
ICRPは気体の放射線量(外部線量)を基にしている。個体としての放射線の存在を考慮していない。固体は、サイズにより体に入ってからの動態が違うから、人体影響も違う。
チェルノブイリの健康被害は、長寿命の放射能物質を体内に取り入れたことで起こる症状と考えれば全部説明がつく。年間二〇ミリと言ってもそれは外部被ばくだ。火に当たって暖をとるのと、小さい火(熾き炭)を飲み込むことの違いを考えたら、理解していただけると思う。チェルノブイリでは外部被ばく三ミリ、内部被ばく二ミリ合わせて五ミリ以上は強制移住した。この基準なら、福島は全部強制移住しなければいけない。ICRPの理論構造の問題を是非考えて反原発運動を進めて欲しい。
(講演要旨、文責編集部) |