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    かけはし2015.年3月2日号

川内、高浜原発の再稼働反対!


3・14福島集会に参加しよう

東電幹部の免罪を許すな

被害者を救済せよ、賠償を行え

 高浜原発3、4号機の再稼働について新しい安全基準を満たしているとして原子力規制委員会がゴーサインを出した二月一二日、安倍首相は国会で施政方針演説を行った。
 この演説の中で安倍は、原発再稼働への強い意思を改めて明らかにした。
 「低廉で、安定した電力供給は、日本経済の生命線であります。責任あるエネルギー政策を進めます」。「燃料輸入の著しい増大による電気料金の上昇は、国民生活や中小・小規模事業の皆さんに大きな負担となっています。原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発は、その科学的・技術的な判断を尊重し、再稼働を進めます。国が支援して、しっかりとした避難計画の整備を進めます。立地自治体を始め関係者の理解を得るよう、丁寧な説明を行ってまいります」。
 高浜原発再稼働3、4号機の再稼働への規制委による「許可」と「再稼働推進」を宣言した安倍の施政方針演説が日程的に重なったことは、実に象徴的である。規制委の決定は、安倍の施政方針にエールを送るものになった。
 原発再稼働に前のめりの安倍政権は、原発被災地・福島について施政方針演説の中でどのように語っているのだろうか。
 「福島を、世界最先端の研究、新産業が生まれる地へと再生する。原発事故によって被害を受けた浜通り地域に、ロボット関連産業などの集積を進めてまいります」。
 「中間貯蔵施設の建設を進め、除染を更に加速します。東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水対策に、国も前面に立ち、全力で取り組みます。福島復興特別措置法を改正し、避難指示の解除に向けて、復興拠点が円滑に整備できるようにします。財政面での支援も拡充し、故郷に帰還する皆さんの生活再建を力強く後押ししてまいります」。
 この「復興」への「バラ色の展望」に対して、福島の人びとにとって現実はどのようなものか。
 
今なお一二万
人が避難生活
 福島県内の約一八〇〇?が年五mSv以上の積算線量の土地となり、二〇一四年末現在の避難者は県内に約七万四〇〇〇人、県外に約四万六〇〇〇人。その内県内だけでも二万四〇〇〇人以上が仮設住宅での生活を余儀なくされている。避難者は、先が見えない厳しい暮らしが続く中、病に苦しむ人や自ら命を絶つ人が増え原発震災関連死は約一八〇〇人となり地震津波直接死一六〇三人を大きく上回った。

「事故」は進行中
収束見通したたず
1号機、2号機、3号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)はどこにあるのかの確認はできておらず、取り出す見通しは立っていない。汚染水を貯蔵するタンクは増え続け、凍土遮水壁などは成功せず、海洋汚染は拡大し、がれき撤去作業での放射能拡散も指摘されている。事故収束作業労働者の被ばく量は、最初の一年間だけで一六七人が一〇〇ミリシーベルトを超え、三年間で三万人中一万五〇〇〇人が五ミリシーベルト超(二〇一四年三月)となった。白血病の労災認定基準は年五ミリ以上であり、万余の労働者が健康破壊の危険に直面する可能性がある。現場では労災が多発しており、一月一九日には第一原発で、二〇日には第二原発で下請け労働者の死亡事故が相次いで起こった。
一方、放射能ゴミの減容化と称して環境省は、仮設大型焼却炉を県内各地に二〇基も建設しようとしており、新たな放射能汚染拡散源になる、と反対運動が次々と立ち上げられている。

汚染水の海洋
放出を計画
東電は、地下水バイパスに続き、建屋周辺のサブドレンなどから汚染水を汲み上げ、水処理施設でトリチウム以外の放射性核種を除去して海洋放出する計画を進めている。原子力規制委員会は、「貯蔵液体放射性廃棄物」の削減策として処理水の海洋放出等を明文化した。トリチウムの放出は、サブドレン等の汚染水だけで一日九・六五億ベクレル(東電試算)とされ、総量規制のないまま放出されれば、貯蔵タンクを含め総量一〇〇〇兆ベクレルのトリチウムが全量投棄されることになる。
全漁連は、海洋放出等が示されたことに遺憾と表明、原子力規制委に対して「規制を緩和する方針を示した理由、海洋放出による健康・環境への影響がないとする根拠などをていねいに説明すべき」「漁業者、国民の理解を得られない汚染水の海洋放出は絶対に行われるべきではない」としている。東電のこれまでの汚染水海洋放出に対し、福島原発告訴団が福島県警に刑事告発を行い受理され送検の段階に入っているが、この新たな意識的放出が強行されれば、対漁業者や国内にとどまらず国際的問題となろう。

甲状腺がん及び
疑いは一一七人
本年二月、第一八回福島県民健康調査検討委員会は、事故当時一八歳以下の子ども対象に行われた甲状腺がん調査で、昨年一二月時よりもがんおよび疑いが五人増え、先行調査(一巡目三〇万人)と本格調査(二巡目)を合わせて一一七人となったと発表。
一〇〇万人に一人か二人と言われた小児甲状腺がんがこれほど出ていても、検討委員会では「原発事故のせいとは考えられない」としている。

膨大な放射性物質
が埋蔵されている
街を歩けば、住宅の敷地は新しい砕石と黄色い山土が実に整然と敷かれ、建物の脇にはドラム缶を一回り大きくしたコンクリート製容器がいくつも並んでおり、公園や学校の校庭、大きな駐車場等にはプールよりも大きな穴が掘られているのに出くわす。山間部のみならず都市部の空き地にも、一?以上ある大きな黒い袋(フレコンバッグ)幾百もが何段にも野積みさられているのに驚く。
これらは除染作業で削り取られて出た汚染土、草花・ごみなどの汚染物質の保管、仮置きである。生活空間の足元を一皮むけば、そこここに膨大な量の放射性物質が埋蔵・貯蔵されているということだ。除染後もあちこちに放射線量の高い「ホットスポット」が残り続けている。水田の反転深耕など農地の除染がようやく開始されたが、山林山野には手が着けられていない。

一〇兆円に
及ぶ国費投入
福島県の二〇一五年度の
予算案は過去最大の約一兆九〇〇〇億円、二〇一
〇年度まで約九〇〇〇億円だったので二倍超。このうち復興関連の予算が一兆円台、これまでの累計で五兆円を超え、他に東電の賠償五兆円、これに国直轄事業が加わる。一〇兆円を優に超す巨額の国費投入だ。
昨秋の知事選で自民が独自候補を出さず、内堀前副知事が自公民社維の相乗り候補となり、市町村会や様々な利益団体―商工観光、農林漁業、労働団体合わせて二三〇〇団体―が内堀陣営に馳せ参じたのには生臭い各々のねらいがあったとみてよい。「帰還促進」のための諸事業、「ふくしま国際医療科学センター」「福島県環境創造センター」「焼却炉」などの大型事業や市町村除染事業により、建設土木業界が盛り返し、コンビニや飲食店にも客が多くなっている。預金残高も過去最高となった。
同時に様々な場で「低線量被ばくは影響なし」キャンペーンが繰り広げられ、放射線測定器による空間線量より三〇〜四〇%低めに出るガラスバッジで住民の被ばく量評価管理をする自治体も出てきた。こうして原発問題の風化促進、放射能影響の過小評価、被害者切り捨ての下での経済復興路線が推進されている。

東京地検は東電
幹部を再び免罪
東京地検はこの一月、昨年七月の検察審査会による「起訴すべき」との議決を覆し、「東電役員らに、本件事故について予見可能性、結果回避可能性及びこれらに基づく注意義務を認めることはできず、犯罪の嫌疑は不十分」と再び不起訴とした。
二〇一二年には福島県沖を含む海域で大地震の可能性が予測されており、巨大津波対策の必要性が東電社内で認識されながら上層部の判断で先送りされたという事実があり、検察審査会は常識的に「人災」として再捜査を求めたのに、地検は「何らかの対策を講じることによって結果を回避できた可能性もあるが、対策をしても回避できなかった可能性もあり、刑法上の罪は問えない」と免罪したのだ。まるで東電の弁護団のように。
これにより二度目の検察審査会が始まった。一一人の東京都民が厳しく審査し、まっとうな判断を下すことが望まれる。福島原発告訴団は、「あきれ果ててもあきらめない」をスローガンに二月一五日告訴団福島研修会を二〇〇人が参加して開き、強制起訴実現に向け運動を強めることを誓い合うとともに、津波対策を葬ってきた保安院役人、東電津波対策担当者三人、原子力安全委員会、電事連の担当者を新たに告訴・告発し、この新たな告訴・告発(二〇一五年告訴)の告訴人募集を開始した。

分断を乗り越え
三〇団体が連携
被害者の救済も加害者の責任追及も、事故の解明も、事故の収束もいっこうに進まない中、「謝れ!償(まや)え!かえせふるさと飯舘村!をスローガンに、人口の半数近くに当たる二八三七人のADR(裁判外紛争解決手続き)を申し立てた飯舘申立団はじめ県内や全国各地で、責任追及と賠償訴訟、生業補償に取り組む三〇団体が集まって「もう我慢はしない!立ち上がる 原発事故被害者集会」を開き共同の闘いに踏み出した。
原発事故とその後の、国や東電の対応によって傷つけられた尊厳を自らの手で取り戻すために分断を乗り越える闘いは広がっている。

再稼働阻止、
脱原発実現を
安倍政権による再稼働路線が着々と進められ、福島県内でも財界や電力労組は第二原発稼働を捨てていない。この状況下、郡山市議会環境経済常任委員会は二月一〇日、市民団体が提出した「川内原発再稼働反対意見書」の請願を採択、二四日の本会議採択も期待される。このように地域で、職場で、地方議会で、選挙で、あらゆる機会を逃さず、原発再稼働阻止・脱原発への道を切り開くために具体的に取り組んでいくことが求められている。
三月一四日に開催される四度目の県民大集会(2015原発のない福島を!県民大集会 午前一一時開場、一二時半開会 福島市あづま総合体育館:JR福島駅西口よりシャトルバス運行)を、諸運動の総結集の場、たたかいの和を拡大していく場としていく必要があろう。
(2月19日、世田達)


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