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    かけはし2014.年12月1日号

もう我慢はしません!


11.16

福島原発事故被害者集会に400人

分断を乗り越え30団体が連携

生存権確立するための確かな一歩

 【福島】福島原発爆発から三年八カ月が経過したが、被害者の救済も加害者の責任追及も、事故の解明も、事故の収束もいっこうに進んでいない。こうした中で一一月一六日、福島市公会堂で「もう我慢はしない!立ち上がる 原発事故被害者集会」が開催された。福島県内や全国各地で、損害賠償訴訟やADR申立てなど、さまざまなたたかいに取り組んでいる三〇の団体が共催・賛同し、そのうち一七団体から約四〇〇人が集まった。

被害を受けた者
自身の団結こそ
集会は「被害者自らが立ち上がり団結して勝ち取る以外に道は開かれない!」との原発被害糾弾飯舘村民救済申立団の赤石沢さんの力強い言葉で始まった。呼びかけ団体を代表して、原発被害糾弾飯舘村民救済申立団長谷川健一さん、福島原発告訴団武藤類子さんがあいさつ。長谷川さんは、全村避難が続く飯舘村の人口の半数近くに当たる二八三七人が一四日、謝れ!償(まや)え!返せ!ふるさと飯舘村!をスローガンに、自然豊かな村が放射性物質で汚染され生活基盤が壊されたとして、慰謝料など賠償の増額を求め原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てたことを報告し、抵抗の火を燃やし続けようと訴えた。
武藤さんは、分断を乗り越え三〇団体で集会開催にこぎ着けた喜びを表明した。そして、ふくしま集団疎開裁判の会、福島原発かながわ訴訟原告団、福島原発被害山木屋原告団、那須塩原放射能から子どもを守る会、生業を返せ、地域を返せ!福島原発訴訟原告団、原発さえなければ裁判、全国一般ふくしま連帯労働組合、福島原発被害首都圏弁護団、原発被害糾弾飯舘村民救済申立団、原発損害賠償京都訴訟原告団、福島原発告訴団の各代表が次々と発言した。

怒りをまっすぐ
にぶつけよう
飯舘村民申立副団長の菅野哲さんは「生活の基盤を破壊され奪われ、見通しのない避難生活が続き、村民はバラバラとなり、ふる里は除染土が入ったフレコンバッグの山、帰還などは実現不可能だ」と新たな生活に向けた十分な賠償こそ必要と、早期帰還を掲げる村当局、県、国側の姿勢と住民の意思が乖離していることを明らかにした。
「日本で汚染を受け入れ、再稼働を容認することは、新増設されているアジア・アフリカの住民への加害者となること」「南相馬市は三区に分かれていて扱いやすい、と環境省役人が言っていた」とゲストスピーカーの「おしどりマコ&ケン」さんは、現在の事態を分かりやすく分析してくれた。ミニライブで迫力ある歌声を披露した、きたがわてつさんは「怒りをまっすぐにぶつけ、連携して包囲し勝ちましょう」と語った。
原発賠償関西訴訟KANSAIサポーターズ、福島原発さいたま訴訟を支援する会、原発賠償ひょうご訴訟原告団、原発賠償関西訴訟原告団からのメッセージ、海渡雄一、柳原敏夫、保田行雄の三弁護士の発言を受け、集会アピール(別掲)を採択した。最後に福島原発告訴団の佐藤和良さんが、「本集会で三年八カ月の思いが共有でき、憲法二五条の生存権を確立するために歴史的一歩が記された。つなぎ合った手を離さずにともに進んでいきましょう」と結んだ。(世田)

集会アピール

「もう我慢はしない
立ち上がる宣言」


稲刈りが終わった田んぼに、西風が吹き、森の木々は赤や黄色の葉を落としています。山々は濃いオレンジ色の夕焼けに縁どられ、くっきりと群青色に浮かび上がります。
今年も、美しい福島の秋が終わり、やがて冬へと移り変わろうとしています。
しかし、原発事故が始まってから3年と8ヶ月、原発事故による傷はいたる所に入り込み、私たちはそこから逃れることができません。
原発事故現場では、今も放射性物質が大量に環境中へと流れだし、収束の目途は立っていません。すでにばらまかれてしまった放射性物質が、私たちの日々の暮らしに重くのしかかっています。国は、責任逃れと利権を守るために、放射能汚染の中で生きることを人々に強いています。
過酷な被ばく労働に従事する原発作業員は、搾取や待遇の劣悪さに苦しんでいます。
除染作業はもちろん、道路工事も、建築作業も清掃も、ごみ処理場の仕事も、多くの仕事が、被ばくの危険と隣り合わせの労働となりました。
いのちある食べ物をつくる農家や酪農家の歓びは奪われ、苦難と葛藤の中で生きています。
子どもたちの楽しい通学の時間も、体育やマラソン大会も、野の草摘みもドングリ拾いも、被ばくの不安を抱える現実があります。
子どもたちの甲状腺癌とその疑いは104人となりました。これからの健康被害とともに心配されるのは、放射能安全教育により放射能への警戒を解いてしまうことです。
避難し、家族離れ離れの中で暮らす人々の苦悩も続いています。 あまりにも深い喪失と先の見えない暮らしの中で、うつ病に苦しむ人や自ら命を絶つ人が増えています。福島県の災害関連死は津波による被害者を上回り、 1700人を超えました。私たちはもうこれ以上、犠牲者を出したくはありません。
この地に水に空に生きる無数の声なき生き物たちも、命と健康を脅かされています。人間が引き起こしたこの惨禍を、ただ静かに生き抜こうとしています。
私たち被害者の健康と安全はどう守られるのか、暮らしと生業の回復はどう補償されるのか、ただ待っていても国は助けてはくれないことがこの3年8ヶ月の間に身に染みてわかりました。
私たち被害者の苦悩をよそに、鹿児島県の川内原発が再稼働されようとしています。大飯原発訴訟の判決は、国民が根を下ろして生活することを奪うことが国富の喪失だと示しました。それを身をもって知っている私たちは、同じ悲劇を二度と繰りかえさせないために、この事故について語り継ぐ責任があります。
今日、私たち福島原発事故による被害者は、福島市公会堂に集い、お互いの被害の実情を知り、それぞれの尊厳回復への意志を確認しました。私たちは、さまざまな分断を超えてつながり、国と東電に対し、被害者の本当の救済を求めて、力を合わせ声をあげていくことを誓います。

1.被害者への謝罪
東京電力と国はこれまでの原発推進政策の間違いを認め、全ての被害者に心から謝罪し、原発の推進を今すぐ止めること。
2.被害の完全賠償、暮らしと生業の回復
誰もが望む場所において、新たな生活を始められるような誠意ある賠償をすること。
3.被害者の詳細な健康診断と医療保障、被ばく低減策の実施
「避難の権利」を認め、保養の制度化や定期的に詳細な健康診断を行うこと。
子どもたちに安全と真実を知る機会を保証すること。
4.事故の責任追及
司法の場で、東京電力福島原発事故の真実を明らかにし、責任を負うべきものが罪を償うこと。
私たちは、原発事故とその後の、国や東電の対応によって傷つけられた尊厳を自らの手で取り戻すため、もう我慢はしない!立ち上がる ことを宣言します。
2014年11月16日
「もう我慢はしない!立ち上がる 原発事故被害者集会」参加者一同

11.14

朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪

モア・TRY! モア・VOICE!

声よ集まれ!子どもたちの未来へ

 【大阪】朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪主催の集会が一一月一四日、大阪市東成区民センター大ホールで開かれた。
伊地知紀子さん(大阪市立大教授、連絡会・大阪共同代表)が、まだまだ厳しい状況だが皆さんの支援によりこれからも前進していくと、主催者あいさつをした。

映画「 万回の
トライ」を上映
次に大阪朝鮮高級学校声楽部によるコーラスが披露され、続いて、映画『六〇万回のトライ』が上映され、その後映画の共同監督をつとめた朴思柔さん・朴敦史さんのトークがあった。この映画は、高校ラグビー全国大会で奮戦する大阪朝鮮高級学校ラグビー部の日常を描いたドキュメンタリー映画である。同校ラグビー部は二〇一〇年花園ラグビー場で悲願のベスト4進出を果たした。
国際親善試合で豪州の選手に「コリアンか」と聞かれてそうだと答えるが、隣にいた韓国の選手に、彼らはジャパニーズだといわれて傷つく部員。韓国生まれの朴思柔さんは在日の存在を知らなかったという。「朝鮮学校に行ってなかったら、日本人みたいになっていたろうな」と漏らす部員の声。
今まで日本各地で上映され、観客総数は一万五〇〇〇人を超えたとか。この映画はその後韓国でも上映された。韓国での観客数はなんと二万人を超えているという。これからも順次上映されていく。
韓国では、人気の高い映画雑誌やハンギョレ新聞等でも紹介されて話題になっており、韓国の芸術映画やドキュメンタリー映画の売り上げは、「ビギン・アゲイン」に次いで、二位に上がったという。実際に映画に出演した二人(部員だったファン・サンキョンさんとマネージャーのキム・オッキさん)は映画広報のため韓国に行って、大いに人気を博したという。必見の映画だ。

国連人種差別
撤廃委の報告
次に、申昌洙さん(在日本朝鮮青年商工会 民族教育支援部部長)による国連人種差別撤廃委員会に参加した時の報告があった。
この委員会は、選挙で決まった一八の国から一人ずつ選ばれた人権問題の専門家の委員で構成されている。日本は国連人種差別撤廃条約に一九九五年に加盟した。加盟国は原則二年に一度、条約履行状況を委員会に報告し、審査を受ける義務がある。対日審査は二〇一〇年以来四年ぶりで、日本政府審議は六時間。日本からは一四の市民団体が参加した。
日本政府代表団の答弁は、高校無償化除外は差別ではなく、朝鮮学校が無償化の基準を満たしていないためだ、また、補助金カットは地方自治体が独自の判断でやっている問題であり、政府は関与していないというもの。しかし委員会からは、「最終的に誰が被害を受けているのか、それは朝鮮学校に通う生徒たちです。政治的な理由はいろいろあるでしょう。しかし、基本的な問題として、これが差別という人権侵害の問題であると私たちは感じている」との発言があった。
委員会は、日本政府に対する三〇項目の一般勧告の中で、とりわけヘイトスピーチの問題、朝鮮学校への無償化適用・補助金問題、移民受け入れ問題、沖縄(少数民族)問題の四項目について、特に重要な勧告として受け止めるよう要望が追加され、次回の定期報告の中で具体的な対策に基づき詳細な情報を提供するようあらためて勧告した。日本政府は勧告に法的拘束力はないと言っているようだが、そのような態度なら、条約から脱退すればいいではないかとの見解を、ロビー活動の時に表明した委員もいたという。

民族教育を敵視
する政府の責任
冨増四季さん(弁護士、京都朝鮮第一初級学校嫌がらせ事件弁護団)から、裁判報告があった。
京都地裁判決は、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムについて現行法違反を認定し、人種差別撤廃条約の趣旨に基づいて、現場で取り締まりを怠った警察対応の問題を加重要素として賠償金額に反映させたが、民族教育の問題については認識が浅かった。
その後、民族教育の観点でも優れた著書が出版され(例えば、『ルポ京都朝鮮学校襲撃事件』中村一成著)裁判に反映された結果、大阪高裁判決は、京都地裁判決を踏襲した上で、在日朝鮮人の民族教育を行う利益を認定した(ただし「民族教育権」という用語は避けている)。裁判では在特会の行為が直接問題になったが、差別の元は日本政府にあることを押さえなければいけない。
現在被告側が上告しているが、おそらく棄却され高裁判決は確定するだろう。だからこれを保護者に頼んで朝鮮語に翻訳してもらった。保護者は、これが在日の文化だという意識で翻訳しようと腹が決まったといった。嫌がらせを受けた子どもたちももう高校生だから、判決文をかみ砕いて教える必要がある。

奪われた言葉を
取り戻すために
大阪朝鮮学校の保護者と大阪朝鮮高級学校生がアピールした。三人の子どもを朝鮮学校に通わせている母親は、「自分は日本人だが夫は朝鮮高級学校の卒業生で、子どもは二つの文化をつなぐ広い視野の人になって欲しい」と語った。また朝鮮高高生は、「無償化適用除外はウリハッキョをつぶすのが目的だと思った。街頭で署名活動をしていたときおじさんに、何でしんどい目をして朝鮮高校に行くのか、日本の学校に行けばいいじゃないか、と言われたとき反論できなかったのがきっかけで考えるようになった。日本政府は私たちを日本に同化させたいのだ。だが、僕たちは植民地政策で奪われた言葉を取り戻すためにウリハッキョを守る。これはお願いするものではない。われわれには正義と希望と未来があり、これは尊厳を守る闘いだ」と熱く訴え、共感を生んだ。
最後に、長崎由美子さん(連絡会・大阪事務局長)のホンギルトン(朝鮮学校支援基金)アプリについての報告、大村和子さん(連絡会・大阪)による集会決議の朗読 、丹羽雅雄さん(弁護士、連絡会・大阪共同代表)のまとめのあいさつで終了した。 (T・T)



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