10.26 チェルノブイリと福島から学ぶ
山本太郎議員、菅直人元首相も発言
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【大阪】脱原発政策実現全国ネットワーク関西・福井ブロック主催の高浜原発再稼働反対集会が一〇月二六日、エルおおさか大ホールで開かれ、六〇〇人の市民が参加した。
ドイツの原発事故
シミュレーション
池島芙紀子さんの主催者あいさつの後、ドイツビブリス原発事故シミュレーションのDVDが上映された。一一月のある日フランクフルトから四九キロにあるビブリス原発で放射能漏れが発生。原因は安全装置の故障による原子炉のメルトダウンであることが判明する。対策本部は、周囲一〇キロ区域の住民を避難させる。安全しか言わない政府発表は誰も信用せず、町はパニック。
一一月特有の西風がドイツ東部の広い範囲に放射能を拡散。避難区域が拡大されるという情報は、チェルノブイリの記憶が生々しく残るドイツ国民の間にパニックをもたらす。汚染されたホコリやチリは、いくら体の表面から落としても、体内に吸収された放射能物質を除去することはできない。原発から、一〇〇キロ以内の地域で、重度の頭痛や吐き気を訴える人が続出。放射能汚染区域は二〇〇キロに拡大。実に国土の五分の一が危険区域に指定される。多くの町がゴーストタウンと化し、経済的損失も想像を絶する。三カ月で、五〇〇万人ががんになり、その半数が数年で死亡するだろう。
死者は四〇〇〇人を超え、棺は完全密閉のものに限られ、さらに土の代わりにコンクリートで埋めるよう義務づけられる。まさにドイツという国自体が死を待つのみだ。
日本では、原発三〇キロ圏内の自治体には避難計画作成が義務づけられている。果たしてどの程度の計画になるのかを考えると、ビブリス原発事故シミュレーションは人ごとではない。
つづいて、武藤類子さん(福島原発告訴団団長)と広河隆一さん(フォトジャーナリスト、DAYSJAPAN編集長)が講演した。
いま福島で問題
になっていること
武藤さんは、溜まり続ける汚染水と凍らなかった凍土壁、原発のガレキ撤去により懸念される放射性物質の飛散、増え続ける除染土、福島県内二〇カ所に建設される放射性物質を含むゴミの減容化施設、三春町に建設される福島県環境創造センターが果たす役割(原子力との共存のための教育)、放射能に負けない元気な子どもたちをつくろう!という広告、除染された地点に立つ看板(〇・三マイクロシーベルト)の横で測定すると一・〇九マイクロシーベルトあったという現場の映像、福島原発告訴団、検察審査会による「起訴相当」の議決や今後のいろいろな裁判のことを説明し、自分の頭で考えようと訴えて話を終えた。
広河さんは、子どもたちを守るために何ができるかを問いながら、チェルノブイリで被曝した子どもたちの支援や現地調査結果を説明した。
日本の場合、国や福島県の説明では、がんは一〇〇ミリシーベルト以下では増えない。チェルノブイリでは小児甲状腺がんは事故後四〜五年で出ている。だから福島の場合は事故のせいではない。全国の小児甲状腺がんの数は変わらない。だから、福島で多発するはずがないというが、チェルノブイリの事故後の状況はすべてそれを否定していると、具体的なデータを示して反論した。日本では小児甲状腺がんは進行がゆっくりしているから、そんなに急ぐことはないと言われているが、チェルノブイリで少女に小児甲状腺がんが見つかったときは、すでに体のあちこちに転移していて、少女はやがて死んだ。
ベラルーシでは子どもに対するきちんとした保養・医療体制があるが、日本では保養に対する理解がなく、担当部局も直接復興庁となる。日本には金があるのだから、それでなぜ子どもを助けないのかとチェルノブイリで言われる。日本政府は福島事故が起きたとき、チェルノブイリでの死亡は三〇人だったと言ったが、これは全くのウソだ。
放射能汚染の
現実に向き合う
「環境省の専門家会議の座長をしている長滝重信という人がいる。彼は、子どもの甲状腺検診は不安を煽るだけだからやめるべきだと言った。委員の中には立派な人もいるが、結局座長の考えでまとまる。こんな会議は解散すべきだ。放射線影響研究所の重松逸造という人がいて、その弟子が長滝や山下俊一だ。彼らは、現地の悲鳴の声を踏みつぶした。事故から三〜四年たつが、初期の重要な時期に失われたものは取り返しがつかない。子どもを守れないなら、将来は守れない。第二・第三の福島を止めよう」。
広河さんはチェルノブイリと福島が比較できるデータを示した。チェルノブイリで事故後廃墟になった村の航空写真。そこには各所で測定された放射線量が記入されている。もうひとつは、その村とほぼ同じ線量の福島のある地域の航空写真。福島では、多くの人々が生活している。チェルノブイリでは住民を戻していないのに、福島では、住民の帰還政策が進行している。非常に衝撃的だった。広河さんたちが久米島につくった子どもたちの保養所も紹介された。それは球美の里といい、子どもたちを放射線やストレスから解放し、免疫力を高めことに役立っている。
避難基準のない
再稼働なんて!
講演の後休憩をはさんで、山本太郎参議院議員と菅直人衆議院議員のトークがあった。
山本さんが出している『永田町恐怖新聞』(安倍総理と自公連立政権からあなたへのプレゼントを簡単に解説している)はユニークだった。太郎さんは、内閣に質問趣意書を出した回数が全参議院議員中二番目に多く、質問趣意書に対する内閣の答えが全く答えになっていないという。太カさんは、ヤマトシジミ(全国に分布しているチョウの一種)の生存率を三〇世代にわたって調べた琉球大の研究者の結果を説明した。ヤマトシジミは唯一カタバミという植物をえさとし、人と生活空間を共にする。福島県郡山、福島県本宮、沖縄を比較すると、カタバミの放射線量が最も高かった本宮食草群のものは生存率や正常率がかなり低いことがわかった。原発から八〇キロを境に異常率が大きく変化するという。そういえば、米国人や米軍も事故後、八〇キロ内のものはすぐ撤退した。
太郎さんは、「避難基準がなければ再稼働は不可能だ。このことをどうやってみんなに知らせていくかが大切だ」と述べた。
菅元首相の
話したこと
菅直人さんは、福島原発事故を知ったのは当日午後二時四六分、このとき参議院の委員会に出席していた。1号機は同じ日の午後五時五〇分頃にはメルトダウンを始めていたが、それを知ったのは半年も後のことだったと言った。
「いろいろな偶然が重なって、幸いにしてメルトダウンした燃料は外に出なかったから、二五〇キロ圏内避難という最悪の事態は避けられた。事故が起きたとき、東日本は壊滅すると思った。この点では福島原発の吉田所長とは同じ認識を持っていた」。
「三・一一以前は、原発の輸出を進めようとしていたが、(私は)事故後考えを変えた。再生エネルギーについても、一二年に七〇〇〇万キロワットの電力の固定価格買い取り制をつくった。それでも、全電力の三%だ。西欧では二〇%だ。それをいま、電力が余っているから要らないという。川内原発再稼働が問題になっている。避難計画は再稼働の判断に含まれないと規制委員会はいう。政府は判断せず、地元自治体の判断を尊重して事業者が行うという。今日本に二五〇キロ圏内の原発を持たない自治体は沖縄県以外にない。二五〇キロ原発ゼロのキャンペーンを広げよう」。
この後、宮下正一さん(原子力発電に反対する福井県民会議)と服部良一さん(前衆院議員)がアピール。宮下さんは、再稼働反対の八〇万県民署名運動(県知事宛)をやっている、これに協力をと訴えた。服部さんは、原発ゼロの会の会議で毎週東京に行く。再稼働に事業者と国が責任をとらない。このような無責任体制による再稼働は認められないと訴えた。
集会後、西梅田までのコースでデモ行進を敢行した。 (T・T)
10.29派遣法改悪案を廃案へ!
連合もふくむ幅広い結集
女性労働者たちが鋭い告発
波状的・連続的
に国会を包囲
前日の衆院本会議での審議入りを受け、派遣法改悪案審議が同厚生労働委員会に移った一〇月二九日、議員会館前の歩道には改悪案絶対阻止の決意を胸に刻んで座り込んだ労働者の列が長々と続いた。雇用共同アクションと連合が各々独自に取り組んだ行動であり、雇用共同アクションは参院議員会館前、連合は衆院第一、第二議員会館前を埋めた。双方の集会は別々に平行して行われたものの、派遣法改悪案廃案を求め、安倍政権の雇用破壊に強い反対を突き付ける労働者の怒りの声は、国会前にまさに波状的、連続的に響き渡った。
連合の国会前座り込みは六年ぶりだというが、行動参加者に配られた行動案内を見ると、連合傘下単産すべてに動員要請が通知され、実際にも立ち並ぶ組合旗は、幅広い単産の結集を告げていた。午前九時から午後四時という行動設定も含め、連合中央もこの闘争をおざなりで済ますわけにはいかなくなっていることを伺わせた。神津里季生連合事務局長は「絶対に成立を阻止しなければならない」と檄を飛ばした。
広範な職を派遣労働で置き換えることをほぼ無条件に可能とし、派遣労働者には生涯派遣を強いるとんでもない改悪に対して、切実に望まれる全労働組合の共同は依然形になっていないとしても、この日国会前では、事実上労働者の一致した絶対廃案の行動がつながった。
「呪われた法案」
に引導を渡す時
雇用共同アクションの座り込み集会は正午開始。行動に加わった国民運動大実行委員会などの集会を途中に挟んで午後二時まで続けられ、数々の発言を通して改悪絶対阻止の決意を共有した。
口火は金澤壽全労協議長、正社員を増やすための改訂などと公言する安倍首相の、現実と正反対、まったく誠実味のない言い抜けを厳しく批判、厚労省官僚自身が「呪われた法案」と嘆く(一〇月二二日の雇用共同アクション院内集会での小池晃参院議員の紹介)この改悪案に労働者の力で引導を渡そう、と力強く呼びかけた。野村幸裕全労連副議長も、今回の法案は労働者全部を派遣労働に追い込む、全労働者に団結を広げ必ず廃案に、と続いた。
特に女性たちは、「妊娠したら派遣切りされ、派遣先は派遣元に不良品を送るなと言い放った。こんな派遣労働を自由化しておいて女性が輝くなどと詭弁を弄する安倍首相は許さない」(全労連女性部)、「派遣労働が導入されてから三〇年改悪の一途だった。その都度新しい働き方が大義とされたが現実に起きたことはその度に処遇の劣化だ。今や女性の地位は世界で一〇四位。これ以上の奴隷労働化は許さない」(全国一般東京なんぶ中島由美子書記長)、「ここに派遣の当事者はどれほどいるだろうか。派遣労働者は団結もままならなくされている。今回の改悪案は団結権侵害のさらなる全般化。ここにもあらわな安倍の憲法敵視は絶対許さない」(ネットワークユニオン・寺尾そのみさん)、「この改悪案が通れば女性一般職は確実に派遣労働者で置き換えられる。残業代ゼロで労働時間が減るなどという詭弁も誰も信じない。阻止は可能、何としても阻止しよう」(柚木康子全労協常任幹事)と、今では女性労働者の半分以上が非正規職に縛り付けられている現実に立って、法案の問題点を鋭く告発した。
一方で神奈川県共闘の代表は、地方には連合中央の共同忌避方針とは少し違う状況が生まれているとして、県弁護士連合会主催の連合、全労連を含む全労働者共同の集会が二回重ねられているとこの地の運動を紹介、安倍のもくろむ雇用破壊への反発は確実に広がっている、この声をさらに高め共同につなげ、安倍を追い詰めようと呼びかけた。
スピード審議・
採決を認めない
報道にも、不信を募らせる派遣労働者の声を借りて、今回の改悪案への批判的視点が現れ始めている。自民党、公明党はこのような状況にも圧力を受けていると思われる。彼らは委員会審議に先立ち、一一月七日にも安倍首相出席の下に総括審議を入れること、および今国会での改悪案成立を、あらためて確認したことが明らかになっていた。社会に広がる疑念にフタをし、安倍のAPEC出席日程を派遣労働者の運命よりも優先し、なおかつ実質審議が始まってもいないうちにろくに審議時間も保障しない日程を決めてしまうという理不尽さ、暴挙以外の何ものでもない。
座り込み参加者は、このような暴挙を許さず、まさに人間を大事にする社会を未来とするために、派遣法改悪を阻止し、その力で安倍の雇用破壊すべてを葬ろうとの集約を全体の決意とし、三一日に設定された厚労委実質審議開始日に国会前で労働者の声をさらに集中することを確認、この日の行動を終えた。 (神谷)
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