薩摩川内市長、鹿児島県知事の「同意」許すな
住民の意思を無視するのか
焦る政府・九電に抗議を集中しよう
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市議会も市長も
理不尽きわまる
一〇月二八日、薩摩川内市議会の臨時会は、川内原発1、2号機の再稼働に賛成する陳情を賛成一九、反対四、棄権一の多数で採択した。一方、再稼働反対の陳情は一〇件すべてが不採択、また福島第一原発の視察を議員に求める陳情も不採択となった。これを受けて、薩摩川内市の岩切秀雄市長は、「エネルギー基本計画に基づき、国の責任のもとに再稼働を進める政府の方針を、立地自治体として理解する」と再稼働OKの態度を明らかにした。この時、住民説明会はすべてが終わっていたわけではなかった。
説明会に出席した市民は、多くの人が挙手して説明を求めている中で質問打ち切りとなったこと、「原発事故避難計画」が説明の対象になっていないことに納得できない、と考えている。
岩切市長は「安全性を国がきちっと整理した。早く結論を出すべきだと思っていた」と居直り、「安全性」への質問に対しては「福島で起きた津波や地震、原発事故に対応するのは十分、一〇〇%と言っていい」とまで言い切った。あの原子力規制庁さえ「一〇〇%安全とは言えない」と逃げ口上を語っているにも関わらずである。
伊藤祐一郎鹿児島県知事は、再稼働にあたっての「同意」の対象を知事と鹿児島県議会、そして立地自治体の薩摩川内市長と同市議会に限った。しかし言うまでもなく原発事故が起きた際の被害は立地自治体に限られるわけではないことは、福島原発事故を経験した住民にとってあまりにも明らかではないか。
一番近い所で原発から五・四キロしか離れていないいちき串木野市では住民の過半数が再稼働に反対署名し、同市議会もいちき串木野市を同意対象に含めるよう求める意見書を採択した(日置市も同様)。三〇キロ圏に入る姶良(あいら)市は、七月に川内原発再稼働に反対し、廃炉を求める意見書を採択している。
さらにこの間、伊藤鹿児島県知事が、三〇キロ圏の要支援者の避難計画を立てることは「事実上不可能」と語り、高齢者・障がい者などの避難について露骨に「かまってはいられない」と述べていることに批判が巻き起こっている。先に触れたように今回行われた住民説明会でも「避難計画」については、そもそも説明の対象にすらならなかったのだ。
さらに、戦後最大の火山惨事となった木曽御嶽山の噴火は、薩摩川内原発の周囲を走る火山帯での巨大噴火や、その予測可能性についてあらためて警鐘を鳴らしている。規制委員会が言う「予測可能」という根拠なき楽観主義に対しては、火山学者たちがこぞって否定している。
鹿児島県議会は
人々の声を聞け
川内原発の再稼働強行は、原子力発電を不可欠の「ベースロード電源」として位置付けた「エネルギー基本計画」に示されるように、「安全保障」をも射程に入れた安倍政権の「成長戦略」の重要な一環であり、原子力産業・財界と官僚にとっても決して引き下がることのできない「国策」である。
薩摩川内市長、市議会の再稼働推進策への同意・受け入れは、決して多くの住民の同意を背景にしたものではない。薩摩川内市での公聴会では、発言した一〇人のうち九人は、九州電力側の説明に納得せず、世論調査でも八割近くが再稼働推進に不同意だという。
薩摩川内市議会での請願書採択は当初一一月中旬とも予測されていたが、一〇月二八日に繰り上げられた。鹿児島県議会での川内原発再稼働についての採択は、当初、会期が一二月一八日までの県議会の最終盤と予測されていたが、一一月五日〜七日に開催される鹿児島県議会臨時議会で、「再稼働承認」が強行される可能性が急速に高まっている。一一月三日には小渕辞任の後を継いで就任した宮沢経産相(彼は東電の株主であり、「利益相反」の典型と批判されている)が、急きょ鹿児島に入り伊藤知事と会談することになった。
鹿児島県当局は安倍政権や九電と密接な連絡を取りながら、日程を一カ月早め、早々に「地元の同意」を取りつけたという体裁を整えようとしている。これは安倍政権にとっても、遅れればそれだけ政権運営を含めて原発再稼働への条件整備が困難になるという危機感の表れと見るべきだろう。
いま、薩摩川内現地では、再稼働阻止全国ネットの「川内の家」につづいて、川内原発直近の久美崎海岸に「脱原発テント6号店」が設置され、住民の支援を受けた活動を行っている。さらに一〇月三〇日には地元の人びとによって鹿児島県庁前にもテントが設置され、一一月五〜七日臨時県議会への抗議の闘いの態勢が取られている。
川内原発再稼働阻止へ向けて決定的局面が「前倒し」的に始まった。全国から鹿児島現地と連携した抗議行動を作り出そう。鹿児島、薩摩川内現地に結集しよう! (一一月三日 K)
10.31雇用共同アクション
派遣法改悪案を廃案に
国会前で怒りの声ぶつける
生涯派遣も残業
代ゼロもイヤだ
雇用共同アクションは一〇月三一日午後六時から、同二九日の座り込みに連続する形で国会前行動を展開、かけつけた二〇〇人の労働者が、生涯派遣も残業代ゼロも許さない断固とした決意を国会に突き付けた。
別記事(2面参照)のように二九日段階で早くも、自民党、公明党による派遣法改悪案の強行突破狙いが明らかになっていた。予想された対応だとはいえ、しかしそれは、彼らの焦りをも反映するもの、広範な反対の声を引き下がることのない具体的な闘いとして突き出すことが決定的であることを示していた。
この日の行動はまさにその局面を意識して呼びかけられた。諸行動が矢継ぎ早に続き行動の集中は必ずしも容易ではなかった。しかし、ユニオンネットワーク三重や大阪ユニオンネットなどの遠方からの結集を含み、二九日とは異なる労組・団体が次々発言に立ち、厚みを増す派遣法改悪許さずの多様な声が力強く示された。
公明党から修正
提案が出された
他方この日、与党内の新たな動揺があらわとなった。厚労委審議が始まる前の理事会で、公明党から突如修正提案が行われたのだ。「雇用慣行に悪影響を及ぼしている場合は、新法(改悪案)の規定について速やかに検討する」「派遣は臨時的かつ一時的であることが原則」との趣旨を法文に明記したいという。
生涯派遣化や正規雇用の派遣労働での置き換えという、社会に広がる疑念が正当であり、今の法案ではその疑念に耐えられない、と自ら認めたに等しい。同時にそれは、キャリアアップや派遣労働者の正社員化促進などという安倍首相の公言が真っ赤な嘘であることを、言外に吐露してもいる。まさにちゃぶ台返しそのものだ。
まだ実質審議が始まってもいないうちに法案の目的、根幹に与党自ら不信を突き付けるこの修正提案は、彼らがこの法案を欠陥法案であることを承知で提案していることを示すものにほかならない。「出し直せ」と野党が一致して反発したことはあまりに当然だ。結局この日の厚生労働委員会は流会、審議日程はあらためて一一月四日の理事会で再協議となっている。少なくとも、安倍のAPEC出席以前の厚労委通過という与党のもくろみはついえ去ったと言える。確かに形としてこれは与党の失策だが、そこに労働者民衆の強力な圧力が作用していることは、誰も否定できないだろう。
各紙は今回の公明党の行動を自民党理事は知らなかったと報じている。しかし日本共産党の高橋ちず子衆院議員はこの日の国会前行動での発言で、修正提案については前夜公明党理事から電話で伝えられたと明らかにした。自民党理事が知らなかった、というのは本当だろうか。
いずれにしろこの一連の混乱は、今回の派遣法改悪策動がどれほど非道なものかをあらわにしただけではなく、それゆえにこそ懸念と疑念が与党支持者内部にも無視できないほど広がっていることもくっきりと見えるものとした。
動揺する与党に
一層の追撃を!
この日の雇用共同アクションの国会前行動はくしくも、今や隠せなくなっている与党の動揺を具体的に追撃する行動となった。高橋議員は、この法案の運命はますます運動にかかっている、運動の大衆的突き出しに一層力を尽くしていただきたい、と呼びかけた。参加者も力のこもった発言で、例えば東部労組、ユニオンネット三重、郵政産業労働者ユニオン、JMIUなど、非正規の仲間や派遣の仲間を組織する自らが取り組んでいる個々の闘いを紹介しつつ、その経験を確固とした支えに、労働者民衆の闘いで廃案に追い込もうと応えた。
運動の力強い登場がまさに鍵を握っている。雇用共同アクションの呼びかけに応えるにとどまらず、派遣法改悪法案廃案の声を巨大なうねりとして全国から上げることが極めて重要となっている。 (神谷)
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