パキスタン アワミ労働者党第1回大会成功
社会主義への闘いを確認
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2年間の極度に困難な闘い経て
アワミ労働者党(AWP)第一回全国大会が九月二七日、二八日の二日間、パキスタンのイスラマバードで開催された。AWPは、二〇一二年一一月、第四インターナショナルのパーマネント・オブザーバー組織であったパキスタン労働党(LPP)をはじめ三つの左翼政党が合同して結成された(結成大会については「かけはし」二〇一二年一二月三日号参照)。「アワミ」とは、ウルドゥー語で「人民」を意味することばである。
結成大会以降の二年間、パキスタンにおいて、さまざまな傾向の反動勢力が政治権力の独占を強める一方で、国家と社会の矛盾が激化するというきわめて困難な状況の中で、この新しい党はパキスタンにおける左翼勢力の統合と新たな反資本主義政党の形成をめざして活動を展開してきた。
本来ならば、結成大会の六カ月後に開かれる予定だった全国大会が大幅に延期されたのは、このパキスタンをめぐる厳しい情勢と無関係ではないだろう。
大会会場には「闘争・連帯・社会主義」のスローガンが掲げられ、パンジャブ、カイバル・パクトゥンクワ、バローチスターン、シンド、カシミール、ギルギット・バルティスタン、連邦直轄部族地域(FATA)などパキスタン各地から三五〇人を超える代議員・オブザーバーが大会に参加した。パキスタン情勢がきわめて不安定で、治安上の問題があるため、海外からの代表団は招待されなかったが、唯一アフガニスタン連帯党のマハムド・ハムラザン(「連帯の声」主筆)が大会に出席した。
しかし、大会にはアジアだけでなく世界各地から、第四インターナショナルの各支部・シンパ組織、左翼政党、社会運動団体など、三〇近い連帯のメッセージが寄せられ、大会への期待の大きさを示した。JRCLも連帯メッセージを送り、大会の中で紹介された。
この大会の直前に、ギルギット・バルティスタン州の党活動家であり、進歩的青年戦線の指導者でもあるババ・ジャンが反テロ裁判所で終身刑の判決を受けるという弾圧が加えられた。ババ・ジャンは、二〇一一年に起きた大規模な土砂崩れの被害者救援活動を展開していたが、同じ時期に地方政府庁舎が放火された事件の容疑で、他の一一名とともに終身刑が言い渡されたのである。
彼は、大会参加のためにすでにイスラマバードに到着していて、出廷していなかったのだが、裁判所に出頭するためにそのままイスラマバードを離れた。大会において、彼は全国委員会のメンバーに選出され、彼の名前が読み上げられると、大会参加者は大きな歓声と拍手で連帯の意を表した。また、大会では、ババ・ジャンはじめ一二名の釈放を求める決議が採択された(ババ・ジャンへの弾圧については次号以降で詳しい記事を掲載する予定)。
結成大会で提起された後に党内で議論されてきた綱領と規約が採択されるとともに、次回大会まで二年間の全国委員四一名の選出もおこなわれた。さらに、アビッド・ハッサン・ミント党首、ファヌース・グイヤール議長、ファルーク・タリク書記長を含む執行委員会メンバーも承認された。大会に向けてのカンパ活動で一〇〇万ルピー(約一〇〇万円)を超える資金が寄せられ、大会中にも六〇万ルピーがカンパされた。また、大会時点での党員数五六二三名を一万名にするという目標を今後二年間で超過達成することが呼びかけられた。
大会終了後、参加者はスローガンを叫びながら、イスラマバード市内をデモ行進して、腐敗した政権を打倒し、社会主義のパキスタンを樹立することを訴えた。
危機に立ち向かう21世紀の党へ
ここ数カ月、パキスタンにおいては、シャリフ首相の退陣を求めてパキスタン正義運動(PTI)や人民運動(PAT)などが主導する街頭デモが展開されてきた。
彼らは「革命」を掲げてはいる。しかし、これは労働者や貧困層を完全に切り離した形で進められた権力闘争であり、「革命を語っている者たちは、革命によって打倒されなければならない階級」(AWP・グイヤール議長)なのである。
著名な法律家でもあるミント党首は、大会の最後のセッションで「われわれは七三年間にわたって権力の座にあった社会主義の崩壊から教訓を学ばねばならない。必要なのは民主主義的社会主義だ」と述べ、左翼の最良の伝統を受け継ぐ統一した左翼政党の建設を呼びかけた。また、彼は「AWPは、新植民地主義的帝国主義者による攻撃や社会・経済・政治に対する金融支配、原理主義者の台頭、パキスタンの直面する社会的・経済的危機と闘う準備ができている二一世紀の党である」と述べた。
パキスタンにおいては、新自由主義的グローバリゼーションによる貧困化と格差の拡大、帝国主義と手を結んだ国内支配層の強権的支配、ブルジョア勢力内の権力闘争などが進行する一方で、宗教的原理主義者による労働運動や社会運動への攻撃が繰り返されるという困難な状況が続いている。この中で、公然と社会主義と左翼の復権を掲げて闘うAWPの活動を支援することは、アジアにおける反資本主義勢力の結集にとってきわめて大きな意味を持っているだろう。今後ともAWPの闘いに注目し、連帯を深めていきたい。(大森)
コラム
安倍のミックス攻撃
「経済学」といわれるものに、ある種の「いかがわしさ」をおぼえるのは、経済に苦手な私だけだろうか。
「アベノミクス」が実効性ある経済政策であるかのように囃したてられ、「三本の矢」なるものが実在するかのように語られる昨今、ますますその「いかがわしさ」を痛感せざるをえない。
たとえば、自称・他称、数々のケインズ主義が登場するが、ケインズ主義は、「革命よりはマシ」として労働者に譲歩することで資本主義の延命をはかる政策である。残念ながら、そのような時代はすでにはるか彼方の過去になってしまっている。
さまざまな経済学派がそれぞれに「経済モデル」を編み出し、そのどれかを政府が採用することで「経済政策」となり、そこから先、「経済」は「政治」に変わる。そのため、株価がちょっと上がっただけで、政府は、鬼の首でも取ったように政権浮揚に利用し、逆に採用した「モデル」に不都合が生じれば、一過性の偶然のせいにして、「もう少し時間がかかる」などと強弁してはばからない。
他方、対抗する経済学派は、「偶然」とされるものが「モデル」の誤りだと強調しようと躍起になる。そこでは、「客観的経済データ」とされていたものが、さまざまに解釈可能であることが示される。そもそも家計を無視するマクロ経済学が示す数字は、人々の生活とかけ離れたものである。だから、示された数字を使って「労働者の賃金は上昇している」と強弁するのはいとも簡単なのだ。ここにいたって「経済学」は、「客観的データ」なるものを網み出し、それらしい言葉を弄して労働者を騙すための詐欺師の技術でしかなくなる。
素直に考えれば、「アベノミクス」といわれているものの実像は、移ろいやすい株価のちょっとした上昇と円安の進行、そして生活物価上昇以外のなにものでもない。要するに、日銀が円の供給量を増やして円の交換価値を下げただけのことである。
「デフレからの脱却」が語られるが、経済学派によっては、デフレは資本が得た利潤を労働者に渡さなかったから生じたとされる(これは実感と合っている)。実際、二〇〇二年二月から二〇〇八年二月まで七三カ月続いた「好景気」を「いざなみ景気」と呼ぶそうだが、この時期に進行したのは、持続的な実質賃金の下落と格差の拡大だった。
「成長戦略」なるものも仰々しく語られ続けている。その内実は「企業が世界で最も活動しやすい国にする」という安倍首相の発言に端的にあらわされている。ここでいう「成長」とは、「持たざる者」からさらに奪い取ることで、「持てる者」の「成長」に結びつけることにほかならない。「いざなみ景気」以上に、有期雇用・無期雇用、正社員・非正社員・限定正社員など労働者を身分制度さながらズタズタに分断し、格差をさらに拡大し、物価上昇と相まって実質賃金をさらに下落させようとしているのだ。
「アベノミクス」なる呪文が登場して以来、多くの人が魔法にでもかかったように、新しい経済政策に期待を寄せている。だが、騙されてはいけない。それは、経済政策などではなく、労働者の生活と民主主義への巧妙な階級的混合攻撃のひとつにほかならない。まさに安倍のミックス攻撃なのだ。 (岩)
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