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    かけはし2014.年9月29日号

古里・月城1号機は廃炉か継続か


原発寿命延長の「空しい」夢

「核燃料処理、原電解体費用など増え赤字」の批判

 「この地域で、我々はそもそも何なのか。我々が受けた命のあてがいぶちは残らず慶州市内から持って行ってしまい…。ここには『今後どうやって生きるのか』と暮らしにあえいでいる農民たちだけが残っています」。
 彼は故郷を去ると言った。少なくとも核発電所のコンクリートのドームが見えない所まで脱け出すと語った。8月5日午後、慶尚北道慶州市陽南面羅兒里の月城原子力本部前で会ったこの地域の住民イ・ジンゴンさんは、こう語った。

福島の事故後、外来者の訪れ途絶え


羅兒里の近くでモーテル・食堂を経営している彼をはじめとして、72世帯の住民たちは先般「月城原発隣接地域移住対策委員会」(対策委)という組織を作った。1982年に月城核発電所が作られる以前から、この地域を守ってきた住民たちが遅ればせながらも対策委まで作ることになったいきさつは、こうだ。故郷が急速に荒廃化していると考えているからだ。住民らは発電所の建設期間を含めて一定期間、増加していた流動人口のおかげで小さいながらも回っていた商圏も、今はその役割を果たせなくなってしまった。実際にイさんはこの7月、モーテルと共に経営していた食堂を廃業した。2011年に日本・福島での核発電所事故が起きた後、ここを嫌がって外来者の足どりは一層、途絶えた。
「我々は廃炉を望みます。廃炉になれば、ここを暮らしやすい所に作らなければならないのだが、私の聞き及んでいるところでは、これが20年以上もかかり、費用もとんでもないそうです。間接費用まで入れれば4兆ウォンがかかると言います。結局、廃炉を決定できない理由もそんなことではないでしょうか。廃炉をしても土地は売れないのだから。だから私らは韓国水力原子力(韓水原)ででもこの地域を買い入れよ、と言っているのです」。対策委の事務室で会った事務局長であり、かつこの地域の住民であるイ・ヨングクさんが語った。月城原子力本部内には最も古い月城1号機を含め全部で6基の原子炉がある。峠を1つ越えた所の陽北面には韓国原子力環境公団が今年末に操業を開始する中・低レベル放射性廃棄物処分場がある。
老朽核発電所とマウル(村)住民間の葛藤は、古里1号機と、近くにある釜山、蔚山地域でも同様だ。前に2017年まで稼働年限を延ばしたことがあるために、地域内では古里1号機の更なる稼働延長について憂慮していた。8月4日午後に会った釜山・機長郡機長邑の住民キム・ソンギュさんは「はたして政府には古里1号機を安全に廃炉にする計画があるのか、廃炉にかかるカネを集めているのか、最大の問題だ。(核発電所を)稼働していて起こる故障は技術によって代替できるだろうが、安全な廃炉についての準備をしないでいるならば問題が深刻なのではないのか」と語った。

安全に廃炉計画はあるのか


国内の代表的老朽核発電所である古里1号機と月城1号機をめぐる論難が熱くなっている。これまで故障による稼働中止などによって注目されていたこれらの発電所問題が6・4地方選挙を経つつ、「廃炉の是非」についての地域の民心の表出によって具体化しているからだ。古里1号機の場合、ソ・ビョンス釜山市長でさえ、「寿命の延長は反対」という立場を明らかにしており、月城1号機は大統領の公約事項だった「ストレステスト」以後にも、超えなければならない課題は山のごとくだ。しかも両発電所をめぐる廃炉または継続運転の是非を決定しなければならない時期が、実質的には今年下半期から来年上半期という点から、8月26日の韓水原の今年の国政監査を皮切りに主要な争点として浮上するものと見られる。
老朽核発電所は韓水原内部でも微妙な問題だ。「ハンギョレ21」がキム・ジェナム議員(正義党)と共に8月4〜5日に古里、月城原子力本部を訪れた現場でも、そうだった。韓水原はこの日、制御室と非常ディーゼル発電機施設など、古里、月城発電所の内部施設の一部を公開した。この日、会ったウ・ジュンボン古里原子力本部長は「継続運転の申請書と廃炉申請書のいずれをも準備しており、科学的・技術的安全性や住民の受容性それに経済性などの3点を継続運転の条件として判断している」と語った。ウ本部長はさらに「(廃炉をする場合に備えて)準備をしている。法令によれば解体計画書を通じて承認を受けなければならないからだ」と語った。
翌日に訪れた月城原子力本部のユン・チョンノ本部長は「継続運転の有無の審査に従って計画運営の日程を考え満般の準備をしている。月城1号機と同じ重水路のあるカナダでは19基中ピカリング、ジェントリーなど約87%(11基)が継続運転をしている。月城2、3、4号機も月城1号機と同一の状況が来るだろう。全世界的流れが継続運転をしており、今や一般的な技術だ」と説明した。現在稼働を中断した月城1号機はストレステストと関連した最終報告書の作業手続きを踏んでいる。
これに対してキム・ジェナム議員は古里原子力本部前で行った記者会見で、「古里1号機は既に安全でもなく経済性もないことが明らかになったばかりではなく発電設備全体の0・6%に過ぎず、今すぐ閉鎖したとしても電力の需給にいかなる影響をも及ぼさない」として閉鎖を主張した。
このように老朽発電所の安全性を確認するための手続きは複雑だけれども、その後の状況も容易なものではない。安全性が確認されるとしたとしても古里1号機と月城1号機を継続運転することがはたして経済的なのかをめぐっても意見の違いが中途半端ではないからだ。現在、韓水原は韓国電力公社電力研究院が委託調査をした「古里1号機継続運転の経済性についての分析報告書」(2007年6月)と「月城1号機の継続運転における経済性の分析」(2009年9月)報告書の結果を土台として老朽核発電所の継続運転が必要だとの主張をしてきた。
「ハンギョレ21」が入手した2つの報告書の前文には古里1号機と月城1号機を継続運転するのが経済的だと示している。古里1号機の分析報告書には「割引率(将来の所得に対する現在の資源の交換比率)7%を適用する時、10年継続運転(2017年まで運営)の場合1488億ウォン、20年(2027年まで運営)の場合3440億ウォンの純現在価値(NPV)が算定でき、内部収益率もそれぞれ22・7%および26・2%と算定でき、基準割引率の7%よりも大きくて投資費回収の期間も適正であり、古里1号機の10年および20年の継続運転のいずれもが経済的妥当性があるものと評価できる」と語っている。月城1号機の分析報告書では「純現在価値が、10年継続運転は2821億ウォン、20年継続運転は7101億ウォン(割引率7%)」だと指摘した。

寿命延長の法改正案準備中

 だが、このような政府の経済性についての分析には誤りがあるとの指摘もある。環境運転連合とシム・サンジョン議員(正義党)は8月20日、「電力研究院の月城1号機分析報告書を国会予算政策処に依頼して得た『月城1号機継続運転についての経済性の再分析』の報告書と比較した結果、月城1号機の寿命を延長する場合、1462億〜2269億ウォンの赤字が発生するものとして現れた」と主張した。
シム議員は「2009年の経済性の分析当時、10年の寿命延長とすれば604億ウォンの赤字をみるものと予定したけれども、2014年現在の使用後核燃料処理費用、原発解体費用、中・低レベル放射性廃棄物処理費がすべて増加し、赤字をみざるをえない」と説明した。だが韓水原側では国会予算政策処の報告書にも、月城1号機の継続運転が1395億〜3909億ウォンほど経済的に有利だという点を挙げて、経済性は充分だとの立場だ。先に、シム議員は昨年12月に電力研究院の古里1号機の分析報告書について、発電所の撤去費用など核発電所の事後処理費用が抜け落ちており、発電所の平均利用率が現実とは違って100%を適用して算出されたという点を指摘したりもした。
国会では、かまびすしい老朽核発電所をめぐる論難を補完するために、寿命延長の条件を強化する原子力安全法改正案も準備している。改正案には核発電所が新規許可を得る時は放射性廃棄物の処理方案と解体計画書を提出するようにし、核発電所の寿命延長を申請しようとするならば該当地方自治体長の同意を得なければならない、との内容を盛り込んでいる。老朽核発電所の未来が容易ではないように思われる由縁だ。(「ハンギョレ21」第1026号、14年9月1日付、釜山=慶州=蔚山=キム・ソンフォン記者)

古里・月城1号機の今後は?

一層熱くなる安全性への非難

 国内の老朽核発電所への論難の中心には古里1号機と月城1号機がある。最近、原発の寿命延長をめぐって「韓国水力原子力」などの政府側と環境団体・専門家の間の論難が繰り返されているからだ。このように安全性、経済性など核発電所をめぐる複雑な懸案は今年下半期を過ぎてさらに本格的に続くものと見られる。
今年下半期の最大の「焦点」は月城1号機だ。1982年に政府から設計寿命30年の許可を受けた月城1号機は2012年に設計寿命が尽きた後、発電所を再び回すのかを判断する時点が迫っている。パク・クネ大統領は月城1号機の寿命延長をめぐって論難が続くと、ヨーロッパ連合(EU)で適用されていた「ストレステスト」(この上ない自然災害にどのぐらい耐えられるかなどを検証する作業)を進めるとの内容を大統領の選挙公約にまで揚げた経過がある。現在進行中のストレステストは韓国原子力安全技術院(KINS)などが中心になった専門家グループと環境団体・学者らが参加する民間検証団が二手に分かれたやり方で進行中だ。
日本・福島の核発電所の事故の際に現れた核発電所設計の問題点なども補完している月城1号機のストレステストの結果は、今年下半期中に確定されるものと見られる。これに先立ち、月城1号機は昨年、ストレステストの中間報告書では46項目の検証が完了していないところがあり、補完作業が続けられてきた。ユン・チョンノ月城原子力本部長は「現在、土壇場のストレステストを集中的に検討している。8月中に最終報告書を出すとの目標のもと、点検を進めている」と語った。原子力安全委員会が最終報告書の結果を基にして月城1号機の継続運転の審査結果を出すことになる。
国内最高齢の原子炉(1977年設計)でもある古里1号機も早晩、継続運転の有無を判断しなければならない。古里1号機は2007年、政府の寿命延長審査を経て蒸気発生器などを交替した後、2017年まで稼働年限を伸ばしたが、稼働をさらに10年延長するかを決定しなければならないからだ。古里1号機の公式的な運営許可満了の時期は2017年6月であり、原子力安全法上は運営満了の2年前に継続運転の許可申請をするようになっている。従って来年6月以前に古里1号機の継続運転の是非についての判断が必要だ。老朽核発電所が本格的な試験台に上ったわけだ。(「ハンギョレ21」第1026号、14年9月1日付)


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