9・3九電東京支社に抗議・申し入れ
これ以上の悪あがきはやめろ
住民の生命を危険にさらすな
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火砕流による
事故否定できず
九月三日、再稼働阻止全国ネット、福島原発事故緊急会議、たんぽぽ舎が呼びかけて、午後五時半から東京・有楽町の電気ビルに陣取る九州電力東京支社に向けた二回目の抗議・申し入れ行動が行われた。四団体からの申し入れ書が九州電力に届けられた。
この日の行動は言うまでもなく、九電川内原発再稼働への動きを絶対に止めるために呼びかけられた。すでに規制委員会が出した審査書の「合格」案がいかにいい加減なものであるかは明らかになっている。たとえば川内原発付近に多くある火山帯の噴火による火砕流によって原発事故が起きる危険(すでに過去の噴火で火砕流が川内原発敷地内に到達した可能性が高いことも指摘されている)について、九月二日に行われた規制委は「基本的な考え方」案を公表した。それによれば「異常を検知した場合、原子炉の停止などを求める」としているが、検知するためのモニタリングは事業者(すなわち九電)に委ねられているのである。
東電にも怒りを
ぶつける行動
そもそも火山噴火の「予知」は不可能だというのが火山学者の一致した見解である。毎日新聞でも、「モニタリングを事業者に丸投げするのは無理がある」との中田節也教授の意見や「巨大噴火とする判断基準を誰が決めるのか、どのように定めるのか明記されていない」との産業技術総合研究所の篠原宏志主席研究員の危惧を紹介している。
何よりも薩摩川内市の市民の八五%が「再稼働反対」の意思を表明している。八月三一日には薩摩川内市内で一八〇〇人が参加した「再稼働反対」集会・デモが行われ、九月二八日には鹿児島市内で大規模な再稼働反対の集会が呼びかけられている。
この日、九電東京支社前の行動には八〇人が参加した。つづいて午後七時から東京電力本社前で一五〇人が参加した行動も行われた。
九月二三日の亀戸中央公園集会、九月二八日の鹿児島集会を成功させ、安倍政権がしゃにむに進める川内を突破口とした原発再稼働の動きを完全にストップさせよう。 (K)
9.7緊急会議連続シンポジウム第7回
大飯原発運転差止判決の意義
人格権・生存権にこそ最高の価値
画期的判決を
どう生かすか
九月七日、福島原発事故緊急会議は昨年九月から始まった連続シンポジウムの七回目を東京の渋谷勤労福祉会館で行った。今回のテーマは、「大飯原発運転差止判決の意義を読み解く」。この日のシンポジウムは、五月二一日に福井地裁(樋口裁判長)による大飯3、4号機運転差止訴訟が持つ画期的意義を今後の反原発・脱原発の闘いにどう生かすか、を論議するために設定された。
シンポでは地元福井で大飯原発差止訴訟の運動の中心を担ってきた小野寺恭子さん(福井から原発を止める裁判の会)が、裁判を起こすに至った経過と今後の課題について報告した。次にピープルズ・プラン研究所の山口響さんが「判決における『生存権』および『人格権』の問題を考える」と題して報告した。
つながり大切に
持続した意思を
小野寺さんは敦賀原発2号機ができる頃(日本原電敦賀2号炉の運転開始は一九八七年三月)から、きれいな海がなくなることを恐れて反対運動を始めた、という。こうした活動は警察に監視されながらの毎日であり、憤りは募る一方だったという。二〇一一年の「三・一一」以後、一〇人以上の市民が声をかけあって福井でデモを始め、二〇一二年七月一日の大飯再稼働をきっかけに裁判を始めることになった。裁判では会計を担当したが、その中で知らない各地の人びととのつながりを感じることができた、という。
大飯原発差止裁判は、もしかしたら勝てるのではないか、という予感があったという。今年一月二二日の第六回口頭弁論では、裁判所が関西電力に求めた地震動や津波の想定と根拠について「いつまでに答えるのか、理解できない!」と裁判長が怒りの表情を見せたシーンもあったという。
小野寺さんが、判決文の中で一番気に入っているのは「原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては、本件原発において、かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象とされるべきであり、福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる」という箇所だという。
この判断を受けて「原子力発電所の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。しかるところ、大きな自然災害や戦争以外で、この根源的な権利が極めて広範に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故以外想定し難い。かような危険を抽象的にでもはらむ経済活動は、その存在自体が憲法上容認できないというのが極論にすぎるとしても、少なくともかような事態を招く具体的危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である」とする判決が下された。
小野寺さんは、この判決について「大きな山が動いた」と評した。その上で、「思いが強ければ強いほど、狭くなって頑張ってしまう。そうなるほど人とのつながりが切れてしまう。自分が得意なところでも一〇〇%の力を出せば切れてしまうが、七〇%なら続けられるだろう。いろんな人たちが疲れながら活動をしているが、細くてもいいから糸を切らせず保ち続けるようにしたい。自分が正しいと思ってしまってはダメだ」と静かに、自分に言い聞かせるように語った。
一一月五日に名古屋高裁金沢支部で、控訴審が始まる。小野寺さんは、ぜひ素晴らしい判決を再び獲得するために、支援を呼びかけた。
憲法の規範的
価値を深める
続いて、山口響さんの報告。山口さんはいま長崎に住み被爆者の聞き取りなどの活動も行っている。
山口さんは大飯原発運転差止判決の要点を六項目にわたってまとめた。
@生存権、人格権がすべての法分野において最高の価値を持つ。経済活動の自由はこれよりも劣位に置かれる。
A生存権、人格権の根幹部分が侵される可能性があるとき、侵害者の不利益の大きさと関係なく、差止めの要請が強く働く。
B生存権、人格権を基礎に置いた司法審査は、原子力基本法に基づいた専門的な判断とは別になしうる。
C基準地震動を超える地震など起こらない、深刻な事故など起きない、というのは、根拠のない楽観論にすぎない。
D原発稼働の判断にあたって、コスト論、地球温暖化論を持ち出すのは筋違い。
E二五〇キロ圏内の居住者までは請求を認めたこと。
山口さんはその上で、憲法一三条、二五条を根拠とした「生存を基礎とする人格権」を原発稼働差止めにあたっての基準とする今回の判決を、原発の存在そのものが「平和的生存権」侵害ではないか、という点にまで広げられないか(憲法学者・深瀬忠一の「平和的生存権」の定義を援用して)と語った。
また自衛隊イラク派兵を違憲とした名古屋高裁判決(二〇〇八年四月一七日)の「平和的生存権」の裁判規範性を認めた論理を生かしていく、という問題意識を述べた。そして、「私たちは、原発運転に伴う放射線被ばくの『(潜在的)被害者』であると同時に、『加害者』でもあるという現状の押し付けを認めない、という意味において、『平和的生存権』を主張すべきではないか」と提起した。
小野寺さん、山口さんへの質疑応答の後、福島の現状について「福島の女たち」の橋本あきさんが報告。さらに一一月から始まる金沢での控訴審への支援体制をつくっていくことが確認された。 (K)
9.1日印原子力協定をやめろ
原発輸出も再稼働もNO!
首相官邸前で雨中のアピール
インドを原子力
開発の相棒に
九月一日、東電前アクション!は、インドの新政権のモディ首相の来日に際して、「原子力協定のための首脳会談反対!原発輸出も再稼働もNO!9・1官邸前アクション」を永田町の首相官邸前で行った。
インドで政権交代があり延期されていた日印の首脳会談。インドの新与党となった人民党は一九九八年に核実験を行ったときの政権党であり、今回の日印首脳会談ではアメリカ政府や国際社会のインド新政権への懐疑的な見方もあってか、原子力協定の締結は見送られると事前に報道された。
しかし安倍首相自ら、このモディ首相を京都へ観光案内し、京都迎賓館で「おもてなし」するなど、異例の歓待ぶりだった。それは当然、「対中国包囲網」形成のためであるとともに、原発・原子力技術の輸出のための重要なパートナーとしてインドを改めて位置づけるというパフォーマンスであることは間違いないだろう。
核兵器も原発も
廃絶しよう!
九月一日のアクションは、東電前アクション!の他にコトバンジャン・ダム被害者住民を支援する会や有志のグループなど、複数のグループでの共同行動となり、六〇人が参加した。
東電前アクション!の栗原さんは、最初に自民党の「ヘイトスピーチ規制」にかこつけた「国会周辺での抗議行動の規制」策動に抗議したあと、スピーチした。
「一連のイスラエルでのガザ攻撃で、イスラエルの兵器の欠片から日本製の部品が発見された。安倍は原発とともに武器の輸出を推し進めてきたが、すでにこのように日本社会が間接的に人を殺す状況が始まっている。インドという核武装国に原発の技術・部品を売りつけるということは、将来日本が核戦争に加担するということにもなりかねない。そういう想像力を私たちは持つ必要がある」
「原子力協定をめぐるやりとりで、インドは新規に建設した『高速増殖炉』で日本の使用済み燃料を引き取ることを申し出ている。これは核兵器の原料であるプルトニウムをインドという核武装した国家に預けることになる。またこのような『技術交流-提携』は破たんプロジェクトである日本の高速増殖炉『もんじゅ』をいたずらに延命させることにもなる。このようなおぞましい協定の締結に引き続き反対していこう」と訴えた。
参加者からのアピールは「原発が事故を起こしたら、もはや解決しないということを示したのが福島の原発事故だ。その当事国が今も放射能を撒き散らしながら、他国に原発を売りつけることは人間として許せない」、「遠い国に原発を売りつけることと、再稼働を東京から最も遠い鹿児島の川内原発から始めようという政府のやり方は、遠くに犠牲を押し付けて自分たちは儲けたい、恩恵を得たいという考え方の表れだ。再稼働にも原発輸出にも反対。すなわち、世界のすべての原子力に世界の人々とともに反対していこう」などとアピールが寄せられた。
最後に、首相官邸に向けて「原子力協定締結反対」「原発輸出反対」「仙台原発再稼働反対」「戦争もすべての核も廃絶しよう」とシュプレヒコールを上げて、この日の行動を終了した。 (F)
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