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    かけはし2014.年9月1日号

政府が引き起こした「コメ・クーデター」


ウルグアイ・ラウンド交渉から20年、来年からコメ関税化推進

法改正も経ないまま市場全面開放に批判高まる


 「ほぼ『コメ・クーデター』だと思う」(ソン・ギホ弁護士)。
 政府は7月18日、コメ関税化の進行を宣言した。これまで閉じていた国内のコメ市場を開き、米国産米には国内産米との価格差分だけ関税を付加するという意味だ。ウルグアイ・ラウンド(UR)交渉を皮切りとして国際社会からコメ市場開放の圧力を受けてきてから、ちょうど20年ぶりになされる変化だ。だが法曹界、市民社会では、政府の一方的なコメ関税化の推進は基本的な公論化の手続きを無視したものであるとして反発した。これまで糧穀管理法などの法律を通じてコメの輸入を統制してきた政府がコメ市場を開放しながらも法改正を経ないまま、世界貿易機構(WTO)の顔色ばかり見ているのは問題がある、との指摘だ。

100俵のうち9俵は輸入米

 実際、「コメの関税化」は以前からずっと続いてきた論争だ。それほどにコメ市場の開放問題は複雑だ。(1945年の)解放以降、しばらくコメ輸入の全面自律化を施行していたわが国は1950年に糧穀管理法を制定した後、政府がコメの輸入を厳格に統制してきた。だがUR交渉でわが国のコメ品目は例外的に関税化を10年間、猶予された。その代わりに中国、米国、タイ、インド、オーストラリアなどの主要コメ輸出国から毎年、一定量のコメを輸入する「義務輸入物量」が生じた。2004年12月、WTOとコメ関税化の猶予をさらに10年間、延長するとともに、義務輸入物量として2倍増の40万9千トンを5%の関税を課して毎年輸入している。義務輸入物量は韓国農水産食品流通公社(aT)を通して持ち込まれる。昨年基準で、国内で消費しているコメ100俵のうち9俵は輸入米が占めている。
だが法曹界、市民団体などは「9月30日までWTOにコメの関税率を通報し、来年1月1日からコメ輸入を始める」と発表した政府の通報自体が不適切だと主張する。これまでわが国では糧穀管理法を根拠として外国産米の輸入を制限してきたために、政府がコメの全面開放を推進するためには糧穀管理法の改正などを通して国会の事前の批准同意を受けた後、WTOなどに関税率を通報しなければならないというのが正しい手続きだ、というのだ。
「民主社会のための弁護士の会」(民弁)でコメ対策チーム長を担っている通商法専門家のソン・ギホ弁護士(スリュン法律事務所)は7月23日、「ハンギョレ21」と会い「WTOとのコメ関税化の猶予終了は国際条約上の問題であり、国内で外国産米に対する関税を加算するかを決めるのは法治主義の問題だ。政府が9月30日までに関税率を通報することになれば、国内ではいかなる措置をも取ることのできない国民の参政権が排除される状況になる」と指摘した。彼はまた「政府は2007年、糧穀管理法の改正案で既にコメ輸入を許可したのだから国会の同意は必要ないと主張しているが、これは常識的に納得することのできないことだ」と語った。
これに対して政府は「関税化をするために糧穀管理法を改正する必要はない」との立場だ。農林畜産食品部はコメ関税化関連の説明資料を通じて「現行糧穀管理法(第12条第1項)は、市場接近物量に適用される許容税率(5%)で米穀を輸入しようとする者は農食品部長官の許可を受けるように規定しており、それと異なる事項(関税化の際に適用される高率関税の収入)については制限規定がない。また関税化は『市場接近物量以外の物量』の輸入を自由化するものなので、糧穀管理法の改定なしに関税化の施行が可能であり、法律会社および法律専門家が諮問の結果(4件)も同一の結論を下した」と反論した。

農民との意思疎通が重要だ


「WTOなどの顔色をうかがう低姿勢の対応」だとの批判の中で政府がコメ関税化を急ぐ背景には、米国を中心にアジア・太平洋地域の諸国間で進行中の広域自由貿易協定(FTA)としての環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)への参加のために、コメ関税化問題の解決などの先行条件が必要だという認識が支配的だ。WTO体制の中で関税化を引き延ばしたとしても、その対価として増加する義務輸入物量の負担を阻むことはできないとの予想もある。
イ・ドンピル農食品部長官はコメ関税化を宣言する記者会見の場で「農業はコメ関税化についての憂慮を考慮し、国内外の法律専門家の諮問を受けて、外国の事例などを綿密に検討し主要国の意見も打診しつつ関税化猶予の再延長の可能性も検討したが、この場合には義務的に輸入しなければならない物量を追加的に増やさないわけにはいかないとの結論に至った」と、その理由を語った経過がある。
このために専門家たちの間では日本、フィリピンなど我々と同じコメ市場開放のジレンマを味わった海外の事例を綿密に参考とし、対策を準備しなければならないとの声が出てくる。UR交渉でわが国と共にコメ関税化の猶予を認められていた日本とフィリピンは現在、全く異なった道を歩んだからだ。日本は1999年、コメ品目について早期関税化を進めたが、国内産米を好むので義務輸入物量を超過する輸入は少なかった。フィリピンは10年の猶予を経た後、WTOと再交渉して7年の猶予延長を認められた。だがフィリピンは2012年6月末に猶予延長の終了に至ると義務輸入物量を2・3倍に増やす条件で、関税化をさらに5年引き延ばす「義務免除」(ウェイバー)を受けた。
チャン・ギョンホ農業農民政策研究所農事副所長は7月22日、ソウル汝矣島の国会議員会館で開かれた「コメ関税化解法を探るための討論会」で「政府などはフィリピンが関税化の猶予によって義務輸入物量を2・3倍増やすという高い義務を支払ったと評価する。しかし義務輸入物量が従前の35万トンから交渉後には毎年約85万トンも増えたフィリピンはコメ自給率が85〜90%で、義務輸入物量よりもより多くの量を輸入しなければならないという状況なので(義務輸入物量の増加が)負担にならない」と説明した。フィリピンの場合、どのみち輸入しなければならない物量を代替して関税化のための時限を、さらに5年間稼いだというのだ。チャン所長はさらに「フィリピン政府がコメ交渉の過程で農民と積極的に疎通しながらキチンと意見の集約を図った点をわが政府も学ばなければならない」と指摘した。結局、関税化に先立って国内市場の状況や農家などの実益をていねいに点検すべきだ、というのだ。

義務輸入物量と関税の行方

これに対して政府は「昨年から専門家および関係部署と、関連する争点を綿密に検討する一方、地域別の説明会や懇談会、討論会などを通じて農業人をはじめとする利害関係者たちの意見を集約した」として、来年1月1日を目標に関税化を推進していくとの立場だ。WTOに知らせる期限が迫っているので関税化は不可避だというものだ。
しかし政府の思い通りに関税化を進めても毎年、入ってくる40万9千トンの義務輸入物量はなくならない。わが国が消費しているコメ100俵のうち9俵を除いた91俵のうちの一部が、関税を払って入ってきた輸入米によって埋められるのだ。このために関税化をする場合、はたして輸入量が増えるのかも関心事だ。イ長官は「現在、国産米の価格は80キログラム(1俵)で17万ウォンのライン、外国産は6万5千〜7万ウォンの水準だ。関税率を300%だけ賦課したとしても24〜25万ウォンになる。関税化がなったとしても外国産米の輸入は多くないだろう」と説明した経過がある。
農業経済を主として研究している(GS&Jインスティテュート)のイ・ジョンファン理事長は7月22日、「コメの関税率はどのくらいになるのか」という報告書を通じて、政府が9月30日までにWTOに通報するわが国のコメ関税率が約504%の水準になるだろうと見通した。イ・ヘミョン韓神大国際関係学部教授は同じ討論会で「政府が言っているコメの高率関税論は韓中FTAとTPP、そしてDDA(ドーハ開発アジェンダ)交渉などの変数があり(関税を引き下げるなどの)、新たな不確実性を招く可能性がある。ひたすら高率関税に期待するコメ市場の開放だけではキチンとした対策だとは言い難い」と指摘した。
最初のボタンをかけ間違ったコメ関税化をめぐる論難は当分の間、収まらない見通しだ。民弁などが政府を相手にコメ関税率の公開を要求する行政訴訟を進めており、国会にコメ関税率の決定に関する特別法の制定などを要求している。20年以上にわたって続けられた「コメのジレンマ」が新たな局面を迎えている。(「ハンギョレ21」第1022号、14年8月4日付、キム・ソンファン記者)

オ元気デスカ――フェイスブックでつながる

2人の日本人と友達に

「労働者に国境はない」

 私は現在、2人の日本人の友人と友情と同志愛を育んでいる。そのうちの1人とは数十回、もう1人とは何度か韓国で一緒にデモをした。彼らのいずれもが自国の問題はもちろんのこと、韓国の民主主義、労働者の闘い、歴史問題に深い愛情を持って連帯している。韓国人たちの前で自らを紹介する時には必ず「労働者に国境はない」とあいさつする世界人だ。

「この友人をご存知ですか」「私です」
1年前の夏だった。長期闘争の事業場でデモをしていると、2人の日本人が籠城の現場を訪れた。韓国人の通訳者を間にして対話をしているうちに、フェイスブックに接続して私の日本人の友人を示しながら、ひょっとして知っているかと聞いてみた。「私です」。1人の日本人が明るく笑いながら応じた。私だけではなく周りにいたすべての人々が不思議な因縁だと言って驚きあった。そのようにして日本人のフェイスブック友人とデモの現場で対面した。その日、同行したもう1人の日本人ともその場でフェイスブック友人として登録し、日本人の友人が2人できたのだ。その日以降、2人ともデモ党(フェイスブック・グループ)に入党し、昨年秋の同じ日、同じ時刻に韓国と日本で核発電所(原発)反対の1人デモを共にした。
先般、日本政府が閣議(韓国の国務会議)を開き「集団的自衛権を行使するとは憲法に違反しない」という方針を決定した。周辺国や自国民衆の反対にもかかわらず、とうとう「戦争は可能」というパンドラの箱を開けてしまったのだ。
安倍晋三政府は、これにとどまらず、機会あるごとに「平和憲法第9条」さえも変えようとしている。これを阻止するために今、数多くの日本人たちが総理官邸や街頭で安倍政府を糾弾しながら抵抗している。当然にも、わが日本人の友人たちも、そこに参加する。その友人たちの連帯要請によって私は去る7月、日本大使館前で安倍政府を糾弾する1人デモを行った。我々は民族と国境の境界を跳び越えて、安全で平和な社会を作るためには「デモが希望だ」という考えで、それぞれ自分の位置で闘い、時には共に闘う友人であり、同志だ。

韓日民衆のいずれ
にも残忍な8月
SNS(ソーシャルネットワークサービス)で日本人をひとまとめにして「ウェノム」「チョッパリ」(いずれも日本人を卑下する言葉)と言っている言葉によく出くわす。韓日外交関係が悪化すればするほど、まゆをひそめんばかりの、彼らを悪しざまに非難する文章が乱舞する。甚だしきに至っては呪い浴びせたり、敵がい心をあらわにしたりもする。グローバリゼーション時代の一員として、依然として民族主義の沼から脱け出せないということほど愚かしいことはない。
外部に犠牲の羊を作り、共同体の構成員の怒りを管理しながら内部を団結させるやり方は、古今東西を問わず国家の支配権力が好む統治術だ。支配権力やメディアにこびへつらう輩というのはどこにでもいて不思議ではないけれども、韓日問題においては進歩然たる人々でさえ世界人であることを放棄する場合が多く、何とも苦いものを感じる。
韓日民衆のいずれにも残忍な8月がやってくる。今年も例外なく、わが日本人の友人たちは、ひっくるめて罵りを食らうことになるだろう。そうであればあるほど私は、この時刻にも日本で自国と国際平和のために闘っている友人にして同志である彼らと共に友愛と平和の声をさらに大きくしていくであろう。
テラシマさん、コバヤシさん、オ元気デスカ?(チャル、チネシナヨ?)(「ハンギョレ21」第1022号、14年8月4日付、イ・ウンタク/デモ党党首)

 


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