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    かけはし2014.年7月28日号

帝国主義の介入を阻止しよう


アラブの革命的マルクス主義、社会主義諸組織の声明

革命的、世俗的、民主的、主権のあるイラクを

民衆の国際主義的連帯万歳!


 この声明は、アラブ地域の革命的マルクス主義、社会主義諸組織によって、六月二八日に出された。

ISISの
宗派的虐殺


また再び、イラクは、深刻な政治的かつ安全保障に関わる事態の急展開を経験しつつある。イラク軍の全部門は、「イラクとシリア/レバントイスラム国家(ISIS)」および他の民兵との衝突から引き上げた。西部と北部の行政区――スンニ派の多数にとっては本拠――にあるいくつかの州と地域に加えて、モスル市とチクリット市は奪われた。そして民兵たちは現在、首都であるバグダッドに向け前進中だ。
大規模な安全保障上の真空が生み出され、戦争、混乱、さらにテロが広がり始めた。数十万の家族が安全地帯、特にクルド地域のエルビル、ドフクに逃げた。
いくつかの武装した一族、イラク軍、さらにクルド地域のペシュメルガ部隊の抵抗にもかかわらず、特にキルクーク、ディアラ、また近くの郊外や地域で戦闘が続いている。ISISとその敵対者との間で、ヒット・アンド・ラン作戦が続いている。スンニ派多数の西部行政区では、治安機関と軍事機関はほとんど崩壊した。
しかしながらISISは、中でも二つの主な要素がなかったとすれば、この危険な前進を始めることなど、あるいは今回のような規模の影響力をもつようになるなど、あり得なかったと思われる。一方では米国の占領、他方では米国がそれを生み出すことに貢献した宗派的な宗教国家、これが、ISIS誕生においては決定的となった。
それでも、今回の一連の戦闘を背景としたもっともはなはだしい罪は、ISISによって犯された宗派的な虐殺だった。降伏した数千人の内の、数百人の捕虜に対する並ぶもののない残酷さを伴った大量処刑に関して、いくつかの話がある。布告の一つは、イスラム国家が市財源の支配に関し単一の権限をもつこととなり、公的基金から盗みを行うものは誰であれ処罰される、と示している。
他方でISISは、いくつかの銀行から何億米ドルにも相当するもの、政府の諸施設、地方自治体を確保し、さらに逃亡した兵士や将校が後に残した数え切れない量の兵器類を押収した。
ある文書は、すべての男に集団礼拝に参加するよう忠告を与え、他のシャリアによる規制の中でも、アルコール、ドラッグ、たばこの販売を禁じている。それはまた、以下の行為を分裂を意味し死刑宣告に値すると見なしつつ、あらゆる会議、総会、また横断幕掲示をも禁じている。
この文書は、聖地や彫像に関してISISが採用した立場を明らかにしているが、聖者の墓の破壊に加えて、文書はそれらを取り壊すと脅している。文書はまた、緊急事態を除いて、女性に家にとどまるよう求めている。ISISと「連携した」武装民兵(情報が示すところでは、約二三のグループが戦闘に合流した)を含んで、ISISの支配は人びとを彼らの生命のことでひどく恐れさせることになった。
安全保障と軍事的展開に対するアル・マリキ政権の対応は、まさしく危険なものだった。この政権は、非常事態令を課し、高度な警戒態勢国家を宣言しつつ、包括的な軍事対応を求めた。マリキ政権はさらに、イラクへの介入、並びにISISの侵攻を打ち破る援助を、米国、イラン、また他の諸大国に求めた。
しかしながらこの国は、現在の情勢が展開する中で、そして全体としてのアラブ地域に致命的な諸結果を残しながら、その道筋ですべてのものを破壊する宗教戦争という苦悶に押しやられる可能性がある。この差し迫った脅威は、アル・シスターニが代表するイラクシーア派の権威から後押しされている。実際シスターニは、ISISに対するジハードを宣言するファトワを出し、軍に合流するよう人びとに呼びかけた。予想されることだがこれらのできごとは、間違いようのない地域的かつ世界的意味を帯びた。イラクは、世界最大の原油生産国の一つであり、一〇年以上にわたって、政治的、宗派的、宗教的、さらに民族的対立の中心となってきた。この国の情勢は、シリア並びにかの国のできごとに、同様に地域全体の宗派的、宗教的均衡に、密接に結びついているのだ。

近隣諸国の
干渉と思惑

 近隣諸国――カタール、サウジアラビア、イラン、トルコさらにその他――の露骨な干渉は、もっと多くの紛争の種を作り出すだろう。そして、今日のシリアにおけるように、宗教的、宗派的紛争に勢いを加えるだろう。この干渉はイラク人の、民主的で自由な、そして繁栄した社会確立を目標とする革命進行を生き返らせようとの、熱望と努力を妨げる(むしろ、中途挫折させる脅威となる)だろう。
そのような熱望は、過去そして二〇一三年を通じて行われた諸々の大衆的デモに明らかだったが、それらのデモは、マリキによって暴力的にかつ流血の中で弾圧された。その上イラクにおけるISISの影響力の成長は特に、シリアの政権に反対する挑戦を掘り崩しながら、そこでの対立に直接のかつ危険なはね返りをもたらすだろう。
米国はいつも通り、イラク占領期彼らが負った敗北を相殺する努力の中で、多くのレベルでこのできごとを利用するだろう。三年前両国間で署名された安全保障協定は、米国がイラクに永続的な軍事基地を置くことを認めなかった。しかし今日米国は、この情勢に多くの戦線で軍事的に介入するために、怪物のような米大使館防護のための部隊派遣や数百人の軍事顧問派遣、それに加えイラク空域で今も維持されている飛行を指揮する戦闘機派遣、またペルシャ湾への戦闘艦配置を通して、この好機を利用しようとしている。
さらに、首相辞任を求め、決定作成の地位に宗教諸勢力を含めることに賛意を示すことを引き換えにするとしても、米国がマリキ率いる政権を崩壊から救い出すために空爆を行う、ということもありそうなことだ。結局のところこれらの歩みは単に、米国の利益保護を目標とするものであるが、しかしそれは、あらゆる種類のタイプからなるイラク人の利益と常に対立してきたし、今もそうであり続けている。
まったく疑いのないことだがこれらのことは、そのロードマップが米占領によってしつらえられた「政治過程」の深刻な結果だ。バース党独裁崩壊後、イラク国家は、宗派的、民族的権力分有にしたがって再建された。それは何十年間の中で起きた変化――古い力関係、そして占領によって解散させられた旧軍の能力の急激な低下――を背景としていた。この国を占領した米国の統治、そして占領から最大の利益を得た隣国のイランは双方とも、イラクにおける社会的、政治的、経済的均衡の深い変化に力を貸すことになった。
この変化のもっともはなはだしい実例が、ISISが先頭を切る軍事的戦闘の底に横たわっている。そしてISISは、いくつかの民族主義勢力と一族の危うい連携において事実上の指導者になろうと狙っている。そしてこの連携内部には、バース党の生き残りや解体された旧軍の兵士や将校が含まれている。しかしこの合流は本質的に一時的なものであり、権力の独占や略奪品の支配を求める情け容赦のないISISの実践のおかげで、分解する危険をはらんでいる。この「連合」それ自身の内部で、流血の衝突の可能性をはらむいくつかの分野に、深刻な兆候が現れ始めつつある。
これらの勢力の重要な一部分はマリキの抑圧、卑屈で深く腐敗した当局に反対する本物の蜂起に参加している、またそれらは、イランの狙いに結びついたマリキと宗教勢力に反対する真に民族的な闘争を求めて声をあげながら、宗教的あるいは宗派的動員をおしまいにしようと今試みている、などと偽りの主張をする者たちがいる。
しかしながらこう主張する者たちは、先のような勢力すらも、その振る舞いや政治的立場の中にあるはなはだしい欠点に苦しんでいるという、明らかにされなければならない危険の存在を見ることができていない。それらの欠点は、ISISが率いる連合へのこうした分派の関与の中に、またISISが犯した憎むべき犯罪とうさんくさい計画に対する非難や批判を沈黙させることに向けた彼らの変わることない圧力、さらに、体制とマリキの部隊と戦闘する諸勢力の「統一」を破ることを避けるという理由での、ISISの犯罪と対決する反対派の紛れもない欠落の中に表れている。

イラク民衆が
求める社会


イラク人は日々、以前の米国の戦争と占領に対し、流血と悲劇でその代価を払っている。彼らはまた宗派的分割や抑制のない過激なイスラム運動の重荷をも背負っている。そしてこれらの運動は、この地域の宗派的、宗教的体制の反動的統治、および帝国主義の干渉とメダルの裏表の関係にある。イラク人は、反動的で伝統的な諸勢力、彼らの像の中で国家を作り上げてきたその勢力の人質となっている。この破局的できごとの中でイラクは、様々なミニ国家、宗派的、宗教的首長国に分解してしまうかもしれない。この国の運命は、あり得るあらゆるシナリオ、ぎょっとするようなシナリオに扉を開いているのだ。
急進的で民衆的な左翼の運動がイラクに生み出されなければならない。それは、周辺化や排除、また多数からの社会的・経済的諸権利の剥奪に直面するこの地域に生きる、多数の民衆によって感じ取られている現実の憤りから利益を受け取る可能性を得るだろう。これは、彼らの宗派や信仰には関わりなく、イラク人の圧倒的多数のこの国の隅々に充満する不満に加えられるものだ。
この運動は、この憤り、不満を組織し、そして米占領によってつくり出された宗派主義的で資本主義の腐敗した体制に反対して真に革命的な方向で蜂起する心の準備を方向付けるために、力を尽くさなければならない。それは、ISISやそれと同類のグループ、反動的で帝国主義的な諸国、マリキ政権、またこの政権がすがる常軌を逸した宗派諸勢力、こうしたものが準備した蒙昧なテロリスト的諸計画を打ち破る責任を引き受けなければならない。
シリアにおける情勢のような、あらゆる手段によって革命的決起をつぶそうと試みる攻撃は、回避されなければならない。これは、宗派的/宗教的、民族主義的/排外主義的、あるいは優位性と支配を追求する、そうした勢力と諸々の運動との間の結びつきを切断することに基礎を置かなければならない。
イラクの上に薄気味悪く迫っている宗派主義的で宗教的な大きな不幸は回避されなければならない、そしてイラク民衆の統一は、民主的、世俗的、また革命的な基礎の上に獲得されなければならない、こうしたことを基礎に、以下の諸点が強調されなければならない。

私たちは全世界
に呼びかける


すなわち
1.米国、イラン、サウジアラビア、カタール、トルコその他によるイラクのものごとに関するあらゆるタイプの干渉は、それらが完全にイラク民衆の利益と矛盾しているだけではなく、恐るべき宗教戦争の火に油を注ぐものでもあるがゆえに、拒否されなければならない。われわれは特に国連総会に、先のすべての諸国には現情勢への彼らの干渉のゆえに責任があると判定し、和平のための統一メカニズムにしたがって、彼らを制裁にしたがわせるよう訴える。
2.イラクでの政治的対立すべては、イラク人自身の利益、意志、世論に訴えることで解決されるべきだ。これは、進歩した非宗派的な民主的システムを通すものであるべきであり、それが、新たな国家構造の建設の中であれ、あるいは全都市と行政区における地方政府を通してであれ、あらゆる市民の活発な政治参加を確かなものとする。
3.イラク民衆と解放諸勢力がISISの血塗られたテロリズム、並びにそれに対する対抗テロリズムと対決する前線にいなければならない。これは、反啓蒙主義のテロリスト諸組織や対極にいるあらゆる宗教的民兵の攻撃に対抗するために、武装民衆委員会やその評議会の形を取った、諸都市、スラム、村々における民衆の自己組織を必要とする。これらの集団は無力化され、打ち破られ、その存在はイラクから除かれなければならない。
これには同時に国際的任務もまた含まれる。つまり一方では、敵対的な部隊および民兵、他方ではその打倒を目標に、現存の独裁的宗派的資本主義体制、これらと対決するために努力しているイラク人を支援するもっとも幅広い世界的キャンペーンに向けた動員だ。これは、公正、自由、そして人間的尊厳を基礎とした未来を求めるイラク人の熱望を高めるだろう。そして国の分解とその分割を妨げるだろう。
4.上記のつながりの中で、アラブ地域の革命的左翼、また民主的、フェミニズムの、そして進歩的な諸グループは、一方ではアラブ諸政権の宗派的、宗教的な組織と諸政策、他方では反啓蒙的、反動的右翼諸グループ、これらと対決するために共に努力しなければならない。この目的は宗派的/宗教的脅威を打ち破ることにある。この脅威は、この地域の民衆を統一する可能性を宿した革命的場を攻撃するために、反革命によって利用されてきた主要な武器なのだ。
5.最後に、現在の人道的な危機の広がりを管理し減じるために、あらゆる種類の国際諸組織を通して、難民と追い立てられた人びとに対する必要とされる援助を届けるという、差し迫った必要がある。

 イラクに対する地域的、国際的共謀は打ち破られなければならない。
イラクへの帝国主義の介入すべてを打倒せよ。
ISISとその仲間たちによる反啓蒙的襲撃を打ち破れ。
彼らの国内と国外の敵に反対するイラク民衆に勝利を。
民主的、世俗的、革命的、主権のある、独立イラクを。民衆の国際主義的連帯万歳。

革命的社会主義者(エジプト)
イラク共産主義者連合(イラク)
アル・ムナディール・ア(モロッコ)
革命的左翼潮流(シリア)
労働者左翼同盟(チュニジア)
社会主義フォーラム(レバノン)
(「IV」14年7月号)


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