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    かけはし2014.年6月23日号

平和に向けた民衆的圧力を


ウクライナ クリヴィー市炭坑労働者からのアピール

新興財閥欧州事務所に対し



  ウクライナでは新大統領ポロシェンコの選出後も、期待された情勢の緊張緩和は不十分なまま、東部での衝突が激化している。この現状に自立的に抵抗している運動として、以下に炭坑労働者が欧州の労働者に向けて発したアピールを紹介する。(「かけはし」編集部)

人びとの生活が
破壊されている


 世界の市民社会の注意は現在、ウクライナの親政権勢力と反政権勢力の衝突に集中している。この衝突は、なお一層激しさを増し血を見るようになろうとしている。さらにその上それは民族対立へと変わろうとしつつあり、その対立が、様々な民族性をもつ労働者間の病的な相互的憎悪に向けて油を注ぎつつある。
 この時に人びとの注意が及ばないまま残されているものは、鋭さを増しつつある社会的かつ経済的状況だ。それは戦闘が今起きている地域だけのことではない。フリヴニャ(ウクライナ通貨)の価値急落、基本的サービス費用や交通費や消費財価格の急騰、さらに多くの企業における生産縮小、このすべてが、労働者の実質賃金の鋭い下落に結果している。われわれの評価によれば、実質賃金には三〇〜五〇%の下落が起きている。
 四月分支払いに対する二〇%増額というドニプロペトロフスク州知事の公表は現実には、労働者に対する礼を失した施しに変わった。鉱山労働者たちは実際には一五%しか受け取らず、それは多くの場合、彼らの実際の収入の半分以下にしかならない。加えて、給与は「現物助成」として支払われた。そしてそれが意味することは、この支払いが彼らの月次平均賃金計算には含まれない、したがって年次休暇計算にも含まれない、ということだ。
 結果としてわれわれには、この国での社会的平和保持のために、実質賃金の即時二倍化を要求する以外の選択肢はない。この国の不安定化した情勢に対する主な原因はウクライナとロシアの新興財閥の貪欲さだ。われわれはこう深く確信している。そして彼らは、労働者には物乞い的賃金しか払わず、彼らの利益すべてを海外に送り、ウクライナでの納税も行っていない。新興財閥は事実上、彼らの利益に対する税をほとんど完全に除外されている。

労働者の行動
が暴力を抑制


われわれは、新興財閥に対するわれわれの闘争支援への訴えをもってあなた方を頼りにしたい。この新興財閥は、ウクライナを現在の危機へと引き込んだ。そして、ウクライナでの兄弟殺し的戦争を、いかなる疑いもなく全欧州に対し破局的結末となるはずのその戦争を引き起こすと脅しながら、ウクライナをさらに不安定化し続けている。ウクライナとロシアの新興財閥がもつ企業に圧力をかけることが必要だ。その多くはそれらの株式をロンドン証券取引所に上場しているのだ。
その本社がロンドンにあるEVRAZ株式会社では労働争議が激しさを増しつつある。今日(五月一一日)、鉱山労働者はクリヴィー市の街頭を行進しEVRAZスクハ・バルカ株式会社本部に向かった。そして、四月のイカサマ的賃上げに対する抗議の印として、その事務所にばら銭を雨あられと浴びせた。ウクライナ鉱山独立労組は、EVRAZ株式会社の事務所、およびロンドン並びに欧州の他の都市にあるロシアとウクライナのその他の新興財閥がもつ事務所にピケを張るよう、英国公衆に訴える。意見を変えるようわれわれが彼らに強制しないならば、ウクライナでの平和保持の機会は逃げ去るだろう。
同時にわれわれは、鉱山労働者の自衛と労働者部隊の武装を当局が正式に認めるよう要求している。組織された労働者と労働者の自衛は、ウクライナにおける暴力のエスカレーションを有効に防止できる、まさにそうした安定化要素なのだ。組織された労働者が情勢を支配しつつあるそれらの地域では、大衆行動が大量殺人に変じるようなことは決して起きていない。労働者はクリヴィー市のマイダンを防衛した。労働者は、近頃のゼネスト期間中クラスノドン市の状況を彼らの統制下に置いた際、どのような暴力も許さなかった。
われわれは英国の労働者に連帯を訴える。特にわれわれは、情報と人道的支援に関しどんなものでもありがたく思うだろう。しかしわれわれがまさに今感じている最大の必要物は、自衛部隊隊員個人向け防弾服(防弾チョッキや類似品)、および移動通信装備品だ。

万国の労働者の連帯万歳!
われわれは、ウクライナの平和保持によって欧州の平和を保持するだろう!

オレクサンドレ・ボンダル(ウクライナ鉱山独立労組EVRAZスクハ・バルバ株式会社支部代表)
ユリ・サモイロフ(クリヴィー市ウクライナ鉱山独立労組代表、クリヴィー市ウクライナ自由労組評議会共同代表)
(「インターナショナルビューポイント」二〇一四年五月号)

声明

国家債務の過半を帳消しにすることが、緊急に必要だ

ギリシャ債務監査キャンペーン


 ギリシャ債務監査キャンペーンのこの声明は、五月七日にアテネで行われた同キャンペーンの大衆集会で確認された。
 債務危機は、労働者の権利を解体し、ギリシャを債権国の植民地にする役割りを果たしてきた。
 失業率は二七%にまで上昇し、賃金と年金は平均で四〇%減少し、自殺者数は六〇〇〇人へと爆発的に上昇した。さらに若者たちの移民は、危機のツケを九九%の人びとにまわす社会的衝突の厳しさを再確認するものである。
 その責任は、ギリシャ政府と債権者(民間金融部門と公的債権者すなわちIMF、欧州委員会、欧州中央銀行)の双方が分かち合うものである。かれらは金融危機を利用して、彼らの利益を確保しようとした。それは二〇一三年にはGDP(国内総生産)の一七五%にまで債務を増大させ、国庫収入の赤字をGDPの一二%にまで引き上げた。
 五月五日のユーロ圏の討論の導入部分については、重大な憂慮を抱くべきである。なぜなら以前の措置(PSI[民間部門関与]、二〇一二年の債務買い戻しなど)は繰り返し危機を深化させたからである。かれらの利害は、社会の利害とは全く正反対のものであり続けているからだ。
 唯一の解決策は、独立した債務監査委員会の建設である。この委員会は全体の三分の二に達するトロイカ(IMF、欧州委員会、欧州中央銀行)自身のローンから始めて国家債務の大部分の帳消しの必要性を証明するだろう。こうした帳消し措置は、債務を負った主権国家の側の条件でなされるべきであり、債権国の条件でなされるべきではない。これにはエクアドル、ロシア、アイスランドなど帳消しを完了させた諸国の積極的な先例がある。
 国家債務の大部分の帳消しは、勤労民衆の置かれている条件を改善し、社会支出(医療、教育、文化など)を支え、賃金・年金支給額の引き上げを結果として導くことを可能にする条件をつくり出すことができる、誰もが待ち望む条件である。債務帳消しは、不正な債務、「必要な状態」に関する概念と法的原則を通じて、さらに人道的危機の広がりを検証することによって実体化される。必要なことは政治的意思なのだ。
 ギリシャ債務監査委員会は、近い将来において、債権者側がギリシャ債務の組み換え(すなわち返済期日の繰り延べなど)を行い、返済の重荷を将来の世代に負わせようとする目論見を阻止する中で、その活動を強め、債務帳消しを民衆的関心の集まる課題とするために全力をあげる。

フランス

EU議会選へのNPA声明

全面的オルタナティブ必要
新しい形の決起を始めよう


 以下のNPA声明は二〇一四年五月二五日夕刻に出された。その時点で全体結果は予測済であり、それは国民戦線(FN)に全国レベルで二五%を与え、首都圏七つの選挙区のうち最低五つの選挙区で一位を示していた。同じ出口調査は、伝統的右翼政党のUMP(民衆運動党)に約二〇%、中道右翼に一〇%、そして政権党の社会党(SP)には一四%を与えていた。(「IV」編集部)
 このEU議会選挙はフランスで、国民戦線の新しい選挙の勝利で刻まれることとなった。これは、勤労民衆大多数の社会的絶望、そして代わる代わる権力を握った諸政権が実行した同じ政策が生み出した政治的危機を表している。FNは一つの解決策も提出できないだけではなく、その政治的重みは逆に、諸々の危機をさらに悪化させるだろう。
 地方選の後のこれらの諸結果は、過去二年にわたる親経営者的政策に対価を払わせる形で、SPの敗北を確証している。大量の棄権あるいは右翼や最大の票を獲得した極右に対する投票を通して、有権者はこの政策を強く非難した。
 欧州のほとんどの諸国では、欧州委員会、欧州中央銀行(ECB)、IMFの労働者や民衆に敵対する指令を実行した諸政権に対する、似たような懲罰が起きた。これらの機関は、欧州大多数の民衆の関心事とは無縁の、反民主的な資本家の欧州をも認可しているのだ。
 左翼が最低水準にあるこの状況を前に、次のことが急を要する課題となっている。まさに、賃金労働者、そして社会的、政治的左翼の諸組織は、親経営者政策と闘うために、そしてこの社会に全面的なオルタナティブを提示するために、諸々の決起に新しい形で取りかからなければならない。(「インターナショナルビューポイント」二〇一四年五月号)

タイのクーデターに反対する社会運動団体の国際共同声明(6月4日付)

クーデターを止めて、すべての人々の参加によって民主主義を回復・強化しよう


 タイで長期にわたって続いた鋭い政治対立に対し軍部がクーデターで権力を掌握した。この事態に対し各国の社会運動団体が、ただちに民主主義を回復し、民衆主権を尊重する政治解決に努力することを訴える共同声明を発表した。以下に紹介する。(「かけはし」編集部)

 タイにおける政治的混乱の後、五月二〇日に軍が戒厳令を布告し、両派のリーダーを召喚して「対話の試み」を行った後、同二二日にクーデターによって政権を掌握した。
 プラユット陸軍司令官は、二〇〇七年の憲法を廃止し、暫定政権と上院を解散した。その後の数日間に、軍は学者、活動家、ジャーナリスト、政治家を召喚し、拘束し、さらには令状なしの逮捕や、被拘束者に関する情報の秘匿さえ行い、軍に反対する人々や民主主義と法制度の改革を求める運動の活動家たちをターゲットとしている。
 クーデターのリーダーたちは夜間外出禁止令を出し、メディアを検閲し、国家の安全を脅かすとみなすすべての事件について軍事裁判所に司法権を与えた。こうした行為は正当化されるものではなく、人権と民主主義の根本原理に反するものである。
 私たちは軍事クーデターを非難し、政治的対立を解決する唯一の方法はすべての階級や信仰の人々の真の参加を通じてのみ可能であると確信している。持続的な社会的平和は、社会の中の周辺化された人々の意志が尊重され、すべての人々のための真の民主主義と平等の権利を強化するプロセスの中で、決定的な役割を持つ場合にのみ実現される。
 軍による政権掌握は重大な政治的後退であり、民主主義の機構を弱体化させ、社会的緊張を緩和するどころか、一層拡大する。この状況はさらに多くの政治的暴力に導くだけである。私たちは、軍の支配の下での平和はありえないと確信している。

 したがって、私たちは軍に対して次のことを要求する。
1.ただちに民主主義を回復し、主権をタイの人々に返すこと。
2.政治的所属や思想に関わりなく、すべての被拘留者を無条件で釈放すること。
3.人権と人間の尊厳を尊重し、国際法の下の義務に従って、すべての人々に基本的な市民的・政治的権利を保証し、軍事裁判を中止すること。
4.市民が、さらなる軍の介入なしに、民主主義的プロセスを通じて国の方向を決定する権利を尊重すること。

 私たちはまた、すべての政治グループおよび運動に、平和的で協調的な紛争解決と妥協を支持し、包含的な参加型民主主義の原則と実践を基礎として立憲政治と統治を回復することを支持することを呼びかける。

(原文)
http://www.tni.org/declaration/stop-thai-coup-restore-and-strengthen-democracy-participation-all
賛同団体(6月4日現在)

Alliance of Progressive Labor, Philippines
Alternatives - Canada
ATTAC France
ATTAC Japan
Commission for Filipino Migrant Workers
Fairwatch – Italy
Focus on the Global South
Jubilee South - Asia Pacific Movement on Debt and Development (JS-APMDD)
KRuHA-Indonesia
NOUMINREN, Japan
RESPECT NETWORK in Europe
SENTRO, Phillipines
Social Movements for an Alternative Asia (SMAA)
Tampadipa Institute, Yangon
Transnational Institute (TNI)
Transnational Migrant Platform
World March of Women – Philippines


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