4.26関西共同行動連続学習会第3回
安倍「教育再生」を撃つ
格差・貧困との闘いと結びつけて
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【大阪】関西共同行動主催の連続学習講演会の第三回目が四月二六日、PLP会館で開かれた。共同代表の中北龍太郎さんは、「自民党改憲草案の中に、教育は国の未来を切り拓くと再定義されている。まさに教育は国のためのものと位置づけられている。自民党の改憲と教育政策は一体のものだ。その本質を捉え、運動の方向も共に考えていきたい」と、主催者あいさつをした。
大内裕和さん(中京大学教授)が、「安倍政権の『教育再生』は何をめざすか」と題して講演をした。(講演要旨別掲)
対応に振り回さ
れる学校現場
講演に続いて、酒井さとえさん(大阪教育合同労組委員長)が大阪の教育情勢を報告し、「橋下が出てきてから大幅に賃金が削られ、ストライキをした。府立学校の多様化で、エリート校や特色校に大きな予算がつようになった。現場には公募校長のことや次々といろいろなことが出てくるので、対応が追いつかない。一三年度は授業アンケート(回答者は生徒と保護者)が小中高で実施され、賃金に反映させることになっている。交渉を申し入れたが、うまくいっていない。中原現府教育長は校長の時口元チェックで話題となった人物だが、(抗議の全国署名運動の効果もあって)今年三月の交渉では、卒入学式の不起立・不斉唱では氏名報告を求めないと発言し、実質上方針を変えた。働くのが『あほらしい』と思うことがあるが、おかしいと思うことはおかしいと言わないとやっておれない」と語った。
質疑応答―若者
とつながる道は
@高齢者問題はどう考えるか。(答:今、高齢者は単純に自分の老後のことだけを考えることができない。子どもが自立できていない問題が大きな悩みになっている。また、自立できない若者の老後は、今の高齢者以上に深刻だ。三四歳までの若者の四八%は親の支援を受けている。生存権すら守ってくれない政府。この話をすると、学生は真剣に聞いてくれる。また、息子・娘が親を介護しなければならないという問題も大きい。家では到底支えきれない。ヨーロッパでは、政権の四年間に若年層を何人自立させたかが問題になる。日本は何もやっていない)。
A愛国心にもいろいろある。安倍たちは靖国愛国心で、私たちは平和愛国心だと区別している。歴史修正主義にはパンチの効いた言葉が必要だ。(答:歴史を学んでいない若者が多い。自民党と共産党の区別すらできないものがいる。一方で、毎号に嫌韓・嫌中の記事が載る雑誌が九割を超えている。実際の対立構造がわからなく、引っ張られている若者をどうするのか。間違って捉えられている労働組合のことを、労働組合とは若者の権利を守るものだとはっきり教えてやる必要がある。奨学金は絶対に給付にすべきだ。初めは反発があるが、やがてわかってくれる)。
B朝鮮学校の補助金カット問題で毎週府庁前で集会をしている。ここに、在特会の若者が来る。若者は結局使い捨てにされるが、彼らは政治批判に向かわず公務員や成功した在日を批判する。若者との出合いを詳しく話して欲しい。(答:階級的な分析が必要だ。年収一億円以上の富裕層が日本に二〇〇万人いる。大企業には二五〇兆円もの内部留保がある。この事実を言うべきだ。銀行と証券会社は奨学金で儲けている。この構造をはっきり、わかりやすく話すべきだ)。
C市場原理と天皇制の結びつきについては、自由競争と自己責任・分をわきまえ・争わず・日本人意識に目覚めさすという狙いでとらえている、昨今の文科省による教育勅語体制の再来をどう思うか。(答:市場原理と天皇制についてはおっしゃるとおりだ。重要なのは、歴史の正確な認識とかその在り方を問い直すのではなく、単純でわかりやすいメッセージの方が受け入れられていることをどうするのかだ。居酒屋でバイトをする学生にとって上下関係は絶対だ。でも労働組合はつくれるのだということを言わなければいけない。単純な嫌韓・嫌中ではなく、反知性主義にどう対応するかだと思う)。
変化の糸口を
見つけ出そう
D非正規の労働者だ。私は、ベーシックインカムを主張しているがどう思うか。(答:必要だとは思うが、そんなに簡単ではない。果たしてそれだけでいいのか。明らかな社会保障の切り捨てがあり、不公平税制があり、さまざまな不平等がある。対抗する労働運動が必要だ。)
E昔は、教育に政治介入は間違いだという社会通念があったが、今の教育学界はどうか。(答:もちろんきちんと主張している人もいる。国立大学も独立行政法人になり、目立つ研究には金を出すというように変わった。学校教育法改悪で教授会の権限が大幅に縮小された。)
F在特会に対してはもっとたたくべきではないのか。(答:やっていることに対しては大いにたたいたらいい。でも、そこに惹かれている若者をどうするのか。今の若者は常に周りの反応を気にしながら、ものを言っている。政治のことを言うと煙たがられる。昔の学生の佐世保のエンタープライズ反対闘争の映像を見せると、今の若者はびっくりする。在特会は、彼らに場を提供している。都知事選で、非正規労働者問題に触れたのは、宇都宮さんと田母神だった。だから若者は、どちらに入れるべきか迷った。選択によっては結果が大きく変わっていた可能性がある)。
最後に、五月初旬に大阪天王寺公園で企画されている真田幸村博に伊丹の第三六普通科連隊が参加することになっている件について、抗議のアピールがあった。 (T・T)
大内裕和さんの講演から
極右政権との対決の
核心は資本主義批判
安倍政権は、保守政権ではない。そう呼ぶことは本当の性格を捉えていない。安倍政権は極右政権だ。それにより、自民党の中でも独裁化が進行している。
第一次安倍政権は教育基本法を改悪した(二〇〇六年一二月)。それには二つの意味がある。@個人の尊重から、愛国心、伝統文化、徳目の国家による強制へ。A「教育は不当な支配に服することなく」は残ったが、そのあとの「国民全体に対し直接責任を負って行われるべきものである」から、「この法律及び他の法律に従って行われるべきもの」、と変えたこと。これによって、教育の直接責任制を廃止し、教育内容の法定化を可能にした。
二〇〇七年は最も危険な国会だった。免許法改正などの教育関連三法案、国民投票法案が成立した。その後、政権交代があったが、大阪維新の会の台頭に助けられ、安倍は非常に短期間で政権に復帰した。維新の会は、日の丸・君が代条例、教育行政基本条例、学校条例、職員基本条例を成立させ、大阪府市ダブル選に勝利した。この維新の会の台頭がなければ安倍の復帰はもっと遅くなっただろう。
教育委員会
制度の改悪
第二次安倍政権は、教育再生実行会議をつくり、曾野綾子・八木秀次・加戸守行など極右メンバーが入った。「教育委員会の在り方について」(一三年四月一五日)で、教育内容への政治・行政支配の強化が打ち出され、旧教育基本法第一〇条改悪の初めての具体化、つまり首長と教育長の権限強化(首長対教育委員会ではなく)が目論まれた。
また、自民党の教育再生実行本部は、教科書検定の在り方特別部会で、教科書法の検討を始めている。中間とりまとめ案では、「定説がない歴史上の出来事を確定的に記述しないこと、諸説ある事項は多数説と少数説をバランスよく扱うこと」とのべ、部会で了承された。部会主査の荻生田(総裁特別補佐)は、「何を教えて欲しいかを明確に教科書会社に伝達し、それに則った教科書を作ってもらうようにしたい」とまで、露骨に言っている。
中央教育審議会分科会は、教育方針の決定など、合議制の教育委員会が持っている権限を首長に移す案を含んだ中間まとめ案を了承した(一三年一〇月一〇日)。そしていま、教育委員会法改定法案が提出されている。
まず若者の
現実を知る
若年層を反対運動の陣営に引きつけるためには、彼らが置かれている現状を知らねばならない。二〇年前非正規労働者は雇用者全体の二一%だったが、今は三八%。若年層のほぼ半数は年収三〇〇万円以下だ。大学生の約半数は奨学金受給者だ。大学生の間には、「ブラックバイト」が蔓延している。大学生の八割が、日本学生支援機構の奨学金を受けている。学生は卒業後返済に追われている。そのことと雇用の不安定が若年層の貧困を生んでいる。愛知県では大学生らが「学費と奨学金を考える会」(二〇一二年九月)をスタートさせ、「奨学金問題対策全国会議」が結成された(一三年三月三一日)。
二一世紀の新自由主義独裁は、富の不均衡の拡大、庶民の将来不安、不満の鬱積、労働者の分断支配(公務員・教員とそれ以外の労働者、正規労働者と非正規労働者)が根底にある。「極右」の台頭、立憲主義を否定する憲法改悪、新自由主義グローバリズムによる社会の解体という状況の中で、財界・支配層の関心は、「階級妥協なき後の社会統合をいかにして行うか」である。しかし、新自由主義の彼らにできることは、基本的にはイデオロギーによるしかない。
私たちは、新自由主義政策によって利益を得るグローバル資本と富裕層への批判を強化しなければいけない。反貧困・反原発・反TPP・反基地・反消費税増税・反歴史修正主義・反教育再生実行会議。つまり、新自由主義グローバリズム(現代資本主義)への批判をベースにすること、持続可能な社会づくりの視点が重要だ。
13条・25条で
運動広げよう
九条の会は大きな役割を果たしている。しかし、このままでは勝てない。これを上回る大きさの運動をつくるには、さらにそれに連帯する社会層を引きつけなければならない。
一三条(個人の尊重・公共の福祉)に着目しつつ、二五条で運動を広げよう。 (報告要旨、文責編集部)
4.21
東京・安倍靖国参拝違憲訴訟
これは「戦争準備行為」だ
政教分離原則の破壊認めない
憲法改悪と一体
の意識的計画
四月二一日、安倍靖国違憲訴訟の会・東京は、東京・信濃町教会で同訴訟の「提訴報告集会」を行った。昨年一二月二六日に安倍首相が行った靖国神社参拝は、公用車で靖国に向かい、「内閣総理大臣安倍晋三」と記帳し、正式に昇殿参拝したという点で、まさに「公式参拝」であり、日本国憲法二〇条の「政教分離」規定に明らかに違反する行為だった。この日、二七三人の原告団(うち韓国人二〇人)は安倍首相の「侵略神社」靖国参拝への批判の意思をはっきりと示し、世に問うために東京地裁に提訴した。
この訴訟は、改憲・戦争国家づくりを目標に掲げた安倍政権の政策と、靖国参拝を関連づけ、安倍の靖国参拝を「戦争準備行為」であると明確に断罪している。
「今回の安倍内閣総理大臣の参拝は、国のために死ぬことが名誉なことであるとして死の意味付けを被告安倍の宗教行為を通じて国民に示すことにより、靖国の思想を国民に浸透させ、戦争へと向かうときの精神的基盤とし、集団的自衛権の行使容認・武器輸出禁止原則の廃止・改憲による立憲主義の否定などの現政権の諸政策と連動した、戦争準備行為とみなさざるを得ず、集団的自衛権の行使に向けて戦争体制を支える精神的基盤を形成していくことを企図したものであると見られる。被告安倍による靖國神社の公式参拝は、戦争ができる体制に国のかたちを変えようとする憲法破壊の動きと密接に関連し一体をなすものであり、かつ政教分離原則に反する憲法違反行為であると言わざるを得ない」(訴状より)。
さらに、安倍の靖国参拝が憲法に保障された平和的生存権、宗教的人格権を侵害し、国際人権規約一八条(思想・良心・宗教の自由)違反であることを明確にしている。
若手弁護士軸に
意欲満々の陣容
集会では原告団代表の関千恵さんが、提訴の概要と当日の記者会見について紹介し、メディアの間でも一定の関心がもたれていると語った。「ノー・ハプサ(NO!合祀)」(韓国人遺族の合祀取り消し訴訟)事務局の矢野さんからのアピールの後、大阪で行われている訴訟の報告を菱木政晴さんが行った。菱木さんは四月一一日に関西でも五四六人が原告となって提訴を行ったこと、安倍の参拝は全体として戦争準備行為であり、安倍と靖国が一体となって平和的生存権を侵害している、と提訴の趣旨を紹介した。
続いて弁護団を代表して木村庸五弁護士が「具体的被害がないと裁判にならないのはおかしい。正面から違憲を訴える」と語り、井堀哲弁護士は「安倍個人と国、そして新たに靖国神社自体を被告として訴訟を行う。参拝の差し止めだけではなく参拝の受け入れ差し止めをも求める」と語った。
一三人の弁護団は、今年弁護士登録したばかりの人をふくめて、若い人たちが中心になっている。弁護士たちは「憲法判断をはっきりさせることを裁判所に求めたい」との決意を語った。(K)
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